洋ラン学園
−21世紀の洋ランの育て方と咲かせ方
これまでの方法でうまくいかない人に
洋ラン12か月(24節気)-今節の洋ラン−半月ごと
最新
初めに
「趣味の園芸」の本などでは、一月ごとに苗の様子や主な世話を書いてあるのが普通です。
しかし気候の移り変わりやそれに合わせた世話の仕方は、ほぼ半月ごとに変って行きます。
そこで「洋ラン学園」では、半月ごとに考えるようにしています。
中国古来の24節気は半月ごとであり、目安として重宝します。2015.10.28
小寒、大寒、立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑、立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降、立冬、小雪、大雪、冬至
2021年
冬
12月後半 冬至(とうじ12/22)
冬至(とうじ)は、二十四節気の第22。一年で最も昼が短い。十一月中(旧暦11月内)。
現在広まっている定気法では太陽黄経が270度のときで12月22日ごろ。
秋分から春分までの間、北半球では太陽は真東からやや南寄りの方角から上り、真西からやや南寄りの方角に沈む。冬至の日にはこの日の出(日出)・日の入り(日没)の方角が最も南寄りになる。また南回帰線上の観測者から見ると、冬至の日の太陽は正午に天頂を通過する。冬至の日には北緯66.6度以北の北極圏全域で極夜となり、南緯66.6度以南の南極圏全域で白夜となる。
なお、1年で日の出の時刻が最も遅い日・日の入りの時刻が最も早い日と、冬至の日とは一致しない。日本では、日の出が最も遅い日は冬至の半月後頃であり、日の入りが最も早い日は冬至の半月前頃である。
日が低い時には光が空気で屈折するから。冬至の頃には心なしかもう日光が強くなる。
2021年
あらまし
天候
最低気温
さらに温度が下がり、とうとう零下を記録しました。
朝の庭に霜が降りていることがあります。
昨年は零下が3日で最低が-0.6℃でしたが、今年は5日で最低が-2.2℃と寒さに強い種類以外は限界です。
最高気温は12月は最後の1週間は10℃未満が大半でした。
置き場所
鹿沼土鉢植えのデンドロビウム、シンビジウムと、マキシラリア、セロジネ以外は徐々に夜だけでもと屋内に入れ、寒さに弱い種類と生長中の種類を対象に室内に移しています。
零下の予想で夜は鉢植え以外は全て屋内に入れました。
鉢植えも、徐々に雨除けや寒さ除けを心がけます。
水やり
室内では乾きが早いので、蕾のついた株は特に水切れに気を付けます。大体5日たったら水やりします。
他の株も、乾きを良くして、水切れしないようにします。
鉢植え鉢も
開花
デンドロビウム、カトレア原種、ミニカトレア、コチョウラン、オンシジウム、ミルトニア/スペクタビリスは咲き続けています。
ミニカトレアなどが引き続いて咲き始めました。ミルタシアがミルトニアより遅れてようやく開花
花茎、蕾
デンドロビウムやキンギアナム,、オンシジウム、コルマナラ、ミルタシア、セロジネ、ミニバンダ、シンビジウム/エバネウムの花茎や蕾が伸びています。
新芽が減って遅れているデンドロキラムに花茎ができ始めているようです。
新根
シンビジウム/エバネウムの蕾が大きくなっています。開花の目安となる根元の新根が太く伸びています。
冷害
デンファレの小さな原種が落葉してしまいました。
カイガラムシ
殺虫剤を使わないので、新苗を中心に、除虫の少なかった株は冬に向かって小さなカイガラムシが目立ち始めました。
歯ブラシで除いています。
2019年
あらまし
12月後半は洋ラン学園が本格的な冬対策の目安とする最低気温5℃未満が本格化します。
そこでシンビジウムデンドロビウムの古苗以外は冬越しの防寒を本格化します。
その反面翌年の生長や開花の始まりである冬の新芽や蕾の生長も盛んとなるので、それらは「冬知らず」も本格化します。
室内に置いて、水やりを欠かさず、積極的に育てます。
いずれも1月からの本格的な冬対策の助走期間です。
天候:昼は短く晴れの日は少なくなります。
気温:洋ラン学園で低温の警戒境界としている5℃以下が本格的に始まり、枯れる可能性が高くなる零下にはならないという状況です。
雨:たまに雨が降ります。
日光:日は低く弱く、一般の種類は直射日光が当たっても日焼けしにくいです。
置き場所:大半の種類は室内か屋内か軒下です。予想最低気温が5℃未満と予想される夜には軒下の苗も一部屋内に入れます。
雨除け
新苗を除くシンビジウムとデンドロビウム以外は屋外の苗を軒下などで雨除けします。
水やり
雨ざらしの苗以外は定期的に、暖かい日の昼間に水やりし夜までにできるだけ乾くようにします。
室内、屋内、軒下の鉢は定期的に水やりします。
庭の桜とアジサイがほぼ落葉しました。里芋はまだ元気です。
12月前半 大雪(たいせつ12/7)
大雪(たいせつ)は、二十四節気の第21。十一月節(旧暦10月後半から11月前半)。
現在広まっている定気法では太陽黄経が255度のときで12月7日ごろ。恒気法では冬至から23/24年(約350.02日)後で12月7日ごろ。
期間としての意味もあり、この日から、次の節気の冬至前日までである。
季節
雪が激しく降り始めるころ。『暦便覧』では「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」と説明している。
鰤などの冬の魚の漁が盛んになり、熊が冬眠に入り、南天の実が赤く色付くころ。
秋越しと冬知らず 2016/12.16
温室なしの洋ラン栽培では、熱帯産種では最低気温10℃で障害が出始めます。
今年
最低気温が10℃を下回ったのは、最初が
10月前半(寒露)の終わりの15日の8.1℃で、
10月後半(霜降)には4回ることが多くなるのは
冬には大半の洋ランを室内や屋内に入れるのでやや安全で、むしろ危険なのは秋なのです。
従って洋ラン学園では防寒の初めということもあり「
秋越し」に注意を払っています。
冬は防寒という受け身よりも芽出しの促進など「
冬知らず」を提唱しています。
当地の今年の10月の最低気温は10℃未満が7回で10/25の7.2℃でした。熱帯産種は屋内に入れなければなりません。
11月前半(立冬)には最低気温が10℃を越えたのは1日と、14,15の3日だけで、5℃未満の初めは8日の3.2℃した。
11月後半(小雪)には5℃未満が5回あり、
屋外安全限界の目安としている2℃以下は3回で
1回は-2.8℃でした。例外的ですが24日に初雪が降りました。一般種でも屋外では冷害や霜害の危険が始まります。
12月前半(大雪)には5℃以上は5回だけ、
2℃以下が6回、零下が2回もあり、
最低は12日の-1.9℃でした。一般種は深軒下か屋内ですが、
零下になった苗もあります。
普通の年よりかなり寒いですが、昨年は5℃以上は2回だけ、2℃以下は11回、
零下は8回で最低は9日の-2.7℃でした。
最低気温
冬の間は最低気温が毎日の気がかりです。5℃を下回り始めました。
置き場所
冬知らずとした、
コチョウランとカトレアの蕾付き苗、寒さに弱く冬に良く生長する
バンダとグラマトフィラム、はもう部屋や屋内です。
パフィオも
エピデンドラム原種、オンシジウムシャーリーベイビー、コルマナラ、ミルタシアも念のため
奄美風蘭、名護蘭、
水やり
屋外の苗はなるべく雨に当てないようにします。鉢は少し湿る位にします。中には乾いてしまうものもあります。
害虫
カイガラムシが繁殖するので小さい内に除きます。
開花
秋咲デンドロビウム、コチョウラン、オンシジウム、ミルトニア、秋咲キンギアナムなどが咲いています。
マキシラリア/リンゲンス、不注意で水切れし細い花茎を何本か枯らしました。
カトレヤ原種のトリアネイとミニカトレアが咲きました。
花茎、蕾
デンドロビウム、カトレア、コルマナラ、セロジネ、ミニバンダ、マキシラリア/リンゲンス、シンビジウム/エバネウム、春蘭
パフィオペディルムは2株から出ています。バークで根鉢ができていた鉢をペットボトル植え
エバネウムは太い根が元から伸びています。開花の前触れ
コルマナラ/ワイルドキャット小さなバルブから、パフィオペディルムのシース2株から、ヨネザワアラ/ブルースター
新芽
カトレアの他、デンドロキラム/コビアナム、シンビジウム、
秋
11月後半 小雪(しょうせつ11/22)
小雪(しょうせつ)は、二十四節気の第20。十月中(通常旧暦10月内)。
現在広まっている定気法では太陽黄経が240度のときで11月22日ごろ。
季節
わずかながら雪が降り始めるころ。『暦便覧』では「冷ゆるが故に雨も雪と也てくだるが故也」と説明している。
11月後半-秋後半:低温期の本格化
初めに
最高気温が15℃余り、最低気温が約7℃と下がり、冬支度/防寒を本格的に考えるようになります。
日照時間や雨の量は前半とあまり変わらないようですが、雨ざらしを控えます。
花芽の出が続きます。晩秋以降の新芽は育つかどうか心配になります。
冬知らず
冬でも全ての苗を室内には入れられないので、一部を選びます。
寒さに弱い種類:グラマトフィラムは低温に遭うと後で落葉し黒くなって枯れるので、室内置きは必須です。
新苗:同じ種類でも、温室育ちの新苗は寒さに弱いので優先的に室内に入れます。
冬に生長する種類:カトレアの一部、エピデンドラム、ジゴペタラム、パフィオペディルム、バルボフィラム、デンドロキラムなど
2021年
初めに
今年は、昨年と違って、大半の鉢をペットボトル植えに変えて、根腐れの恐れがさらに減りました。
またこれまでの寒さで弱っていた苗が回復し大株になっています。
そこでこれまでの早くから多くの鉢を室内の冬知らから、今年はなるべく遅くまで屋外で世話いらずに変えようとしています。
また、最低気温が10℃以上が続いています。前半の最低は8.6℃で夜だけグラマトフィラムだけ屋内に入れました。10月の最低は10℃未満が4日で最低は7.9℃でした。
そこで今年は寒さに弱い種類もまだ屋外を基本としています。
あらまし
最低気温:25日に一気に6.0℃まで下がりました。
天候:晴れは少ないですが、雨も少なく、最低気温が高いです。
置き場所:引き続き全て屋外です。雨の時だけ雨の当たるところに雨除けを被せるようにしました。冬知らずだけ夜の屋内を早めます。
水やり:ミズゴケを減らしても乾きが悪い鉢と、からからに乾く鉢に二極化しています。
開花:コチョウラン、オンシジウム、ミルトニアスペクタビリス、ジゴペタラム、キンギアナム、開花中、ミニカトレアの1鉢が1月足らずで萎れました。
デンドロビウム/オリエンタルスピリット/ビゼンアケボノ、早咲種
花茎と蕾:秋の初め以降途切れていたのが、11月半ば前後から再び出始めました。
ミニカトレア、コチョウラン、オンシジウム、コルマナラ、春蘭
シンビジウムエバネウム、デンドロビウム、セロジネ、金稜辺、などは始まりです。
最新
11月前半 立冬(りっとう11/7)
立冬(りっとう)は、二十四節気の第19。十月節(旧暦9月後半から10月前半)。
現在広まっている定気法では太陽黄経が225度のときで11月7日ごろ。恒気法では冬至から7/8年(約319.59日)後で11月6日ごろ。暦ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間とする。
初めて冬の気配が現われてくる日。『暦便覧』では、「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」と説明している。実際はまだ秋らしい気配で紅葉の見時はまだ。
秋分と冬至の中間で、昼夜の長短を基準に季節を区分する場合、この日から立春の前日までが冬となる。
あらまし
今年はペットボトル植えが大半で根腐れの恐れを小さくしたので
最低気温がほぼ10℃以上の11月前半は寒さ対策はしません。
夜10℃未満が予想される時だけ寒さに弱いグラマトフィラムと大輪カトレアの新苗を屋内に入れます。
鹿沼土植えは雨ざらし、ペットボトル植えは軒下で雨除け
水やりはペットボトル植えは乾いたら湿らせる程度。十分に濡らすことはしません。
殆ど世話いらずです。
花
引き続き、夏からのコチョウランや、オンシジウムとミルトニアスペクタビリス、そしてミニカトレアやジゴペタラムや秋咲きのキンギアナムが咲いています。
花茎、蕾
シンビジウムや金稜辺とエバネウム、春蘭の花茎や蕾が出始めています。
コルマナラやマキシラリア・リンゲンス、セロジネも花茎を出したり伸ばしています。
ミニカトレアやカトレア大輪、原種も、シースが新たに出たり、中の蕾が大きくなったりしています。
根
バンダ系は、コチョウランやミニバンダや風蘭系は根が伸び先に根冠があります。
バンダは上の方の新根以外は根冠が消えかけています。
パフィオペディルムは元気な株は新根が伸びています。
葉
雨の害
グラマトフィラムなど鹿沼土植えで雨ざらしの一部の新芽が根元から腐ったりしています。
2021年
苗の入手
コチョウランのPhal. Yen Shuai Sweet Girl 'Shiny Girl' イェン シャイ スイート ガール 'シャイニー ガール’
Phalaenopsis Yen Shuai Sweet Girl, Yen Shuai Orch. 2009
(RHS registered)
Phalaenopsis Little Gem Stripes × Phalaenopsis Tzu Chiang Prince
あらまし
2018年
置き場所
熱帯産の非耐寒種は10℃が限界です。なるべく屋外に置きたいので、気温より高温の軒下に置きます。
最低温度計が8℃になるようなら夜だけ屋内に取り込むことにします。
生長
グラマトフィラムの丈が伸びバルブが大きくなっています。
新葉
ジゴペタラムとジゴニシアの葉の枚数が先月より増えました。
花茎
金稜辺、シンビジウム・ミス・マフェット、ミニオンシジウム、デンファレ、デンドロビウム
開花
コチョウラン、パフィオ・ベラチュラム
2016年
気候
初時雨と雨除け
洋ラン学園では、9月後半から10月を秋の前半、11月から12月前半を秋の後半と考えていますが、「立冬」はその区切りにふさわしい節気です。
時雨は、冬の初めの通り雨のような小雨、初時雨はその年の冬の最初の時雨を指すので、「立冬前後の最初の小雨」と言えるでしょう。
この時期はひと雨ごとに温度が下がり寂しさも感じます。
時雨の後の気温の急降下(2016.11.8)
洋ラン学園では、秋の後半として、非耐寒種を除く大部分の種類を引き続き屋外に置いて、防寒に努めます。
まだ多くの種類が昼の日射と高温で生長を続けているからです。
しかし、雨に関してはこれまでと違います。 2015.11.8
2015年の初時雨は11月2日だったようです。2016.11.2
雨除け
雨ざらしで病気の出やすいデンドロビウムなどは、雨除けになるテラスのシンビジウムの陰に移動します。
洋ランの一年間の世話は、高温期と低温期に分けることが出来ます。
亜熱帯が原産の洋ランにとっては、日本の気温はやや低めです。夏を除くと自生地より温度の低い低温期と言えます。
気温が20℃以上の高温期には、根腐れの心配が無く、一方自生地は雨季のため生長期なので、積極水やりをします。
一方、低温期には、まず根腐れさせないことが基本になります。そこで防寒が重要になります。
また、旺盛な生長期ではないため、水を多くする必要はありません。そこで、高温期に比べるとやや乾かし気味になります。11月からは切り替えます。
世話の基本は以上ですが、一方、花茎が本格的に出るなど、最も開花の多い冬に向けて楽しみで、また一年のまとめとして振り返る時期が始まります。2014.11.11、
秋前半(9月前半-10月)
10月前半まで
高温期から低温期への切り替え
初めに
平年では、9月前半までは真夏日が良くあり、秋雨前線がまだ活発にならないため、夏の陽気が続いている感じがします。
又洋ランの新芽はこの頃から伸びが止まってバルブなどが太り始めたり、花茎が出てきたりする時でもあります。
9月後半になると上のグラフにあるように、気温の低下が始まります。最低気温が20℃を下回り、秋雨が良く降るので、屋外・雨ざらしでは寝腐れに注意が必要になります。
日焼けの注意は必要ですが、なるべく日向に置くようにします。(2015年記)
温度と置き場所
置き場所を判断するには、ランが枯れる(地上部)かばかりでなく、根が腐るかどうか、と生長や開花への影響の3点を考える必要があります。
枯れるかどうかについては、熱帯産では10℃が境目になり、温帯産・特に和蘭(石斛、春蘭や風蘭)や和蘭との交配種では、霜や雪を被らなければ零下5℃前後までは枯れずに越冬できます。
根腐れも最低10℃位までは大丈夫なのですが、それ以上でも乾かないと根腐れします。
暖かい季節と同様の水やりをするとすれば15-20℃以上でないと危険です。
生長や開花への影響という点では種類によって15℃を下回るとあるようです。
従って低温期の置き場所はこれらと実際に可能かによって決めねばなりません。
従来の趣味の園芸では植物に望ましい条件を最優先にしていますが、温室を使わない場合には現実的ではありません。
例えばデンファレの鉢を買うと20℃以上に保てと書いてありますが、消費者のことを考えているとは思えません。(2018/10/14)
屋内にしまうのは大変なので、高温種は秋は10℃まで10月いっぱいは外に置くことにします、成長が続いているので15℃を下回っても止まらないと思います。
15℃以上が望ましいとされているグラマトフィラムは春に適用します他の種類は外に出した後なのでそれほど負担になりません。10/23
雨ざらし
置き場所に関して重要なのは雨ざらしです。
高温期の雨ざらしは乾きすぎを防ぎ、水切れにより有機質の植え込み材料が撥水性になってしまった時に回復に役立ちます。
花が咲かない理由の大半である夏の水切れによる生長不良を防ぎます。
またカイガラムシはふ化直後だけ雨で退治できます。ダニ退治にも有効です。
一方、温度が低くなってからの雨ざらしでは、病気や根腐れを引き起こします。
熱帯性のランの耐寒性は10℃までですが、葉や根の弱い種類は最低気温15℃を目安に雨ざらしを止めるようにします。
特にコチョウランは炭疽病が発生して落葉が始まり全株が枯れ、パフィオの主に薄葉も発病します。
東京都心では10月初めから最低気温が15℃を下回ることが多くなります。10/23
2017年準低温期・中温期
1年をまず二つに分けるとすると、高温期と低温期の区別が重要です。植物は、日射と雨と高温により光合成を行います。洋ランの原産地は亜熱帯が中心なので、わが国の一年の大半、夏以外は原産地に比べて気温が低いため、生長が不活発になります。従って何らかの保温・加温をして生長を促進することが、生長期である春と秋に良く生長させ、花を咲かせるために必要です。
さらに、冬には、零下になって植物も凍ってしまう凍害、他の植物でも起きる霜害、低温で葉などが傷む冷害を防ぐことが不可欠になります。
洋ラン栽培で最も切実な問題である根腐れは、低温期の鉢内の湿りにより起きます。
最低気温が20℃以上ある時期には、根が活発の上鉢内の乾きが早いため、根腐れは殆ど起きません。従って安全を見込むと、最低気温が20℃を下回ると、水やりへの注意が必要になります。
最低気温が20℃を本格的に下回るのは9月の後半からです。
従って9月の後半からは「低温期の世話への切り替え」を行います。
趣味の園芸では、高温種・中温種・低温種に分けて、最低気温の低下に合わせて、それぞれ高温種は15℃、中温種は10℃、低温種は5℃以下になったら、防寒のため屋外から室内に取り込むように言われています。こうすると、高温種は10月から室内に入れ始めるようになり、まさに低温期と思われます。
しかし洋ラン学園ではそのようなやり方はしません。
冷害を受けるのは、熱帯産種が10℃以下になる場合です。それまでは屋外の日光と昼の高温で生長を続けるので、屋外に置いた方が良く育ちます。
また、室内が狭くならずに済みます。そこで、10月一杯までは、准低温期・中温期と考えます。11.13
高温期から低温期への境目は? 暑さ寒さも彼岸まで 9月後半の気候 2017.9.17
9月の前半は夏が続いているような感じがします。夏の終わりの気配を感じるのは9月後半です。それを丁度良く表しているのが「暑さ寒さも彼岸まで」です。最低気温・最高気温共に明らかに下がり始めます。
そこで9月の後半から、高温期から低温期へ変わり始めると考えられ、世話の仕方の頭を切り替えるきっかけとなります。ます。
暑さ寒さも彼岸までWikiedia 2017.9.17
暑さ寒さも彼岸まで(あつささむさもひがんまで)とは「冬の寒さ(余寒)は春分頃まで、夏の暑さ(残暑)は秋分頃までには和らぎ、凌ぎやすくなる」という意味の、日本の慣用句である。
実際、気象庁などの観測データによれば、この慣用句の意味するところが概ね的を射ていることは推測可能である。北日本と南日本では差はあり、年によって異なるが、概ね春分までは冬の季節現象では降雪・積雪・凍結・結氷・降霜の恐れと、気温では真冬日・冬日になることもあり、また概ね秋分までは夏の季節現象では猛暑日・真夏日・熱帯夜になることもある。
平均気温に例えると、3月の春の彼岸は概ね11月下旬から12月上旬(北日本は12月上旬から中旬)の気温、9月の秋の彼岸は概ね5月下旬から6月上旬(南日本は6月上旬から下旬)の気温とほぼ同じであり、それぞれ秋から冬への過渡期の晩秋、春から夏への過渡期の初夏の平均気温と等しくなる。
2020年
10月
初めに
最低気温が20℃を下回る(2018/10/08-)
昨年の例では10月後半になると最低気温が15-10℃未満が普通になります。
今年は下記にあるように、グラマトフィラムを15℃以上に保つようにしてみます。枯れないようにするには10℃以上で良いと思いますが、春からの生長を遅れさせないためです。
その他の熱帯産種はデンファレ、フラグミペディウムなど10℃以上にします。(2019/10/11)
初めに 2016
低温期が本格化します。
2016年も基本的には下記の2015年と同じにします。特に10℃以下での扱いについて
一番重要なのは置き場所で、9月後半から日陰・雨ざらし・北庭、から日射(日除けは必須)・雨よけ・南庭に変えます。
それに従って、水やりが定期的に必要になります。
また雨が当たらないとカイガラムシが繁殖します。歯ブラシによる駆除を本格化します。
ただし、最低気温については15℃に気を付けます。グラマトフィラムを15℃未満にしないことです。
店の開花株は少なくなります。コチョウランとカトレアは夏までに入手する方が無難です。2016.9.30
前線について
一般には秋雨前線が良く使われますが、気象庁発表の2015年の天気図のまとめを振り返ると、秋雨前線という言葉は見当たらないためいつ無くなったかも分かりません。
また民間でも予報はありますがいつ終わったかの記録は見つかりません。
1,2,4,6,7,12, 16, 17, 26日は単に前線、13日は寒冷前線の通過、18, 27日には停滞前線、とややこしくなっています。10月は18日の寒冷前線が最初です。2016.10.3
最低気温について
グラマトフィラムだけは最低気温15℃以上にした方が良さそうです。2015年には9月30日の14.6℃が最初で10月1日も続き15℃未満が22日で10℃未満も25日の9.0℃から始まり3日ありました。
2016年はまだありませんが予報では都心が11日からになっています。
デンファレ、カトレヤ原種など10℃未満にしたくない種類は多くあります。冷害にはならなくても春からを含めた生長への影響はあるようです。2016.10.8
日の高さと長さ
9月後半の秋分を過ぎると、次第に日は低く南寄りになり、特に日の入りがどんどん早まります。
1月経った10月後半には、西日が南寄りになり日除けの仕方が変わり、5時前に日が沈むようになります。2016.10.27
木枯らし
気象庁天気相談所作成
東京地方における「木枯らし1号」は、下記の事項を基本として総合的に判断して発表しています。
1 期間は10月半ばから11月末までの間に限る。
2 気圧配置が西高東低の冬型となって、季節風が吹くこと。
3 東京における風向が西北西〜北である。
4 東京における最大風速が、おおむね風力5(風速8m/s)以上である。 (ただし、お知らせには最大瞬間風速を記入する。)気象庁の公式発表は東京と大阪だけ
2015年は10月25日に東京で木枯らし1号が吹きました。2016.10.27
10月22日に本州初めての霜、23日は「霜降」12.8記
葉の変色
10月に入ると色々な種類の葉の変色が始まります。10.31
2015年
趣味の園芸では、高温種・中温種・低温種に分けて、最低気温の低下に合わせて、それぞれ高温種は15℃、中温種は10℃、低温種は5℃以下になったら、防寒のため屋外から室内に取り込むように言われています。こうすると、高温種は10月から室内に入れ始めるようになり、まさに低温期と思われます。
しかし洋ラン学園ではそのようなやり方はしません。
冷害を受けるのは、熱帯産種が10℃以下になる場合です。10℃までは高温種も屋外の日光と昼の高温で生長を続けるので、屋外に置いた方が良く育ちます。
また、室内が狭くならずに済みます。そこで、10月一杯までは、准低温期・中温期と考えます。(2014.11.13)
10月後半には当地の最低気温が10℃を下回り始めるので、14グラマトフィラム、13バンダ、11デンファレや3カトレヤ系高温種のロディゲシー系やブラサボラなど、10℃未満が予想される夜のみ室内に入れ始めます(2015.10.8)
2014年には10月のうちに5回も最低気温が10℃を下回リ、5℃近くにもなったために早くから冷害が起き始めましたが、今年は大丈夫なようです。2015.10.24
2014年の木枯らし1号(10月後半から11月末までで北風の最大速度が8m/s以上)は28日でした。それ以前の3回は10℃を下回っても9℃以上でしたが、29日は約7℃、30日は約6℃と危険な水準まで下がりました。2015.10.26
10.8 軒下水やり
9月 順不同
2019/10/02作成
10月前半 寒露(10/8)
寒露(かんろ)は、二十四節気の第17。九月節(旧暦8月後半から9月前半)。
現在広まっている定気法では太陽黄経が195度のときで10月8日ごろ。
露が冷気によって凍りそうになるころ[1]。雁などの冬鳥が渡ってきて、菊が咲き始め、蟋蟀(こおろぎ)などが鳴き止むころ。『暦便覧』では、「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」と説明している。
9月
9月後半
秋分(しゅうぶん9/23)
秋分(しゅうぶん)は、二十四節気の第16。昼と夜の長さが等しくなる。八月中(旧暦8月内)。
現在広まっている定気法では、太陽が秋分点を通過した瞬間、すなわち太陽黄経が180度となったときで、9月23日ごろ。暦ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間とし、日のほうは秋分日(しゅうぶんび)と呼ぶ。恒気法では冬至から3/4年(約273.93日)後で9月21日ごろ。
春分と同様に、秋分では昼夜の長さがほぼ同じになる。『暦便覧』では「陰陽の中分なれば也」と説明している。しかし、実際には、昼の方が夜よりも長い。日本付近では、年による差もあるが、平均すれば昼が夜よりも約14分長い。これは、次の理由による。---
暑さ寒さも彼岸までと言われる。
あらまし・前期のまとめと今期の予定と経過
気候
秋は高温期から低温期へ世話を変えていきます。
9月の前半はまだ残暑があり、後半になると秋めいてきます。
水やり
高温期から低温期へ、世話が最も異なるのは水やりからです。
乾きは温度が10℃下がると二倍遅くなります。
ミズゴケやバークがからからに乾くということも無くなってきます。
高温期には洋ランの伸びが続くので、水切れさせないことが大事です。
しかし、秋の低温期は、伸びが鈍り、太って充実するようになります。
これまでは乾いた有機材料が完全に濡れるまで水やりしましたが、これからは水気を補う積りで水やりに変えます。
置き場所
置き場所は日よけ、雨除けで決まります。
真夏は直射日光が短時間当たっただけで、シンビジウムの古い葉でさえも日焼けして枯れました。
一方日向で遮光ネットを被せる方法は、強い種類でも忘れると日焼けし、さぼってかけたままにしておくと蒸れて新芽が腐ったりするので、日向にはおけませんでした。
9月の後半ともなると強い種類は問題ありません。
一方、雨は増えてきて、乾きも悪くなるので、雨除けはしっかりやる必要が出てきます。
新芽、新根、新葉
洋ランの中には夏の暑い時には生長を休んだり、秋になってから新芽や花茎の出る種類があります。
これらも水切れさせないようにして、早く出るように促します。
新しい脇芽は、開花株の根元に新根が出てからということが多いので、新根に注意します。
花茎と蕾
早いものでは8月の終わりから、蕾などが出始めます。
9月前半に引き続いて、
ミニカトレア、エピデンドラム、ミルトニアスペクタビリス、キンギアナム秋咲などの花茎が出ます。
ミニカトレアのシースの中に蕾が見えます。
待望の
ジゴペタラムと
ミニオンシジウムの花茎が出てきました。
春蘭の花芽が出てきました。これまで気づきませんでしたが夏の8月から出ることもあるようです。
ミニカトレアのシースの中の蕾。ジゴペタラムの花茎、親株が40pと大きいです。春蘭の花芽。
開花
引き続き
コチョウラン、エピデンドラム、キンギアナム秋咲が咲いています。
ミルトニアスペクタビリス、
オンシジウム・アロハイワナガが咲き始めました。
植え替え
ペットボトル植え
新苗入手
デンドロビウムの秋咲と、ミニカトレアのミリオンキス
9月前半 白露(はくろ9/8)
白露(はくろ)は、二十四節気の第15。八月節(旧暦7月後半から8月前半)。
現在広まっている定気法では太陽黄経が165度のときで9月8日ごろ。
大気が冷えてきて、露ができ始めるころ。『暦便覧』では、「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」と説明している。
前期のまとめと今期の予定と経過
高温期から低温期
天候
最低気温 前半16.2℃ 後半12.1℃
置き場所
水やり
植え替え
新根
新芽
花茎・蕾など
キンギアナムの秋咲き(デンファレとの交配種)に花茎、例年より早まりました。
オンシジウム、ミルトニアスペクタビリスの花茎の出と、
カトレヤ原種や
ミニカトレアのシースの出が続いています。
オンシジウム/アロハイワナガ二つ目の細長いバルブ(手前左)や他の株からも花茎。カトレヤ原種トリアナエのシース
開花
コチョウランが初夏からずっと咲いています。
エピデンドラムが咲き始めました。
キンギアナムの秋咲が咲き始めました。
新苗開花株入手