洋ラン学園
21世紀の洋ランの育て方と咲かせ方

初めてのミニカトレア
ミニカトレアの始め方
2014年版
初めに
「初めての洋ラン」という本は色々と出ていますが、うまくいかないことが多いようです。
「初めて」と銘打ちながら基本的には経験者向けの方法と同じで難しいのではないでしょうか。
洋ラン学園では、「洋ランは初めて」と言う人のために易しい方法をつくりました。
広口ペットボトルに引越」です。
この方法は、経験者が新しい鉢を入手した時に、生産者が温室で育てていた苗を、家庭で育てられるようにする方法としても使えます。
また、種類に関係なく、大半の種類に同じ方法で良いのです。
ここではミニカトレアについての実例を紹介していきます。
「分校」で初めてかそれに近い人がやっている例もあれば載せます。

洋ラン学園の咲かせるための苗と衣食住の四原則

以下の4点ができれば、種類に依らず、経験が少なくても、洋ランを育てて咲かせることができます。
1 有望株の入手(苗)
2 根を薄着の植え方(衣=植え方)
3 保湿の水やり(食=水やり)
4 季節ごとの引越・日除け雨除け霜除け(住=置き場所)
(+夏は雨季・生長期・夏知らず、冬は暖季・冬知らずでふるさと再現)

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目次
2014年版初めに
洋ラン学園の咲かせるための苗と衣食住の四原則
「初めてのミニカトレアとミニカトレアの始め方」のレシピ
洋ラン学園東京分校の例
2013年の例

2014年経過

「初めてのミニカトレアとミニカトレアの始め方」のレシピ
入手した苗の引越
素焼鉢ミズゴケ植え→ペットボトル二重鉢
ミニカトレアは、素焼鉢にミズゴケ植えで売られていることが多いです。他の植え方に比べると、室内では乾きやすいので水切れすることがあります。このため、素焼鉢ごとペットボトルに入れます。そうすると他の鉢と同じ間隔で水やりできます。

ポリエチレンポットにバーク植え→鉢から抜いてペットボトルに引越
ミニカトレアは、他の種類と同様に、ポリエチレンポットに植えられて、プラスチック鉢に入れて二重鉢になっていることも多いです。
この場合は、素焼鉢とは反対に、乾きが悪くて、バークは湿りがちで腐りかけていることもあります。このままでは根腐れしやすいので、ポットからそっと抜いて、一回り広いペットボトルに移します。
こうすると、過湿が続くことが無くなり、根腐れしにくくなります。また、ペットボトルは透明なため中の乾き方が目に見えるので、「これまでの方法では避けられない乾かない内に水やりして寝腐れさせる」ことが避けられます。


洋ラン学園東京分校の例
初めての洋ランから約3年目にミニカトレアの2鉢目を家で主に屋内で育てている例です。
バーク植えをペットボトルに移して、そのまま1年育てています。脇芽が出てどんどん咲いています。
生長旺盛な苗であることが幸いしています。
下記HPから許可を得て転載
しゃしん&あにめえにっき ラン2014
経過(上から下へ)
フェアリーランド・アン
2013年3月
バーク植えの開花株をペットボトルに移したものを、引き取って開始。4株立ち。
  

5月
一月以上開花して、開花株#4から次の新芽#5が出ました。バーク植えの根鉢とペットボトルの間にすき間があるため、乾きが良く根腐れしません。
 

8月
新芽の一方#5はシースが出ましたが大きくなりません。早くも根元から新芽が2本#6,7が出ています。もう一方の新芽は枯れました。
 

11月
左:最初の新芽#5の古いシースは枯れ、その子の#6のシースは緑。右:最初の開花株#4から反対側に新芽#7。とても生長旺盛な苗です。
 

12月
新しい方#6のシースは元気です。後ろに最初の開花株から3本目の新芽#7が伸びています。元気な方のシースの中に蕾が見え始めているようです。
  

最初の新芽#5の枯れたシースからは蕾が2個出てきました。


2014年
1月
右内側は最初の新芽#5の枯れたシースから出た蕾、右外側は後から出た2番目の脇芽#6の元気なシース、左側は最初の開花株から3番目に最も新しく出てきた脇芽#7のシースの出始め。
 

1月末-2月初め
左:最初の脇芽#5の一つ目の咲き始め、右:2輪目も。二つ目#6のシースは枯れ始め
 

2月
2本目の新芽#6の枯れたシースから蕾が出てきました。


まとめの表
一つの開花株から季節ごとに新芽が出て着実にシースを付けて咲いていくようです。
ミニカトレアは大抵1年に一回二週間程度しか咲きませんが、このように1年中新芽が出たり蕾が出たり咲いたりすれば、とても楽しみです。
これからは肥料と、鉢増しや株分けが必要でしょう。
時期#4#5#6#7

2013年
4月
開花中
2輪





5月
春新芽



8月
シース夏新芽


11月
シース枯れシース秋新芽

12月
現れるでき始め


2014年
1月-末

末から
咲き始め
末シース
枯れ始め
シース

2月

現れる


3月

後半開花後半












2014年経過(下から上へ)
色々な種類、大きさ、状態の苗が、色々の鉢や植込み材料に植えられているのを購入して、始めます。

まとめの表
Slc.Slc.#6#7Lc.




リトル・キャンディー・
キララ
ハワイアン・スプラッシュ・
レア
クリムゾン・ハート・
フレア-
ラブ・ラブ・
リッチ
プリプリ ‘ユキ’?フェアリーランド・ティキ?








Lc.PriPri ‘Yuki’
(L.pumila×Lc.FlirtatiousOkami)





花色ラメ

唇弁赤紫・喉黄




花期









草丈









株数









バルブ長太さ









新芽









素焼7.5素焼7.5素焼7.5透明ポリポット7.5





植込み材料ミズゴケミズゴケミズゴケミズゴケ





入手2月半ば2月末3月半ば3月半ば3月下旬3月下旬3月下旬3月下旬3月下旬
2月









3月









4月









5月









8月









11月









12月









2015年
1月










2月

































4月前半
始め方
ミズゴケ植えは鉢から抜いて、広口ペットボトルに引越

  
左:根が乾いていると鉢から離しにくく折れやすいので鉢ごと水に入れて水を吸わせる。中:鉢の縁にへらを差し込んでミズゴケや根を離す。右:抜いた処


一回り広いペットボトルに引越。

3月後半
始め方
素焼鉢・ミズゴケ植えは、室内が暖かいと乾きが速すぎて水切れするので、広口ペットボトルに引越


ラブ・ラブ・リッチ、
脇芽が大きくなって、シースら市小物が除き始めている有望株
  

クリムソン・ハート・フレアー
いわゆるソフロ色のあざやかな花、開花株の根元からは既に新しい脇芽。
  

以下種不詳

純黄色、
フリー・スピリット ラナ?
バルブやや小型 L
  

純黄色 H

  

参考
フリー・スピリット ラナ?
2012年


セミアルバ(白・唇弁赤)、細バルブ群生
  

小さいミニカトレア
 

セミイエロー(黄色・唇弁赤)花、病気
 


3月前半
さらに開花株を入手
ハワイアン・スプラッシュ・レア
変った模様の花です。やや小ぶりの種類、素焼鉢植えがプラスチック鉢に入っています。プラ鉢から出してペットボトルに入れて腰水にします。
  

2月後半
着いていた蕾が咲きだしました。
 

2月前半
最初の株を入手、開花中
リトル・キャンディー・キララ
ラメ入りです。開花株や蕾付きの株の他に、その根元に既に大きな脇芽や、出初めの新芽がある「超有望株」です。




素焼鉢ミズゴケ植えでは暖かい室内では乾きすぎるため、一回り大きいペットボトルに入れて、腰水。



2013年の例
素焼鉢にミズゴケ植えの苗を、冬の開花中に鉢から抜いて、一回り広いペットボトルに移しただけです。
夏過ぎまで室内で育てました。
素焼植えだと、夏は乾きすぎて水切れし、生長不良になりますが、そのような問題もありません。
その後普通の鉢植えと一緒に雨ざらしにしました。一応水が溜まらないように、底近くに穴を開けました。
ミズゴケの鉢植えで雨ざらしにすると、殆どの場合根腐れしてしまいますが、何の心配もしません。
冬には新芽にシースができています。
サンライズ・ドール・アエカ・ビーナス


2014年
3月前半
株#4にシース
根は元気です。
  

戻って雨ざらし
日焼けや冷害


東京分校に出向
新芽#4が出る

2月末
  

2月初め
4輪咲き、新芽#3には蕾
ペットボトルに植替え
  

1月後半
ミニカトレアの始め方レシピ
素焼鉢から抜いて、一回り広いペットボトルに移すだけ
開花中でも気にする必要はありません。
  

1月後半
開花株入手
素焼鉢・ミズゴケ植え、2本立ち+新芽の有望株、株#2は2輪開花、蕾2個
 

2014.3.22 ファイル開始