洋ラン入門/
洋ランの咲かせ方




ミディカトレヤの開花株を入手して、花が終るとすぐに次の花が咲きました。
目次
初めに
洋ランの咲き方1−洋ランはもう一度咲く
洋ランの咲き方2−種類による違い
洋ランの咲かせ方の4段階−1初めて、入門:二番花(おみやげ花)、初級:なごり花、名人(中級)
洋ランの咲かせ方2−二番花(苗の維持・守り)から株の充実(攻め)へ
洋ランの咲かせ方3−入門向きのシンビ、デンドロ(強光・低温種)
洋ランの咲かせ方4−易しくて咲きやすいミニ洋ラン、カトレヤ、コチョウランなど
洋ランの咲かせ方5−大型のカトレヤやオンシジウムなど(中光・中温・複茎種)
洋ランの咲かせ方6−豪華なコチョウランとバンダ(高温・単茎種)

1 初めに

洋ランの開花株を入手しても翌年からは咲かないことが多いです。ここでは、色々な種類を咲かせる方法を検討します。

2 洋ランの咲き方1−洋ランはもう一度咲く

洋ランの中には、開花株を入手すると、もう一度咲く物が多くあります。多くの種類を意外に簡単に楽しむことができます。
デンファレ:複茎種一般と異なり、一度咲いた株に翌年も花が咲くので、2回楽しむことができます。
デンドロビウム フォーミディブル:夏咲と冬咲きで、夏に開花株を入手すると晩秋にまた蕾が付いて咲くことがあります。
ミニコチョウラン:花茎の先に小さな蕾があり、暖かくなると大きくなって花が咲きます。また枝咲き種が多く、新しい枝が出てもう一度花が咲きます。
 大輪種でも基本は同じです。
ミニカトレヤ:春に開花株を入手すると脇芽があり、咲きやすい種類では、夏までに大きくなって、秋までにもう一度咲きます。大株ほど有利です。
エピデンドラム:花茎に高芽があることが多く、少し伸びると、花が咲くことがあります。
オンシジウム:枝咲き種が多く、花茎から枝が出て咲くことがあります。ミニオンシも枝咲きですが花茎が細く枯れやすいです。
ジゴペタラム:開花株を入手すると脇芽があり、他の種類と違って大きく充実する前に花が咲きます。
シンビジウムとデンドロビウム:大柄な開花株を入手すると、付いていた大きな脇芽は伸びて充実し、花が咲きます。
もう一度花を楽しむためには、これらの種類を選ぶこと、なるべく大きな株を選び、低温期には脇芽が少なくその後育てるのも難しいので、暖かくなってから大きな脇芽が付いていたり、花茎が先まで元気で蕾のある物を入手することが大切です。
それ以降は、脇芽が十分伸びなかったり、コチョウランの葉がだんだん小さくなったり枚数が減ると、花が咲かなくなってしまいます。
 
デンファレは翌年も同じ株から咲く オンシジウムの枝先は花茎から枝が出て咲く
  
エピデンドラムの花茎についた高芽が伸びて咲いた  キンギアナムは植え替えなどで株が大きくなると咲く

3 洋ランの咲き方2−種類による違い

洋ランを咲かせるにはまず、どのように咲くかを知っておくことが大事です。そこで、整理してみ
ました。

(1)複茎種(シンビジウム、デンドロビウム、カトレヤなど)の咲き方

洋ランでもっともなじみ深い、シンビジウムやデンドロビウムは、一般に、春花の咲いている親株の根元から脇芽が伸びだし、秋までに親と同じくらい大きくなって、脇芽の根元から花芽が出てきます。そして、冬から春にかけて花茎が伸びて、花が咲きます。脇芽が秋までに十分大きくならないと咲きません。カトレヤ、パフィオペディルム、オンシジウム、ジゴペタラム、セロジネ、エピデンドラムなども基本的には同じです。細かく見ると次のように少し異なる場合があります。。
カトレヤは、冬/春咲きのほかに、秋咲や夏咲があって、脇芽が大きくなったり花の咲く時期が異なります
 カトレヤは、年に2回花芽を出します。大株は咲きやすいです。
ミニカトレヤは、不定期咲きと言われる種類が多く、春出た脇芽が秋に咲いたりして、二季先になる場合もあります。
ジゴペタラムは、脇芽が大きくならないうちに、夏に咲くことがあります。
オンシジウムで枝咲きの種類は、花茎から枝が出て夏に再び咲くことがあります。
殆どの複茎種は、一度花の咲いた株はもう二度と咲きませんが、デンファレは同じ株に翌年も咲くものがあります。

オンシジウムの開花済みの花茎から夏に枝が出始めた、右の花茎は枯れかかっているため枝が出てこない。

(1)単茎種(コチョウラン、バンダなど)の咲き方

単茎種は、毎年脇芽を出すようなことは無く、元気な時期には、生長点から新しい葉が出てきます。花茎は、一般に暖かい時期に下の方の葉と葉の間から出てきますが、不定期咲きの物も多いです。コチョウランは、咲きながら花茎の先端が伸びて、花が増えることがあります。枝咲きのコチョウランは、花茎から枝が出てきてさらに咲くことがあります。


大輪コチョウランの花茎が出て咲く。病気や低温・根腐れなどで葉が減らなければ翌年にも咲く。花を大きく、花数を多く咲かせるには、新葉が古葉と同じくらいに大きくなるような旺盛な生長が必要。

4 洋ランの咲かせ方の4段階

開花株を花が枯れるまで楽しむだけでなく、株を選べばもう一度花を楽しめることを上に述べましたが、
むしろそれから後が、花を咲かせる本番で、決して難しいことではありません。以下の4段階に分けて考えてみました。
(1)開花株を入手して楽しむ(根付き切り花とでも言えるでしょうか、初めての洋ラン)
(2)苗が弱らないうちにもう一度だけ花が咲く(おみやげ花と呼ぶことにします、洋ラン入門)
(3)大きい親株を入手したのでしばらくその勢いで花が付く(親株の名残花と呼ぶことにします、初級)
(4)入手時と同じかそれ以上に株を充実させ毎年花が咲く(毎年咲き、大輪・群開・株立ちへ、名人)、です。

5 洋ランが咲かない理由

「洋ランが、咲かない理由や対策」は本では殆ど見ることができません。そこで、整理してみました。

(1)複茎種の脇芽が大きくならない

開花株を入手した時の親株に比べて、家庭で新しく伸びた脇芽は、小さくなっていることが多いです。環境が変わった、温室から屋外に移されて温度が下がった、ということの他に、世話の仕方が十分でないことがあります。また、植え替えをすると、その年は生長が不十分になりやすく咲かないことがあります。

(2)単茎種の新葉が大きくならない

単茎種は高温を必要とするので、家庭では、新しく出た葉が、それまでの葉ほど大きくならないことがあります。新葉の大きさが開花を決めるわけではありませんが、葉が大きくならないようなら、元気が足りなくて、花茎が出てこないのです。多少小さくなるのは止むをえませんが、とにかく、新しく元気な葉と根が出て、十分伸びるようにスr必要があります。

6 各種・各段階の開花記録−こうしたら咲きました

トップページの上記項目の一覧表のリンク先に、詳しい記録があります。

各種の秋冬咲きランの蕾の着き方

#6オンシジウム#8ジゴペタラム #21ミルトニア
スペクタビリス
#5パフィオペディルム

夏−冬夏−冬秋−冬秋−冬
3


秋新芽9cm
4

秋新芽数cm、3月までは殆ど伸びない

5




6
後半以降夏新芽草丈10cm草丈15cm
7夏新芽
草丈20cm21.5cm
8新芽草丈10cm超
草丈伸びが止まり、バルブになり始め、花茎22cm
9新芽20cm

23cm
10後半花茎出始め
秋新芽

11
後半花茎出始め秋新芽続き29cm2.5cm
12
後半出始め
30cm花茎15cm蕾4cm
1
開花新芽が少しずつ伸び約5cm



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7.154段階を再掲
7.4「もう一度咲く」を独立・分離
2010.7.2掲載開始