洋ラン学園
21世紀の洋ランの始め方・育て方・咲かせ方・楽しみ方・続け方
洋ランの始め方2013−ラン園から家庭への転校の仕方、有望株の入手

詳しくは

洋ラン学園表紙


(1)洋ラン学園の始め方−まず根腐れを防ぐ
2013年
初めての人が冬に開花株を入手しても大抵直ぐに枯れてしまいます。それは1の(1)、(2)、(3)に書いた理由のためです。
「趣味の園芸」では「始め方」がありません。
また趣味の園芸では、苗に人を合わせるので冬と春が当たり前になっていますが、冬と春は最も根腐れしやすい時期です。
洋ラン学園では「夏に始める」も提案しています。
洋ラン学園では「始め方」で、最初にその対策をするので、根腐れは劇的に減り、安全に始められます。
(A) 冬の室内と、春の屋外の代表的な場合のやり方
(i)冬の室内の場合−鉢から出して隙間のあるペットボトルへ引越
根腐れの防ぎ方・初めての洋ラン、置き場所と植え方が決め手、暖かい部屋&広めのペットボトルへの引越
洋ランの根腐れは防げないと思っている人が殆どです。しかし
温度は20℃以上・根はむき出し・鉢中が週2回乾いて水やり」にできれば、
ラン・鉢・植込み材料・季節のいかんにかかわらず、また経験が無くても根腐れは殆どありません
従って初めての人でも「終日・周年冷暖房完備の職場」で「洋ラン学園の方法」で育てるなら色々なランを枯らさず、咲かせられます。
初めは「買ってきた蘭を、鉢より広いペットボトルを切った容器に移すだけ」で良いのです。
こうすると
根はむき出しで、しかも良く見える
温度は20℃以上と高く、容器との間の隙間が広いため、乾きが早くて根が過湿にならない
ため、根腐れしにくくなります。中まで半乾きになって、週に2回水やりが必要な位なら、殆ど心配ありません。
ランは元々木の枝に着生し根は空中に伸びているため、鉢の中では根腐れしやすく、むき出しでしかもときどき水を与えられると快適なのです。
@20℃以上の終日・周年冷暖房完備の職場は「洋ラン天国」です。
  
本来むき出しの根を鉢植えにするから根腐れ 鉢から抜いて広めのペットボトルに移して根をむきだしにすれば安全 いつでも20℃以上の冬知らずなら洋ラン天国

A家庭で温度が低い場合
温度が低い場所や、屋外での育て方はそれより少しずつ難しくなりますが、洋ラン学園の方法なら大丈夫です。
鉢植えも根をむき出しに近い植え方にすると良いのです。
3-4日で乾かない」なら、容器を大きくしたり、浅くしたり、底近くに横穴を開けたり、それでもだめならコケ玉にして皿の上などに置いて「3-4日で乾く」ようにすれば同じです。
最低15℃以上で、昼暖かければほぼ「洋ラン楽園」です。隙間を広くしたり、容器を浅くしたりすれば大丈夫です
 
最低温度が10℃かそれ以下だと乾きにくいですが、根鉢をむき出しか、コケ玉にして皿の上などに置き、水やりは暖かい水を暖かいときにかけて夕方までにできるだけ乾かします。

B春からのやり方
夏は雨季で水栽培で生長促進、冬は乾季で苔玉で乾きを促進して根腐れ防止
引越→苔玉→水栽培
「根がむき出しで、3-4日でほぼ乾く」なら根腐れしません。
冬→春→夏と気温(室温)が上がるにつれて、乾きが早くなるので、いつも適度な速さで乾くように世話の仕方を変えていきます。
 
コチョウランの苔玉、簡単に作れ、花が咲けば数カ月もちます。冬、低温の間は乾きを早めて根腐れ防止(乾季)

乾きが早すぎる時期(場合)は底に少し水を貯めます(水栽培)、根腐れはしません。夏は水栽培にして生長促進(雨季)

室内でも冬から夏へ昇温と共に乾きが早くなるので、水分を維持するために、昇温に応じて衣替えが有効です

衣替え
(苗入手)(鉢植え)
隙間のあるペットボトルへ引越
苔玉
水栽培(苔玉を腰水)

 
(ii)屋外(春から秋):ミズゴケはやめる、小鉢は浅広鉢芯入り薄植え重ね着鉢増し
売られている洋ランは、種類や苗の大きさによって丈夫さが異なるだけでなく、植込み材料や鉢が色々で育てやすさが異なります。従って、それらに応じて異なる対応が必要になります。
「趣味の園芸」では、植込み材料はミズゴケかバークとなっています。
しかし、ミズゴケは、屋外では最も根腐れしやすく枯れやすい材料なので「趣味でない園芸」には不向きです。また、バークは普通の園芸店では手に入らず、売っていても大袋が普通で「少し植える」ことができません。
「初めての洋ラン」という本でも、手軽に手に入らないものを使わせようとしています。
「洋ラン学園」では初めての人には手に入りやすいものを使うことを考えています。
ミズゴケ植えはできるだけ早く、他の材料に植え替えた方が安全です。
しかし、多くの種類はバーク植えが安全ですが、バークは簡単に手に入りません。
また、苗の中には種まきから花を咲かせるまで植替えをしないで促成栽培するため身体に不似合いなほど小さな鉢があります。これらは夏には乾きやすく枯れやすいです。広い鉢に移した方が安全です。
@もともとバークや土類で植えられている物−植替えをしない
この頃は大半の種類がバーク(樹皮の小片)に植えられています。
その場合は、慣れない内は植替えなどをせず、そのまま育てるのが無難です。根腐れしないという訳ではありませんが、植替えで枯れる危険の方が多いからです。
 
植替え不要のバーク(樹皮片)植え、左:シンビジウム、右:デンドロビウム。但しパフィオはバークが古くなって根腐れしていることがあります。

Aバーク植えで鉢が小さい場合:初めての屋外の洋ランの植え方:根の丈夫な種類限定、浅広鉢・鹿沼土植え重ね着鉢増し
鉢が苗に不似合いなほど小さくて、新芽が窮屈になっている場合は、鉢増しをすると良いです。バークは初めてでは手に入りにくいので、鹿沼土を使います。
以下の丈夫な種類については、浅広鉢・鹿沼土への重ね着鉢増しができます。
1シンビジウム、2デンドロビウム・ノビル系、11デンファレ、11フォーミディブル、12キンギアナム、12大明石斛、14グラマトフィラム、一石斛、二春蘭金稜辺、四エビネ、五報歳蘭、五駿河蘭
鹿沼土は低温期の乾きの早さがミズゴケより早くバークより遅いので、ミズゴケより根腐れすることが少ないです。
この内の大半の種類(太字)は、実は普通の厚手のプラスチック鉢(浅鉢が望ましい)でも大丈夫なのです。
  
植木鉢に鹿沼土植え 左:シンビジウム、普通の鉢 右:デンドロビウム・ノビル系、硬質プラスチックポット・底穴多数

Bミズゴケ植え−浅広鉢に鹿沼土で重ね着鉢増し
ミニカトレヤ、オンシジウム、コチョウラン、デンファレなどは、ミズゴケに植えられている場合があります。鉢が小さめのことが多いです。
ミズゴケを全部取り除く植替えは危険なので、根鉢を作っている新しく元気な根だけをほぐして、浅広鉢に移して、周りに鹿沼土を詰めると良いでしょう。
コチョウランだけは、慣れない内は鹿沼土植えでも根腐れの危険があり、屋外では日焼け・寒い時期の雨による炭疽病などがあるので、初めは暖かい室内でミズゴケ・苔玉などで育てる方が安全です。
 
ミズゴケ植えC以下の種類は、原則としてバーク植えの方が安全なので、これらの種類を咲かせたい場合は、バークの入手をお奨めします。
洋ラン学園では浅平鉢・鹿沼土植えで問題無く育っている種類が多いです。
3ミニカトレア、3カトレア、7エピデンドラム、8ジゴペタラム、9セロジネ、10ミニバンダ、15デンドロキラム、三風蘭
 
素焼鉢径7.5cmにミズゴケで植えられたミニカトレアは夏には乾きすぎて疲れます。径10.5cmのプラスチック鉢の上縁を切り取れば鉢の深さは変わらず、根は薄植えで広いため乾きは遅くならず、バーク植えなら根腐れの心配がありません。

(D慣れれば、浅平鉢植えなら、低温期の過湿にミズゴケのように注意すれば、多くの種類が鹿沼土植えで大丈夫(ミズゴケよりは安全)です。深鉢を使うと植え方に工夫が必要になり、種類によっては根腐れの恐れがあります。
5パフィオペディルム、6オンシジウム、6ミルトニア・スペクタビリス、16マキシラリア
  
鹿沼土植え、左:オンシジウム系、右:パフィオペディルム
パフィオペディルムは根も咲き方も特殊なので経験者向きです。

(B) 洋ランの始め方−夏
梅雨時は、温度が高いので根が元気で、湿度が高いので水切れしにくいため、植替えの適期です。
一方、夏に咲いて店に出回る種類は意外に多いです。
従って、「夏に始める」ことは十分現実的です。
夏に咲いて店に出回る種類、
3カトレヤ、4コチョウラン、5パフィオペディルム、6オンシジウム、7エピデンドラム、8ジゴペタラム、10ミニバンダ、11デンファレ、11フォーミデイブル、14グラマトフィラム、16マキシラリア、二風蘭、五駿河蘭(全てグループの一部で、中には冬と夏に咲く種類があります)
初めての人には植替えは薦められませんが、少し慣れてきたら、冬や春に入手して一年後に「洋ラン学園の安全植え」に植え替えるよりは、夏に入手してそのまま植え替える方がスムーズにいきます。

バンダは経験者向きです(大学院でとりあげます)。「山野草−高山植物−クールオーキッド」類は「趣味の園芸」でないとわが国の夏を越せません。

はじめに
洋ランは初めてという人でなくても、新しく入手した苗の扱いは難問です。
開花株が一番多く店頭に並ぶのは寒い冬で一番根ぐされしやすい季節です。
また売られている鉢は、温室で種まきから最短期間で咲かせるように育てられた苗なので、植え方からして環境の異なる家庭向きにはなっていません。また、手元にある他の苗と経過も植え方も異なるため、同じ世話ではうまくいきません。
そうかと言って、植え替えすると、「植え替えた年は咲かない」のが普通で、植替えはもっとも枯れることの多い原因です。
洋ラン学園では、「ラン園から家庭への転校」の仕方を工夫し改良ています。
ここでは、2013年のやり方と経過を紹介していきます。
昨年は春から夏にかけて、鹿沼土に完全植え替えをした苗が多かったのですが、今年は鉢増しにしようと思います。
最も大事なのは、鉢と植込み材料と植え方です。
「趣味の園芸」では種類ごとに色々な鉢や植込み材料を使い、難しい種類になるほど特殊な方法にしますが、その必要はありません。
鉢や植込み材料の種類や鉢の大きさの異なるものが色々あると、水やり後の乾き方が鉢ごとに異なり、次の水やりが難しくなり、結局どれかが湿りがちになって根腐れします。
それよりも最大の問題根腐れを予防する以下の3点が大事で、全てを々乾き方にできると水やりも楽になり、根腐れも減り、理想的です。
洋ラン学園では、鉢は全て中が見える透明容器(ポリポットかペットボトル)かスリット鉢です。
また鉢の中心は芯入りで根を薄着にし、乾きやすくします。
さらにスリット鉢のように、ポリポットは鉢底近くに横穴を開け、ペットボトルは上の部分を逆さにして蓋が無くて底穴開けにし、乾きやすくします。
全種類に共通な万能標準の植え方は、透明ポリポット・9-13.5cm・発泡スチロール芯入り・バーク植えだけです。
それよりも根が丈夫で株の大きなシンビジウムやデンドロビウムは鉢を手に入りやすいプラスチックスリット鉢にし、植込み材料を手に入りやすい鹿沼土に変えても構いません
また透明ポリポットが手に入りにくければ、スリット鉢やペットボトルで代用できます
また、初めての人が室内で育てるには、鉢はペットボトルで代用し、植込み材料はミズゴケで代用できます
また、植替えをしないのも、全面的に植え替えるのもどちらも危険です。鉢から抜いて、新しく広めの容器に移し替えて、隙間に新しい植込み材料を入れる「重ね着鉢増し」にします。

ミニ鉢ミズゴケ植えの水栽培
水栽培


植込み材料
1シンビジウムプラスチック・スリット・15cm以上鹿沼土
2デンドロ・ノビルプラスチック・スリット・15cm以上鹿沼土

デンドロ下垂種


3カトレヤ親株軟質プラスチック・スリット・15cm以上バーク

若株透明ポリポット・9-13.5cmバーク
3ミニカトレア



室内ペットボトルミズゴケ
4コチョウラン


4ミディー・コチョウラン


4ミニコチョウラン


4コチョウラン室内ペットボトル・ミズゴケ

5パフィオペディルム緑葉


5同斑入り薄葉種


5同斑入り厚葉種


5フラグミペディウム


6オンシジウム透明ポリポット・9-13.5cm鹿沼土
6ブラッシア・マクレラナラ



ビーララ・コルマナラ・














































グループ





入手時大きさ
植込み材料














開花条件
成株大きさ










12冬・早春2,3冬知らず

2012春4,5月屋外低温
夏6後7前梅雨夏7後,8月猛暑
秋9月秋10月屋外低温期始まり秋11月屋外最終月雨除け冬12,1月冬知らず
早春2,3月冬知らず



最高・最低気温

種類入手時期入手時大きさ新芽・蕾植込み材料
123456789101112





共通








1月最低15℃、2・3月最低20℃
(芽出し促進)


4月屋外取出し雨除け・保温
5月雨ざらし・置肥・

6月安全植えへの植替え鉢増し・置肥・土増(生長促進)7月梅雨明け木陰・日陰・保湿・風通し・表面土増し(根保護)

暖季から寒季への切り替え、一部雨除け・日向・保温、水やり午前屋外最後の月雨除け12月室内取込み




(2012.7追記)
素焼鉢・遮光ネット・ミズゴケ・農薬・液肥・(定期植替え)不使用・
置き場所温度

















10月南向高置保温







置き場所遮光











4月木陰物陰、
5月木漏れ日


梅雨明け木陰物陰
風通し

9月木漏れ日








水やり











4月定期水やり停止
6月雨上りに水やり梅雨明け定期水やり追加週2

10月定期水やりほぼ停止、晴れ午前11月定期水やり停止





室内週一・
4-6,11月定期水やり不要
夏雨上りと4日雨なしで
1シンビジウム
























保湿・大株5本立ち(芽欠き)
2デンドロ・ノビル
























保湿(薄葉)

デンドロ下垂種
























保湿(薄葉)
3カトレヤ
























大株5本立ち(半年型)・分岐株

ミニカトレア
























大株(半年型)・分岐株
じり貧


ワルケリアナ系


























カトレア


























レリア茎


























ソフロ系


















































































ブラサボラ系


























エピデンドラム系


























ロックレリア系


























ポチナラ
























4コチョウラン
























高温・大株葉10枚
日焼けは万病の元・低温期の雨ざらしは炭疽病

ミディー・コチョウラン桃花























高温


黄花

























ミニコチョウラン
























高温

コチョウラン室内

























5パフィオペディルム緑葉
























大株・多年型

























































同斑入り薄葉種


























同斑入り厚葉種
























熱帯種は寒さに弱い

フラグミペディウム
























寒さにやや弱いか
6オンシジウム
























保湿(薄葉)・大株(半年型)
じり貧

ブラッシア・マクレラナラ
























寒さにやや弱い

ビーララ・コルマナラ・ゴメザコルマナラ



















































夏芽花芽

ミニオンシジウム・イオノシ
























保湿(薄葉)・大株(半年型)

ミルトニア・スペクタビリス
























大株

ミニオンシ低温性
























暑さに弱い
7エピデンドラム
























保湿(薄葉)
8 ジゴペタラム
ジゴニシア・ジゴパブスティア

























大株・芽欠き
9セロジネ
























秋芽花芽葉芽冬芽は花芽の元
10ミニバンダ
























保湿(薄葉)
低温休眠

同上フウラン交配ヨネザワアラ
























11デンファレ原種小型























保湿(薄葉)
大型種は低温に弱い(15℃以上)

フォーミディブル
























保湿(薄葉)
12キンギアナム
























保湿・遮光

大明石斛
























大株(多年型)
芽ぶき鈍い
(趣味の園芸ではバルブ太さ4cm)

#1

























13バンダ
























特殊植えバンダ・ロール
大株葉20枚
(根を窓際・片むきだし)
14グラマトフィラム
























寒さに弱い
15デンドロキラム
























、大株・保湿
暑さにやや弱い
芽ぶき鈍い休眠長い
16マキシラリア
























休眠長い、大株
2011-12年は12月に凍害にあったためか花芽なし



























秋芽が休眠後夏の初めに花茎
石斛
























大株・保湿(薄葉)
風蘭・名護蘭

























春蘭
























大株
エビネ
























大株
報才蘭
























大株

駿河蘭
























大株・密生して太り足らず?
aミルトニア低温種
























暑さに弱い
bリカステ
























暑さに弱い
cオドントグロッサム
























暑さに弱い
dソフロニティス
























暑さに弱い
eマスデバリア
























暑さに弱い

種類や苗の大きさや季節や環境や経験に応じたやり方


初めての人が、ミニ洋ランを冬に室内で始める場合−広口ペットボトルへの引越
この場合は、根腐れさせないことを最優先にします。室温が20℃以上あって、3-4日で鉢の中まで乾くような置き場所なら、入手した状態のままでも根腐れする恐れは少ないです。しかし、室温がそれ以下の場合は、鉢の中の乾きが悪く、根腐れする恐れがあります。
根腐れを防ぐには、なるべく置き場所の温度を最低15℃以上にする、鉢内が3-4日以内に半乾きになるようにする、ことが望ましいです。
これまでの鉢植えの状態では大抵乾きが遅いです。それに対して、鉢から抜いて隙間の広い容器に移すことにより、乾きが早くなります。
さらに中が見える透明容器にすることにより、中が乾いているかどうかが分かるため、湿っている内に次の水やりをしてしまうのを防げます。
容器の底には水が溜まりやすいので、底に発泡スチロールの板(納豆パックのふたを切り取り)を敷いて苗を載せます。
 
 

これでも乾きが遅い場合は、ペットボトルの横の底近くに穴を開けて水蒸気の逃げを良くします。

経験があって、室温が20℃近くあって、ミニ洋ランを冬知らずで生長させたい場合−鉢増し
逆さペットボトル芯入りミズゴケ植えへの鉢増し
売られている苗は素焼鉢にミズゴケ植えや、ポリポットにバーク植えなど様々で、乾き方にばらつきがあり、水やりが面倒です。また、一般に小さな鉢に植えられていることが多いため、高温では乾きやすく水切れしやすくなります。
そこで、根腐れさせず安全に、水切れなしで旺盛に生長させる植え方に鉢増しします。
但し、これまでの植え込み材料を取り除く「従来の植替え」では植え傷みするので、鉢からそっと抜いて新しい容器に移します。
基本、透明軟質ポリポット・芯入り・バーク植えへの鉢増し
セロジネ
昨年入手した開花株の小鉢は、バーク植えでそのまま世話してきましたが、水切れ気味で新芽が余り大きくならず咲きませんでした。そこで、1年後ですが、大きい鉢に鉢増しします。

シンビジウムとデンドロビウム−スリット鉢・鹿沼土に鉢増し
根が丈夫で根腐れする恐れが少ないので、スリット鉢にして、また植え込み材料は手に入りやすく水切れしにくい鹿沼土にします。昨年は夏に植え込み材料を全て取り除く植替えにして一部に障害が起きたので、今年は鉢増しにします。

有望株
「鉢花として咲いている花を眺めたら終り」なら、花がきれいで大きい株を選べば良いのですが、ランは毎年咲く植物なので「来年咲かせたい」と思うなら別の選び方があります。
大部分のランは、花が咲くのと前後して、咲いている株の根元から脇芽が出て、一年後に同じ大きさまで大きくなって咲くというのが普通です。親株が大きくて、新芽の出る時期が遅れず、水切れしないで順調に大きくなる、というのが一番確実です。
従って苗を選ぶにも、「株が大きい」「新芽が出ている」「元気」な苗が有望です。
さらに花がきれいなミニカトレアとミニコチョウランでは、半年足らずでもう一度花が咲く場合があります。
ミニカトレアでは、開花株の隣の新芽が既に大きくて蕾さえついている場合があります。このような苗は咲いている花が萎れたころには次の花が咲き、経験の少ない人でも簡単に花を見ることができます。
ミニコチョウランの中には、花茎から枝が出て、直ぐに、または半年程度で次の花が咲くものがあります。
ここではそのような苗が入手できた例を主に挙げます。


ミニ鉢のミズゴケ植えなどの水栽培(続き)、洋ラン天国(20℃以上)の場合
売られている苗の中には、ミニカトレア、ミニコチョウラン、ミニオンシジウムなど、径6cmや7.5cmのミニ鉢に、ミズゴケやモスバークなどの高温で乾きやすく、一度乾かすと水を吸わなくなる材料で植えられている物阿あります。これを温度が20℃以上の「洋ラン天国」で育てると、水切れして花が枯れたり、葉が落ちたりして、新芽も出にくくなります。そこで、鉢から抜いたり、鉢ごと、ペットボトルに移して、底に水を入れておくと、湿りが保たれて、花も苗も元気になり、新しい根が出てきたり、花茎から枝が出てきます。
ミニカトレア
  
左:素焼鉢ごと腰水、中:花が早く枯れてしまったので腰水に、ソフロニティス・コクシネアは根が見えるようプラ鉢から抜いて

ミニコチョウラン、
腰水の経過
 
左;ドリティス・プルチェリマ、ミズゴケを腰水を続けて根元や容器の底に黄緑色の新根。右:ドリテノプシス、根は青々として、元気に開花が続く

デンファレ
デンファレは、小さな鉢に植えられていることが多いです。ミズゴケはカラカラで葉が枯れていたので、水栽培にしました。

1月 
ミニオンシジウムの例



2月
ミニカトレア

1月

ミニカトレア

ミニコチョウラン
花茎の途中から直ぐに枝が出ました。
2013.2.3 ファイル作成