洋ラン学園(趣味でない洋ラン園芸)
21世紀の洋ランの始め方・花の楽しみ方・育て方・咲かせ方・花盛り・続け方
初めてでも易しく良く咲く、ラン・人・環境に優しく、手間暇がかからない
教科書・レシピ・洋ラン合格生のノート・分校・今月の洋ラン・開花事典
基本、段階的な進め方と作業のレシピ、初めての人が咲かせた実例、毎月の世話と様子、育ち方咲き方が一目で分かる開花事典
洋ランは、暖地産の・樹木の枝に生えて・根はむき出しで・木漏れ日で育ち・雨季に大きくなって花芽を作り・乾季に咲き新芽を出し・乾燥に強く・水を好み生長旺盛な、新芽は一度しか咲かない宿根草です。
このことを踏まえて世話をすると、安全に育ち、確実に咲くようになります
温室・農薬・素焼き鉢・遮光ネット・液体肥料は使いません、水やり・植え替え・室内・コスト・廃棄物最小限
趣味家向けの、日本の暑さに負けやすいクール・オーキッドは扱いません。
!! 洋ラン学園 第5回 講習会 2012年6月24日 日本パフィオペディルム研究会のパフィオサロン 根岸園芸のサロン ド ネギシ オーキッドフェアにて !!
 はじめに
これまでの方法でうまく行かない人のための易しくて安全な育て方(植え方)
はじめに
これまでの方法でうまく行かない人のための易しくて安全な育て方(植え方)
洋ランの花はきれいで咲かせてみたいという人は多いです。
しかし、「
直ぐに枯れてしまう、花が咲かない」という結果に終わることが多いです。
またこれらを乗り越えて咲かせられる人は、温室を用意するか、1年中絶え間なく世話をしている人が多いです。
「洋ラン学園」はそんなこれまでの「趣味の園芸」に代る、消費者のための、
安全(根腐れしにくい、枯れにくい、農薬をほとんど使わない)で、
簡単(易しい方法、少ない世話、種類に依らず同じ方法、設備や特別な道具が要らない)で、
確実に咲く(初めての人でも花が見られる、多くの種類が咲くようになる、一度咲いたら毎年のように咲く)
方法
を提案します。
まずはじめに、特長である、安全な育て方(植え方)を紹介します。
安全な育て方(植え方)
洋ランを枯らさずに育てて咲かせるポイントを、色々な種類や経験や場所に共通するように重要なものをまとめると、次の四つです。
丈夫な種類の大きい苗
根腐れしにくい植え方
冬の暖かくて日当たりのよい場所
週に2回程度乾く水やり
この条件を満たすことができれば、だれでも、色々な種類を安全に楽しむことができます。
これまでの方法でうまく行かないことが多いのは、これらのどれかを見過ごしているためでしょう。
また、種類別には詳しくても、育てる側にとってもっと大事な置き場所などの違いを余り考えていません。
洋ラン学園では、その方法を探していますが、ここでは、お勧めできる方法から順番に紹介します。
根腐れしにくい植え方が最大のポイントです。
1はだれでも置き場所の条件さえよければできる方法、3はどの種類もほぼ同じやり方で育てられる万能な方法です。
1 初めての人が室内で育てられる方法
二重ペットボトルで根腐れしにくい植え方にし、冬の夜でも15-20℃以上ある暖房完備の部屋で育てれば、初めての人でも大抵うまく行きます。
温度さえあれば、他の植え方でも大丈夫です。
この方法などでは、すでに初めての人が、
ミニカトレア、ミニコチョウランを続々咲かせています。
デンドロビウム、エピデンドラムなども育ち、
ジゴペタラムが咲きます。右に示した
ヒヤシンスの水栽培より楽しい。
温度が低いほど難しくなります。
 
  
  2 屋外(冬は屋内が基本)で育てられる方法(1)スリット鉢に鹿沼土植え
2 屋外(冬は屋内が基本)で育てられる方法(1)スリット鉢に鹿沼土植え
シンビジウムとデンドロビウムは洋ランの中で最も多くの人が楽しめる種類です。根が丈夫で寒さに強い種類は他にもあります。
これらは、根が丈夫なので、
スリット鉢に鹿沼土植えでほぼ大丈夫です。
冬越しは種類により異なり、
シンビジウムは霜が降りなければ周年屋外で、
デンドロビウムやキンギアナム、報歳蘭などは玄関の中などで、できます。
経験と置き場所に応じて、
デンファレ、オンシジウム、パフィオペディルムなどに広げられます。(大部分の種類が育ちます)
 
 
スリット鉢に鹿沼土中粒で植えた大明石斛、左はスリットから鹿沼土の半乾きと新根の白い先端が見える、右の右が全体図
3 屋外(と冬は暖かな室内)で育てられる方法(2)透明ポリポットにバーク植え・芯入り・底板敷・横穴開け
この方法はほぼ全ての種類に使える安全で万能な方法です。透明ポリポットとバークは一般の園芸店にない場合があるので、色々な種類を何鉢も育てる人向きです。

「根を薄着で鉢内の湿りと根が見える」軟質透明ポリポット、中芯・底板入り、横穴開け植えの模式図

カトレヤ、中央は透明ポットにバーク、左は透明ポットに鹿沼土、右はスリット鉢にバーク植え
いずれも中には発泡スチロールの芯が入って根が薄着、底の横には穴があって上から下まで一様に早く乾く
「大きな苗を大きな鉢に植えて水を切らさず育てる」(根腐れしにくい植え方の「洋ラン学園」だからできるのです)と、色々な種類が新芽が大きく育って良く咲きます。
これまでの方法は植込み材料が大きな塊で中心や下の方が乾きにくく根腐れしやすく、また鉢の中が見えないので表面しか乾いていないのに水やりすることになっていました。
洋ラン学園の「根を薄着で鉢の中が見える」方法にすると、「根腐れ」の心配はこれまでの方法に比べて激減します
スリット鉢でも隙間から底近くの乾きを確かめられます。
そして世話が楽しくなり、咲かせることに集中できるようになり、良く咲くようになるのです。
4 一般向きでない種類は洋ラン学園では挑戦しません、クール・オーキッドとバンダ
反対に、趣味の園芸を楽しもうという人にはできても、一般には難しいのが、高山植物の「
ミルトニア、リカステ、オドントグロッサム、マスデバリア、ソフロニティス」や根をむき出しにしないと腐る「
バンダ」です。前者はクール・オーキッドと呼ばれ園芸店にも売られていますが、洋ラン学園ではとりあげません。
バンダは、一般の人にも育てられる方法をめざして「バンダ・ロール(巻き寿司植え)」を研究中なので、「洋ラン学園−大学院」のページでとりあげています。
構成
はじめに−枯れにくくて良く咲く
安全な植え方
まえがき−洋ラン学園の特徴とあらまし、育て方と咲かせ方、教科書・ノート・カレンダー(今月の洋ラン)・開花事典・図鑑
導入部−
このHPで育てて咲かせる種類、始める前に
第一部−段階別・環境別、種類に依らない育て方と咲かせ方
(1)
洋ラン学園の教科書、始め方(小学校)、育て方(中学校)、咲かせ方その一(高校)、その二(大学)、続け方と研究(大学院)
(2)
洋ラン合格生ノートと分校(初めての人が育てて咲かせた例、置き場所別)
第二部−グループ別・時期別・種類別の世話と育ち方・咲き方
(1)
洋ランカレンダー−年間の世話の基本、
今月のラン(グループ・種類別):入手時期、主な世話、芽季、伸長、花芽時、花期、一目でわかる一覧表
(2)
洋ラン開花事典−(タイプ・種類別) 
年期別:一年型・二年型・半年型・多年型・無年型、
芽期・花芽時別、開始時の株の大きさ、花芽時の新芽の大きさ、一目でわかる生長開花のグラフ
第三部−参考資料
洋ラン図鑑
洋ラン病院
洋ラン気象庁
写真集、
芽、
根、花茎とシース、葉
資材
付録
洋ランギャラリー
ご協力いただいているラン園・クラブ・趣味家・学校など
洋ラン学園2012年の経過
「洋ラン学園」2011年までの経過、歴史に
このHPの略歴
2007.5研究・共同研究開始、8HP開始、9園芸学会発表開始、2008.6ラン園・クラブでの講習開始、2010.6HP再開・改訂[21世紀の洋ラン育て]、11洋ラン学園と合格生ノート命名
キーワード
根を薄着に・芯入り・根を片むき出し、透明軟質ポリポット・ペットボトル、土増し、大株と分岐株、雨は害虫の最大の天敵・定期水やりほぼ不要、始め方・育て方・咲かせ方・花盛り・続け方、夏は涼しく保湿・冬は高温冬知らず、高中低温種区分を無視・室内期間は最小限、花期より年期・芽季・花芽時、バンダ・ロール、
環境に優しい、農薬・素焼き鉢・遮光ネット・液肥不要、鹿沼土植え、ミズゴケ・廃棄物最小限、
五大属(基本種)・新五属(普及種)・続五属(花物)・和東洋蘭
まえがき2012−「洋ラン学園」(このHP)の特徴とあらまし
「洋ラン学園」はこれまでの「趣味の園芸」に代る、消費者のための、
安全で、
簡単で、
確実に咲く方法を提案します。そればかりでなく
環境に優しい(ゴミが少ない、温室や色々な機材や灯油を使わない、湿原植物のミズゴケをなるべく使わない、農薬や液体肥料を使わない)
持続可能(開花株の維持と更新・手間を最小限)
な方法です。
育て方の特長
は大まかには以上の通りなので、次に咲かせ方の特長を紹介します。
洋ラン学園の咲かせ方の特長
ランは原則として、1年に1回しか咲かず、酷暑の夏と厳寒の冬を乗り越えて、しかも、新しく出た芽を花芽時までに親の大きさまで育てないと咲かないのです。
従って初めての人がうまく育てられるようになるまで待っていたのでは、殆ど咲かせられません。
しかし、初めての人でも開花を楽しめる方法があります。それは、「
ランに咲いてもらう」方法です。
(1)開花株を買って楽しむ
をその一とすると
(2)二番花(同じ年)
ランの中には、咲いた後に直ぐ再び咲いたり(
ミニカトレアなど)、蕾の先から新しい蕾が出て咲き続ける種類(
ミニコチョウラン、エピデンドラムなど)があります。
これを利用すれば初めての人でももう一度花を楽しむことができます。これを
二番花と呼ぶことにします。
(3)お土産花(翌年)
さらに、親株が大きくて元気なほど、慣れない世話や、夏や冬に負けないで、1年後に新芽が花の咲くに足るだけ大きくなる可能性が増します(
シンビジウム、オンシジウムなど)。
これは、親株の力を利用するので
お土産花と呼ぶことにします。
これらなら、育て方に上達する前に花を見ることができます。
こうして「
成功体験」を積みながら、
本やネットには殆ど書いてない「ランはどのように育って咲くか」
を知ることができるので、育て方や咲かせ方が分かってきます。
各属の新芽・新根・花芽・蕾・開花の様子は「
カレンダー/今月の洋ラン」に、2007年に始めてから
毎年の、全てのグループの、花が咲くかどうかの境目となる必須情報
親株の大きさ、
新芽の出た時期(芽季)、
バルブの形成や花芽の出た時期(花芽時)
花が咲いたとき(花期)や、
入手時期(何時頃店頭に出回るか)
の一覧表と個々の詳しい様子や写真を載せています。
カレンダー抜粋
世話と咲くまでが一目で分かる
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 | 凍害 | 根腐れ 芽腐れ
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 | 日焼・新芽腐れ | 
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 | 開花条件 成株大きさ
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 | 2010 | 2011 | 12冬 | 2012春 | 夏6月 | 夏7,8月 | 秋9月 | 
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| 共通 | 
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 | 12月室内取込み・最低温度15℃・ (冷害予防)
 | 2・3月最低温度20℃ (芽出し促進)
 | 4月屋外取出し・雨除け・保温 5月雨ざらし・置肥・
 | 6月安全植えへの植替え鉢増し・置肥・土増(生長促進) | 7月梅雨明け木陰・日陰・保湿 表面土増し(根保護)
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 | (2012.7追記) 定期植替え・ミズゴケ・農薬・液肥不使用・
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| 置き場所遮光 | 
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 | 4月木陰物陰、 5月木漏れ日
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 | 梅雨明け木陰物陰 | 9月木漏れ日 | 
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| 水やり | 
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 | 11月定期水やり停止 12月水やり週一
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 | 4月定期水やり停止 | 6月雨上りに水やり | 梅雨明け定期水やり追加週2 | 
 | 11月定期水やり停止 | 
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 | 室内週一・ 4-6,11月定期水やり不要
 夏雨上りと4日雨なしで
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| 3 | カトレヤ | 
 | 花 | 
 | 3前 | 6前・後夏新芽 6月開花株入手
 | 8前夏咲蕾秋冬咲シース、8後秋冬咲シース | 
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 | 1年・半年 | 大株5本立ち(半年型)・分岐株 | 
| 3 | ミニカトレア | 
 | 花 | 花 1,23,月開花株入手
 | △3前 | 6前・6後夏新芽土増し | 8前夏咲蕾、8後夏咲開花 | 
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 | 半年 | 大株(半年型)・分岐株 じり貧
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| 4 | ミニコチョウラン | 
 | 11月室内取込み花 | 
 | 花 4月屋外取出し日除け雨除け
 | 花 | 7前蕾・花 | 
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 | 高温 | 
| 4 | コチョウラン室内 | 
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 | 6後開花株入手 | 7前花、、8前新葉植替え | 
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代表種の咲き方は親株の大きさから芽の大きさまでは「
開花辞典」のグラフで、一目でわかり、大抵の属を咲かせられます。
芽が出てから咲くまでが一目で分かる
色々な種類の
開花株の大きさ、
新芽の出る時期、
生長からバルブができるまで、
花芽(シースや花茎や蕾)の出る時期とその時の新芽の大きさ、
花芽の生長と開花期まで
が一目で分かります。
タイプ別に代表種を網羅しています。
別ページにあります。
カトレヤは色々な花期などがあるので別ページに
カトレヤの例
 
さらに数年がかりでしか咲かない種類や、咲出してから毎年咲かせる方法などは「
大学院」にあります。
このHP(洋ラン学園)の構成と特徴
洋ランの育て方の本は、「初めての洋ラン」、「洋ラン12か月」か「シンビジウム」など一つのグループだけを対象とするものです。
またHPでは、自分の所ではどんなランが咲いたかが中心で、どうしたら咲くかの参考にはなりにくいです。
洋ラン学園ではそれとは違って、
(1)種類にはかかわりなく、経験や置き場所によって異なる育て方の深まりと上達を段階的に述べます。具体的には、
@「初めて」でも枯らさない方法、
A枯れなくなったら「育て方」
B育つようになったら「咲かせ方」
C咲くようになったら「続け方」
と進むので、自然に上達し、咲くようになります。
(2)大事な、最終目的である咲かせるでは、「
種類に依らずランは大きくすれば咲く」という単純な方法で、咲くことを示します。以下の4点ができれば大抵のランが咲きます。
@丈夫な種類の大きな苗で始めれば、そうでないよりもずっと易しく短期間で咲く
A洋ランの多くは1年に1回決まった花芽時に芽を出すので、その時まで新芽を親の大きさに育てなければならない
Bそれには、根腐れしにくい植え方にして、高温期に水を切らさないことが大切
C特に寒い時期は冬知らずで暖かくし、夏は涼しく保湿することがポイント
親の大きさや、芽の出る時期や、それからの成長の仕方花の咲く時期は種類によって異なりますが、代表的なグループと種類ごとにそれらを家庭でこのHPの方法で育てて咲かせた結果を数年分、上に書いた
「今月のラン」と「洋ラン開花事典」
に表や図でまとめ、詳しい記録も残しているので、一目瞭然です。これまでの本やHPでは肝心なこれらのことが書かれていないので、同じように世話してもなぜ咲かないかが分かりませんでした。
以下では前半に「段階別のやり方」、後半に「種類による咲き方」という構成とします。
導入部
1 このHPで育てて咲かせる種類−園芸店で手に入りやすい種類なら何でも
園芸店では、季節により色々な洋ランの開花株が売られています。一般家庭でどの種類が育てられ咲くのかはよく分かりません。
洋ラン学園では、それらの大部分を店頭で買い求め、種類に依らずほぼ同じ方法で育てて、咲くことを確かめています。
そして、それらを以下のグループに分けてみました。初めにも書いた「高山植物−クールオーキッド」以外は、難しさの程度の差はありますが、大抵家庭で育てられ、咲かせられます。
そのやり方や育ち方・咲き方も紹介しています。
中には他の種類に比べて育てにくい種類があります。また同じ種類でも、
同じ世話をするなら一般に大きい苗ほど丈夫で咲きやすい傾向があります。極端に小さい種類は注意を払わないと枯れやすい傾向があります。
園芸店で手に入る種類(本HPの対象など) 写真はここにあります。 
これらの内、園芸店で入手できる丈夫で咲きやすい種類が、全て同じように世話をするだけで、翌年以降も咲かせられるようになります。赤字・桃字は特に咲きやすい種類です。
シンビジウム、コチョウラン、オンシジウム、フォーミディブル、バンダは花が長持ちします。エピデンドラムは次々に咲きます。ミニカトレア、デンファレ、フォーミディブルは年に2回咲くことがあります。シンビジウム、デンドロビウム、キンギアナムは翌年も咲きやすい方です。
**バンダは、「巻き寿司植え」にすると他と一緒に世話できます
山野草のグループは、園芸店で売られていても暑さに弱く、一部の種類を除き枯れやすいです。「趣味の園芸」向けの商品です。従って基本的には「趣味でない消費者の園芸」のためのこのHPではとりあげません。
これら以外にもたくさんの種類がありますが、園芸店で見かけることはまれであり、上記のどれかの種類と近縁なので、独立してはとりあげません。
下線(リンク)付きの属はリンク先に「初めて」から「蕾を咲かせる」まで段階的な「育て方と咲かせ方」と、主な種類の図鑑、開花日記を作成・掲載中です。一部は「合格生のノートとレシピ」つき
2 始める前に−洋ランの基本
洋ランを育て始めてしまってからでは遅いことを此処に枯らさず咲かせるための基本を系統的に述べます。書きます。
洋ランの本やHPは沢山ありますが、基本から系統的に述べられてはいません。
以下のことさえ確実にできれば、ランは枯れずに育って咲きます。
1 安全な条件と危険な条件
以下の3つは
ランを枯らさないために必須のことの目安を単純化して示しています。
全てはこれができてからです。そうでないと
枯れてしまい花どころではありません。
初めての人も経験者も同じです。ランの基本は
高温です。
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 | 危険の目安 | 安全の目安 | 備考 | 
| 根腐れ | 最高温度20℃未満 鉢内が1週間近く湿っている
 | 最低温度20℃以上 鉢内が3-4日以内に半乾き
 | 冷暖房完備の日当たりのよい室内で周年育てるなら 初めてでも簡単に咲きます
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| 日焼け | 直射日光 | 半日陰・木漏れ日 | ただし育てて咲かせるためにはできるだけ光を多く | 
| 凍害 | 霜降り・0℃未満 | 霜なし・最低0℃以上 | 枯れないための最低条件(熱帯産は10℃)、冬を20℃近くにすると天国です | 
2 二つの基本−大苗と高・低温期 
洋ランが枯れたり咲かなかったりするのは、世話の仕方が悪いためと考えられがちです。
しかし、大半はそうではありません。良い苗を選ぶことが肝心です。
売られている株は一般に小さくて弱く、鉢も小さいため寒暖乾湿の変動が大きいために、枯れやすくて、新芽が大きくなりにくいため咲きにくいか、咲くまでに何年もかかるのです。小さな株を苦労して世話して咲かないのは、本来の姿ではありません。
大株を大鉢で、元気よく育てると、新芽がぐんぐん大きくなり、色々な種類が同じ蘭とは思えないくらいあっけなく咲きます。
洋ラン十二カ月などと言って、毎月の世話が細かく議論されますが、それ以前に、低温期は根腐れを防ぎ、高温期はぐんぐん大きくすると言う切り替えが大事です。
高温期と低温期とでは洋ランは別の植物と思って、低温期は根腐れ防止で湿りを防ぎ暖かく、高温期は水切れ防止と夏負け防止を目標に育てて咲かせましょう。
この内、難しいのは低温期で根腐れさせないことであり、高温期は難しくありません。
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 | 理由 | 
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| 大株を選ぶ | 枯れ難い 咲きやすい
 | 大株は丈夫で良く咲く 小株は弱くてなかなか咲かない
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| 低温期と高温期に分けて世話 | 低温期(11-4月)は根腐れ防止 (12-3月は屋内)
 高温期(5-10月)は開花促進
 | 低温期は根腐れに注意・水やり注意 (冬知らずなら根腐れの心配なし)
 高温期は根腐れ心配ない・水切れ注意
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3 屋外/室内と周年室内のポイント(洋ラン学園の特長)
趣味や生産者の洋ラン栽培は、周年温室で冬は暖房が使われています。これに対してこの「洋ラン学園」では家庭で「趣味でない園芸」で、温室を使わない場合を想定しています。育てるには「周年室内」と「低温期室内/高温期屋外」の二通りがあります。
周年室内は、最低温度を20℃に保てれば根腐れが殆ど起きず、初めての人でも楽に育てられ花が咲きます。温度が低いと危険があります。
屋外/屋内切り替えでは、冬の室内は高温を保てば、また高温期も根腐れしにくいので、4,11月に注意が肝心です。
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 | 置く場所 低温期
 | 最低温度 推奨
 | 高温期 | 洋ラン学園の特長 根腐れ防止法
 | 洋ラン学園の特長 開花促進法
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| 洋ラン学園 | 初めての洋ラン | 室内 | 20℃ | 室内 | 広口ペットボトル植え 最低20℃推奨
 | 大株・大鉢 水やり
 | 最低温度が20℃を保てれば根腐れの心配ない 小型種に限られる
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| 洋ラン学園 | 洋ラン育て方・咲かせ方 | 室内 (12-3月)
 | 12,1月15℃ 2,3月20℃
 | 屋外 4,11月雨除け
 | 透明ポット 安全植え
 冬15-20℃
 | 大株・大鉢 水やり/夏の保湿
 | 過渡期の4,11月に根腐れ注意が必要 | 
| 趣味の園芸・生産者 | 趣味の園芸 生産者
 | 温室 | 15,10,5℃ (高温種・中温種・低温種)
 | 温室 | 特になし(水やり控えめ) | 特になし (株の大きさ無頓着)
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4 始める時期と種類と苗
洋ランが最も根腐れしやすいのは、開花株が最も多く店頭に並ぶ冬です。一方、夏は根腐れしにくく、生長が旺盛です。
大苗は丈夫で、体力があるため翌年の「お土産花」が期待できます。
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| 時期 | 夏が根腐れしにくく安全 | 
| 種類 | 根が丈夫・生長が旺盛・咲きやすい シンビ・デンドロ・エピデン
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| 苗 | 大型種・大苗・大鉢 | 
作落ちしにくい種類としやすい種類
開花株を入手してもう一度咲かせようと思うと、新芽が直ぐに大きく育って咲きやすい種類と、新芽が親並みに育ちにくく咲きにくい(作落ち)種類があります。
慣れないうちは作落ちしにくい種類を選ぶのが無難です。
ただし大株でなく若苗では、親の力が足りずに新芽が大きくなりにくいので、種類によらず咲きにくくなります。また作落ちや病気も大株より多い傾向があります。
カッコ内は作落ちを助長・誘発する問題です。紫色は、他に比べて(やや)育てにくいか咲きにくい種類です。
作落ちしにくい種類(
赤)は、
大株を育てると丈夫で良く育ち咲きやすいです。
最下段の
クール・オーキッドなどは
洋ラン学園では扱わないので、「
趣味の園芸」を参照してください。
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| 複茎種 | 作落ちしにくい | 新芽が親並みに育つ | 一年型 | 1シンビジウム、2デンドロビウム・ノビレ、3カトレヤ(一年型) 12キンギアナム、16マキシラリア
 一石斛、三春蘭、四エビネ、五報歳蘭・駿河蘭
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 | 作落ちしやすい | 新芽が小さくなる | 半年型 (水切れ)
 | 3カトレヤ(半年型)、6オンシジウム、6ミニオンシジウム 11デンファレ、
 9セロジネ
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 | 休眠期が長い(バルブ腐れ) | 
 | 15デンドロキラム(若苗) | 
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 | 年数がかかる | 多年型 大型(休眠)
 | 5パフィオペディルム、11フォーミディブル、12大明石斛、14グラマトフィラム | 
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 | バルブが腐りやすい | 柔らかい? | 6オンシジウム、6+ミルトニア・スペクタビリス、8ジゴペタラム、 | 
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 | 意外に根腐れ・枯れ | (水切れ) | 7エピデンドラム | 
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| 単茎種 | 作落ちしにくい | 
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 | 4ミニコチョウラン、10ミニバンダ、二風蘭 | 
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 | 作落ちしやすい | 葉の枚数が減る | 
 | 4コチョウラン(日焼け・低温炭疽病)、13バンダ(風通し悪・根腐れ) | 
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| クール・ オーキッドなど
 | 夏に冷房しないと 枯れることが多い
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 | オドントグロッサム・ミルトニア・リカステ・ソフロニティス・マスデバリア | 
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来年までに花の咲きやすい種類(二番花・お土産花がつく)
以下は咲く可能性のある種類ですが、上の作落ちに注意する必要があります。大株なら咲きやすくなります。
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| 二番花 | 開花株についている蕾 | 半年以内 | 3ミニカトレア・4ミニコチョウラン・7エピデンドラム | 
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 | 開花株についている新芽 | 半年後 | 3ミニカトレア・6オンシジウム・8ジゴペタラム・駿河蘭 | 
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 | 花茎に枝 | 半年以内 | 3ミニコチョウラン・6オンシジウムシャーリーベイビー | 
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 | 花茎が二度出る・ | 半年 | 11デンファレ・11フォーミディブル | 
| お土産花 | 開花株についている新芽/古芽 | 1年後 | 1シンビジウム/2デンドロビウム・ノビル | 
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 | 花茎が二度出る | 1年後 | 12キンギアナム | 
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開花株を入手したら脇芽が出ていて、花が終わったら、次の花(二番花)が咲き始めました
このHPでは実例を詳しく紹介しているので、大丈夫と思う事から自己責任で取り入れてください
これまでの、趣味家でない殆どの人のランが枯れてしまう方法よりは、消費者にとって安全・簡単・確実と思います
第一部 段階別の育て方と咲かせ方(洋ラン学園)
構成
T 教科書 方法全般・基礎
安全に育ち・手がかからず・ランが喜び・確実に咲く方法、初めてでも開花が楽しめる方法付き
これまでの「趣味の園芸」に代る、消費者のための洋ラン学園(
小・中・高・大学・大学院)
屋内・屋外(全族)と周年室内(初めて・コチョウラン・エピデンドラム・ミニカトレアなど)
U 洋ラン合格生のノート・洋ラン学園分校 初めての人が咲かせた実例(周年室内など)
初めての人が咲かせた例、高温とペットボトル
周年室内で20℃近くが一番やさしい:コチョウラン、エピデンドラム、ミニカトレアの花園
屋外・室内なら、シンビジウム、デンドロビウムが易しい
他は、冬知らずなら、春と秋の根腐れに注意
T 教科書
はじめに
洋ラン学園の五段階
初めての人でも四段階で下の順に進めて、新しい安全・簡単・確実な方法を取り入れるだけで、4年以内に店にあるランがどれでも咲く名人に、長く続けられる方法付き
| 段階 | 内容 | 
 | 目標 | 主な方法 | 花の楽しみ | 達成 | 
| 1 | 初めての洋ラン ・花の楽しみ
 ・洋ラン合格生のノート
 | 小学校 | 設備も本も無くても枯れない方法 | ペットボトルへの引越 | 二番花 | 根腐れなし | 
| 2 | 洋ランの育て方 洋ランのレシピ
 | 中学校 | 園芸店にある大部分の種類を簡単に育てる | 根を薄着・鹿沼土・透明ポットなど 雨任せ
 | お土産花 | 定期水やり・農薬不要・ミズゴケ不要 五大属・新五属・続五属・和東洋蘭
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| 3 | 洋ランの咲かせ方1 | 高校 | 普通の種類を咲かせる | 大株・分岐株作り、冬知らず、夏の保湿 | 成熟株 | 
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| 4 | 洋ランの咲かせ方2 | 大学 | 咲きにくい種類も | 花期より年期・芽季、春芽より夏芽 | 年期別・芽季別 | 一年型・半年型・二年型・無年型 花盛り
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| 5 | 洋ランの続け方 | 大学院 | 3年がかりで咲く種類・毎年咲かせる・省力 | 植替え→鉢増し→株分けのサイクル、放任 | 毎年・咲きにくい種類 | 作落ち防止 | 
全段階に共通のポイント
置き場所で生長に必要な日光・水・高温を確保してやれば(この方法だけは種類によりやや差があります)、あとは同じ世話でどのランも勝手に育って咲きます
日焼けを恐れて遮光して日光不足・温度不足、根腐れを恐れて水切れ・小さな鉢では植物は育たず咲きません、本末転倒の大きなお世話です
これまでのやりかたは「趣味の園芸」・「プロの園芸」で、手間と暇と危険をかけて、小さな苗を咲かせるまでの方法がもとになっています。咲いてからはミズゴケ・バーク植えでは1−2年ごとに植え替える必要があります。
大きな苗なら世話を減らしても楽に咲き、どの種類もほぼ同じ扱いで大丈夫です。鹿沼土植えなら定期植え替えなしでも開花株が安全に維持できます。 
目次
1始め方(小学校)
初めての洋ラン(小学校):レシピ
いただいたコチョウランの助け方:レシピ
根腐れの予防・根腐れ株の助け方:レ
花の楽しみ方/開花株の入手・有望株の選び方:レシピ・二番花・お土産花
2育て方(中学)
初めての植替え/重ね着鉢増し:レシピ・置き場所:レシピ・水やり:レシピ・肥料:レシピ・病害虫対策・カイガラムシ駆除:レシピ
レシピ:植替え・安全植え・土増し・バンダロール
3咲かせ方1(高校)・
大株作り・分岐群生株作り・水切れ防止
4咲かせ方その2花盛り(大学)
花期より年期・花期より芽季・花が咲かない理由
5続け方(大学院)
3年がかりで咲かせる、省力・放任栽培
1 初めての洋ラン(冬・洋ラン小学校)−周年室内
はじめに
(1)初めての洋ラン:レシピ
(2)頂いたコチョウランの助け方:レシピ
(3)根腐れの予防・根腐れ株の見つけ方・根腐れ株の助け方
(4)花の楽しみ方:有望株の選び方:レシピ、二番花、お土産花
はじめに
洋ランの開花株を入手すると、普通は次に咲くまでに1年間無事に育てなければなりません。しかし、洋ランとの初めての出会いは最も根腐れしやすい冬が多く、直ぐに枯れてしまって育てるどころではないというのが実情です。従って育て方をマスターするためにはその前の、無事に始めることが不可欠です。しかし、これまでの本やネットではその方法は考えられていません。「初めての洋ラン」という本が色々ありますが、本を読まなければならないような方法では、慣れない人にはうまくいきません。
そこで、このHPでは、とても簡単で、安全に始められる方法を提案します。
その前に、始めるには苗を手に入れなければならないので、有望株の選び方を紹介します。
有望株(消費者に)の選び方のレシピ 野菜作りでは「苗半作」といいます。良い果実が得られるかどうかは、苗の良しあしで決まります。洋ランも、咲かせようと思ったら、それにふさわしい苗があります。
1 大きくて元気
2 花の咲いている株の根元から新芽が出ている
ことです。同じ種類でも、小さいと安く、大きいと高いですが、野菜ならだれでも大きい方を選びます。洋ランの新芽は親が大きいほど大きくなります。親が小さいと、慣れない内は新芽が花の咲く大きさまで大きくなれないため咲きません。また新芽は早く出て早く大きくなり始めた方が、開花に十分な大きさに育ちやすいので、既に芽の出ている株の方が有利です。コチョウランは単茎性なので新芽は出ませんが
3 根が元気で根腐れしておらず、葉の枚数が多い株が有望
野菜作りでは「苗半作」といいます。良い果実が得られるかどうかは、苗の良しあしで決まります。洋ランも、咲かせようと思ったら、それにふさわしい苗があります。
1 大きくて元気
2 花の咲いている株の根元から新芽が出ている
ことです。同じ種類でも、小さいと安く、大きいと高いですが、野菜ならだれでも大きい方を選びます。洋ランの新芽は親が大きいほど大きくなります。親が小さいと、慣れない内は新芽が花の咲く大きさまで大きくなれないため咲きません。また新芽は早く出て早く大きくなり始めた方が、開花に十分な大きさに育ちやすいので、既に芽の出ている株の方が有利です。コチョウランは単茎性なので新芽は出ませんが
3 根が元気で根腐れしておらず、葉の枚数が多い株が有望
 
 ミニカトレア右ほど大きい株、同じ種類なら大きい方が有利
 
ミニカトレア右ほど大きい株、同じ種類なら大きい方が有利 
 
  
 左:パフィオペディルム:右は大型種、左は小型種、新芽が出ていても、大きくなるには2年かかることが多い 
右:セロジネ:右は成熟株、左はバルブの小さい株
4 作落ちしにくい種類としやすい種類
開花株を入手してもう一度咲かせようと思うと、新芽が直ぐに大きく育って咲きやすい種類と、新芽が親並みに育ちにくく咲きにくい(作落ち)種類があります。慣れないうちは作落ちしにくい種類を選ぶのが無難です。ただし大株でなく若苗では、親の力が足りずに新芽が大きくなりにくいので、種類によらず咲きにくくなります。
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| 複茎種 | 作落ちしにくい | 新芽が親並みに育つ | 一年型 | 1シンビジウム、2デンドロビウム・ノビレ、3カトレヤ(一年型) 8ジゴペタラム、6+ミルトニア・スペクタビリス、12キンギアナム
 16マキシラリア
 五報歳蘭・駿河蘭
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 | 作落ちしやすい | 新芽が小さくなる | 半年型 | 3カトレヤ(半年型)、6オンシジウム 11デンファレ、
 9セロジネ
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 | 休眠期が長い | 
 | 14デンドロキラム | 
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 | 年数がかかる | 多年型 大型
 | 5パフィオペディルム、11フォーミディブル、12大明石斛、15グラマトフィラム | 
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 | 7エピデンドラム | 
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| 単茎種 | 作落ちしにくい | 
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 | 4ミニコチョウラン、10ミニバンダ、フウラン | 
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 | 作落ちしやすい | 葉の枚数が減る | 
 | 4コチョウラン、13バンダ | 
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(1)初めての洋ラン@冬に始める場合
冬に鉢植えのまま室内に置いておくと温度が低いため、温室にある場合や夏に比べて乾きが悪く根腐れします。
そこで、鉢から抜いて、乾きやすい容れ物に移すのが良いのです。
鉢よりも広い容れ物にすると、根鉢の周りに隙間があるので乾きが良くなります。
また容器が透明だと、中が湿っているのが分かり、水やりを遅らせることができます。
これにはペットボトルが最適です。
それでも、室温が低いと乾きません、最低温度が20か15℃あれば安心です。
15℃以下だと乾きが悪く根腐れの恐れがあります
初めての洋ランのレシピ (1)広めのペットボトルに移す
(1)広めのペットボトルに移す 左:黒ビニルポットにミズゴケ植えでプラスチック鉢に入れられたミニカトレア 右:広口のペットボトルに移せば安心
鉢より広いペットボトルを用意 鉢より長めに切る
鉢から抜いてペットボトルに移す 数カ月後には新根が沢山伸びている
(2)置き場所:暖かい室内で直射日光の当たらない明るい机の上などに置きます。
3-4日で乾くようなら根腐れしにくいです(20℃近くで南側の窓の近く)
1週間近くも中が湿っているようだと根腐れする恐れがあります。
C春になると白先緑の根が伸びてきます。
屋外は寒いので室内で育てます。
夏になったら夏型に模様替え
もっと詳しい初めての洋ランのレシピは「洋ラン合格生のノート−ミニカトレア中学」にあります。
A夏に始める場合や夏型、屋外
初めての人は、種類や季節に寄らずすべて、上記の一通りでやるのが良いと思います。
上の方法は冬にも乾くための方法なので、夏には乾きすぎて週に2回以上水やりしないと水切れすることがあります。
乾きが良い部屋の場合や屋外でも使える、生長重視の方法が、初めに示した二階建てペットボトルです。抜いてそのまま移し替えても良いのですが以下に示すように、「植え替え」のようにもできます。
PET12 二階建てペットボトル、芯入りミズゴケ植えのレシピ 初めての人が、日当たりが良く冬も暖かい部屋で洋ランを楽しむための植え方です。ミニカトレア、ミニコチョウラン、デンドロビウム、エピデンドラムが咲きます。
(1)元がミズゴケ植えの場合は、鉢から抜いて、根元の根が無い所のミズゴケだけ抜き取る
(2)発泡スチロールを適当な長さに切り、根元に入れる
(3)ペットボトルの上を適当な長さに切ったものを逆さにして苗を入れる
(4)根もとに露出した根があればミズゴケを被せる
(5)植えたペットボトルの上半分を、下半分に載せて安定させる
*バーク植えの場合は根鉢を崩さないよう、そっと鉢から抜いて一回り広いペットボトルに移します
初めての人が、日当たりが良く冬も暖かい部屋で洋ランを楽しむための植え方です。ミニカトレア、ミニコチョウラン、デンドロビウム、エピデンドラムが咲きます。
(1)元がミズゴケ植えの場合は、鉢から抜いて、根元の根が無い所のミズゴケだけ抜き取る
(2)発泡スチロールを適当な長さに切り、根元に入れる
(3)ペットボトルの上を適当な長さに切ったものを逆さにして苗を入れる
(4)根もとに露出した根があればミズゴケを被せる
(5)植えたペットボトルの上半分を、下半分に載せて安定させる
*バーク植えの場合は根鉢を崩さないよう、そっと鉢から抜いて一回り広いペットボトルに移します
 
 
ミニカトレア  デンドロビウム
この方法で、無事生長するようになったら、次の段階へ勧めます。
以上の方法は、根腐れしやすい「いただいたコチョウラン」を助けるのにも有効です。
2 洋ランの育て方(洋ラン中学)
枯れなくなったら、次は、大きくする段階です。
また、冬に始めた場合は現状維持が目標ですが、春暖かくなってきたら生長期に入るので、本格的に育て始めます。
ここでは、大きくするための植え方や、その他もろもろの世話の仕方を紹介します。以下のことが必要です。
(1)置き場所−木漏れ日:レシピ
(2)水やり−雨任せ:レシピ
(3)土増し、新根は直ぐに覆う
(4)肥料−年1回の徐放性肥料
(5)病害虫対策−殺虫剤も殺菌剤もやりません
(6)初めての植え替え−鉢増し:レシピ
(7)本格植え替え/趣味の園芸から洋ラン学園への転校
洋ランのレシピ/植替え・土増し・バンダロール
(1)置き場所
趣味の園芸は「温室」が基本になっているので、置き場所については余り重視されていません。
しかし、「温室を使わない家庭園芸」では、
植え方により根腐れを防いだら、
置き場所の工夫が全てを決める最も重要なことと言っても過言ではありません。
洋ランの生長に必要な日光と高温を決めるのは置き場所です。
雨ざらしなら水やりが省け害虫を押さえられます。
日焼けの原因となる直射日光を防ぐのは物陰、低温の長雨を防ぐのは軒下です。
夏負けを防ぐ涼しく湿った場所は植込みの中です。
季節や種類によって要求が異なり、また気温や日の長さ・高さや、天の頻度と量、木の茂りが変わるため、
移動の繰り返しが最大の世話です。
その代り、それによって、水やりが減ったり、農薬をやめたりできます。
重要なことから二つ説明します
(1)置き場所(→洋ラン気象庁)のレシピ @屋外と室内間の移動と最低温度
@屋外と室内間の移動と最低温度
置き場所の最大のポイントは屋内と室内間の移動時期です。
「趣味の園芸」では、種類を高温種、中温種、低温種に分けそれぞれ異なる最低気温に応じて出し入れするという複雑な方法です。
洋ラン学園では「
単純で易しくて効果的な方法」にします。
大は小を兼ねるで、「
どんな種類でも冬は高温な方が良い」ので、「
冬は全て同時に室内に入れて、最低温度を15℃以上に保つ」「冬知らずにする」ことを勧めます。
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 | 趣味の園芸 | 洋ラン学園 | 備考 | 
| 
 | 高温種・中温種・低温種に分ける | 全種を一斉に出し入れ12-3月が室内 | 例外有 | 
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 | それぞれ最低気温が15,10,5℃を境に出し入れ | 全種同じ温度で、12,1月は最低15℃、2,3月は20℃ 冬知らず
 | 例外有 | 
A 屋外の基本
種類や月ごとに細かく考える前に重要なことがあります。それは屋外にある期間は高温期と低温期に分けられ、目標が逆になることです。
全種に共通な基本は下表のようになります。
| 
 | 目標 | 基準 | 置き場所 | 補足 | 
| 高温期(6-9月) | 生長 | 水切れ防止 保湿
 日焼け防止
 | 木陰・半物陰 地上・植込みの中
 雨ざらし
 | 猛暑日は日陰 | 
| 低温期(4,5,10,11) | 根腐れ防止 防寒
 坊カビ病
 | 日焼け防止 (落葉樹は葉がない)
 | 日向・木漏れ日 乾燥・高燥
 雨除け
 | 4,11月は特に雨除け | 
実際のやり方は、月々の置き場所や例外的な種類がありますが、別の項目で述べます。
遮光ネットは基本的に使いません。
コチョウラン・バンダは11-4月室内、グラマトフィラムは15℃以下にしない、シンビ・デンドロは都心では周年屋外可(最悪-2℃)
コチョウランは直射日光を必ず避ける
(2)水やり
これまでの「趣味の園芸」の水やりには、経験の少ない人には難しい、いくつかの問題がありました。
根腐れを防ぐのが最も大事ですが、「対策を植え方でせずに、水やりで調節する」方法です。しかも水やりの判断が安全でありません。
@鉢の表面が乾いたら水やりする→中が湿っていて根腐れしてしまう(特に寒い時や、ミズゴケやバークが古くなったとき)
A鉢ごとに確かめて水やりするので、とても大変
B鉢が小さめで、乾きやすい素焼鉢を使うことがあり、ミズゴケは夏極端に乾きが早く、バークは含水量が少ないため、頻繁に水やりが必要(夏は毎日など)
C安全優先にすると水切れがちになり、成長が思わしくなく花も咲きにくい
21世紀の方法はこれらの問題がありません
@根腐れは水やりの調節でなく植え方で防ぐ、3-4日以内に乾いて水やりできるようにする、全鉢の乾きが良いので一斉にシャワーで水やりできる
A透明容器で中を見ながらなので、根腐れを防ぎながら、積極的な水やりができる
B乾きやすい夏には保湿するので、毎日や朝晩水やりする必要がない
C冬でも高温で冬知らずにするので、休眠せず生長し新芽が早く出て咲きやすい
水やりのレシピ−毎日の降水量と水やりの回数
具体的には時期・季節により下記のように変わりますが、全鉢一斉・シャワーなので簡単です。
多くの期間は「何日おき」にやる必要がありません。雨除け・室内・真夏以外は余り水やりがありません。
それでも「趣味の園芸」より水切れしないのです
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| 4,11月 | 雨除けなので定期的に水やり | 
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| 5,10月 | 雨ざらしなので、殆ど水やり不要 | 
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 | 
| 梅雨と秋雨(6,9月) | 雨の間に乾いたらやる | 
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| 梅雨明けから秋雨前まで(6後半、9前半) | 同上 | 
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| 猛暑日 | 雨がなければ1,2日おき | 
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| 12-3月(室内) | 週に1-2回定期的に乾きに応じて | 
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(3)問題株の植え替え@根腐れ株、小鉢・素焼き鉢やミズゴケ植えなど
入手した苗の中には、根腐れしていたり、鉢が小さかったり素焼き鉢で乾き気味だったり、ミズゴケ植えでミズゴケが古く腐りかけて乾きが悪くなり根腐れしやすかったり、という鉢があります。
このようなのを放っておくと根腐れしたり、枯れたりするので、早急に植え替えが必要です。
一方、植え替えは苗にはとても負担で、枯れる原因の第一と言っても良いくらいです。従って、上のような場合のみ、」植え替えによって枯れることの内容に植え替えをしなければなりません。植え替えのやり方はできるだけ苗の負担にならないように問題に応じて考えます。
| 問題 | 容器・材料 | 方法 | 
 | 
| 鉢が小さい 素焼き鉢
 | 大きめの軟質透明ポリポット・バーク ペットボトル、新しいミズゴケ化バーク
 | 鉢増し | 
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| 根腐れ 古いミズゴケ
 | 鉢同上、バーク植え ペットボトル、新しいミズゴケ
 | 植え替え | 
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植え替えのrシピ
(4)肥料のレシピ
肥料についても、これまでの方法は、「秋まで肥料分が残ってはいけない、と、生長期には液肥を隔週にやる」が当たり前とされてきました。
大株ならば、肥料分が残っていても大丈夫で、液肥を頻繁にやらなくても十分に新芽が大きくなります。
冬知らずで芽出しを早く、夏も涼しく保湿して水切れ・休眠を防げば、目覚ましく生長します。
草花と同じ緩効性の化成肥料を春に説明書の半分、肥料の効果が終わるとされる3カ月後位に半分やれば大丈夫です。
洋ラン用の徐放性の粒状肥料なら年1回春にやれば後は必要ありません。
(5)病害虫対策−殺虫剤も殺菌剤もやりません→洋ラン病院
カイガラムシとハダニの天敵は雨で、雨は最高の殺虫剤です。木に着生のように風通しもあればカビ病にはなりません
一部の種類の一部の幼い新芽だけがたまに病気になっても、代りに全部の種類の全ての株が育って咲くようになるので我慢できます
「安全植え」で洋ラン栽培の最大の問題点である根腐れは激減しほぼ気にならなくなります。すると次の問題、日焼けが出てきます。
→春に外に出したばかりは確実に遮光し、夏は日陰気味にすると、日焼けが減ります。
すると、色々なカビ病が目立ってきます。
→夏以降は蒸れないように風通しを良くし、秋以降は雨ざらしを避けると、病気による新芽の枯れが減り、コチョウランの炭疽病が予防できます。
春から夏の雨ざらしによる少しの新芽の枯れは、生長と開花と安全とを引き換えに目をつぶります。
病気と対策の4段階
| 段階 | 
 | 原因 | 症状 | 対策・予防 | 
| 1 | 小学校 | 内因性 | 根腐れ・枯れ | 植え方・大株大鉢・水やり・置き場所 | 
| 2 | 中学 | 外因性 | 日焼け | 遮光・水やり | 
| 3 | 高校 | 菌(カビ) | 黒点・芽腐れ・炭疽病など | 雨除け、日焼け防止 | 
| 4 | 大学 | 細菌 | 軟腐病(異臭) | 高温多湿期の傷の予防、夏の植替えは注意 | 
致命的なのは炭疽病と軟腐病だけです。コチョウランの炭疽病は低温期に雨に当てると発症します。
細菌による病気は滅多に出ません。軟腐病は柔らかい組織に高温多湿の時に発生しやすく、直ぐに全株が腐ります。細菌性の腐敗は特有の臭気を発します。夏に植え替えすると何らかの傷口から発生することがあります。
夏の病気
軟腐病
新小芽の腐れ
害虫 
害虫で深刻なのは、カイガラムシ(殻のあるマルカイガラムシと、動き回るコナカイガラムシ)とハダニです。カイガラムシは生産者のところでは頻繁に殺虫剤をまいて抑えていますが、殺虫剤の効かない親虫が残っているため、家庭に来て蔓延します。しかし、幼虫は雨が天敵なので、雨ざらしにしていれば殺虫剤を撒き続けているのと同じです。あとは、親虫を見つけ次第取ることを根気よく続けていると次第に減ります。コナカイガラムシは繁殖力がそれほどでなく、大きくて見えやすい所にいるので、絶滅させることができます。これらは外来性なので一旦駆除すれば再発しませんが、新しい株を入手すると付いてくるので注意が必要です。ハダニも雨が天敵で雨ざらしにしていれば殆ど害は出ません。他にナメクジの食害、アリが鉢内に巣を作る、スリップスの食害など。
カイガラムシ退治のレシピ ミニカトレアの蕾が大きくなるにつれて、白いものが増えてきました。カイガラムシです。
強く水を掛けても取れますが、筆で落とすことにしました。
蕾の生長と同時に成長した若くて柔らかい虫なので、筆でこするだけで全部取れます。
原因は根元の丸い硬い親虫なので、こちらは、歯ブラシなどで表面に傷をつけないようにこすり落とします。
ミニカトレアの蕾が大きくなるにつれて、白いものが増えてきました。カイガラムシです。
強く水を掛けても取れますが、筆で落とすことにしました。
蕾の生長と同時に成長した若くて柔らかい虫なので、筆でこするだけで全部取れます。
原因は根元の丸い硬い親虫なので、こちらは、歯ブラシなどで表面に傷をつけないようにこすり落とします。 
(6)土増し
ネギなどの野菜作りでは、根元から新しい根が出て露出すると、土を被せて、生長に寄与するようにします(土寄せ)。ところが洋ランの「趣味の園芸」では、根は空中を喜ぶと言って放置します。温室の中や、頻繁に水やりする場合は大丈夫ですが、「消費者の週1回の水やり」では、根が枯れてしまいます。また、根は古いものより新しいものの方が活発で、新根はこれから生長する新芽の根元から出ていることが多いので、それらが水と肥料を吸うことが、最も新芽の生長と開花に大事なのです。そこで、本HPでは新しい根が出たら、鹿沼土を被せるようにしています。なお、鉢の中が見えると、根は鉢の周囲に植え込み材料の外に伸びることが分かります。そこで、鉢を押し広げて根と鉢の隙間に土を入れてやると良いのです。
土増しのレシピ 
 
  左:ミニカトレヤのラブノット'セルレア'の根元から、「冬知らず」で白い新根が元気に伸びています 右:鹿沼土を被せます(2012年1月下旬)
左:ミニカトレヤのラブノット'セルレア'の根元から、「冬知らず」で白い新根が元気に伸びています 右:鹿沼土を被せます(2012年1月下旬) 
2012.2.7掲載
基本的な世話は以上です
3−5 洋ランの咲かせ方(高校・大学・大学院)

年々新芽が大きくなって開花。
総論とあらまし
始め方、育て方が順調にできると、いよいよ、本来の目的である「咲かせ方」に力を入れられるようになります。
普通は、開花株を買ってきたら咲いてお終いと考えられています。それは「趣味の園芸では系統的な開花戦略が示されていない」ためと思われます。
洋ラン学園では下記の表のような戦略を作ってきました。
実は、洋ランは少し慣れると、何でも/毎年咲かせられるようになります。
咲かせるのが難しいのではなく、育てるのが難しいので、咲かせるための原則は種類に依らず
「洋ランは大きく育てば自然に咲く」なので、
育てられるようになったら、もう咲かせられる一歩手前なのです。
(1)大抵の洋ランは、新芽が親並みに大きくなれば自然に咲きます−大株・群生株作りが確実
(2)洋ランは雨季に新芽が生長し花芽を作り・乾季に花を咲かせ新芽を出します、一年を二分したサイクル:秋冬春は暖かく乾燥、夏は涼しく保湿
こうすることにより、多くの種類が咲くようになり、しかも咲き始めればほぼ毎年咲きます。
それを4段階に分けます。ランに咲いてもらう前半は既に説明したので、ここでは、自分で咲かせる後半を取り上げます。
「初めて」から「育て方」までは、新芽をいかに大きくするかを検討してきました。
「咲かせる」では、大きく育ちにくい種類や、大きくなっても咲きにくい種類の理由を考え、対策をします。
(3)花期より年期、種類によって1年ごと、半年ごと、2年目以降に咲きます−年期別の咲き方と管理、1年・半年・2年
(4)花芽が出なければ咲きません−洋ランカレンダー−各属・各花期の、代表種標準親株の大きさ、新芽の出る時期=芽季に注意、咲くまで
詳しくは各段階で述べます。
洋ラン学園の開花戦略と段階
育て方・咲かせ方は種類に余りよらないのですが、咲き方や咲き易さが異なるので、段階的になります
大まかには、易しい種類・短期間の入門編から、難しい種類・長期間の名人編へと進みます
咲くまでの期間が長く、作落ちしやすいか大型の種類ほど咲きにくくなります
| 段階 | 目標 | 所要期間 | 戦略・条件・方針 | 段階 | 種類例 | 補足 | 
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 | 入門編(易しい種類・短期間) | 
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| 1 | 開花株を咲かせる | 開花中 | 枯らさない | 初めて/小学校 | 3ミニカトレア 4ミニコチョウラン
 | 高温では花の寿命が短い | 
| 2 | 二番花を咲かせる | 約半年後 | 元気を保つ | 同上 | 同上 花物
 7エピデンドラム
 8ジゴペタラム
 11デンファレ
 11フォーミディブル
 4'コチョウラン花茎枝
 | 蕾など付有望株入手 3段階以降は
 他の種類と同じ
 | 
| 3 | お土産花を咲かせる | 約1年後 | 新芽を(花芽時までに親株並みに)大きく 根を薄着/片むき出しの安全植え
 土増し・鉢増し・水切れ防止・冬知らず
 変化に強い大株・交代要員の居る分岐株作り
 (年期1年型)
 | 育てる/中学 咲かせる1/高校
 | 同上 温帯産
 1シンビジウム
 2デンドロビウム
 9セロジネ
 12キンギアナム
 一石斛
 三春蘭
 四エビネ
 五報歳蘭・駿河蘭
 | 大株入手が効果的 シンビ・キンギ・駿河は芽欠き
 
 | 
| 
 | 名人編(難しい種類・長期間) | 
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| 4 | 新芽が大きくなりにくい種類を咲かせる | 同上 | 同上(年期半年型・2年型・休眠型・無年型) 休眠・作落ち防止、
 花期より年期・芽季・花芽時
 | 咲かせる2/大学 | 3カトレヤ 6オンシジウム
 8ジゴペタラム
 15デンドロキラム
 | 半年型は作落ち注意 休眠型は眠らせない
 | 
| 5 | 毎年咲かせる 開花率の向上
 | 約2年後 | 作落ち防止 株分け
 | 続ける/大学院 | 10ミニバンダ 二風蘭
 | 全種が該当 | 
| 6 | 困難種を咲かせる (多年型・大型種)
 | 2年以上 | 同上(多年型・大型種) | パフィオ以外は大学院 | 5パフィオペディルム 12'大明石斛
 14グラマトフィラム
 | 短期狙いなら 大株入手が必須
 | 
| 別 | 単茎種 | 約1年後以降 | 大株:コチョウランは葉が10枚近く、 バンダは20枚近く(根の本数が基本)が理想
 作落ち防止:葉や根を減らさない
 | バンダは大学院 | 4'コチョウラン 13バンダ
 | 同上 | 
 
2012.10.25作成
各段階
3 咲かせる1(高校)
大株を大鉢に植えて、低温期は冬知らず・高温期は水を切らさずで、大抵の種類が咲きます。
売られている開花株の多くは
若株で、大きくすることが開花への道です。また傷んでいる株は
作落ちから回復させます。
 
 
左の小株・小鉢よりも右の大株・大鉢の方が丈夫で確実に咲きます。オンシジウムは作落ちしやすいです。
4 咲かせる2(大学)
大きくなりにくい種類や大きくなっても咲きにくい一部の種類は、従来の
花期よりも咲くまでの
年期と芽季・花芽時に注目。
5 続ける(大学院)
大株・分岐株の
鹿沼土植え(左・株分け済)や、バーク大粒
スリット鉢植え(右、株分けした親の方)。根ぐされは少なく、水やり頻度も植替えも少なくて済みます。
農薬・液肥・遮光ネットは使いません。
バンダはバンダ・ロールで、毎日の水やりから解放、咲きにくい大型種の
大明石斛や
グラマトフィラムにも挑戦。
 
  
 
初めて(小学校)から、花の楽しみ、育て方(中学)、咲かせ方(共通:高校・性質別:大学)、までで、普通に手に入る大部分を種類を枯らさず咲かせられるようになります。
後は、育てにくかったり咲きにくい種類を咲かせる、毎年咲かせる方法と、手間を省く方法が残っています。
別ページに分けています。
目次
育てにくい種類 バンダ
咲きにくい種類 グラマトフィラム、大明石斛
毎年咲かせる(作落ち予防、開花株の維持) オンシジウムの株分け
手間を減らす(鹿沼土植え、定期水やり・定期植え替え・農薬・液肥・素焼き鉢・ラン鉢・吊り鉢・(バーク)ミズゴケなど不要、都心の周年屋外・露地植え)
育てにくい種類(バンダ)     咲かせにくい種類(グラマトフィラム・大明石斛)       手間を減らす(シンビジウムの都心の露地植え)  
鹿沼土植え
市販の洋ランの殆どはバークかミズゴケ植えです。しかし、これらは有機質のため必ず1-2年で腐り始め、根もそれにつれて腐ります。従って植え替えをしないと枯れてしまいますが、植え替えは手間がかかり危険を伴います。そこで、洋ラン学園では、手に入りやすく定期植え替えの必要の少ない鹿沼土植えを多用しています。東洋蘭系のシンビジウムや和蘭のセッコクと近縁のデンドロビウムを中心として、鹿沼土植えでも大丈夫な種類は下記のように沢山あります。「根の弱い種類」と書いてある一群は鹿沼土植えではミズゴケほどではないですが過湿にならないよう注意が必要です。
鹿沼土植えが一般的に可能な種類とバーク植え推奨種類(洋ラン学園ではほぼ全種に用いています!)
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| 根の丈夫な種類 鹿沼土植え
 | 鹿沼土 
 | スリット鉢 | 1シンビジウム、2デンドロビウム・ノビル系、 12キンギアナム、12+大明石斛
 6オンシ、8ジゴペタ、16マキシラリア、aミルトニア・スペクタビリス、15グラマト、
 一セッコク、春蘭、エビネ、五報歳蘭・駿河蘭
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| 根の弱い種類 | バーク | 透明ポリポット | 3カトレヤ、7エピデン、9セロジネ、11デンファレ、11フォーミ、14デンキラ | 
| 高温の周年室内栽培 | ミズゴケ | ペットボトル | 4ミニコチョウラン、3ミニカトレア | 
| バンダ類 | ミズゴケ | バンダ・ロール | 
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株分け
「株分け」は、「咲かせ方」までは不要で、基本的には「開花株の維持」に必要な世話です。
合格生のノートには、初めての人が21世紀のやり方で咲かせた実例が載っています。
上左:ミディーコチョウランのアマビリス 上右:ミニカトレアのキャンディー・タフト 
下左:エピデンドラム 下右:デンドロビウムのピエラルディ
これまでの本やネットは、生産者や趣味家が書いています。素人がマネをしてもうまくいくかどうか分かりません。また、大抵「毎日水やり」に代表されるようにとても手間暇をかけなければならない方法です。
このHPでは「21世紀の方法」を初めての人がやっている様子を紹介しています。「水やりは週1回」に代表されるように、殆ど手がかからず、どの種類も同じ扱いで簡単なことが分かります。
ノートと分校一覧表
| リンク先 | 環境 | 植え方 | 種類 | 
| コチョウラン小学校・病院・分校 | 職場・冷暖房完備 | ミズゴケ・ペットボトル | ミディーコチョウラン・ミニカトレア・デンドロビウム | 
| ミニカトレア中学・分校 | 職場・冷暖房完備 | 鹿沼土・透明ポット植え | 同上・エピデンドラム | 
| 同上・屋外編(外部へリンク)・分校 | 自宅・居間と庭 | 鹿沼土・透明ポット/地植え | ミディーコチョウラン、カトレヤ、シンビジウム | 
| カトレヤ幼稚園年少組 | 自宅・居間と庭 | 
 | ミニコチョウラン、(ミニカトレア、デンドロビウム)、フォーミディブル | 
| 高校 | 職場・ | 
 | エピデンドラム | 
| 女子大 | 職場・ | 
 | エピデンドラム | 
| デンドロビウムのピエラルディ | 自宅・庭と居間 | 
 | カトレヤ、セロジネ | 
第一部 洋ラン学園 教科書とノート おわり
第二部 洋ランカレンダー(今月の洋ラン)と洋ラン開花事典 以下は別ページ
続き
 
カレンダー
10月後半
パフィオペディルムのシースが出始めました。鹿沼土透明ポット植えの根の生長も旺盛です。
 
  
ご協力いただいているラン園・クラブ・趣味家・学校(リンク)
2010.10.2記
さらに数年がかりでしか咲かない種類や、咲出してから毎年咲かせる方法、手間を減らす方法などは「大学院」にあります。
これまで、主に室内/屋外栽培で全族を同じ扱いで咲かせることを目標にしてきましたが、一段落したので、今年は世話を減らすことを重点にします。
また、周年室内栽培を、初めての人の経験の紹介である「合格生のノート」で紹介します。(4.7)
デンドロビウム
三倍体(当年咲)
普通のデンドロビウムは、新芽はその年には咲かず、翌年に落葉と前後して花芽を着けて咲きます。これに対して、近年新芽がその年に咲く種類ができてきました。
ここに示す1鉢は、2011年の夏に2本立ちの開花株を入手し、新芽が伸びて12年の春に咲いたものです。種をまいてから毎年1本ずつ新芽が出たものと思われます。
昨年は温室から屋外への環境の変化や植え替えなどで一旦やや作落ちしましたが何とか咲き、今年は1年中室内ですが水を切らさないため太く育ちました。
これから、屋外に出して、寒気に当て、花芽を待とうと思います。室内を続ける鉢は窓際に置きます。(2012年10月下旬)
| 芽# | 置き場所 | 高さ | 太さ | 葉数 | 花芽数 | 残り葉枚数 | 
| 1 | 温室 | 12 | 0.7 | 5 | ? | 0 | 
| 2 | 温室 | 28 | 0.9 | 10 | 6 | 1 | 
| 3 | 屋外 | 22 | 0.7 | 9 | 3 | 7 | 
| 4 | 室内 | 22 | 1.2 | 8 | ? | 7 | 
10.24
葉の写真集
はじめに
洋ランは乾燥に耐えるのが特徴の植物なので、葉が厚肉になって水を溜める場合が多いです。コチョウランは代表ですが、カトレヤなどもそうで、もう一つの特徴は表面に水が逃げるのを防ぐ厚いクチクラ層があることです。
落葉樹の葉は春に出て秋には紅葉して落葉します。洋ランの葉は常緑樹に近く、数年は青々としていて、次第に老化して、落葉します。例外的にデンドロビウム・ノビル系は、2年目の秋には広葉樹のように落葉して、蕾が付くという特徴があります。その時にはカビ病の斑点を伴い黄葉することが多いです。デンドロビウムの仲間のデンファレやフォーミディブルは葉が薄いこともあり2-3年で落葉します。他の種類でも黄葉することがありますが、季節外れの場合はカビ病のことが多いです。
単茎種のコチョウランやバンダは毎年新しい葉を出すということがないので、葉を減らさないようにしなければなりませんが、コチョウランは日焼けから炭素病を発症し、バンダは根の維持が難しく根が枯れると落葉し、いずれも衰弱してしまいます。
どの種類でも風通しが悪いと、根元がカビに襲われたりして落葉しやすくなります。
2012.10.21 ファイル開始
2012.10.12
バンダ
2012年
目次
12年の方針
12年の目標
11年の到達点
方針
方針
1 株の状態−丈夫で大きく葉の枚数・根の本数が多くて健康な苗
毎年同じような世話をしているが、年と苗によって、根の状態などが異なる
元気な苗ほど、新根や根冠や新葉が出てうまく行く
2 ハードとソフト、できるだけハードで解決
ハード
問題点を日常の世話によってというのは余り有効でない
問題点をハードで取り除く方が有効、植え方、置き場所
植え方
片むきだし
改良
吸湿シート、濡れタオルや紙おむつ
覆いは透明ビニールシート、ラップでも良いのではないか
置き場所
高温期は根を植込みの中で保湿
ソフト−これまでは世話は乱暴だった
観察と水やり
週に2回乾くように、
毎日重さを測って水やり
片むきだしなので日ごろからなるべく見る
根冠も新枝根もないと分かりにくい、古根の色が緑か白かだけ
網から透明シートへ
2週ごとに根を詳しく観察、湿らせた状態の方が分解しやすい
2011年
2010年
6月後半、6月初めにバンダ・ロールにしてしばらくして根冠の形成が始まりました。
10月始めに一部の根冠の休眠始まり、根元近くだけは元気。半ばに気根の大部分から根冠がなくなりました。
12月後半、12月初めに室内に入れて最低温度20℃以上を保ったら、根冠の一部が伸び始めました。
○Ports of Paradise 緑
○Norman's Bayか? 濃色 Power Larkと同じか
薄桃唇弁濃
○Bonanza 花弁に縞 唇弁赤
Drumbeat 広弁滑らか、縁フリル 冬
Horace 弁色薄い
hyperion 
Prophecy
セミアルバ
Persepolis
○Stephen Oliver Fouraker
Mildred Rives 冬
Shellie Compton
×Slc.JapaneseBeauty'Sakurahime' ソフロレリオカトレアジャパニーズビューティー'サクラヒメ'TYMJ-24236 
魅力ない、交換
Chunneah Good Life 花が小さかった
有名だが古典種ではない
おすすめkojima
Angraecum didieri 10 加温カオン 500 素晴スバらしい芳香ホウコウを備ソナえたかわいい白シロい花ハナを付ツける。水苔ミズゴケで根ネを腐クサらせ、調子チョウシを落オトしたのでバンダのバスケットに同居ドウキョさせている。 
C. labiata 8 リビング 1000 花ハナが大オオきく香カオりも良ヨいカトレアの代表ダイヒョウ種シュ。カトレアの中ナカでは育ソダてやすい。 
Cym. Line Stone ‘Cute’ 5 リビング 1000 花ハナ上アがりがよく、白シロくて美ウツクしい。株カブ全体ゼンタイで豪華ゴウカに咲サく。新芽シンメが遅オソくでてもよく咲サいた。 
Den. Arika 10 加温カオン 700 白シロくて美ウツクしい花ハナが長持ナガモちするデンファレ。90mmのとても大オオきな花ハナを付ツけた。 
Den. Spring Color 'Hohoemi' 5 リビング 300 恐オソろしく増フえるごくふつうのノビル系ケイデンドロ。 
21 Den. White Rabbit ‘Sakurahime’ 5 リビング 2000 花ハナがよくつくデンドロ。直射チョクシャ日光ニッコウで育ソダてる。香カオりのある花ハナがよくつく。 
22 Den. Yukidaruma ‘King’ AM/AOS.JOS 5 リビング 400 花ハナは美ウツクしいが、デンドロの基本キホンを踏フまえて秋アキから寒サムさでいじめること。春ハルの新芽シンメが遅オソいと花ハナがつかないことがある。よく日ヒに当アてて育ソダてる。鉢ハチが不安定フアンテイになりがち。冬フユに水ミズをあげすぎないこと。 
24 Disa Kewensis ‘Artists’ 8 リビング 400 よく増フえるうえ花付ハナツきがよい。風通カゼトオしが良ヨかったせいか30℃以上イジョウをものともせず夏ナツを越コした。花ハナ茎クキが3本ホンも上アがってくるのには驚オドロいた。かわいい桃色モモイロの花ハナが多数タスウ咲サく。 
27 Lctna. Peggy San ‘Tomomi’  8 リビング 600 カトレア・レリア・ブロートニアの交配種コウハイシュ。蕾ツボミが咲サき次ツいで5ヶ月ゲツも咲サいていたおどろきの花ハナだ。それを年ネン2回カイやってくれたため7ヶ月ゲツはこの花ハナを見ミていた。 
Paph. delenatii 8 リビング 500 パフィオの定番テイバン。よく出回デマワっている。はじめて咲サいてもらった品種ヒンシュ。 
35 Phal. Mishima Crystal 10 リビング 800 姿スガタがよく、美ウツクしい胡蝶蘭コチョウラン。よく咲サく。 
36 Phal. pulcherrima(Dor.) 8 リビング 300 胡蝶蘭コチョウランの仲間ナカマだが、強健キョウケンで育ソダてやすい。実ジツにかわいい花ハナが長ナガい花ハナ茎クキにたくさん付ツく。 
Phal. schilleriana 10 加温カオン 800 香カオりのある胡蝶蘭コチョウラン。年々ネンネン大オオきくなる。 
41 V. Sansai Blue 8 リビング 1900 花ハナの美ウツクしさは秀逸シュウイツ。育ソダてやすいとおもう。年ネン3回カイ咲サいた。霧吹キリフきで水ミズをやるタイプ。水質スイシツが育成イクセイに関与カンヨか。冬場フユバは電球デンキュウ200W加温カオンが有効ユウコウだった。 
 Z. Artur Elle 8 リビング 300 香カオりがよく長持ナガモちする面白オモシロい花ハナ。よく増フえる。花ハナ茎クキが折オれやすいので注意チュウイ。 
Barkeria skinneri 12 リビング 280 バーケリア・スキンネリ。小チイさいながらも存在感ソンザイカンがあってたまらないいい感カンじの花ハナである。好スきずきか。 
Bc. Humming Angel 12 リビング 400 大オオきな香カオりのよい花ハナが咲サいて見事ミゴトだった。購入コウニュウ1年ネンで開花カイカ。 
49 Den. Pramort 12 加温カオン 500 買カった年トシに咲サいた。かわいい花ハナが多オオくつく。 
50 Paph. glaucophyllum 12 リビング 800 いつまで咲サいているのかと言イうほどつぎつぎに花ハナが出デる。