21世紀の洋ランの育て方と咲かせ方
第二部
U 今月のラン

この度の東日本大震災で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。



7月

前半と後半に分けられます。は梅雨の後半で雨の晴れ間の日差しが強くなります。初夏の続きでどんどん暑くなりますが、後半から梅雨明して猛暑となります。
梅雨の間は高温と雨で生長が旺盛になります。夏芽が出てくる種類もあります。雨ざらしにすれば多くの種類は水やりなしで過ごせます。また雨でカイガラムシの孵化したばかりの幼虫や、ハダニを退治できます。長雨に当てると根腐れや病気が出ることもあるので、2日以上雨の時は軒下などに取り込むと万全です。


カトレヤ トシエ・アオキ'ポカイ'
 
ゴメサ クリスパ 'アルファ・ギガ'                    アスコフィネティア

他の月は、に分けて他のページにあります。


あらまし

花など:
コチョウランが咲き続けます。カトレヤの夏咲の蕾が大きくなります。ミニバンダのアスコフィネティアや、その交配親の風蘭が咲き始めます。
園芸店で:
前半はお中元商戦の名残がありますが、コチョウラン以外の花は少なくなります。夏物のデンファレ、グラマトフィラムやバンダ、風蘭、夏咲きのカトレヤが出回ります。珍しい種類では、オンシジウム近縁のゴメサが見られることもあります。
置き場所(日除け):
気温はどんどん高くなり、多くの種類は生長を少し止めて休眠気味になります。日焼けしやすく日光を余り必要としないので、日陰気味の場所が安全です。
置き場所(雨ざらしと雨除け):高温期なので過湿の根腐れよりは水不足による生育不良に注意するようにし、雨ざらしにします。梅雨の後半や梅雨明け後は長雨の心配もありません。
主な世話:
複茎種は昨年咲いた親の根元からは引き続き根が伸びるので、根が露出しないように覆ってやると元気になり、子の新芽が出たり伸びたりします。肥料は春の元肥だけで十分ですが、半分にして、根や新芽が元気になってから追肥を置肥しても良いでしょう。
病気:
長雨に当たると、葉の薄い種類の新芽や新葉はカビ病で腐ることがあります。雨ざらしで、パフィオの根元の葉枯れ病気が気になる人はカビ用の殺菌剤を散布すると良いでしょう。
害虫:
ナメクジが活発になり、柔らかい新芽や根冠を食べられます。カイガラムシも生長が目立ちます。


7月の各種蘭の様子


下線付き属名のリンク先に育ち方と咲き方があります。育て方と咲かせ方は全部基本的に同じにしています。

五大属

1シンビジウム  置き場所、引き続きやや遮光気味で雨ざらしが基本です。真昼以降の直射日光は危険です。水やり、一般にはそろそろ毎日といわれることがありますが、このHPではなるべく回数を減らしたいと考えています。梅雨入り後も雨ざらしであれば、晴れた日にバーク植えは2-3日毎、鹿沼土植えなら週2回を目安にやります。開花、ありません。新芽、どんどん伸びます。雨はまさに恵みです。

 
エンザン・フォレスト 'マジョルカ'の新芽               ワルツ 'ロマンズ' 凍害から回復始まる


2デンドロビウム ノビル系 置き場所、日向のテラスに置いています。屋外冬越しの凍害の後遺症からやっと元気になりました。新芽が伸びています。
下垂種の春咲きのピエラルディーの開花株を入手しました。唇弁がフリル状になっていてきれいで、低温にも強く咲きやすいそうです。一方乾燥に弱く難しいとも言われています。

3カトレヤ 置き場所:植込みの根元か、家の北側。朝夕だけでも直射日光が当たると日焼けの恐れがあります。雨ざらしにずると、新芽が出たりぐんぐん伸びたり、シースや蕾が大きくなります。
前半:開花、夏咲き種のメモリア・ヘレン・ブラウン 'スイート・アフトン'の開花株を入手しました。
 
写真はカトログさんから転載

蕾・シース、夏咲のトシエ・アオキ'ポカイ'の蕾が慌てて、秋咲のピュアズ・デライトや冬咲きのファイア・キャサリンのシースが出てきました。新芽は春芽が伸び、一部は夏芽が出ます。新芽の元からは根が伸びます。
 
左:夏咲のトシエ・アオキ'ポカイ'の蕾7月22日、蕾付きの左側が冬芽の元になった夏芽    右:開花7月29日

土増し:根が露出していたり、新芽の根元から新根が出てきたりするので、覆います。下記の世話参照。
  
      右:モーニング・グローリーの蕾

 
エピ/マリエxテネブロッサのシースから伸びてきた花茎と蕾 

3+ミニカトレヤ 置き場所:カトレヤ大型種と同じ。は、一休みです。冬・春新芽が伸び夏新芽も、雨ざらしの効果か、続々と出ます。その元からは新根も出ています。土増し:大型カトレヤと同じ。
後半: 不定期咲のちぇr-・ソング・アルバは、芽が出たっと思ったら1月で親を超える大きさとなり、葉の間にシースができました。
  
チェリー・ソング・アルバ、不定期咲 左:6月20日 右:7月22日、下左シース 右蕾7月29日
 

先月入手した、夏咲のハワイアン・ウエディング・ソングが、シースから蕾が顔を出し始め、大きくなりました。
 


4コチョウラン 置き場所、中旬、日が高くなって南の軒下の棚が日陰になったので、外に出し、朝夕の直射を避けるため遮光ネットで囲いました。雨の日には短期間雨ざらしにすることもあります。
植え替え:ミズゴケ植えから、鹿沼土への植え替えを行います。梅雨の間は、新根が出始めて植え替えの適期、乾燥しないので植え替え後の吸水不良による衰弱が防げる、ために植え込み材料を取り除く本格的な植え替えには適期です。コチョウラン参照
高温性なので六月になると元気になってきます。は、咲き続けています。新葉が出たり、小さい葉が伸びたりしています。葉の間から新しい気根が出始めました。
 
左:新葉 右:花茎の枝の出始め

4+ミニコチョウラン 置き場所:大型種と同様。花茎:新しい花茎が出たり、元気な花茎から枝が出たりします。

5パフィオペディルム 生長、後半:高温と雨で、新葉や新芽がぐんぐん伸び、夏新芽も出ています。、鹿沼土は乾きすぎず湿り過ぎずで根の繊細なパフィオに最適で、透明ポットの中で根が伸びています。
青葉
パフィオ・グループ
左:スピセリアナム、右:リーアナム、どちらも鹿沼土と軽石などの混合培養土で透明ポット植え、根が良く伸びています

整形大輪交配種 x Kimura's Present、左:鹿沼土植え、植え替えせずにどんどん芯葉が伸びます 右:バーク植え、やや華奢です

斑入り葉 
モーディエタイプ 左:新芽の伸び、右:新芽の基の根の伸び

斑入り厚葉小型 
マジック・ランタン バーク植えで鉢底近くに横穴開け、土増し

新五属

 
6オンシジウム 後半:新芽、どんどん伸びています。大きさにバラツキがあります。
 
スイートシュガーは夏の開花株に脇芽が付いていて、それが生長してさらに春芽を出し、春新芽から、花茎が出てきました。
後ろに隠れている皺の寄った大きいのが昨年の開花バルブ、左が夏芽、前の花茎付きが春新芽です。半年ずつなのでバルブが段々小さくなってしまいます。
 

6' ブラッシア 新芽、どんどん伸びています。バルブがだんだん大きくなってきました。


6' マクレラナラオンシジウム群属間交配種・参照) 新芽、どんどん伸びています。

6’ コルムナラオンシジウム群属間交配種・参照) 新芽、どんどん伸びています。

6' ビーララオンシジウム群属間交配種・参照) 新芽、どんどん伸びています。

6' ゴメサ 開花、クリスパ 'アルファ・ギガ' Gomesa crispa 'Alphagiga'の開花株を入手しました。ブラジル産でミルトニアに近縁と言われています(ミ.スペクタビリスはブラジル産、主体はアンデス・コロンビア産)


6+ミニオンシジウム 新芽、ケイロホルム、トゥインクル'ダイアモンド・ファンタジー'の新芽が伸びています。フラグランスファンタジ花茎、トゥインクル'ダイアモンド・ファンタジー'の新芽から花茎が伸びて蕾が膨らみ始めました。バルブができているのもそうでないのも花茎が出ます。
6' イオノシジウムオンシジウム群属間交配種・参照) 新芽、伸びはゆっくりで、大きくならに株もあります。

7エピデンドラム 置き場所、家の北側の半日陰に置いています。開花、休み。生長、新しい子株は伸び続け、花茎や高芽が伸び、になってきます。新芽、コロナとローズバレーは鹿沼土に植え替えたので休眠中です。

植え替えなかった鉢は根が伸びて新芽も伸びています

小型種セントラデニウム、後半、新芽、高芽が伸びています。新葉は出てきません。


8セロジネ 置き場所、家の北側の半日陰に置いています。新芽、開花小株の新芽がやっと出てきました。大株は伸びて葉が開き始めています。
 
クリスタータ:左の大株と右の中蕪からの新芽、 右:小バルブ株の新芽(右側)
 
インターメディア、左:花後の新芽(それぞれ右端) 右:鉢底近くに伸びた細い根

後半 インターメディア(左)の方がクリスタータ(右)に比べてバルブが萎れにくく、新芽は大きく、古いバルブからも出やすいようです
 
  
9ジゴペタラム 置き場所、日焼けしやすいので、家の北沿いに置いてあります。生長、新葉が伸び続けています。また、中心から新しい葉が出てきます。水やり、雨がなければ週に2回が目安、新芽、かなり大きくなって伸びが緩やかになっています。
  
左:マリーアン、右の鉢の右端に新芽 右:ジャンジャックビーンズ、同じ株の右から伸びた芽と左から遅れて出た芽
 
冬知らずと夏の雨ざらしで昨年より大きい新芽 右:ジゴニシア・ムラサキコマチ、右端に新芽

雨ざらしや風通しの悪さで新葉の枯れや古バルブの腐れが一部に起きます



10バンダ置き場所、屋外に出して、快晴の日は北側に、そうでない日は日当たりに置いています。室内に入れて20℃以上を保ち、週1-2回の水やりで枯らさずに春を迎えることができました。他の種類と違って殆ど日が当たっていませんでした。下から落葉が進んでいます。また、中ほどが落葉した苗もあります。新しく入手した高温性の大苗は、カイガラムシが付いているようで、退治のために葉水を掛けましたが、葉元が乾かずに落葉につながったようです。
後半、梅雨の雨と高温で、気根が出てきたり、枝根が出たりと、元気になってきます。
先月に新たに2種を入手し、梅雨時で雨が多いことに期待して、根をむき出しで世話してきましたが、数日おきに水やりしても根冠が枯れたままでした。根元近くは元気。そこで、これらも巻き寿司植えを開始、根際が横に伸び幅広くなっているので、別のネットで二重に包みました。
冬は暖かく冬知らずにしていると、大抵のランは勝手に咲き始めます
 

続五属

11 デンファレ 後半:置き場所、家と西の塀の間で、昼前後は梅雨の弱い直射日光が当たります。ミズゴケ植えでは根腐れしやすいのですが、バーク植えと鹿沼土植えなので大丈夫なようです。新芽、高温性と言われている通り、他の種類より遅れて、やっと出始めました。花茎、頂点から出始めた株があります。

11+フォーミディブル、前半:置き場所、家と西の塀の間で、昼前後は梅雨の弱い直射日光が当たります。開花株、竜馬の開花株が五月から出回っているのを入手しました。バークでビニールポット植えの寄せ鉢です。生長、新しい葉を出しながら茎が伸びます。根元近くの脇新芽が少しずつ伸びます。まだゆっくりです。
後半:置き場所、梅雨の晴れ間の直射光で少し日焼けするので、北の塀の前の昼前後には直射光の当たらない場所に移しました。
 

12キンギアナム 置き場所、家と西の塀の間で、昼前後は梅雨の弱い直射日光が当たります。前半:開花、地域によっては屋外で越冬させた株の開花が続いています。回復、暖かさと梅雨の雨ですっかり元気になり、葉がやっと青々してきました。新芽、数センチに伸びています。鉢増しで大株になったキンギアナムは都心で無事越冬して花が増えました。さらに広浅鉢に鉢増しして緩効性化成肥料をやりました。
 
凍傷から回復して赤い新芽を出し根元が太り、葉が少し見えてきました。右:新根がどんどん伸びる

12+スペシオ・キンギアナム 置き場所、家と西の塀の間で、昼前後は梅雨の弱い直射日光が当たります。新芽、1株の方は太くて長い目で葉は開かず、他方は細いですが葉が開いています。新葉、昨年の新芽から新しい葉が出ています。


12+大明石斛(タイミンセッコク) 置き場所、家と西の塀の間で、昼前後は梅雨の弱い直射日光が当たります。新芽、霜害がひどいせいか余り伸びません。新葉、霜害がひどいせいかまだ出ません。都心では霜害が無く、新芽がどんどん伸びています。

13 ミニバンダ 生長、鉢によってばらつきがあり、水が十分な鉢は、根に枝が出たり、根の先の根冠が発達したり、株の根元から気根が出始めたりします。新葉、根が生長し始めた株から、新葉が伸び始めます、新しく出てきます。新芽、春新芽はまだ出てきません。:1株だけ蕾が出てきました。雨の良く当たっている株のようです。
後半:植え替え:ポットが計7.5cmと小さくミズゴケが古くなったので、柔らか植えのため根腐れなどの恐れはありませんが、重ね着鉢増ししました。
開花:白花開花、植え替えの影響は全然ありません。
 

 
ライオン・スター 左:気根から枝の出始め 右:ペットボトルの中の緑色の根は、上も下もどんどん伸びています
 
アスコセンダ プリンセス・ミカサ 左:気根から枝の出始め 右:新葉の伸び

ダーウィナラ ブルー・スター


14グラマトフィラム、新芽、付いてい蕾なし株を入手しました。


15デンドロキラム  置き場所、植込みの下の半日陰に置いています。生長:グルマセウムの大株は大きくなったバルブには変化がありませんが、新芽のバルブが太くなります。新芽、小株は新芽が少しずつ伸びる程度です。
後半:生長:デンドロキラムは夏は休眠するという説もありますが、元気な株は新芽を出します。グルマセウムの大株で、バルブが小さかった新芽は引き続き大きくなります。小株の新芽は、梅雨の間の薄曇りの光で日焼けしてしまいました。春新芽、大株は新芽を出している株があります。若株の一部は葉が枯れてしまいました。
 
左:グルマセウムの大株、皮の付いているのと正面左が新芽で、親株と同じくらいに大きくなっている物もあります


小型種フォルモーサム
左の鹿沼土植えは元気ですが、右のバーク植えは元気が無くバルブは茶色く変色し落葉しています。


後半、グルマセウムの新芽

追加五属

16 マキシラリア 置き場所、植込みの下の半日陰に置いています。
ポリフィロステレ 新芽が伸び続けています。
後半:新芽、伸び続け、根元が太くなっています。

バルブの横から伸びている細くて黄緑色の株が新芽、2枚の葉が開き始めています。
シュンケアナ 新芽が伸び続けています。芽欠き、新芽がバルブの両側から出るので、小さい方を全て折取りました。
後半:新芽、さらに伸び続け、葉が開いています。
  
後半 ポリフィロステレ 左:右の新芽は後から出た方を芽欠き(緑の折れ跡) 右:沢山の新芽、昨年の株はやや強い日射に当たった時に少し黄変

シュンケアナ 剣のような細い芽が伸びる、両方から出たら片方を芽欠き
根元の根が露出しているので、鹿沼土で覆いました。



デンドロビウム・デボニアナム系(垂下種)ピエラルディ 開花株、を先月末に入手しました。開花、花期は2週間ほどと短いそうで終りました。
後半:新芽、入手直後は元気がありませんでしたが、梅雨入りして植込みの下に置き雨に当てていたら、新芽が伸び、高芽も伸びています。
 
左:開花株の根元からでた新芽が梅雨で元気になり輝く新葉を伸ばす、右:高芽も元気になる

東洋蘭・和蘭

一 セッコク 生長:新たに入手した株や、外の冬越しで弱っていた株が元気になりました。
 
ミズゴケを盛り上げて空洞・ドーム植えの長生蘭、和蘭では根腐れが話題になることは稀です。右は鉢の中の底芯

フウラン(アングレカムの近縁) 前半:置き場所、ミニバンダと一緒に日だまりの棚に置き、少し遮光しています。新根が伸びています。
後半:置き場所、植込みの根元に置いています。開花:斑入りの朝日殿」の開花株と朱天王の蕾付き株を入手しました。
 

二+ 名護蘭(エリデスの近縁)
後半:小型株を入手しました。基本種の青玉丸です。


三 春蘭・中国春蘭 置き場所、家の北側で、鉢植えのまま1年中植込みの下に置いています。
四 エビネ 家の北側で、鉢植えのまま越冬させた株に、新芽が出ています。
報歳蘭 置き場所、家と西の塀の間で、昼前後は梅雨の弱い直射日光が当たります。庭の南の植込みの下です。新芽、大きく、幅広くなってきました。芽欠き:まだ新しい芽が出るので、親株の両側から出たものは片方を芽欠きしました。
 


五+ 駿河蘭 置き場所、家と西の塀の間で、昼前後は梅雨の弱い直射日光が当たります。新芽、10cm程に伸びてきました。後半、。芽欠き:鉢の中央近くの新芽は芽欠きをしました。

伸びた緑色の新芽と、出始めの赤い小さな新芽


山野草

a ミルトニア・スペクタビリス(低地産) 置き場所、庭の南の植込みの下です。後半:家の北側です。新芽、伸び続けています。1株の両側に出た芽も残しています。
後半、新芽が親芽より大きくなり、花茎が出てきました。
 



6月の世話
6月の置き場所

直射光に弱い4コチョウランは、日が高くなったので、軒下に置けば大丈夫です。
もっとも強光に強い1シンビジウムは、ほぼ日向で大丈夫ですが、下が照り返しのあるような場所では昼以降に日焼けすることがあるので昼以降は直射光が当たらない場所を選びます。
強光に強い、2デンドロビウムノビル系、12キンギアナム系、一セッコクや五報才蘭、13ミニバンダ、二風蘭は昼以降の直射を避けます。
中光種でも割に日焼けしにくい6オンシジウムや、10バンダ、11デンファレ、11+フォーミディブル、7エピデンドラム、14グラマトフィラムは明るめの木漏れ日に当てます。
中光種の、3カトレヤ、はやや暗めの木漏れ日か、家の北側で朝夕以外は直射日光の当たらないところに置きます
やや弱光の、5パフィオペディルム、8ジゴペタラム、9セロジネ、15デンドロキラム、aミルトニア、16マキシラリアは植込みの木陰か、家の北側で直射日光の当たらないところ
屋外などの置き場所の段階、大まかに分けても以下の22グループを8段階に分けています
1 シンビジウム1、デンドロビウム2、キンギアナム12・報才蘭五 1日中日だまりの直射日光では日焼けの恐れがあるので、透明な屋根の車庫や、午後は日のかげる処に置いています、車庫は午前中は直射日光が当たりません。
2 オンシジウム6・エピデンドラム7・デンファレ11・フォーミディブル・ミニバンダ13・セッコク(長生蘭)一・フウラン二 日焼けしにくい方なので日向の多段の棚に並べ、遮光ネットを前にかけます。木漏れ日の下でも大丈夫です。
3 バンダ10 日焼けしやすいので快晴の時には日除けをしますが、それ以外は半日日の当たる風通しの良い所に吊るします。
4 カトレヤ3・ミニカトレア 直射日光が少しでも当たると日焼けすることがあるので、その一方で高温に温めたいので、日向のテラスに置き、遮光ネットをしっかり被せます
5 マキシラリア16・デンドロキラム15・ミルトニアa 弱光性を含むので、植込みの根元の木漏れ日や、ブドウ棚の陰など、直射を避けた日向に置きます
6 パフィオペディルム5・ジゴペタラム8・セロジネ9 日焼けしやすいので、北の多段棚や地上に置いています。西日が間接で当たります。
7 春蘭三・エビネ四 古来の方法である、植木の根元で一年中育てています。家の北側で日が低い季節は日陰です。
8 コチョウラン4・グラマトフィラム14 室内の南の窓辺ですが、直射日光はもう入りません。室内では、引き続き暖房して、最低温度を20℃近くに保ちます。

6月の水やり−

雨ざらしにすると水やりの手間が減ります。多くの種類は1週に1回以上雨が降れば水やりの必要がありません。
植え込み材料が水を弾かなくなり良く育つと同時に、カイガラムシの幼虫が駆除でき

ます。殺虫剤はやった時以外に繁殖した幼虫も防げないので、度々雨ざらしにする方が効果は大きいです。
カビ病になりやすいパフィオ、ジゴペタラムは雨続きの日は雨除けのある処に置きます。

6月の増し土など

増し土

芽が高い所から出ると新根が出にくかったり乾いて枯れたり気中の根冠をナメクジに食われたりするので増し土により隙間を無くします。根元の露出している根は枯れやすいので、増し土により覆いをします。
 
左:ミニカトレアの根元の上から出た新芽  右:隙間に新しい鹿沼土を足してやります(白く乾いて見える粒)

 
左:ミニカトレア/イサベラ・ストンの根元に露出した根、右:露出した根と、新しく出た根の赤い根冠2個



植え替え

シンビジウム1、鹿沼土植えは2年たっていないので不要です。バーク植え
デンドロビウム
カトレヤ、昨年夏の新しい株は既に鉢増ししているので不要です。秋以降の新株を鹿沼土に植え替え鉢増し
ミニカトレア3 これまで、径7.5cmの小鉢にバークで植えてある苗を、径9cmに鉢増しし、同時に鹿沼土の重ね着にしました。

パフィオペディルム、鹿沼土植えは不要、新苗は済、追加分は暖かくなったのでバーク系から鹿沼土に植え替え、
コチョウラン、鹿沼土への植え替え分は終了
オンシジウム6、バークが古くなり、高芽になっている株もあるので、主に鹿沼土植え替えます。
エピデンドラム7、鹿沼土への植え替え分は終了
ジゴペタラム8、鹿沼土に植え替え、新苗は鹿沼土への重ね着鉢増し
セロジネ9、新苗は重ね着鉢増し終了、ミズゴケから鹿沼土へ、バーク植えは1年程度なので不要
バンダ10、昨年始めたミズゴケ巻寿司植えは傷みが少ないので、植え替え不要
デンファレ11
フォーミディブル11+、昨年バークで植え替えたので不要ですが、一鉢を鹿沼土に変えます。
キンギアナム12、鹿沼土植えは不要
ミニバンダ13、ミズゴケ芯入り植えで、ミズゴケがやや古くなってきました
グラマトフィラム14
デンドロキラム15、
セッコク一、ミズゴケ小鉢から鹿沼土に植え変え済
フウラン二
春蘭三、ビニールポット植えを庭に埋めたままで、土が少なくなっていたので、
エビネ四、同上
報才蘭五、駿河蘭五+、鹿沼土植えなので植え替え不要
ミルトニアa、秋にするように言われていますが、株が大きくて元気で、冬知らずで生長が始まっているので、春で支障はありません。

ミズゴケからバークや鹿沼土への植え替えも、芽や根が元気な株から始めます。

(4)肥料−年1回の置肥、元肥として

植え替えは余りしないので、また、冬知らずで大半がすでに新芽や根を出しているので、屋外に出すと同時に緩効性の肥料を置き肥します。説明書に書かれている量を目安にします。
機械的にやって構いません。
透明ポットに植えてあって根を見ると、元気な苗では新しい根が広がっています。また、新芽の基に新根が伸びていることがあります。このような状態の時に、元気な根の多い所には少し多めに肥料をやると効果的と思われます。
徐放性肥料は、初めは多く溶け出すとのこともあり、最初の置肥は適量目安の半分位にして、梅雨時の生長が旺盛になってから元気な苗を中心に残りの半量などを追肥するようにしています。

毎月のラン記録
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21世紀の洋ランの育て方と咲かせ方表紙・要点へ(前書き・このHPの目的、1最初の世話2花の咲かせ方3世話を簡単に環境に優しく、あらまし・このHPの内容、1段階的進め方・洋ラン学園2このHPで咲かせる種類、3開花日記、4洋ラン合格生のノート、5洋ランのレシピ、6洋ラン気象庁、7洋ラン病院、8洋ラン大学院、目次、前書きのむすび、ご協力いただいているラン園・クラブ・趣味家・学校、HPの経過)
第一部へ(洋ラン学園/小中高大、合格生のノート、基本プロセス、病院、気象庁)
第二部へ(レシピ、今月のラン、大学院)
第三部へ(資料、図書館、ギャラリー、索引、苗や資材と入手先の例)

2011.4.2−