バンダの育て方と咲かせ方

バンダは、バスケット植えで毎日水やり、冬の寒さには弱いなど、難しい種類です。
しかし、ここで紹介するバンダ・ロール(巻寿司植え)にすると、シンビジウム程度の水やりで、手間がかからずしかも元気に育って、咲きやすくなります。
ただしまだ、改善中で、万全ではありません。
ミニバンダは他の洋ランと同じ、透明ポット・鹿沼土・安全植えで
 
左:巻寿司植え(バンダ・ロール) 右:根元近くは二重巻

 
左:Vanda Tokyo Blueの開花(12月)             右:V. Wirat x V. Madame Rattana 'Boy'の花茎(7月)
 
V. Wirat x V. Madame Rattana 'Boy'   フークス・デライトxアネット・ジョン

 
陶器鉢にむき出しの根を入れてあります 湿り気を保つために植込みの下に置いています、バンダ トーキョー・ブルー

目次
1 初めに
2 開花可能株の選び方
3 バンダ学園
 1 開花株の観賞(初めて→入門段階向き)
 2 開花見込み株の花茎(入門/中学校)
 3 葉の長さや枚数、茎の厚さが入手時以上になる(高校)
 4 高温冬越しで毎年開花(大学)
4 高温性種
性質と基本的な世話
5 病気と害虫
6 段階別開花記録
7 咲かない理由
8 主な種類
9 バンダ図鑑


1 初めに

バンダはバンダ属や近縁属の総称とされています。むき出しの根を長く垂らし、対生の葉が並んだ株から、薄青紫や桃色などの平らな大輪花を夏に咲かせます。木に着生し、熱帯産ですが、風蘭はその仲間です。
大型のバンダに比べて、ミニの種類は育てやすく咲きやすいので、ミニバンダ(仮称)と呼んで別に述べることにします。

2 開花可能株の選び方

単茎種なので、売られている苗は、毎年咲いた跡があります。温度を高く、根を乾かさずに元気に保てば、不定期に咲いてくれます。他の蘭とはかなり性質が違い、根を乾かさないようにすることが難しいので、根がむき出しのままや、鉢植えでは、花を楽しんだ後には枯れしてしまうことが多いです。
葉と葉の間隔が詰まっていて、花茎の跡が多くある株は花つきがよいと思われます。
花色は主に青とピンク系に分けられます。一般に青色系は寒さに強く、ピンク系はやや弱いので、慣れないうちは青系から始める方が安全です。


3 バンダ学園



1 初めてのバンダ、枯らさない育て方(小学校巻き寿司植えにする)

バンダは、バスケット植えと言って、根がむき出しなのが普通です。また、高温性種で、冬は最低15℃以上ないと多かれ少なかれ弱ります。従って、慣れない人が普通の育て方をしようと思ってもできず、大抵枯れてしまいます。
一方、我が国に自生するフウランはバンダの仲間で、昔から「空洞植え」で、何の問題もなく育てられてきました。そこで、バンダを育てる前に熱帯産のバンダ類とフウランの交配種である西洋フウランを育てて、慣れておくのが賢明です。
その上で、大型バンダに進んだ方が賢明です。
バンダを育てるには、最初からここで紹介する、空洞植えを応用した「巻き寿司」植えにすると、初めに近い人でも、余り苦労せず育てることができます。
また、冬はできれば最低18℃を保つと、枯らさずに済みます。慣れてくると花を咲かせることができます。
始める時期
バンダは園芸店で売られるのは夏が殆どです。寒い時期から始めると、慣れないうちは枯らしやすいです。
植え方(巻き寿司/恵方巻き植え)


大型バンダ、バンダ・ロール その二 2011年 

1年目の成功に気を良くして、少し安易にやった結果、根腐れが起きました



根腐れ対策
根の外側にも厚くミズゴケをしいたのが原因と考えられるため、秋に、外側はむき出しになる植え方に替えました。



バンダ・ロール(バンダの巻寿司植え)のレシピ

ウレタンチューブ芯入り・ミズゴケ層植え・塩ビ網包みの円筒です。
材料
ミズゴケ(濡らしておく)、塩ビ厚手ネット(ペットのいる家の網戸用として売られています)、ウレタンチューブ(屋外水道管の凍結防止用など)、吊り金具棒(針金)、ビニタイ
手順
根はバスケットに固定されているので、バスケットを外します。木ばさみのようなもので切り取るのが良いでしょう。茶色く枯れた古い根は取り除いておきます
シャバナナン×トレヴァー・レスボーン Chavananan × Trevor Rathbone

 
左:トーキョ^ブルー 右桃系交配種
1 塩ビの厚手のネットは幅90cm長さ180cm、90cmを長さとして、20cm余りを幅にして切る
2 濡らしたミズゴケを網の上に1層敷く、幅は全体に、長さ方向は上端と下端は不要(左図)
3 苗を根のあるところがネットの上端になるように置き、根を1本ずつ縦に伸ばして、ミズゴケの上に並べる、手前側の根はネットの外に沿って並べる(中図)、長い根は根のところだけミズゴケを敷く(右図)
  
4 ウレタンチューブを網より少し短く切り、穴を開け、吊り金具の先端を差し込む(左図)
5 ウレタンチューブをネットの中央で、根の上に乗せる、(中図)
6 ウレタンチューブより外にある根をウレタンチューブの上に移して並べる、(右図)、
7 ウレタンチューブの上の根にミズゴケを1層被せる
  
8 ウレタンチューブの外のミズゴケと網をウレタンチューブに巻きつける
9 下から上へと、ビニタイで縛っていく
  

2011.6 バンダ・ロール
これまでは、冬に苗を入手して、初夏までバスケット植えのままで待ってから巻寿司植えにしたり、冬に植え替えたりしました。
今回は5月末に入手し、梅雨のさなかの6月末に「バンダ・ロール」にしました。

左 V. Wirat x V. Madame Rattana 'Boy' 右: V. Fuchs Delight x V. Annet John 

1カ月程、バスケット植えで屋外に置き、なるべく頻繁に水やりするようにしましたが、大部分の根冠は緑だったのが茶色く枯れてしまいました。根元の新しく、太くて短い根のみ根冠が残りました。
6月末
V. Wirat x V. Madame Rattana 'Boy'

  
ビニールネットの上にミズゴケを1層敷き、根を伸ばして広げる、根の先よりネットは長い、新しくて太い枝根のみ根冠が緑色で元気、他は枯れかかり

  
根の上にミズゴケを1層被せる ウレタンチューブを置いて、正面側の根をチューブの上に並べる 根にミズゴケを挟みながらネットを巻く


根元は根が硬くて広がっているので、別のネットでさらに巻く

V. Fuchs Delight x V. Annet John

太くて新しい根も根冠は茶色く枯れています

  
ミズゴケの上に根を広げ、ミズゴケを被せ、ウレタンチューブを置きます

  
正面側の根をウレタンチューブの上に並べ、根の間にミズゴケを挟んでいきます


根元近くの根は広がってるので、ネットの外に出し、根をミズゴケで挟んでから、別のネットを巻きます。

7月20日
バンダ・ロールにしてから、なるべく頻繁に水やりしていますが、翌日にはかなり乾いてしまいます。
2株とも花茎が出てきました。元気な方はもう10cmに伸びて蕾が大きく、ネットの中の枝根の根冠が伸びています。葉数は40枚、長らく花が咲きませんでしたが、前に咲いた花茎から6枚目、上から中ほどの葉に久しぶりに出たことになります。
もう一つの方は根冠が出ませんが、蕾が出てきました。葉は30枚近く、前に咲いた葉から何と13枚目にやっと出てきました。温室・バスケット植えよりもバンダ・ロールの方が優秀かもしれません。
 

 
左:V. Wirat x V. Madame Rattana 'Boy'   右:V. Fuchs Delight x V. Annet John



置き場所(日焼け防止、野生の木漏れ日下に合わせる)
高温・中光型
春は4月初めに屋外に出し、秋は11月末に屋内に入れる
慣れないうちは、一般に言われているような遮光をした方が無難です
春から秋は真夏を除き木漏れ日、真夏は遮光
雨ざらし
水やり(中のミズゴケが乾いたらシャワーで水やり)
目安、春と秋は週2回、夏は週3回、冬は週1回
梅雨から夏は雨を利用、長雨は避けます

置き場所
真夏以外は直射に近い日光を当てます。寒さに弱いので、10月末をめどに屋内に取り込みます。
水やり
適度に乾いたらやります。巻き寿司植えでは、根の乾燥による痛みは防げるため、安心です。シャワーで全方向からたっぷり水を掛けます。真夏には毎日殆ど乾いてしまうので、シンビジウムと同じに1日おきに水やりした方が良さそうです。





大型バンダ、バンダ・ロール その一 2010年

巻寿司植えで、根腐れの心配なしに、毎日水やりする必要もなく、高温期に向かって屋外で元気に育てると、夏には大きな葉が出るようになって、一部の株には花が咲くようになります。
苗の入手、休眠状態
Vanda Tokyo Blue No1 は丈夫で咲きやすく、、脇芽も多く出る種類だそうです。
冬を挟む低温期には、休眠することが多いです。冬の間にやや温度が低かったり、水分の供給が不十分だと、根は艶がなく、先端の根冠が茶色に変色してしわがよっています。先の方や細いものは枯れたりしています。温度が高く、根が乾きすぎないなどで、根冠が元気なまま越冬することも有ります。

バスケット植えにされた苗2株。温室育ちで、葉の枚数が多く、根は先まで元気で根冠があります。左の根元には、脇芽があります。
TOKYO BLUE No.1 (V. Chindavat x V. coerulea).
 
室内で、低温・乾燥気味で冬を越し、萎れかけた根。根冠は枯れ、先の方は白く、枯れかかっています。暖かくなるのを待って、巻き寿司植えに変えました。

巻き寿司植えに植え替え


根の活動開始、根冠の再形成

温度が高くなり、根に適度な水分が与えられていると、休眠から覚めて、活動が始まります。最初は白っぽい根のうち、元気のある緑色を帯びた所から順に、先端に、緑や茶色みを帯びた領域ができてきます。6月25日

葉の生長再開
生長点の一番小さい葉が伸び始めます。
根に枝の形成
根の所々から、短い枝が出てきます。元気な株、太い根、根元に近い場所、から順に出るようです。
 
左:太くて元気な根の、根元に近い上の方から出始めた枝(6月25日)、右:中ほどから出た枝(7月21日)
 
左:やや細い根から出始めた枝、右:根の先の方から出た枝(どちらも7月21日)
気根の生長再開と発生
気根がある場合は、艶がなく休眠している状態から、植え込み材料につつまれている部分が元気になって枝が出るようになると、気根にも根冠ができます。また、枝が出るなど早くから根が活発になった株からは、それよりも上の葉の間から新しい気根が出てきます。

右下向き、中央、左の葉に沿って上向きの気根がそれぞれ根冠ができて伸びています。上端では、葉の根元が割れて、新しい気根がやや左下向きに顔を出しています。(7月4日)

3 葉の長さや枚数、茎の厚さが入手時以上になる(高校)

根が元気なら、高温期間には、葉が長く、茎が厚くなります。9月25日
葉が広くなり、茎が厚くなる
夏になると、葉の幅が広くなってきます。また、葉と葉の重なった、いわば茎の部分が厚く(太く)なってきます。
脇芽の発生
脇芽を出しやすい種類では、葉と葉の間に脇芽が出始めます。前の大きな脇芽の上から出ました。9月20日

花茎の発生
葉と葉の間に花茎が出始めます。9月25日

根冠の休眠が始まる
10月16日 気根の大部分の先の根冠がなくなりました。茎の近くの根は元気なのもあります。
12月26日 室内に入れて、最低温度が約20℃以上を保ったら、根冠の一部が伸び始めました。
 
植え込み材料の中の根は、太くて元気なのと、細くて元気がないものがあります。

ブドウ棚に移す
日焼けさせずに、根は暖かくしたいので、南のテラスのブドウの陰に吊り下げました。
蕾が色づく
花茎は長く、蕾が大きくなり色づいています。夏に屋外で伸びた黄緑の葉は、それまで(の寒い時期)に温室で伸びた葉より長く幅広くなって、巻き寿司植えでうまく育っていることが分かります。

開花


11月27日 最低気温は5℃前後になることもあり、ブドウが黄葉しています。

4 元気に冬越し・毎年開花(大学)

シンビジウムやカトレヤなどの複茎種と違って、単茎種で高温性のバンダは、冬を高温に保つと休眠せずに育ち続け、前の花茎の上の葉の間から随時新しい花茎を出してきます。
高温の冬越し
バンダは18℃以上でないと休眠するなど、色々言われています。コチョウランよりも高温でも休眠してしまいます。そこで、室内では最低温度を約20℃以上に保つことを試してみました。根冠が回復し、新葉が伸びて元気です。
1年目(2010年)の経過

最高最低気温全体の様子#0#1
6月5日25.0 16.4 巻寿司植え

6月25日31.5 18.9 根冠の形成始まり、根の枝の出始め

7月4日32.0 23.3 気根の根冠形成と出始め
新葉3.7cm
7月9日27.2 21.6

気根1cm
7月20日35.5 25.8根の先から枝の始まり
気根3本
9月20日28.2,22.7新脇芽の発生

9月25日23.1,13.3

花茎が出始め
10月初め25.0 17.2根冠の休眠始まり

10月16日25.2 16.7#5などのみ気根根冠活発1cm
気根根冠1cm
11月27日14.6 7.2

開花始まる
12月9日12.7 1.6屋内取り込み

12月26日 常時約20℃以上、
湿度約35%
一部の根冠が伸びる中央根冠白1cm


2年目の経過(比較)など

最高最低気温Tokyo Blue全般 2010#1 20102011#シャバナナンxトレバーレスボーン2011

1月12日



巻寿司植え

2月


根冠伸び
葉やや萎れ



4月1日


外へ出す


6月5日25.0 16.4 巻寿司植え




6月25日31.5 18.9 根冠の形成始まり、根の枝の出始め




7月4日32.0 23.3 気根の根冠形成と出始め新葉3.7cm

新葉7cm
7月9日27.2 21.6
気根1cm



7月20日35.5 25.8根の先から枝の始まり気根3本



9月20日28.2,22.7新脇芽の発生




9月25日23.1,13.3
花茎が出始め



10月初め25.0 17.2根冠の休眠始まり




10月16日25.2 16.7#5などのみ気根根冠活発1cm気根根冠1cm
気根根冠
気根根冠
11月27日14.6 7.2
開花始まる



12月9日12.7 1.6屋内取り込み




12月26日 常時約20℃以上、
湿度約35%
一部の根冠が伸びる

中央根冠赤0.5cm


生長日記2011年

Tokyo Blue No.1
#0
シャバナナンxトレバーレスボーン
Chavananan x Trevor Rathbone
#2
V. Wirat x V. Madame Rattana
'Boy'
Fuchs Delight
x Annet John
2010.12中旬室内取り込み中旬巻寿司植え

2011.1



2



3



4



5



6 下旬 株元の気根枝伸びる
中は根最長32cm 中枝、下枝
葉17.5, 10cm
肥料
下旬 株元に気根2本出始め
中は中ほどまで健康
葉12cm、新葉始まり
肥料
下旬巻寿司植え下旬巻寿司植え
7

中旬、花茎、枝根に根冠中旬、花茎
8



9



10



11



12















V. Wirat 6 = V. Madame Rattana 5 X V. coerulea



ミディー・ミニ・バンダ


3 発泡スチロール芯、ペットボトル植え

2 の方法では、乾きが早すぎるため、ペットボトルに替えました。元気に生長しています。


2 発泡スチロール芯、鉢底網巻きの巻き寿司植え

鉢底網を50cm長さ、25cm幅に切って、それまでのペットボトル縦割り容器の代わりにし、ウレタンチューブまたは発泡スチロールの角棒を芯にして植えました。
 
左:芯入り透明ポット植えから、縦割りペットボトルに変えて根の長くなったAscofinetia Lionstar
右: 入手した陶器鉢植えで、やや根腐れしていたYonezawara Blue Star
 
左:ビニタイで縛った処、右:吊り鉢でなく、バケツに並べて立てています。


1 縦割りペットボトル植え



0 透明ポット・発泡スチロール芯・鹿沼土安全植え
一般の、アスコフィネティアや風蘭は、他の洋ランと同じ植え方で問題ありません。バーク植えは水が不足し、ミズゴケ植えも真夏には乾きが早すぎますが、鹿沼土植えで水やりを雨任せにすると、夏も元気に育って、花つきがよくなります。


5 病気と害虫

葉枯れ

水不足や低温でなります。バンダの根は、葉と葉の間から出るので、葉より上の根からは水分が供給されません。下の根が傷んだり、乾いたりすると、下の葉も弱ります。

低温障害

冬などで温度が低いと、根の先の根冠が生気を失って、休眠します。無事越冬すれば、春、暖かくなると、根が吸水して再び元気な根冠や、根の枝ができ、根が伸び始めます。それまでに根を枯らしてしまうと、回復しません。

6 段階別開花記録

1 開花株の観賞(初めて→入門段階向き)

夏になると、開花株が売られています。鉢に入っていても、中を見るとバスケット植えの根をとぐろをまくように鉢底に収めてあるのが普通です。温室で常に十分な湿度があるのと違って、鉢の中では根冠が枯れていることが多いです。バスケット上では、鉢から出して、毎日切りを吹き付けるか、水を掛ける必要がありますが、初心者が回復させられるかは疑問です。
ランを育て始めて日が浅いうちは、バンダは難関です。他の蘭の、芯入り上に慣れたら、巻きずし植えにして育てられるようになると思います。

2 開花見込み株の花茎(入門/中学校)

(1)バークたい肥植え

大型の開花見込み株の、バークたい肥植えを初夏に入手し世話を続けていたら、花茎が出て、年の暮れ近くになって咲きました。
しかし、その後の生育は思わしくありません。
アスコセンダの場合は、花後に、縦割りペットボトル植えに変えました。風通しが完全ではないため、低温期には万全ではありません。
 
左:バークたい肥でプラスチック鉢に植えたVanda Manuvadee。晩秋に先の方の葉の間から花茎が出てきました。鉢の外に伸びた気根は白く乾いています。11月29日
右:花茎が伸び、蕾が大きくなり、色づいてきました。12月11日

Generation 1
1.Vanda Ponpimol × Vanda coerulea
Generation 2
1.Vanda Ponpimol = Vanda Madame Rattana × Vanda Phairot
Generation 3
1.Vanda Madame Rattana = Vanda Sun Tan × Vanda Memoria Madame Pranerm
2.Vanda Phairot = Vanda Laurel Yap × Vanda Sunray
Generation 4
1.Vanda Laurel Yap = Vanda Frank Crook × Vanda coerulea
2.Vanda Sunray = Vanda Sarojini × Vanda Sun Tan
3.Vanda Sun Tan = Vanda Beebe Sumner × Euanthe sanderiana
4.Vanda Memoria Madame Pranerm = Vanda Waipuna × Vanda Eisenhower
Generation 5
1.Vanda Frank Crook = Vanda Honolulu × Euanthe sanderiana
2.Vanda Sarojini = Vanda Mabelmae Kamahele × Vanda coerulea
3.Vanda Sun Tan = Vanda Beebe Sumner × Euanthe sanderiana
4.Vanda Beebe Sumner = Vanda Onomea × Vanda Clara Shipman Fisher
5.Vanda Waipuna =Vanda Ellen Noa × Vanda Rothschildiana
6.Vanda Eisenhower =Vanda Ellen Noa × Euanthe sanderiana
Further Generations
Vanda Mabelmae Kamahele, Vanda Beebe Sumner, Vanda Honolulu,
Vanda Onomea,
Generation 1
1.Vanda sanderiana × Vanda Rothschildiana
Generation 2
1.Vanda Rothschildiana = Vanda coerulea × Euanthe sanderiana
Vanda Clara Shipman Fisher,
Generation 1
1.Vanda Tatzeri × Vanda sanderiana
Generation 2:
1.Vanda Tatzeri = Vanda sanderiana × Vanda tricolor
Vanda Ellen Noa,
Vanda dearei × Euanthe sanderiana
Vanda Rothschildiana
Vanda coerulea × Euanthe sanderiana

 
冬に咲きました。気根も伸びています。12月14日


高温性種

バンダは、普通、高温性種と、低温性種に分けられます。2大代表種の内、V.セルレアは青色の花の本で山地産で低温に強いのに対して、E.サンデリアナは桃色の花の親でフィリピンの低地産で高温性で寒さに弱いとされています。交配種でセルレアの割合の高い種類はやや低温に強く、サンデリアナ系は寒さに弱いとされています。そこで、サンデリアナの割合の高い桃色花種を育ててみることにしました。

シャバナナン×トレヴァーレスボーン

 
フローラ・ヤノオーキッドさんのHPから許可を得て転載
2011年1月
苗は元気で、葉は、トーキョーブルーより長く、枚数が多いです。根は太い根が新しく伸び、古い根は細いです。花が終わった株です。
苗の時の古い根は細く、枯れています、新しく太い根が出ています。
バスケット植えの苗を、巻き寿司植えに植え替え
  


7 咲かない理由

根腐れ
園芸店などで開花株を入手すると、根腐れしていることが多いです。鉢植えになっている物は水やりが難しく根腐れを起こします。巻き寿司植えにすれば、高温期なら初心者でも元気に育ちます。
根の枯れ、落葉
根がむき出しで、毎日十分水をやれない場合は、根がやせ細って枯れてしまいます。低温期に入手すると暖かくなって回復期に入る前に傷めてしまうことが多いので、いかに安全に冬越しさせるかが大事です。巻き寿司植えにすれば、高温期なら初心者でも元気に育ちます。
根や葉が伸びない
根腐れや、根の枯れがないまでも、根や葉が伸びず、新しい葉や新しい根や枝根がでないようでは、花は咲きません。



参考、これまで言われていることです
特徴
バンダ亜族は、アジアの主に熱帯産の樹木に着生する単茎種で、コチョウランを含み、アスコセントラム、ネオフィネティア(風蘭)、リンコスティリスなどが属間交配種を作っており、アングレカムやエランギスはマダガスカル産。バルブは無く、厚い葉に水分を貯め、上へ上へと生長し、複茎種のように毎年脇芽を出すことはない。
産地
東南アジアのインドシナ半島からヒマラヤにかけて、フィリピンやインドネシア、インドの南半とマダガスカルの東半を中心とする、日本から中国南部、ニューギニア、オーストラリア北東部まで、熱帯が主
温度
以下はバンダ属に


生長サイクル
春に気温が高くなると生長が活発になり、根の伸びが早くなり、生長点から新葉が出てくる
夏は生長最盛期で、根が盛んに伸び、葉数が増えて、株が一回り大きくなる
秋9月には温度が下がると共に徐々に生長が鈍ってくる
18℃以上あれば根が活動を続けるが、10-12℃程度の低温では生長が止まり休眠する
花期
棒状葉種は5月頃に花芽が発生し花茎が伸び始めて、7月頃に咲く
秋咲の帯状葉種は、夏に花茎が伸びて、9月下旬から10月頃に開花
不定期な種類が多く、温度さえあれば年に数回花が咲くことがある、水を切らさないこと

太い紐状で、樹木に着生し長く垂れ下がる
基本的な世話
植え込み材料
バンダは木枠植えでむき出しが普通
置き場所
夏は日照時間が長く風通しの良い場所、木枠を地上から1m位の高さに吊る
梅雨の長雨は、低温になるので避ける
9月下旬から10月上旬には室内に取り込む
10月下旬以降は最低温度15℃以上を保つようにする
冬の室内では、なるべく高い所に置く
遮光
日照は多い方
バンダの中には高い木の日当たりのよい枝に付いて日光を浴びている
厚い葉の種類ほど光量は多く
幅の広い種類は遮光
春、日陰では根の生長が悪くなり細い根ばかりになる
初夏は30%で風通し良く
梅雨明けは急に日差しが強くなるので注意
真夏は50%程度
冬は遮光不要、日中はレースのカーテンなどで20%位遮光した方が安全
葉が棒状の種は直射日光を当てる、光線が弱いと咲かない
温度
昼の最高が30-35℃、夜間の最低が20℃位が普通
バンダ・セルレアは高地産で、寒さに強く暑さに弱い
風蘭やアスコセントラムとの小型の交配種は低温向き
昼温はなるべく高くして35℃まで
水やり
生育期には水を要求
木枠植えで根がむき出しのバンダは、乾燥した空気に長く当たると非常に弱る、下葉が落葉する
特に夜間の乾燥を避ける
温度が上がって梅雨明けまでは毎朝1回
梅雨明け後は朝夕2回根に満遍なくかかるように、2回以上欠けると根に青い苔が生えて根の成長を妨げることがある、葉にもシリンジ
葉の厚い種類は昼の乾燥には耐える
18℃以上が保てるなら1年中生長するので水不足にしないため毎日シリンジで水分を補給
通風
着生ランの中でも風通しのよい処に自生している方
夜も通風が必要
室内でも
肥料
木枠植えでは5000倍くらいの液肥を週1回
高温性種で鉢に植えられている場合は、根や芽が伸びてくる5月頃からが適期、置き肥、液肥
18℃以上の温度を常に保っているなら薄い液肥を与える、春咲きは10日に1回程度
夏は週に2回液肥、夕立にあったら、早めに次を
冬に根の先端の緑色が薄くなり白っぽくなったら生長が止まったので、肥料葉与えない
植え替え
一般には植え替えを嫌う種類が多い、3-4年に1回
木枠に比べて大きくなりすぎた場合、脇芽が育って株分け、などに植え替え
鉢植えを木枠植えに変える場合、5月に入ったら
バンダの根は折れていても生きているので残す
植え替えの適期は新芽の伸びだしてきたころ、芯葉が動き出してきた5−6月ごろ
根を柔らかくするために、水に数時間浸けておいてから、バスケットから外す
冬の温度
最低温度は18℃が望ましく、23-25℃あれば、冬でも生育する、15℃以下では取り扱いに苦労する
ミズゴケ植えでは根腐れを起こさないよう
セルレア系は最低温度が10℃以上あれば越冬できる
棒状葉のテレス系は15℃以上必要
高温種のサンデリアナ系は18℃以上必要
温度が低いと下葉が落ち、ひどいと枯れる
株分け
普通は大きくならないと子株ができないが、種類によっては出やすいものがある
病気
夏も雨が2日以上続くようなら雨除けしないと、葉が付け根から腐ってべとつく軟腐病になりやすい、風通しが悪くても
害虫
冬は、風通しが悪くなるためにカイガラムシが発生しやすい、葉の付け根を点検
根をナメクジに食われる
参考
図解 洋ランの栽培、新井清彦、宇田川芳雄、誠文堂新光社、1981
毎年咲かせる洋ラン手入れと楽しみ方、中山草司、大泉書店、1996
園主が教える 図解 洋ラン作りコツのコツ、岡田弘、農文協、1992


8 主な種類

原種

V字状葉
セルレア、マレイ産、高地、低温、薄紫
サンデリアナ フィリピン、低地、高温、桃・褐色網目
棒状葉
テレス インド・ミャンマー・タイ、高地、低温、桃
アメシアナ ベトナム、ラオス、タイ、高地、低温、薄桃

主な属と属間種、代表種

図解 洋ランの栽培より

産地 種数 代表種

Vanda 東南アジア・ヒマラヤ・オーストラリア 70 サンデリアナ、セルレア、ロスチャイルディアナ

Ascocentrum インド−中国、日本
アンブラセウム・

Neofinetia 日本 1 風蘭(富貴蘭)

Aerides 熱帯アジア 60 オドラタム、名護蘭 写真集

Rhyncostylis インドからタイ、インドネシア、フィリピン 数種 ギガンティア

Ascosenda Asco. x Vanda
プリンセスミカサ

Ascofinetia Asco. x Neofinetia
チェリーブロッサム

Neostylis Neofinetia x Rhy.
ルースネアリー

Yonezawara Neost. x Vanda
ブルースター


バンダ図鑑、原種、色別・系統別、
黄色・緑、その他、交配代数別、種名索引
バンダ近縁属・属間交配種



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ミニバンダ(Ascofinetia, Yonezawara, Ascosenda)