洋ラン学園
冬越し-冷害の防ぎ方
低温期の世話

初めに
洋ランを育てるのに最大の問題は、鉢に植えることからくる根腐れです。
洋ラン学園では、鉢植えの代わりに隙間のある容器に根を入れるペットボトル植えで、根を半分むき出しにしてそれを防ぎます。
次の問題は冷害です。
冷害
洋ラン原種の多く、カトレヤやコチョウランは熱帯産です。
熱帯は最低気温が10℃以上で、熱帯産植物はそれ以下では冷害を受けることがあります。
温室栽培では最低温度を15℃前後に保つのが普通です。
一般の家庭で、屋外と室内で育てるには、防寒が必要になります。
洋ランには石斛や春蘭など我が国に産する種類との交配種が多く、原産地が10℃以下となる種類も多くあります。
また、育て方も、冬も原産地のように温度を保つのではなく、低温に耐えさせる方法があります。

冬知らず:室内で現地並みの高温を保つ
霜害・雪害・凍害
農作物が霜で傷むことは
根腐れ防止
根腐れは寒い時に置きます。高温を保つのは根腐れ防止が大きいです。
根腐れが防げれば、温度を低くしても危険が少なくなります。
秋冬の生長
10月になると鉢の乾きが目立って悪くなります。
そのため、根腐れを防ぐための低温対策は10月から考える必要があります。
一方、蘭の中には冬も生長する種類があります
9月くらいまでは高さが伸びますが、10月以降にはバルブが太ります。
バルブの太るにはそれほど水はいらないと考えがちですが
11月にどんどん大きくなる種類もあり、水やりが大事なのです。
2022/11/27
10-11月の水やり
今後の課題
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202-23年
ペットボトル植えと、低温期は水やりでなく霧吹きにすることによって、根腐れはさらに減らせました。
そこでこの冬は、低温よりの世話を試してみることにします。
月最低気温が10℃以下になる時期を対象にします。
冬の前の11月から冬が明けて4月まで

下記は株を弱らせないための目安で、
茶色は鹿沼土で鉢植え

安全目安
実行


高々温10℃以下室内53カトレヤ原種/大型、4コチョウラン、11デンファレ、13バンダ、15グラマトフィラム
熱帯産
高温5℃以下室内



中温5℃以下屋内3 2+デンドロ下垂、4mミニコチョウラン、5パフィオペディルム、6オンシジウム系、7エピデンドラム、8ジゴペタラム、10ミニバンダ
11フォーミディブル、12キンギアナムシルコッキー
風蘭、名護蘭、
中低温2℃以下屋内06オンシジウムアロハイワナガ報歳蘭
低温0℃以下屋内
6+ミルトニア/スペクタビリス、9セロジネ、12大明石斛、16マキシラリアポリフィロステレ石斛霜除け、雪除け
低々温周年屋外同左1シンビジウム、2デンドロビウム春蘭、エビネ霜除け、雪除け



最低室内屋内屋外
11月前半10

全種
後半




12月前半5



後半




1月前半3防湿


後半




2月前半3



後半
防湿から防乾
中温種を屋内から屋外へ(最低3-5℃が目安) 春支度
低温時夜間取り込み
ペットボトルへの植え替え開始
3月前半6 防乾から保湿へ
バンダとコチョウラン
カトレア新苗のみ

中温種を室内から屋外へ
8℃以上を目安とする

後半


バンダとコチョウラン屋外へ
4月前半11



後半





 2022-23年経過
水やりを霧吹きに代えて根腐れの恐れが減ったので、できるだけ長期間屋外に置くことを試すことにします。
11-3月が要注意期間です。
新苗は温室育ちなので弱い可能性があります。
2022年の年内はほぼ0℃以上でした。
(10℃以下で)ミニカトレアなどの新葉の一部が枯れました。
5℃以下で入れ忘れのコチョウラン一部が落葉
2月の前半は新芽が出始めるので、やや湿り気味とします。乾きすぎを抑える程度です。湿っていると根元も湿り、枯れたり落葉します。
2月の後半は温度が上がり始めるので、水やりを少し増やします。室温は最高でも25℃程度で、高温期より乾きは悪いです。
3月
2月に室内の乾燥に弱い種類の衰弱が目立ちます。
新苗を除けば5℃には耐えられると思われるので、バンダとコチョウラン以外は屋外に出すことにします。
依る5℃を下回りそうな場合は屋内に入れることにします。

2023年は暖冬のため3月半ばで防寒は終了できました。


月日最低最高2021最高屋外屋内室内















コチョウラン紫式部室内








11/半



大明石斛引き続き日向
防湿
11/159.414.4




11/177.717.7




12/18.413.6




12/35.411.74.6


コチョウランMancevi室内へ
12/44.915.95.1
東京初霜観測

12/6
8.6




12/73.614.29.5



12/153.012.42.6

カトレア蕾付き株を屋内へ
12/162.314.14.2



12/190.0
-0.7
予報1℃ 、前日ミルト軒下前日、中低温屋内へ前日、高々温、室内へ
12/23
8.4




12/24-0.1




(↑コチョウラン、バンダ)
12/272.0
-2.2


パフィオ、カトレア蕾付き
12/313.1


12月の最低零下は後半4日
昨年は後半3日


1/10.913.0



ミニバンダ、風蘭、オンシ系(19)
1/6
9.9-1.7
(2022年)積雪10p

1/73.0
-3.5



1/9
13.9




1/147.114.2

最低7℃超え

1/203.912.3-1.0



1/25-2.93.7

最低予報-3℃ 屋外のシンビジウムとデンドロビウム、春蘭を
軒下でビニールのカバー
それ以外を屋内へ

1/26-3.48.5

昨年の最低の最低とほぼ同じ

1/29-1.68.8

1月の最低零下は前半0日後半5日
昨年は前半6日後半3日


1/30-0.710.0

1月最高2桁は前半13日後半4日
昨年は前半5日前半後半7日









防乾
2/1-0.713.1




2/6

-1.9



2/76.715.4

今年初めて最高15℃最低5℃超え昨年2月には無し
2/100.13.5

雪、屋外(軒下)は雪囲い,降水27.5mm
最高気温3.5℃、平均1.9℃と最低


2/124.916.9




2/134.910.3

雨10.5mm、低温種雨ざらし

2/16-0.79.6

薄い氷あり昼間に屋内の中温鉢を軒下に、
2/196.918.5

今年2回目最高15℃最低5℃超え昨日から2日間軒下、屋外水やり少量
2/220.210.4


中温種朝に0℃台、夕に軒下へ
2/26

-0.1
2月の最低零下は前半1日後半1日
昨年は前半2日後半3日


2/28



2月の最高15℃は前半1日後半4日
昨年は前半0日後半2日
最低5℃以上は前半2日後半2日
昨年は0
昨年よりも暖かい







保湿へ
3/17.3


最低7℃超え
室内はバンダとコチョウランのみへ
屋内の中温種を軒下
開花株は屋内
室内の中温種を軒下
3/2
20.0

今年初めて最高20℃

3/33.613.4

最低5℃最高15℃未満
中温種注意
3/8
21.3




3/99.422.22.6


室内の高温種バンダコチョウランを軒下へ(全て)
3/13



雨、雨量9mm雨ざらし






3月前半の最高20℃以上5日昨年2日
3月前半の最低10℃以上1日昨年0後半昨年3日

防寒終了


3/18



雨量32mm雨ざらし、雨上がりにペットボトルの水捨てる

3/194.415.5

最低5℃未満、最高約15℃屋外続ける
3/22
23.8




3/23

0.5
雨量14.5mm雨ざらし

3/2413.825.0

雨量15.5mm雨ざらし,夏日3月としては10年ぶり、最低10℃超え4日3/25バンダを雨上がりに外へ、根に霧水





3月後半の最高20℃以上日昨年5日
3月後半の最低10℃以上日昨年3日


4/2

3.6



4/30

7.4



5/3

9.3




















12月半ばを過ぎると最低気温の最高と、最高気温(最高最低とも)が上がり始める
1/14異常な高温

大明石斛 日向継続
コチョウラン 紫式部 室内
12/1 軒下カトレアなどに雨除けカバ
12/8 コチョウランMancevi 室内
12/18 翌日の最低気温予想1℃、ペットボトル植えと鹿沼土植えのコチョウランを屋内に。バンダセルレア入れ忘れ
鹿沼土植えのシンビジウム、デンドロビウム、セロジネ、ミルトニアスペクタビリス、キンギアナム、大明石斛、マキシラリアポルフィロステレ、春蘭、エビネ、は屋外
オンシジウムアロハイワナガは深軒下
 報歳蘭とキンギアナムシルコッキー入れ忘れ
12/25 コチョウラン新苗などの葉が枯れる、3℃未満が冷害の出始め。5℃が高温種の安全の限界、蕾付き苗
ブラッシアも冷害、オンシジウムシャーリーベイビーと似ているか
1/20 大寒
1/23 最低気温-3℃の予想、屋外のシンビジウムとデンドロビウム、春蘭にビニールのカバーか軒下取り込み、以外を屋内へ、
2/13 雨、最低気温が上がってきて、当面雪の恐れが無いため、シンビ、デンドロ、セロジネ、キンギアナム系、マキシ、オンシを雨ざらしに
ファイル作成2022/11/26