洋ラン学園
パフィオペディルム(パフィオペディラム)の育て方と咲かせ方
旧版


パフィオペディルム図鑑
園芸店で良く見られるのは丸い大きな花が咲く、大柄で丈夫な緑葉薄葉整形タイプと呼ばれるグループです。これは交配種が殆どで、種類が多く、その上名札が付いていない場合が多く分かりにくいです。それについでいるのは斑入り薄葉のモーディエタイプです。小型の斑入り葉厚葉のグループも見られる事がありますが初めは咲かせるのが難しいでしょう。
写真は主に「ようこそ我が家の蘭の世界に」(日本パフィオペディルム研究会、亀井さんのHPから転載させていただいています。kameiと注記

パフィオペディルムの属内分類
ウィキペディアから転載0
以下のような亜属に分けられている[2]。
subgenus Polyantha ポリアンタ亜属:1つの花茎に複数花を着け、それらはほぼ同時に開花する。
subgenus Chchlopetalum コクロペタルム属:1つの花茎に複数花を付け、花は1つずつ順に開花する。
subgenys Paphiopedilum パフィオペディルム亜属:花は単独、葉は緑色。
subgenus Sigmatopetalum シグマトペタルム亜属:花は単独、背萼片は側花弁より幅広く、唇弁の縁は外に返る。
subgenus Brachypetalum ブラキペタルム亜属:花は単独、背萼片も側花弁も肉厚で滑らか、唇弁は小型、花粉塊は粘質。
subgenus Parvisepalum パルヴィセパルム亜属:花は単独、花被片は柔らかくて皺があり、光沢がない。唇弁は大きくて袋状、花粉塊は粉粒質。


整形花(緑葉、薄葉、交配種、大型、大輪)交配種
親原種(緑葉薄葉)
インシグネ insigne


(山田蘭園)
インシグネ 変種 サンデレー insigne var.sanderae
黄色
原色写真集:緑葉、冬咲き、生産量多い


(山田蘭園)
スピセリアナム(スピセラナム) Paph. spicerianum (spiceranum)
入門:西ミャンマーから東インドに広く分布、コア型、現在の交配種のほとんどに初期に関与、冬−春咲き、生育旺盛。
ビルマ(ミャンマー)からインドアッサムに自生する、地生種。花の幅は約6.5cm、愛らしく、強健で栽培しやすい原種。
10.5cm鉢、リーフスパン約20cm、3〜4芽立ち、準〜開花サイズ (フジ園芸HPhttp://www.sqr.or.jp/usr/fujiengei/orchid/WL5072.html)
The plant is medium in size compared to others in its genus. Plant flowers in the summer to late fall with one 6 to 8 cm flower.
Distribution Paphioepdilum spicerianum is found in Barak and Sonai river gorges in Assam, India at elevations of 370 to 1550 meters. The plant is found growing on trees, rocks and in crevices growing in thick moss. The area is subjected to heavy fog ad drizzles in the winter ad heavy rain in the summer. Spring is the hottest season in the region with temperatures up to 88°F.



(kamei, wiki)
交配種
白色
Paph. Tsuya Ikeda 'Oiso'、パフィオペディラム ツヤ イケダ オーイソ
鉢サイズ3.5号鉢、草丈リーフスパン約35cm、グリーン系白花、国産古典交配の代表的品種。花の幅約8.5cm、ドーサル幅約5.3cm。性質は強健で良く出来ます。

フジ園芸HPから転載、写真も、http://www.sqr.or.jp/usr/fujiengei/bloom/b0195.html#WB2051

フィップス Paphiopedilum Phips, Paph. Aureum x Paph. Boltonii


黄色
Kimura's Present
Yellow Tree x Tree of Goshima, 1995, Mukoyama (M. Kimura)
木村資生の交配
木村資生は、遺伝学の研究者で、「生物進化の中立説」という世界的な業績を上げています。一方、趣味として、色々な園芸植物の交配を手掛けており、洋ランではパフィオペディルムの交配種を作出しました。Kimura's Presentはその一つで、後に向山蘭園によって登録されると共に、交配親として用いられています。

Paph. Enzan Branch x Paph. Kimura's Present


(向山蘭園提供)

黄緑
スイート・レモン
丈夫で作りやすい

パフィオペディラム・リーアナム. Paphiopedilum Leeanum ( P. insigne x P. spicerianum )


Battle of Egypt 'Alpha'
赤花花交配種の有名品種で、ドーサルの広がりは見事


亀井さん


ORCHILLA ‘Chilton’FCC/RHS オルチラ ‘チルトン’
栽培鉢サイズ3.5号鉢、リーフスパン約30cm、濃赤紫色、大輪整型の銘品。花の幅約10.5cm、ドーサル約8cmで、良くできると一回り大きく咲きます。

フジ園芸HPから転載、写真も、http://www.sqr.or.jp/usr/fujiengei/bloom/b0195.html#WB2051

赤花最高花(大場蘭園)


Robin Hood
Paph. Bingleyense と Paph. Gaston Bultelの 交配種、1986年
原色写真集:紫紅褐色で光沢あり、丈夫で作りやすい、古くから営利栽培され鉢ものとして流通、初心者にも育てやすい、流通時期7-12月

(亀井さん)
ラフ、Paph. Ruff
原色写真集:赤系の古い品種、営利的に栽培されている、流通時期11-12月


点花
Paph. WINSTON CHURCHILL ‘Indomitable’FCC/AOS ウィンストン チャーチル ‘インドミタブル’
栽培鉢サイズ4号鉢、リーフスパン約30cm、鉢を含む全高約46cm、点花の銘品、優秀花作出の交配親としても知られています。花の幅約11.5cm、ドーサル幅約9cm、ペタル幅約5.5cmの整型大輪。(Paph. Eridge x Hampden)

フジ園芸HPから転載、写真も

点花の名花 D白地に褐色点入 P、L赤褐色 極整形大輪 (大場蘭園)


緑葉系の強健種を除くと、パフィオは園芸店では小さな株しか見られません。温室では咲くでしょうが、次の脇芽が大きく育ちそうにありません。
斑入り薄葉パフィオ(モーディエ・タイプ)
緑葉薄葉タイプに次いで育てやすいとされています。古い交配種モーディエの関連種です。
カローサム(原種)callosum 

(亀井さん)
交配種
モーディエ Paph. Maudiae パフィオペディラム モーデー
3号鉢、リーフスパン約25cm、鉢を含む全高約50cm、斑入り葉種、花の幅約10cm、花茎高約30cm。主に夏、他期にも咲きます。栽培は容易です。
(Paph. callosum x lawrenceanum)

フジ園芸HPから転載、写真も

 




斑入り厚葉ミニパフィオ(パービセパラム・タイプ)
新しい小型種のグループで、花色が豊富で低温性で丈夫だそうです。夏の暑さには弱いそうです。ベトナム産のデレナティーだけは高温性です。

ブラックダイアモンドPaph.Black Diamond (fairrieanum x delenatii)


デレナティ、delenatii, ベトナム産、高温性

(亀井さん)

マリポエンセ malipoense

(山田蘭園)




リンレイ・クーポウィッツ Paph. Lynleigh Koopowitz (delenatii x malipoense)
Paph. Lynleigh Koopowitz is a hybrid between delenatii and malipoense. It produces large flowers up to 5" across with a light pink coloring and a overlay of dark purple spots on the petals. Its fragrance is reminiscent of raspberries and cream.
原種 デレナティとマリポエンセの一代交配種。幅約11〜12cmの大輪、淡いピンクと緑色系の 上品な色合いの花。
fujiengei
両親より花着きが 良く、とても強健


マジックランターン、Magic Lantern(Paph.micranthum×delenatii)1990、桃色、花弁幅広

(亀井さん)
ミクランサム(Paph.micranthum
パフィオの中でも独特な花の形をしています。花はピンクをベースにし、ドーサルやペタルに比べリップが大きく膨らんでいるのが特徴です。葉は緑の文様が入りますが成育は遅く花芽も出にくいです。寒さには強く丈夫です。ランナーを出して増殖しますので浅鉢が良いと思います。
雲南省産

(亀井さん)

Paph.Vedanta( glaucophyllum'Super Var'×victoria-mariae'Smatra')


パフィオペディルム・ディアーヌヴィッケリー Paph. Diane Vickery(Paph. glaucophyllum x henryanum) 1994 HCC/AOS
とても丈夫な品種,常温で栽培可能。




斑入り厚葉ミニパフィオ(ブラキペタラム・タイプ)
新しい小型種のグループで、花色が豊富で低温性で丈夫だそうです。夏の暑さには弱いそうです。ベトナム産のデレナティーだけは高温性です。
ベラチュラム


(亀井さん)


ニベウム


(山田蘭園)



多花性パフィオ(ポリアンサ・タイプ)
1本の花茎に数個の花を着ける種類です。園芸店で見かけることは少ないです。
1茎多花性の大型種です。
葉は肉厚で緑葉で、’ロス’に代表されるこの属はペタルに特徴があり、長いものやねじれているものが多くあります。
株が大きいため、栽培に場所をとるのが欠点です。プライマリー交配では多くの品種を作り出しています。
高温性でやや強光を好みます。
開花時の雄大さは圧倒されるものがあります。ただ、この属は生育が遅いのも一つの特徴です。
(亀井さん)

パフィオペディラム ブーツ サンド レディ Paph.Booth's Sand Lady(Lady Isabel x sanderianum)



glanduliferum(グランデュリフェラム)、[gardineri(ガーディネリ)は異名同種]、[praestans(プラエスタンス)は異名同種])
 
左:プラエスタンス変種グランデュリフェラム 
praestansの仲間では大型になります。他に変種としてbodegomiiがありますが、本種はペタルがあまり開かないようです。2年に1度の開花で、どちらかというと生育は遅いです。見ていて気持ちが落ち着く花です。葉は無地の緑色です。
ニューギニア産

右:ガーディネリ
praestansの変種です。全体に小型です。
ニューギニア産
(亀井さん)

ロスチャイルディアナム

(山田蘭園)

緑・黄緑

シリーン
Shireen (glaucophyllum×philippinense)
原色写真集:緑葉、1茎多花、原種間交配種(プライマリ種)流通時期2-6月

(亀井さん)
SHEERLINE ‘Rondo’AM/RHS・AOS・JOS シャーライン‘ロンド’ 、黄緑色系有名花(大場蘭園)


Paph. Saint Swithin
(rothschildianum×philippinense)

サンデリアナム sanderianum
この属では花に特徴があるものが多く、特にこれはその代表だと思います。ペタルが長く垂れ下がります。
ボルネオ産
(亀井さん)

Transvaal
(rothschildianum×chamberlainianu)

ポリアンサ属同士のプライマリー交配の成功例の一つです。交配に利用する個体により、かなりの個体差が生じます。本個体はポピュラーだと思います。

(亀井さん)
パフィオペディラムの育て方と咲かせ方トップに戻る

2013.5.11 分離