1 初めに
デンファレは鉢花よりも切り花としてお馴染みです。ノビル系と対照的に夏にも沢山出回ります。草姿や花の形は割に似ていますが、性質や花の咲き方はかなり異なっています。
デンファレとは、デンドロビウム属の原種Dendrobium phalenopsisのタイプの植物の総称です。バルブは紡錘形で、花はバルブ頂の二枚葉の間から細い花茎を伸ばして咲きます。花形により、ファレノプシスなどの丸いファレノプシスタイプと、花弁が細くねじれたりするケーンタイプに分けられます。ノビル系に比べ暑さに強く寒さに弱く、高温型に分けられます。
2 開花可能株の選び方
デンファレは、ノビル系と異なり、他の複茎種のように新しい脇芽に花が付き、しかも一度咲いたバルブにも花が咲きます。そのため、入手した翌年も花を楽しめますが、それからはノビル系よりは花が咲きにくいです。株を見ても分かりませんが、店頭の開花株は根腐れしていることがあり、育て始めてからもやや根腐れしやすいため注意が必要です。小型で丈夫で花の咲きやすい種類があります。
3 性質と基本的な世話
yorantaroさんのHPから抜粋・転載させていただきます。
http://www.geocities.jp/yorantaro/s-d-denfale1.htm
特徴
産地
デンファレの原産地はインドネシアの東ティモール諸島、いわば常夏の国
花
「秋遅くまで十分な日照を受けたバルブは、はちきれんばかりに太り炭水化物が沢山増えて緑色から透き通るようなべっ甲色に変わります。こうなれば沢山の花をつけます」
秋の初めまでに成長を終了したバルブは、その後花芽ができるバルブへと成熟しますが、そのとき日照が少ないと、花芽のつきは悪くなります。
生長サイクル
比較的温暖な地に住んでいても、12月中旬からは株はすっかり生育しなくなります。それから3月一杯は株は冬休み。
花期
どちらかといえば初夏に咲くように持っていったほうが楽です。つまり、初夏、例えば6月に咲かせ、同時に新芽を出させ、その新芽を7月〜10月の暖かいうちに大きく育て、12月〜3月までは休眠させる。そして、4月下旬から再び生育完成させ、6月に再び開花させる。こういう生育開花のパターンをつくってやると楽だと思います。その為私は、秋は10月までに咲き終える時は別として、11月にずれ込むときは、花芽を摘み取るようにしています。株への負担を軽くして来年夏の開花を楽にしたいからです。
根
基本的な世話
植え込み材料
置き場所
普通4月は、まだまだ外気温は低くデンファレは眠ったままですが、6月に開花させる為には少しでも生育のスタートを早くしてやりたいから、4月はその為の環境作りをしてやりたいからです。株は日差しのあたる窓辺に置いたままでよいのですが、鉢の下に電気カーペットなどを敷いてやり、暖かくしてやるのです。明け方の最低気温を15℃以上できれば18℃以上(日中は25℃くらい)にして、この状態を5月末まで続けます。5月末ともなれば、自然の温度状態も丁度そのくらいになるので戸外へ出せます。そうすることで株の生育が早まり、6月の開花に弾みがつきます。出来るだけ自然の中で育てるらんも、デンファレだけは4月、5月のみ人工的な加温操作を加えることで一年間の栽培管理がうんと楽になると考えられます。また、こういう管理を続けていると春と秋の年二回開花することも可能と考えられます。
10月と11月のデンファレ栽培は大切です。窓辺に置いてもそのままにせず、日中の気温が15度を超える日は外へ出して日光に十分当ててやりたいものです。
デンファレは10月中旬まではノビル同様庭の物干し等に吊り下げて日差しを一杯に当てて育てますが、最低気温が15℃を下回る頃になると部屋に取り込みます。(ノビルはもうしばらく最低気温が10℃を切るまで戸外)。良く日のあたる窓辺に吊るし、本格的な冬に入る束の間の時間を少しでも有効に使い、できるだけバルブの生育を図るのです。
遮光
温度
日本の冬は寒く、よほどの加温設備が無い限り冬場も生育させることは不可能です。
水やり
水やりの頻度は徐々に開け2月は1ヶ月にせいぜい2回程度(それも暖かい日中に)にまで抑えます。鉢の表面はカサカサになるほど乾きます。それでも株は死ぬことはありません。逆にかわいそうとばかり水を与えすぎると、根は水を吸いませんから、結局枯れてしまいます。水やりは、12月で週2回、1月で週1回、2月は月2回、3月から再び週1回というように、気温に応じてメリハリをつけていくことが大変重要です。上述したように、デンファレの冬は強制休眠期です。
肥料
植え替え
冬の温度
株分け
病気
害虫
室内栽培
4 枯らさない育て方(全種ほぼ同じ)
植え替え(慣れるまではなるべくやらない、透明ポットへの鉢換え、芯入りへの衣替え)
標準
入手後は透明ポット、鉢底発泡スチロール板敷き、底近くに横穴開けに鉢換え
暖かく通常の植え替え時期に、透明ポットで芯入りへの衣替え
慣れてきたら下記植え方に植え替え
植え方(根腐れ防止、野生の木に着生に近づけた根の薄着)
標準
植え込み材料、バーク中粒
鉢、透明軟質ポリエチレンポット、径9-13.5cm、やや深型(ペットボトルや透明コップで代用可)
植え方、
植え替え後支柱立て
置き場所(日焼け防止、野生の木漏れ日下に合わせる)
中温・中光型標準
春は4月初めに屋外に出し、秋は11月末に屋内に入れる
慣れないうちは、一般に言われているような遮光をした方が無難です
春から秋は真夏を除き木漏れ日、真夏は遮光
雨ざらし
水やり(鉢の乾きを見ながら水やりで根腐れと枯れを予防)
標準
鉢の中を見て、半分くらい乾いたら水やり
目安、春と秋は週2回、夏は週3回、冬は週1回
梅雨から夏は雨を利用、長雨は避けます
3 段階別開花記録
3.1 開花株を楽しむ(初めて、小学校)
3.2 二番花(入門、中学)
デンファレは、夏と冬の二季咲きだったり、普通の複茎種と違って、一度咲いた株に翌年も咲くため、株を元気に維持できれば、入手した翌年も花を楽しむことができます。
3.3 新しい脇芽からの開花(初級、高校)
2010年
10月27日 新しい脇芽が葉先まででは30cm近くに伸び、スィートラブなどの花茎が10cm前後に伸びています。右側の夏に出た花茎は暑さと乾燥に負けてしまいました。
半年型で、新芽は夏と冬に出て、花は冬と夏に咲きます。
種類 |
スイート・ラブ
#1 | 桃#2 | 白#2(グローバル・ビレッジ?) |
入手 |
| 2008.9 | 2008.9 |
親株
草丈
など |
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2010.
1 |
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2 |
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3 |
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4 |
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5 |
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6 | 中旬植え替え |
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7 |
中旬夏新芽草丈3cm
下旬7.5cm | 下旬新芽10,6,3cm | 下旬夏新芽草丈5,4cm |
8 | 上旬14cm | 上旬新芽13,7,5cm | 上旬夏新芽草丈9,8cm |
9 | 上旬夏新芽草丈24cm花茎出始め | 上旬新芽18,8,8cm | 上旬夏新芽草丈16,16cm |
10 | 下旬夏新芽草丈28cm太さ1.4cm花茎7cm | 下旬新芽草丈22cm,バルブ9x1cm、花茎9cm | 下旬夏新芽草丈19,バルブ7x1.2cm |
11 | 下旬夏新芽草丈29cm太さ1.4cm花茎9.5cm |
| 下旬夏新芽草丈19,17,13cm |
12 |
| 下旬草丈24cm葉13x2.2cm | 下旬草丈24cm葉13x2.2cm |
2011.
1 | 下旬夏新芽草丈28cm太さ1.4cm花茎9.5,5cm |
上旬バルブ9cm、蕾1.2cm
下旬花 | 上旬冬新芽#1 8.5, #2 5.5cm |
2 |
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3 |
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4 |
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5 |
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下旬冬新芽#1草丈20cm,バルブ8x1.1cm葉4枚12x2.9cm
#2草丈17cm,バルブ5x0.9cm葉2枚13x2.3cm、 |
6 |
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7 |
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8 |
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9 |
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中旬冬新芽#1花茎9cm花4輪幅4.4cm
夏新芽#11草丈12cmバルブ3.5x0.6cm葉7cm、#01草丈12cmバルブ3.5x0.5cm葉8cm |
10 |
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11 |
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12 |
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4 |
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3.4 開花処理など(大学院)
6 咲かない理由