洋ラン学園
−21世紀の洋ランの育て方と咲かせ方
これまでの方法でうまくいかない人に

洋ラン12か月(24節気)-今節の洋ラン−半月ごと
2020年2月
2020年

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春 3月-5月

低温期から高温期へ、本格生長の始まり

初めに
春の世話 2020年
2018年の夏に東京の郊外から都心に移動しました。
このため、気温が約5℃高くなり、それまでのような3月に霜予報が出るようなことが無くなり、最低気温は約5℃で新苗を除けば屋外で危険が無くなりました。
そこで3月から本格的に屋外で生長を始めさせることができます。2020/02/28
春にはまず、置き場所を室内屋内から屋外に移動します。
一部を除いて、直射日光や、雨ざらしを続けること、は避けます。
植え替えなどを新苗を中心に行います。
緩効性の粒状肥料をやります。2020/02/20
最近は生長の盛んになる夏から冬にかけての世話に注意して、冷害からの回復ができてきました。
そこで今度は後回しになってきた、春から夏の初めまでを注意して工夫していこうと思います。2020/02/28
春の生長 2017年
洋ランの野生種は主に亜熱帯の乾燥地から熱帯雨林に産します。
乾季に花を咲かせ脇芽を出し雨季に生長します。
日本では乾季は冬に対応し雨季は夏に対応するので、冬に脇芽を出すのが生長の始まりとなり、春から夏に本格的に生長します。
春になってから脇芽が出る種類も多いです。
一方、日本は夏以外は原産地より気温が低いため、特に冬は屋外での栽培は困難で、屋外で日光を浴びて生長するのは春からになります。
従って春は生長の始まる時期です。2017.3.4
2015年
最低気温がほぼプラスになると、洋ラン学園では多くの種類を屋外に出します。
3月半ばが大体の区切りになります。
さらにこれを早めようとしていますが。2015.3.12



春前半(3月-4月前半)

初めに
2020年

2016年
温室なしの洋ラン栽培では、冬の寒さは一番の難題です。
春の初めには霜が残っているので屋外へは出せません。昨年は3月前半は霜予報が多く、後半には少し気配がある程度でした。半ばに外に出し、霜予報の時だけ軒下に取り込む。
この冬は多くの種類を深軒下の準屋外で越冬させました。
雪により沢山冷害に会いましたが、特に-3℃以上では屋内への取り込みも一部を除いてしていません。
そこで今年は以前の通り「3月前半から屋外」にしようと思います。
2月後半には新苗の入手を増やしています。

 



3月

2020年
2月までの冬には、屋外・軒下での防寒、屋内での保温、室内での加温と3段階に置き場所を分けて世話をしてきました。
3月からの春は、軒下と屋内の苗を屋外に移動し、室内で寒さに弱い種類と芽を早く出させるために加温してきた苗を部分的に屋外に出していきます。
2019年
2018年
2017年
耐寒種の世話
冬知らずにしていれば関係ありませんが、屋外ではまだ最低気温が零下になったり霜が降るので冷害に遭わないように気を付ける必要があります。
冬の気温-冬日
「最高気温0℃ 未満の日は、1日中気温が0℃ を越えない非常に寒い日の
ことで、真冬日と呼ばれる。真冬日の年間日数の平年値は、札幌51日、仙
台3日、長野9日で、四国の南岸、宮崎、鹿児島の海岸沿いではこのような
日は全然記録されていない。また関東以西の太平洋沿岸や瀬戸内海沿岸の
地域でも真冬日になることはきわめてまれである。
最低気温0℃ 未満の日は冬日と呼ばれる。冬日の気温の日変化の状況を
みると明け方は氷点下になり,日中は大部分氷点を上まわる。日本の冬の
季節感に適合した日である。冬日の年間日数の平年値は、札幌145日、仙台
95日、長野114日、東京43日、鹿児島25日で,那覇では1日も記録されない。」
下記のグラフは12月から3月までの最高気温と最低気温の推移の例です。
洋ラン学園では、これまでは、12月後半から最低気温が零下になるのが普通になる「冬日」となるのに合わせて屋内に収容してきました。
それ以前にも零下になる日があるので、その時は一時的に深軒下や屋外に収容します。2017.3.2

霜-霜期間(2014.12)
「霜は大気中の水蒸気が昇華して直接地面または地物に付着した氷の結晶
体である。霜柱は、土中の水分が氷点で結晶し毛管現象によって下方から
つぎつぎに成長して地上に現れた結晶体で、霜とは区別される。
霜は気温が5〜6℃以下になり地表面が0℃ 以下に冷却された時に発生
する。地表面の温度が0℃ になることは、霜の発生する必要条件である。
しかし地表面の温度が0℃になっても、雨か雪の降っているとき、湿度の低
いとき、風の強いときなどは霜の発生しないことがある。」
一般に、霜の初日から終日までを霜期間、終日から初日までを無霜期間
という。
洋ラン学園では「霜期間は屋内」と言うことが出来ます。最低気温が5℃を下回るのは12月初めから3月終りまでと見られます。
初雪・終雪雪囲い-耐寒種のビニールトンネル越冬(2014.12.13)
洋ラン学園では、これまで度々屋外の軒下で越冬するシンビジウムやデンドロビウムが雪害にあってきました。
また、それを避けるために雪が予想されると新日やデンドロを深軒下に移動してきました。
2014年初めに、雪が予想される時には、全体を厚手の透明なビニールシートで覆い、さらに薄いシートやアルミ箔入りのシートで何重にも追うようにしました。
すると、最低気温はー5℃下回り、ビニールの上には10cm以上雪が積もっても、雪害を防ぐことが出来ました。
ビニールトンネルの中の最低温度は+でした。
初雪と対応して終雪しゅうせつという言葉があります。
この、間は雪予想の日だけ厳重にビニールトンネルで包めば、少なくともシンビ・デンドロは屋外で越冬できます。
多分、キンギアナムや春蘭系も大丈夫と思います。
洋ラン学園では、上の霜期間に合わせて「雪期間」と呼ぶことにします。
初雪が観測される時期は毎年バラツキが激しいですが、東京など関東南部から九州南部にかけての太平洋沿岸部では、年明けの1月以降の地域が多いそうです。南岸低気圧によりもたらされる雪が初雪となる場合がほとんどだそうです。
終雪は、平年値では、東京都内は3月10日ごろ、関東から九州北部にかけての太平洋側の地点では3月初めのひな祭りや啓蟄のころだそうです。
洋ラン学園の防寒法まとめ(2014.12.13)
洋ラン学園では「一般種は年内は屋外」を目指していますが、初雪に対応することになります。
また上の最低気温のグラフを見ると、3月初めからは零下が少なくなり、屋外に出したくなりますが、これも「終雪」に対応していると言えるでしょう。
従って、「一般種の屋内は雪期間」、「霜期間の間は霜予想の時に霜除け」、「耐寒種は周年屋外、霜予想は霜除け、雪予想はビニールトンネル」とまとめられそうです。