洋ラン学園
洋ランの始め方
夏
夏は雨季=生長期だから安全に始められます
初めに
洋ランが店頭に最も多く出回るのは冬と春です。従って「初めての洋ラン」も「経験者が新しい株を育て始める」のも冬と春が多くなってしまいます。
しかし、冬は「洋ラン栽培の最大の問題である根腐れ」が最も多い時期です。また「春の植替え」は往々にして根付きが悪く、「枯れの最大の原因」です。
従って、「冬や春に苗を入手するのは危険を伴うこと」なのです。
これまでの趣味の園芸は「苗に人を合わせる」のが当たり前のため、このように危険がありました。
一方、梅雨時は、高温・多湿のため根が元気で苗も弱りにくく、植え替え後の根付き(水の吸収による)が良く枯れることが少ないです。
また「高温で鉢に乾きが割に早い」ため根腐れの恐れが少ないです。
それは、洋ランにとって、夏は雨季=生長期だからです。温室では暑いために休むことがありますが、屋外で育てると雨季=生長期にできるのです。
従って洋ラン学園では春ばかりでなく梅雨から夏にかけても植替えをしています。
そう思って改めてみると、夏には意外に多くの種類の花が咲いて、苗が店頭に並びます。従って、夏は洋ランを始めるのに良い時期なのです。
目次
初めに
夏に咲く種類
夏に開花株を入手した例
入手した鉢の扱い
直ちに植え替え
そのまま育てる
置き場所と水やり
2012年の例
2013年経過
夏に咲く種類
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| 前の鉢・培地 |
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3 | ミニカトレア |
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| カトレヤ | メモリアヘレンブラウン |
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4 | ミニコチョウラン |
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| コチョウラン |
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5 | パフィオペディルム | 斑入り厚葉リンレイクーポウィッツ |
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| デレナティ | 13年7月 |
| 7月 |
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6 | オンシジウム | スイートシュガー | 13年6月 |
| 7月 |
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| オンシジウム近縁属 | ゴメザ、ブラッシア、 |
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7 | エピデンドラム |
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8 | ジゴペタラム |
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10 | ミニバンダ |
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11 | デンファレ |
| 13年6月 |
| 7月 |
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| フォーミディブル |
| 13年7月 |
| 6月、7月 |
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13 | バンダ |
| 13年7月 |
| 7月 |
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14 | グラマトフィラム | ○ | 13年7月 |
| 7月 |
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15 | デンドロキラム |
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16 | マキシラリア | テヌイフォリア |
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二 | 風蘭 | ○ | 古苗 | 透明深ポット・鹿沼土 | 7月 |
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五 | 駿河蘭 |
| 古苗 | 鹿沼土 | 6月株分け | 浅広鉢・鹿沼土 |
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夏に開花株を入手した例
6月前半 | 2デンドロ・3ミニカト・4ミニコチョウ・7エフピデン・11フォーミ・13バンダ・ |
6月後半 | 3ミニカト・4ミニコチョウ・4コチョウ・5パフィオ・6オンシ・10ミニバンダ・11デンファレ・11フォーミ・13バンダ・14グラマト・ |
7月前半 | 3カトレヤ・4ミニコチョウ・4コチョウ・10ミニバンダ・14グラマト・二風蘭・ |
7月後半 | 4ミニコチョウ・4コチョウ・8ジゴニシア・二風蘭 |
8月前半 | 3ミニカト・3カトレヤ・4ミニコチョウ・5パフィオ・6オンシ・10ミニバンダ・11デンファレ・14グラマト・ |
8月後半 | 4ミニコチョウ・4コチョウ・5フラグミ・10ミニバンダ・11デンファレ・ |
こうしてみると、入手していないのは、1シンビジウム、6ミニオンシ、9セロジネ、12キンギアナムと大明石斛、15デンドロキラム、及び風蘭以外の東洋蘭・和蘭だけということになります。
これ以外の大半の蘭が、夏に入手して、冬や春よりも安全に始められ、また夏に花を楽しむことができます。
入手した鉢の扱い
植替え
ミズゴケ植え:そのままにしておくと、冬から春にかけて根腐れの恐れがあるので、植替えます。
根腐れ株:茎などに皺が寄っていて、根腐れを起こしていそうな株、抜いて確かめます。
鉢いっぱいになった株
バーク植えで鉢が小さすぎなければ、普通には植替えをせずにそのまま育てます。
今年の洋ラン学園は全種共通な基本の植え方を「平鉢・底敷きなし・鹿沼土植え」として、高温期に入手した新苗を直ちに植え替える計画です。
浅広鉢・底広穴・鹿沼土植え
実際の植替えの様子は各グループのページで紹介します。
置き場所と水やり
植え替え後に大事なのは、水切れさせないようにすることです。植え替え後は水を吸収しにくく、蒸散は続くため衰弱の恐れがあります。
そこで、日が当たって高温になる処は避け、植込みの中などで涼しく保湿します。
2012年の例
大型コチョウランとバンダを6月末に入手したところ、良く花が咲きました。
大型コチョウラン
大型コチョウランは、最も多く出回る冬の寄せ鉢は、根腐れしていることがあり、また家庭でも温度が低く鉢の乾きが遅いため根腐れしやすいです。
これに対して、夏は、根が元気なので根腐れしにくく、ちょうど新葉が出始める頃で、生長が旺盛になるため育てやすく、翌年の開花の可能性も高いです。
実際、2012年に花付きで、大きな葉が沢山付いている株を4鉢入手したら、翌年に大半に花が咲いたり花茎が出たりしました。

2012年6月末に入手した開花株など

2013年5月 開花や蕾、一株は花芽をナメクジに食べられてしまいましたが、4株全てに着蕾
バンダ
バンダも梅雨時にちょうど新根が出始めて根が一番元気になります。そこで始めるには安全な時期です。
直ぐに新しい花茎が出てきて咲いた株もあります。

左:入手して1月根がむき出しの苗 右:1月後バンダ・ロールにして、花茎が出てきて咲く
2013年経過(植替えの例)
6オンシジウム、11デンファレ、11デンドロビウム・フォーミディブル、
4ミニコチョウラン、4大型コチョウラン、5パフィオペディルム、13バンダ、
2013.7.1 ページを開始(根岸園芸さんのご協力をいただいています)