洋ラン学園
21世紀の洋ランの始め方・花の楽しみ方・育て方・咲かせ方・花盛り・続け方
洋ラン開花事典(ハナペディア)・カトレヤ開花事典
咲かせ方の記録・洋ランは新芽を花芽時までに大きくすれば咲く

主な種類・タイプの苗の大きさ・芽出し・生長・蕾・開花の記録を網羅
芽が出てから大きくなり花芽が出て咲くまでが一目で分かります

要約−花期より年期・芽季・花芽時
洋ランは新芽を花芽時までに大きくすれば咲きます。花を咲かせるためには親株を大きくするのが基本です。
洋ランの開花期が代表的な冬・秋から春・夏不定期と色々あるのと同じように、花芽時は種類により色々です。
最も多い秋・冬咲では、冬から春に出た新芽を、梅雨から夏にかけてぐんぐん大きくすれば咲きます。
それに対して夏咲など、花芽が春に出るものは、(秋から)初夏までに出た新芽を直ぐに大きく育てなければならないので、冬から初夏までを暖かくするのが決め手です。
他のタイプも表にまとめてあります。
花芽時から遡って新芽が出る芽季までがポイントです。
色々な本やHPからではこの肝心なことが分かりません。
年期開花期芽季花芽時咲かせ方(花芽時までに大きく)種類(太字は記録掲載済)
1年型秋・冬冬-夏夏の後半以降梅雨から真夏の間に水を多くぐんぐん大きく 1シンビ2デンドロ3倍体3カトレヤ秋・冬咲、9セロジネ、12キンギ、16マキシ
aミルトニア/スペクタビリス
一セッコク、三春蘭、四エビネ、五報歳蘭

春咲同上同上同上3カトレヤ春咲

夏咲冬-春春ー初夏冬暖かく芽出しを早く,春も暖かく水を切らさず3カトレヤ夏咲、14グラマト
半年休眠
半年型

開花の半年後
見かけの休眠期を元気に3(ミニ)カトレヤ夏咲、6オンシ、15デンドロキラム、
半年型不定期咲(半年型)春・秋/冬・夏相当開花期型と同じ秋・冬咲、または夏咲と同様 3(ミニ)カトレヤ、6オンシ、6+ミニオンシ、8ジゴペタ、11デンファレ、
五+駿河蘭
2年型



2デンドロ・ノビル、7エピデン
多年型多年咲き
大きくなってから新芽を2年前後かけて大きく5パフィオ、11+フォーミ、12+大明石斛
2回咲1年後・半年後など

咲いた株や花茎を大事に 4コチョウラン、6オンシジウム、7エピデン、
11デンファレ、11+フォーミディブル、12キンギ
無年型単茎種
暖かく・水切れさせずに葉の枚数を増やす4ミニコチョウラン、4コチョウラン、10ミニバンダ13バンダ、二フウラン、



開花事典
まえがき
手持ちのランがはなかなか咲かないと、途方にくれます。何かヒントは無いかと思って本やHPを見ると、沢山のべからずがあったり、微に入り細をうがったmustが並んでいて、しかも人によって違っていて困ります。また、人の所と自分の所では栽培条件が違っていて実行不能なこともあります。
本やHPの情報は、たまたま手持ちの種類、一つの鉢が咲いた場合に、自分の世話の仕方を前提として、咲くまでに何か気付いたことを並べているのが殆どです。種類がちょっと違ったり、苗の大きさや栽培場所の気候や、植え方や水やりが違う場合にどうなるかは分かりません。
洋ラン学園では、苗の大きさを重視し、種類によらず殆ど同じ基本的な育て方をして、なるべく2鉢以上、2年以上咲いた場合の結果が基本です。2季咲きの種類は両方、芽が異なる季節に出た場合の違い、苗が大きい場合と小さい場合の比較もしています。上の表にあるように、個別の種類ではなく、育ち方や咲き方のパターンを把握して、代表例を取り上げています。
また、開花に重要な、共通のイベント、初めの苗の大きさ、芽の出た時期、大きくなり方、バルブの形成、花茎が出て蕾が出て咲くまで、を連続的に追跡しています。それらをグラフと写真で一目で分かるように示しています。
これにより、大半の種類の咲き方が分かると共に、ここに載っていない種類についても参考にすることができます。まだ、咲いていない例もありますが、着実に前進していると言えるでしょう。
初めのうちは、新しい花を見るたびに買っていたので、咲きやすい代表種でなかったり、苗が小さくて咲きにくかったですが、段々苗を選ぶようになり、基本的な育て方や咲かせ方が分かってきて、残った種類も似た方法で咲くことが分かってきました。

はじめに
洋ランはなかなか咲かないと思われています。開花株を入手しても翌年には咲かないことが多いです。やりかたが悪いのではないかと考えがちです。
しかし、咲かない理由の大半は、苗が小さいか、根腐れを恐れて水不足のため新芽が大きくならないためと言っても過言ではありません。
複茎種では花茎が出る時期に、新芽が十分な大きさになっていると、大抵の種類はあっけなく咲きます。
色々な本を読んだりネットで調べると、「種類や開花期ごとに、咲かせる方法」が書いてありますが、なぜ異なるかが分かりません。趣味でない園芸にとっては種類ごとに異なる方法が必要なのは厄介なだけです。大きくしても咲かなかったらやれば良いことです。
大株を入手すると早く咲きます。若株の場合は咲くまで2年以上かかることがあります。本やHPに「花を咲かせるこつ」が書いてあるのは、生産者や趣味家が若株を咲かせようとするからと言っても過言ではありません。
多くの洋ランは秋から冬に咲きますが、夏に花茎を出しています。そこで、夏までに新芽をぐんと大きくする必要があります。夏は休眠期のように言われますが、梅雨入りから梅雨明けまでに、雨を利用してどんどん水分を与えて大きくするのが良いのです。梅雨明け以降も、涼しい木陰気味の所で、地上近くでなるべく涼しく湿気を保ち、引き続き夕立と水やりを続けると生長は止まりません。すると、シンビジウムやデンドロビウムのような秋に花茎の出てくる種類も大喜びです。夏咲は、新芽の生長が間に合わないことが起きがちです。
単茎種の場合も「株が大きければ咲く」ことは同じなのです。単茎種の場合は、葉の枚数が目安になります。具体的に言うと、「コチョウランなら葉が10枚ある成株、大型のバンダなら葉が20枚ある成株」は咲きやすいです。単茎種は色々な理由で落葉しやすく、老化しても葉が減るので、葉の枚数を維持し多くすることが目標になります。
目次
要約、花期より年期・芽季・花芽時
はじめに
園芸店で手に入る種類(洋ラン学園で咲かせる種類)
花期より年期
二番花
小さい鉢に植えると咲く本当の理由、根を薄着の大鉢植えでも同じ

複茎種
一年型
半年型
半年休眠・半年型
二年型
多年型
無年型(単茎種)
二回咲き・二番花


園芸店で手に入る種類(洋ラン学園で咲かせる種類)

ク゛ルーフ゜仮称
属(学問的なものではありません)
五大属基本種1シンビジウム*、2デンドロビウム、3カトレヤ(3+ミニ、不定期咲)、4コチョウラン(4+ミニ)、5パフィオペディルム
新五属普及種6オンシジウム(+近縁属・属間交配種、6+ミニ)、7エピデンドラム、8ジゴペタラム、9セロジネ、10ミニバンダ
続五属花物11デンファレ(11+フォーミテ゛ィフ゛ル)、12キンギアナム*(12+大明石斛タイミンセッコク*)12++下垂種ピエラルディ、13バンダ**、14グラマトフィラム、15デンドロキラム
東洋蘭和蘭
石斛(長生蘭)、二風蘭(富貴蘭)(二+名護蘭)、三春蘭*、四エビネ*、五報歳蘭*(五+駿河蘭*)
山野草対象外aミルトニア、bリカステ、cオドントグロッサム、dソフロニティス、eマスデバリア

花期より年期
年期複茎種の子芽が出て(芽季)から咲くまで(年期問題、21世紀の趣味でない園芸の方法の効果グループ咲きやすさ
半年草子芽が半年ごとに出て大きくなれば咲く、1回だけ 小苗や、冬寒・植え替えなどで作落ちすると咲かない
(大苗選び、冬知らず・植え替えなしの鉢増し法の効果・冬芽欠きで隠れ半年草に
3+ミニカトレア不定期(未熟で花)、6オンシ黄花小輪交配、セロジネ、五+駿河蘭3
隠半年草開花の半年後に子芽を出し、大きくなるか未熟のままで1年後に開花、1回だけ(半年休眠) 同上
夏暑くて乾燥すると、休眠種の小株は弱り、秋芽が出ず、咲かない
(大苗選び、安全植え・水やり雨任せ・夏涼しく保湿・大株群生株作りの効果
3カトレヤ、8セロジネ、9ジゴペタラム(秋芽未熟で花)、15デンドロキラム(秋芽未熟で花)、16マキシラリア(秋芽未熟で花)5
一年草子芽が毎年開花と同時に出て大きくなれば咲く、1回だけ根腐れ・水切れなどで大きくならないと、咲かない(安全植え・水やり雨任せ・夏涼しく保湿・大株群生株作りの効果大部分:1シンビ、3カトレヤ、aミルトニア・スペクタビリス(秋芽秋咲)1
二年草子芽は1年目には咲かず2年目に咲く、1回だけ新芽が途切れると咲かなくなる(大株作り・群生株作りの効果2デンドロ・ノビル系2
多年草子芽は何年かかけて大きくなれば咲く、1回だけ小苗や、定期的に頻繁に植え替えすると咲かない(ミズゴケ・バークの難点、鹿沼土大株作りの効果5パフィオ(小苗)6
毎年草同じ株が年々新葉を出して伸びて繰り返し咲くキンキ゛は芽欠き必要、大明石斛は大株化必要12キンギアナム、12+大明石斛(11デンファレ)4
無年草子株を出さない単茎種、主に秋に花茎低温・日焼・根腐れ・病気で葉が減ると咲かない(バンダ・ロール単茎種(4ミニコチョウラン、4コチョウラン、10バンダ、13ミニバンダ)7


花期より花芽時
今年咲くかどうかがはっきり分かるのは花芽時に花芽が出てくるかどうかです。
種類によって花芽の出る時期は大体決まっているので、例年出る時期に花芽が出てこなければ、今年は花が見られないとうことになります。
花期が同じでも、花芽が出る時期は異なります。
洋ラン学園では本にあるような複雑な世話をしたり、色々なべからずを守ったりしません」。
むしろ、それよりも「洋ランは大きく育てれば、そしておおまかには
新芽が花芽時までに親株並みに大きくなっていれば何もしなくても自然に咲く
という方針でやっています。
また、「色々なべからずは、苗が小さい時に咲かせようとするから必要」なのではないかと考えています。
咲くものは、夏に植え替えをしても、肥料が秋まで残っていても咲く」ようです。
夏は雨季で本来生長期なのだから、休ませないでぐんぐん生長させる」、
ひよわな未熟児を過保護で育てるより、たくましい株を作る方が楽しくて、虫にも病気にも負けずにうまくいき楽です

洋ランを育てていると一番気がかりなのは
今年は花芽が出るのか?
ということです。それに伴って
花芽は何時頃出るのか」、
花芽はどんな形をしているのか、花芽は葉芽と区別がつくのか
が疑問になりますが、このようなことも、種類によっては本でもネットでも情報が得られないことがあります。
洋ラン学園ではこのような情報もお知らせしていきたいと思います。

さて、デンドロビウムの場合は「低温処理」が独り歩きしていますが、洋ラン学園にとっては「花芽時までに新芽が大きくなっているか」が問題です。
この「洋ラン学園の方針」と合致した記述が尊敬する山本デンドロビューム園さんのブログにあったので抜粋し転載させていただきます。他の洋ランにも当てはまると思います。世の中には前提を抜きにしたマニュアルがあふれていことへの警鐘でもあります。

デンドロビュームの10月の管理 山本デンドロビューム園のブログから、抜粋、作表化
http://yamamotodendrobiums.blogspot.jp/2010/10/blog-post.html
バックバルブ咲きの黄、オレンジ系統の品種を除き殆どの品種は止め葉も出て、バルブも完熟期に入ります。
デンドロビュームは夜間の最低気温が14度以下の低温に延べ日数で20から25回くらい当てることで花芽分化を起こし、花が咲く準備が出来ます。
関東方面では11月の中旬までには充分な回数が当たるようです。
ところがこれはデンドロビュームのバルブが充分に成熟していることが前提のはなしです。
もしも、14度以下が続くような時期になった時にバルブが充分に成熟していない場合、そのまま寒さに当たってもその部分には花芽分化が起こらないため、花芽が付かず不揃いな花付きになります。
デンドロビュームの花付きが良くない原因の多くは、低温の回数が足りないのではなく、低温に当てる前のバルブの成熟不足にあるのです。
完熟か未熟かをどのように判断すればよいか、記事から茎の色、先端部の状態などをを表にまとめてみました

バルブ先端部先端部硬さバルブの色置き場所
完熟状態バルブを包む葉がはちきれんばかりに丸々太った
指で摘むと硬く、しっかりと成熟しているしっかりと太陽光線に当たり飴色に近いいつ寒さに当てても構わない
まもなく完熟状態バルブに張りが出れば完璧丸く太って先端部までほぼ硬くなっているまだ緑ですが濃すぎることもなく、これからしっかりと太陽光線に当ててやれば色も褪せてきて 同上
このまま戸外で管理していても大丈夫

もう少しで完熟しそう

指で摘むと少し柔らかい先端部分がその下のバルブの色よりやや緑が濃い最低気温15度前後に下がっているようであれば、夜の間だけでも室内に取り込むなどして生育を早めたほうが良い
まだまだ未熟な状態未熟で細すぎやっと止め葉らしいものが見えてきた柔らかくとても花が咲く状態ではない
早急に室内に取り込む必要

バルブの見極めが難しい初心者の方は秋には早めに室内に取り込んでバルブを完成させて、冬に室内で低温に当てるような簡単な管理で栽培に臨まれたほうが失敗もなく確実に花を咲かせることが出来ます。

洋ラン学園が提案する「大きな苗は放っておいても咲く、未熟な苗ほど余計な世話が必要でそれでも咲くかどうか分からない」ことを如実に示す例と言えるでしょう。



花期より芽季
洋ランが全て1年型や単純な半年型なら、花期に一緒に芽が出るので簡単です。しかし、種類によっては、花が咲いてから芽が出るまで、見かけ上休眠している期間が長いものがあります。休眠の長い種類ほど、花芽までに生長できる期間が短いため、芽出しが遅れると花が咲きにくくなります。特に冬から早春に芽の出る種類は、保温・加温により芽出しを早くしてやると花が咲きやすくなります。

花の咲かせ方
1 花を楽しむ−二番花
花を咲かせる一番の近道は、開花株に蕾付きのものを入手することです。




二番花開花株についている蕾半年以内ミニカトレア・ミニコチョウラン・エピデンドラム

開花株についている新芽半年後ミニカトレア・オンシジウム・ジゴペタラム・駿河蘭

花茎に枝半年以内ミニコチョウラン・オンシジウムシャーリーベイビー

花茎が二度出る・半年デンファレ・フォーミディブル
お土産花開花株についている新芽/古芽1年後シンビジウム/デンドロビウム・ノビル

花茎が二度出る1年後キンギアナム






花の咲かせ方
どうかです。

小さい鉢に植えると咲く本当の理由−根を薄着に大鉢植えでもほぼ同じ
これまでの「趣味の園芸」では「なるべく小さめの鉢に植える」ことが咲くための必要条件のように言われてきました。またその理由としては、「根が鉢に一杯になるまでは、根を育てるのにエネルギーが使われて咲かない」とされています。
しかし、小さめの鉢には弊害が多く、実際多くの人ではこのためにランが枯れたり、苗がちっとも大きくならずに咲かなかったりしています。その理由は小さい鉢に植えると、水切れしやすく根が少ないため大きくならず、鉢内の寒暖の変動や乾湿の程度が極端になりやすく苗を傷めやすいからです。また、一度咲いても来年以降も咲くとは限りません
洋ラン学園」では、大きめの鉢に、「根を薄着に」植え、水切れさせずに大きく育てることを薦めています。
それでは「鉢が小さいと咲く本当の理由」は何でしょうか。鉢が小さいと、根が伸びて鉢の表面(内側)まで早く届き、それからは鉢の内側に伸び、やがては根鉢を作ります。そうすると、根は植え込み材料の中より、空気に良く当たるようになります。本来空中にむき出しの洋ランの根は、鉢のヘリで元気になって、苗も元気に生長し花を咲かせるのではないでしょうか。
そうだとすれば、「洋ラン学園の根を薄着にする植え方」でも、「根は普通の植え方より空気に触れやすいため、鉢が大きくても生長も開花も遜色ない」と言えると思います。
大きめの苗を大きめの鉢に根腐れしない根を薄着の安全植えで植えてやると、乾き過ぎが抑えられ水切れが減って大きくなる、鉢内の寒暖や乾湿の変化が少なくゆっくりになって苗の負担が減り、、水やり間隔も長くできる、根の量が多くなって大きく育つ、その結果として、自然に咲き、続けて咲き、枯れる心配も減る、しかも水やりも植替えも少なくて済む。ということになります。


タイプ別開花事典
カトレヤは種類やタイプが多いので別ページにまとめています。
東洋蘭和蘭も別ページ

目次
複茎種
7 エピデンドラム 未
6 オンシジウム
12 キンギアナム
8 ジゴペタラム  未熟芽
9 セロジネ
1 シンビジウム  バルブの幅
11+ 大明石斛(スペシオサム)
15 デンドロキラム 未熟芽
2 デンドロビウムノビル系 節の数と葉の長さ
11 デンファレ
11+ デンドロビウム・フォーミディブル
5 パフィオペディルム 葉の枚数と葉の長さ
16 マキシラリア
6+ ミルトニア・スペクタビリス
3 カトレヤ
単茎種
4 コチョウラン
10 ミニバンダ
13 バンダ
東洋蘭・和蘭


複茎種


6オンシジウム 半年型・冬春・夏秋咲
オンシジウムと言えば黄色の小さい花が沢山咲く株を思い浮かべますが、主に出回っている種類は3種類あり、区別がつきにくいですが、育ち方や咲き方がやや異なるようです。アロハイワナガとスイートシュガーは夏と冬に出回りますが、ゴワー・ラムゼーは主に夏咲・高温性と言われています。
また、オンシジウムは、半年型でしかも新芽がどんどん上から出て根が届かなくなってしまうため作落ちして咲かなくなりやすい、という問題があります。
半年ごとに子芽、孫芽と新しい世代が出ます。生長期間が短く、高芽で根が届かなくなるため、次第にバルブが小さくなって咲かなくなる傾向があります。


夏・秋咲




冬・春咲






芽季バルブ形成草丈花芽時バルブ長開花期芽季バルブ形成草丈花芽時バルブ長開花期
アロハ・イワナガ











中温性
周年開花、花弁は厚く花持ちは一カ月以上
葉は厚く幅広いがやや垂れやすい
ゴワー・ラムゼイ10月6-7月35cm8月7cm
5月10-11月、6-2cm30cm


主に夏咲
高温性
開花までの生育が早い
切り花代表花茎が伸びやすい
芽は半年ごとに出るが咲くまで(年期)は1年
スイートシュガー3月6月,1.7cm25cm8月7.5,6cm
9月
25cm1月6.5cm、5cm3月 中温性
葉が短くコンパクト
不定期、秋咲が多い






























アロハイワナガ Onc. Aloha Iwanaga (Onc. Goldiana x Onc. Star Wars, 1990)
近年一番多く出回る種類です。次に述べる種類とは、ゴワー・ラムゼーとは片親が共通の兄弟、そしてスイートシュガーの親です。
3本立ちの寄せ鉢か、1本植えの若苗の形です。特に寄せ鉢はミズゴケが腐って根腐れしていることがあり、作落ちの原因になっています。


ゴワー・ラムゼイ Onc. Goldiana x Onc. Guinea Gold, 1977
秋に入手した開花株から新芽が出て、他の株からは半年ごとに初夏に新芽が出たりしましたが、この新芽は孫を出さずに1年かかって親と同じ大きさになり咲きました。
最初は伸びるだけで、遅くになってから、バルブが顔を出します。

ゴワー・ラムゼーはスイートシュガーよりバルブを作りにくいようで、やや咲きにくいようです。

バルブ幅
親開花株のバルブが大きい株ほど、新芽のバルブが早くでき始めて大きくなって咲きやすくなる傾向があるようです。
桃色は花茎が出た時期(花芽時)
開花親株6月7月8月

#28x38.5x2.37x2.57x2.4

#37x37x1.55x1.5


#46x2.5---



スイート・シュガー (Onc. Aloha Iwanaga x Onc. varicosum, 1990, M. Sato)
アロハ・イワナガの子で、原種との交配です。そのせいかやや小ぶりのようです。登録はアロハ・イワナガと同じ年です。
夏に開花株を入手し、直ぐに新芽が出て10月にバルブができ11月には花茎が出始めて、半年後に二番花が咲くパターンです。

スイート・シュガー'100万ドル' (Onc. Aloha Iwanaga x Onc. varicosum, 1990, M. Sato)
夏に入手した開花株の寄せ鉢になっていた3鉢を並べて育てたところ、新芽は半年ごとに出ますが、開花は1年かかり、他方の新芽は咲きませんでした。
最大の株は半年後に咲き、やや小さい方は1年後に咲きました。
オンシジウムは花芽時の期間が長いようで、あきらめかけていた株に後から花茎が出てくることがあります。花芽時にバルブができないようでは花茎が出ません。

鉢#親開花株 夏芽花芽時
2011.1
春芽 春芽花芽時
2011.7,8
8




166.5x2.7x1.83月中旬7x37.5x3x2




27.5x3.85.5x2x1.23月下旬6x2.5x1.56x2.5




38x3.54x2.25月上旬6x1.9






親バルブが大きければ小バルブが小さくても咲く傾向があるようです。親から養分(開花成分)を貰っているかも知れません。
花の咲いた後は芽出しが遅れる傾向があります。

スイートシュガー100万$、アロハイワナガの子 Onc. Aloha Iwanaga x Onc. varicosum, 1990, M. Sato
半年ごとに子芽、孫芽と出ましたが、咲いたのはどちらかでした。
入手した開花株は、3本目のバルブが開花中で、前後して8/9月に新芽が出て、12月にバルブができ始め、鉢#3は1月に花茎が出始めて半年後の3月に咲き芽出しが遅れて5月になり、1年後は咲きませんでした。G#2は半年後には咲かない代わりに新芽は3月に早く出て、7月にバルブになり始めると同時に花茎が出て1年後に咲きました。
このように、半年型は芽は半年ごとに出ても咲くのは1年ごとということが良くあります。

花茎の出る半年後までに十分大きくなってバルブができていると、咲きます。大きくならずにバルブができないと咲き損ないます。
秋咲は8月に大体草丈25cmバルブ5cm以上で花茎が出ています。
一度小さくなるとじり貧になり咲かなくなってしまいます。

夏・秋咲の例
スイート・シュガー
鉢#1(グラフの紫色)

鉢径芽出し花茎開花草丈株数花茎葉枚数葉幅バルブ高さ厚さ
2009
開花親株




25



6


子株
8月?1月
24



6.52.71.8
孫株
3月?8月10月29



7.532




ミニオンシジウム
一般に半年型で、冬咲の場合は9-10月に花茎が出て、1月から咲き始めます。


12キンギアナム
デンドロビウムで、オーストラリア産です。根が丈夫で寒さに強いです。芽ぶきが多いため、長年ほったらかしにしておくと新芽が年々小さくなって咲きません。大きな株を残して、新芽も芽欠きして数を整え、水を切らさないようにすると大きくなって咲きます。一度咲いても、翌年さらに伸びて咲きます。

14グラマトフィラム スクリプタム
寒さに弱いせいか咲きません。2012に初夏に蕾付き株を入手して咲きました。
2011年は早く屋内に入れたので親株の枯れは免れましたが、その後新芽が枯れました。
花茎の出るのは早いので、その時に目覚めていなければ咲かないと思われます。
シンビジウムと近縁です。シンビジウムは晩秋に新芽のバルブが大きくなると、その横から葉芽と花芽が同時に出てきて冬に咲きます。
グラマトフィラムは新芽でないバルブからも花茎が出るようです。


Onc. Kutoo 'CT-Little Cherry' Onc. ornithorynchum x Tolu. variegata、Oncidium sotoanum (syn.ornithorhyncum) x variegatum
Tolumnia Rafinesque, is a genus in the family Orchidaceae. Previously known as the "equitant Oncidiums," the species were segregated from the mega-genus Oncidium by Guido Braem in 1986. The plants are small, usually epiphytic, with small or absent pseudobulbs completely covered by leaves, which are triangular or circular in cross section and overlap each other at base to resemble a fan. The inflorescences arise between the leaf base and bear colorful, showy flowers. The labella are large, ornamented by variously shaped calli. The column bears prominent wings flanking the stigma.
The genus is restricted to the Greater Antilles, with one species extending to Florida and one into the Lesser Antilles. Some species are listed by the Royal Horticultural Society as occurring in mainland Central and South America as well.
A frgarant little cheery doll.
Intense red to dark pink, fragrant flowers on a smaller size plant (Wikipedia)




8 ジゴペタラム
新芽が未熟でバルブもできないうちに花茎が出てきます。新芽は開花の後も生長ししばらくしてから次の子芽を出します。するとまた花茎が出てくることもあります。ですから新芽は開花より遅れますが休眠ではありません。
なお、ジゴペタラムは、バルブが腐ったり、新芽の葉が開かず巻いたままのためか雨ざらしだと腐ったりすることがあります。
また、開花株がその後十分大きくならなかったり冬芽が出て大きくならず作落ちすることはあります。
開花株入手からの2年後の開花
ジャンピン・ジャック'ビッグ・ビーンズ'、Zygopetalum Jumpin Jack、Zygopetalum Skippy Ku × Zygopetalum Artur Elle


8ジゴペタラム
半年ごとに子芽、孫芽と新しい世代が出ます。不定期咲とされていますが、元気ならば年に2回咲きます。
夏咲の例
2011年2月に開花株を入手しました。大きな株です。
その時の新芽は花茎を付けませんでしたが、1年後の6月中旬に草丈21cm、基幅2.5cmとなってになって花茎を付けて咲きました。
別の種類は、同じ時期の草丈が10-15cm、基幅は1.8cm以下で花茎は出ません。

鉢径草丈株数花茎葉枚数葉幅バルブ高さ厚さ葉幅

1240
6月中旬/草丈21cm10
3-3.53.2-43





1シンビジウム
1年型
大株は草丈が80cm近く、若株は50cm前後のことが多い。以前は贈答品の代表で豪華な大株が主流でしたが、次第にコチョウランにとって代わられ、安価な若苗に代ってきました。
代表的な生長・開花のパターンは11月に新芽が出て、1年後の11月までに親株と同じ大きさになり花茎が出る、前後して次の新芽が出る。暖かくなって4月に開花。
店頭には開花株が秋から春まで出回ります。極早咲から遅咲きまでなどに分けられています。

バルブの生長と花茎
シンビジウムは秋の初めまで葉が伸び続けて草丈が高くなり、それから葉の伸びが止まるのと前後して根元が太くなって花茎が出てきます。
草丈はそれほど小さくならなくても、バルブの太りが悪くなると花茎が出ません。
下の図はバルブの太りと花茎の出方の例です。

9セロジネ/一年型冬咲
代表種として、交配種のインターメディアと原種のクリスタータがあります。インターメディアの方が丈夫で咲きやすいようです。店頭の開花株は小さいものから大きいものまでありますが、大きい株の方が咲きやすいです。
このグラフは、草丈45cm、バルブ4本、高さ最大9.5cmの大株の2011,12年の例です。2011年12月には凍傷にあいました。インターメディアは4月に新芽が出て、8月にバルブが見え始め、10月に花茎が出て2月ごろ咲くと言うパターンのようです。クリスタータはバルブが見え始めるのが少し遅く10月頃です。この差が咲きやすさにつながるのでしょうか。
株も花も小さいですが、花が真っ黒で特徴があります。丈夫ですが、どんどん高芽になるのが困ります。



大明石斛
中々咲かないことで知られています。バルブが大きくないと咲きません。一旦小さくなると回復が難しくなります。ただしバルブは他のランでは1年で生長が止まりますが、何年もかけて徐々に大きくなります。
大きな開花株を入手すると、他のランと違って同じ株に何年も花が着くため、開花を楽しめます。


   
左、売られている開花株、草丈(葉の先まで)41cm、バルブ長さ21cm太さ3cm。 右、長年植え放しで小さくなった株と一緒に、草丈(葉の先まで)20cm、バルブ長さ7.5cm太さ1.8cm。
作落ち株の回復


              

2 デンドロビウム/ノビルタイプ
デンドロビウムは通常は新芽が1年目は葉が残って咲かず、2年目の秋までに太って充実すると落葉し、葉を出した節に花芽を着けて咲きます。
花芽は15℃前後の寒さに半月前後あうと形成するとされ、花を咲かせるには低温処理が必要で、低温に合わないと花芽にならず葉芽になって、高芽に変わると言われています。
一方、近年、新芽がその年に咲くタイプの品種(仮に当歳咲と呼びます)が開発され、売られています。こちらは低温処理も不要とされています。
デンドロビウムは屋外で育てるのが普通ですが、下の一年型の例は、周年室内でも育って咲いています




2年型 新芽は1年目は咲かない
2年目に充実し落葉して花芽が着く
花芽は低温にならないと付かない2,4倍体
1年型 他の1年型洋ランと同じ
新芽が秋までに伸びて花芽を付ける
低温処理不要3倍体

(1)2年型の例(セッコクとの交配)
まず普通の複茎種と同様に、開花と前後して新芽が出ます。ある程度伸びて1年を迎えます。翌年の春から再び伸びて親株とほぼ同じ高さに達します。
翌年には、さらに少し伸びて2-3枚葉が出て、その下の落葉した部分に葉の鞘の付け根から花芽が出てきます。



(1)1年型の例
ここで示す例は、当歳咲の若い苗です。2010年の夏に2本立ちの開花株を入手しました。茎は細かったです。
それを1年目は主に屋外で、寒くなってから室内に入れ、厳寒期に蕾が出たところで暖かい部屋に移しミズゴケ・ペットボトル植えに変えました。
何株か育てていますが、この例は充実している典型的な苗です。
下中と右の写真は大きな株の例
  
左:2階建てペットボトル植えの、デンドロビウム ノビルタイプ、1年型
左から順に1,2,3,4年目の新芽。
2番目が2010年夏に開花株を入手した時に咲いていた株。
その年の夏から家の室内で育て、3本目が育って翌冬2011年に花芽が着き春に開花。
2012年は、冷暖房完備の室内で2階建てに変えて太く育っています。

下の図の実線は4本の芽がどのように伸びたかを各節の高さで、またそれぞれの葉の長さを示したものです。
■は花芽の付いた節で、その内□は葉が残っている節です。一昨年咲いた芽にもまだ1枚残り、そこは葉の付け根のシースもまだ青々しています。
破線はそれぞれの節の葉の長さで、終り近くは小さくなって、最小の止め葉が上向きに出ます。

2デンドロビウム ノビレ系
春咲
デンドロビウムは、シンビジウムと並んで、以前から最も一般的な洋ランです。洋ランの代表のように思われていますが、花の咲き方は一般的ではありません。本やネットでは「花と前後して新芽が出て1年後にまた咲く」と片付けられているので、1年型かと思うとそうではないのです。咲くのは新芽の1年後ではなく、その前の年に出た芽ですが、そのことを明記したものは殆どありません。「デンドロビウムは意外に咲きにくい」といわれるのは、主にこのことが考慮されていないためと言える位です。
2年を要するとすると、芽があっても慣れないうちは2年目に弱らせてしまうことが考えられます。また、入手した年と次の年には咲いても、入手した年に新芽が出ていなくて、その翌年から咲かなくなってしまうことが多いようです。
デンドロは、秋の低温に合わせないと花芽が着かないと言われますが、暖かいうちに屋内に取り込んだりしなければそれほど気にする必要はありません。
なお、近年は、染色体の数の異なる、2倍体と4倍体を交配して作った三倍体品種で、新芽が一年で咲くタイプが増えています。

デンドロビウムのノビレタイプの生長と開花、新芽は1年かけて丈が親と同じになり、2年目は太く充実して秋には落葉し、その一方で蕾を付ける。




11デンファレ
売られている鉢は、大型の3本仕立か、若苗のプラスチック鉢植えが多いようです。
大型鉢は寄せ鉢なので、鉢から出してそれぞれに分けて育てます。大型になるだけあって、どちらかというと高温性で寒さに弱そうです。
一方一株植えはむしろ株立ちになっています。原種のビギバムを初めとしてこちらは寒さに抵抗力がありそうです。
洋ラン学園の原則通り、根腐れしにくい植え方をして、夏は水切れさせず、冬は冬知らず」にすれば、良く生長して咲きます。
ただしこの原則を貫くために少し注意が必要です。薄葉で、寒さや雨で落葉しやすいため、他の洋ランのように乾かし気味にすると生育不良になります。またデンドロビウムだから日光に強いと考えて、デンドロビウム・ノビル系に準じて直射に近い日光に当てていても、乾かし気味になって弱ります。
デンファレは、バルブの先端の葉の間から花茎を出して咲きます。また、冬と夏など、一度咲いたバルブに半年後にまた咲くため、二番花は咲きやすいです。
11デンファレ 半年型
冬、秋咲
デンファレは半年ごとに新芽の出る種類が多いようです。
デンファレは頂葉の間から花茎を出すのが特色です。また、一度咲いた株から再び花茎を出すことがあります。
冬咲タイプは、夏の6,7月に芽が出てから高温の生長期があるため、夏を涼しく水切れさせず、茎がバルブになって花茎の出る秋の9,10月までに大きくできれば、咲かせやすいです。
半年ごとに、古い芽も一緒に、咲けば楽しいでしょう。




12+デンドロビウム フォーミディブル 1年余り型
フォーミディブルは、新芽が1年たっても咲かないようです。特殊なタイプと言えるでしょう。
また、咲きそこなった高芽から半年後に咲いたり、という点も変わっています。
夏の暑さと乾燥で弱るので、「細茎・薄葉種」として、植込みの中などで、夏涼しく、木漏れ日下で、保湿して、水を切らさないようにすると、元気です。
小さな鉢に植えられているのも枯れやすい原因の一つです。


2009年6月に入手した開花株にすでに付いていた小さな脇芽が、それから1年半余り伸び続けて10年12月に蕾を付け、1年半以上たって2011年3月に咲きました。脇芽が冬芽だったとすれば約2年です。




11+ デンドロビウム フォーミディブル 竜馬
フォーミディブルは初夏に開花株が出回ります。それから夏にかけて日当たり良く乾燥気味に世話をしていると弱ってしまいます。
一方「洋ラン学園で提案している、薄葉種は夏に保湿し水切れさせないようにする」と、6月頃に夏芽の新芽が出て、夏負けせずにぐんぐん生長します。
秋に背丈が伸びるのは他の種類には余りない特徴です。
フォーミディブルは冬にも花をつけますが、夏に咲きそこなった高芽からのことが多く、本来の花期は夏のようです。

15デンドロキラム
本やネットに余り情報の無い種類です。
育ててみたら、「年期は隠れ半年型、芽が大きくならないう内に咲く未熟芽開花型」のようです。
代表種は、小型で秋芽秋咲のフォルモーサムと、大型で秋芽冬咲のグルマセウムと言えるでしょう。
左:フォルモーサムの開花株、右:グルマセウムの蕾付き株

小型・細茎・薄葉タイプなので、大型株を水切れさせずに育てる必要がありそうです。
小型・秋芽・秋咲 フォルモーサム

15デンドロキラム
グルマセウム
冬に開花株を入手してからはずっと動きが目立ちませんが、開花株の細いバルブが太り続けます。夏に芽が出始めてぐんぐん生長し、冬の初めに咲きました。秋にも新芽が出て、遅れて咲きます。
売られている鉢は小さいものが多いですが、休眠期までに弱ってしまうことが多いです。巨大株なら安心です。
 
左:巨大株(草丈40cm)の新芽、6月後半。右:開花12月前半、右の鉢は中株




フォルモーサム
秋芽
年明けに開花株が出回り、ずっと目立った変化はありませんが、暖かくなるにつれて開花株の細いバルブの太りが目立ってきます。5月に新芽が出ます。

 
左:新芽から花穂、12月前半。 右:開花、2月初め




5 パフィオペディルム


モーディエ・タイプ
2008年11月に小さな脇芽付きの若い開花株を入手、2年以上たって、親株を超える大きさで咲きました。その間に子芽・孫芽と次々に出ています。
  
左:入手して1年半後、10年4月 下(手前)3枚が親株#1、上4枚が子株#2
中:7月 バークに植替え 下(手前)4枚が開花親株、上5枚と新葉が株#2
右:10月
 
11年4月初め開花(左の鉢)
 
11年6月 開花株の右横に孫株#4                        11年11月                12年6月凍害により作落ち(写真省略)

葉の数は最大時に7枚、親株の葉は最大で13x4.7cmでしたが、子株が開花した時は最長は24cm、最広は4.5cmでした。

11-12年

パフィオペディルム
パフィオペディルムは、他の複茎種と異なり、新芽が1年後に開花の大きさに達しないと、その後もさらに生長を続け、2年目以降に十分な大きさになると咲きます。単茎種に似ています。
親株が大きいと、種類によっては新芽が一年で他の種類と同様に大きくなって咲く物もあります。
しかし、パフィオの売られている開花苗は、初めて咲いたという若株が多いため、それからでる新芽は直ぐには大きくなれないことが多いです。
他のランは一度咲くとそれからは原則として毎年咲きますが、パフィオはそうとは限りません。
その上、一般にはパフィオは、過湿にも過乾にも弱いとされており、若苗を入手すると、咲かせる前に枯れてしまうことが多いのです。
ここに示す、斑入り薄葉のモーディエタイプの場合は、最初は室内で育てていたため根腐れ気味でした。その後もバークで小さい鉢に植えていたため生長が遅れていました。安全植えなので水やりを多くしたら、大きくなって、2年後に咲きました。鹿沼土でやや大きめのポットに植替え・鉢増ししてからは生長が早くなっています。

成株の例
緑葉整形
株が大きくなって株立ちになっても、新芽が1年で咲くわけではなく、何年もかかっているようです。






16マキシラリア
秋咲
シュンケアナ
マキシラリアは種類が多いですが、その内シュンケアナは真っ黒な花が咲くとして知られている小型種です。開花株は主に冬に売られますが、家庭で普通に咲くのは夏のようです。2011年の冬の2月に開花株を入手しましたが、次に咲いたのは2012年の6月でした。
4月には新芽が伸び始め、10月には伸びてバルブができ始めます。その後も少しずつ伸び続けます。
根は強そうで、バーク植えも鹿沼土植えも大差なく、鹿沼土の方が芽が大きく多いようです。芽がどんどん上から出るようになるのがやっかいです。芽ぶきが多いので芽欠きが必要かも知れません。その一方で、特に鹿沼土植えの方は低い古株からも芽が出るので、低い芽を残し、他は芽欠きしても良いでしょう。



ポリフィロステレ、大型、冬咲
開花中の2月には新芽が出てきて、8月には根元が太ってバルブになり始めます。バーク植えよりも鹿沼土植えの方がバルブなどが大きいようです。

ミルトニア/スペクタビリス系交配種
江戸紫
全長50cm近くでバルブが5本、高さが11cmある巨大開花株です。
開花とほぼ同時に新芽が出て冬を越してから大きくなり、8月にバルブができるのと同時に花茎が出て9月終りから咲き始めました。
京紫の方は株が少し小さく、新芽が凍害に遭って、出直しの芽出しが春になり、花芽時に間に合わないのか咲きません。





aミルトニア スペクタビリス
2009年秋に開花株を入手しました。
初めのうちは乾かし気味の栽培で、新芽が小さく咲きませんでした。水切れしないようにしたら、大きくなって咲きました。
花後の秋から初冬にかけて芽が出て伸び、冬から春は伸びが止まり、夏に大きくなり、根元が厚くなってバルブになり始めるのと前後して花茎が出てきます。
花芽時に新芽が小さかったり、バルブができなかったり薄いと、花茎が出にくいです。

鉢径芽出し花茎開花草丈株数花茎葉枚数葉幅バルブ高さ厚さ
2009



26


22x2.7



2011121月?7月10月31
31223x3.283.52

江戸紫
巨大株の場合は、10月に開花株を入手し、11月に新芽が出て、年明けには一旦生長が鈍りますが春に再び生長を始め、8月にバルブができ始めると同時に花茎が出てきました。





単茎種
別ページ

ミニコチョウラン
コチョウラン

ミニバンダ
バンダ



東洋蘭・和蘭
別ページ




1.17 シンビジウムのバルブ幅 目次
11.7 花芽時「はじめに」補足 オンシジウム詳細化種比較表
11.5 デンドロキラム改訂「細茎薄葉型・隠れ半年型・未熟芽開花型、冬・夏咲
10.6 6オンシジウム系 10.25 2デンドロビウム  山本デンドロビューム園のブログの転載 10.27 11デンファレ 10.28 11+フォーミディブル竜馬
8.16 カトレヤ開花事典分離
8.14 東洋蘭、バンダなど開花事典分離、8.15 ミディーコチョウランのグラフ
8.8オンシジウム/半年型詳細、ミニバンダ、バンダ、 10 11+大明石斛開花株と作落ち株の比較
8.6 3+ミニカトレア チェリー・ソング アルバ/半年型夏咲、ミニオンシジウム/半年型夏・冬咲、9セロジネ/一年型冬咲、16マキシラリア/1年型、ポリフィロステレ大型冬咲、ミニバンダ、風蘭交配種・夏咲まえがき
8.3 ポティナラ/クリエイション夏、ジラ・ワイルダネス/隠れ半年型冬咲、ファイア・キャサリン/1年型春咲き
7.23 ミニバンダ、バンダ
7.21 15デンドロキラム・半年休眠半年型、ミルトニアも、目次
7.20 デンドロ・ノビル系2年型
7.19副題、咲かせ方の記録)、3カトレヤ1年型春咲、五報歳蘭、11デンファレ半年型冬咲、11+フォーミディブル1年余り型、マキシラリア/1年型、シュンケアナ小型夏咲
7.18 要約、一覧表、新芽を花芽時までに大きくすれば咲く
7.18 五+駿河蘭
7.17 3カトレヤ夏咲(半年型)、3カトレヤ冬咲、6オンシジウム(1年型)
7.16 8ジゴペタラム、aミルトニア/スペクタビリス、6オンシジウム(半年型夏)、5パフィオペディルム、3ミニカトレア、3カトレヤ秋咲、14グラマトフィラム、
2012.7.15- ファイル・グラフ作成掲載開始 1シンビジウム、

2012. 小さい鉢に植えると咲く本当の理由-根を薄着に大鉢植えでもほぼ同じ