洋ラン学園
パフィオペディルム(パフィオペディラム)・フラグミペディウムの育て方と咲かせ方
単茎種のような複茎種
上級編

初めに
パフィオペディルムは熱烈な愛好者がいる一方で、一般には育てにくく咲きにくい部類に属します。
根腐れしやすく、かび病に弱く、花が咲くまでに長期間を要するためでしょう。
洋ラン学園では、鹿沼土植えにより根腐れや枯れを格段に減らしました。
また単茎種のような複茎種であり、葉の枚数が8枚程度になると咲くという目安と目標を明らかにしました。
咲くまでに長期間かかるのは、パフィオの売られている苗が単株で、脇芽が出て咲くまでに2年以上かかることが多いためです。
従って、強健種の大株で大きな脇芽がある苗を入手すると、とても楽に咲かせることができます。
ここではやや弱く小型で脇芽の付いていない鉢を育てて咲かせた例を紹介します。2019/10/12

目次
基本の育て方-洋ラン学園の苗と衣食住の4原則
生長から開花のパターンと開花条件
最初(冬)に枯らさない方法(幼稚園年少組)
蕾付き株を咲かせる「洋ラン幼稚園 年長組」
開花株を入手して1年後に咲かせる(小学校)
ベラチュラム
2年目以降も咲かせる・作落ち対策と大株作り(中学校)

パフィオペディルムの属内分類
ウィキペディアから転載0
以下のような亜属に分けられている[2]。
subgenus Polyantha ポリアンタ亜属:1つの花茎に複数花を着け、それらはほぼ同時に開花する。フィリピネンセ、ロスチャイルディアナムなど
subgenus Chchlopetalum コクロペタルム属:1つの花茎に複数花を付け、花は1つずつ順に開花する。モケティアナム
subgenys Paphiopedilum パフィオペディルム亜属(整形タイプ):花は単独、葉は緑色。スピセリアナム、インシグネなど、交配種リーアナムなど、緑葉整形大型大輪種は多数。
subgenus Sigmatopetalum シグマトペタルム亜属(モーディエタイプ):花は単独、背萼片は側花弁より幅広く、唇弁の縁は外に返る。カローサムなど
subgenus Brachypetalum ブラキペタルム亜属:花は単独、背萼片も側花弁も肉厚で滑らか、唇弁は小型、花粉塊は粘質。ベラチュラム、ニベウムなど
subgenus Parvisepalum パルヴィセパルム亜属:花は単独、花被片は柔らかくて皺があり、光沢がない。唇弁は大きくて袋状、花粉塊は粉粒質。 デレナティ−など、交配種



緑葉原種系小型種

リーアナム
初めに
パフィオペディルムの小型の薄葉種は、緑葉整形種でも雨にはかび病が発生しやすいです。
リーアナムは原種のインシグネの一代交配種でそれょりやや丈夫で咲き易いです。大株作りにできれば良いでしょう。以前の経過は別ページにあります。

2011年から2013年の経過
株#3は入手した開花株についていて初期の小さい葉はありませんでした。10枚以上を要して咲きました。次の株と比較すると7枚目でようやく本来の大きさに近付いたためでしょう。
その子の株#4は7枚で芽が出てから2年で咲きました。5枚目で本来の大きさの20cmに近くなっていたためでしょう。
パフィオが花の咲く条件は「葉の枚数が約8枚でかつ本来の大きさに達している」のようです。2019/01/27




123456789101112
鉢#2














開花株














株#311/04165

14.514.514.514.52.5





11/07174


151516135




11/0919.55




15.514131.5



12/09195





1721134.5


12/11235.






172213.510

13/02











開花
































株#411/050.510.5











11/06211











11/0764

43








11/088


75.5








11/0915



121







11/1115



147.5







12/0216




11.5







12/09186


1318







12/1119


4.514181710




13/01




1418.51811


蕾3cm


2019/01/27まとめ表作成

新株
大きい株の葉の長さは開花株並みになっています。



基厚123456789101112
開花株















#118/0825




=2 24
2.2

19
1.7
14
1.9





19/01/27






22- 20.5
1.7
20.5
1.9
10
2.1




02/2221
0.65






18.5
1.9
13
1.7




04/11

0.75







14.5
1.8





































#218/0810

1.53 7.5
1.5V
8
1.5









19/01/2716


3 8
1.5
15
1.8
12.5
1.9
2.5
0.7H







02/2217.5
0.95
3.5 8.5
1.5
16
1.9
16
2.1
6
1.1H







04/1120
0.8



18
2
16
2.1








































#1118/0814




=5 6
1.2








19/01/27






6.5
1.2
























#-118/08/3121




=2 23
1.5V
- 9切れ






















#-218/0814.5


=2 12.5
2
18
1.7
12.5
2.1
4
0.8H







19/01/2712.5



12
1.8
18
1.6
13.5
2.5
12
1.5
6.3
1.5V






02/2219
0.65

12.5
1.9
18.5
1.7
14
2.1
13
1.5
10
1.7V






04/1119
0.65




14
1.6
14
2







































#-319/02/221.5

0.81.1










04/112
0.8
2
0.5H













































2016年5月後半
植え替え
  



インシグネ
初めに
パフィオペディルムの小型の薄葉種は、緑葉整形種でも雨にはかび病が発生しやすいです。
原種の中では大型のインシグネの群生株を入手しました。
子供のリーアナムに似ていますが、やや雨によりかび病になりやすいです。


ウィキペディアなどから転載
Paphiopedilum insigne インシグネ 緑葉整形原種 代表種
概要
この種は非常に古くから知られ、この属のタイプ種でもある。緑地に褐色の斑点を持つ花をつける。
花は小輪ではあるが、栽培がきわめて容易なため、非常によく栽培される。黄緑花の変種があり、これも含め、多くの交配品の親となっている。
特徴
常緑性の多年草[1]。葉は3-5枚を根生し、緑色で長楕円形。花茎は斜上して、先端に1輪をつける。背萼片は楕円形で黄緑地に赤褐色の丸い斑点を散らす。縁は白くなり、波打つ。側花弁は広い線形で、黄緑地に褐色を帯び、先端は緩やかに前に向かって曲がる。唇弁は浅い褐色で縁は黄緑、袋状で縁は少し外向きになり、耳は大きい。直径8-10cm
なお、変種としてサンデレー var. sanderae がある。基本変種の花色から褐色が抜けたもので、全体に淡い緑色で、背萼片の縁が白い。
分布と生育環境
インド・アッサムに産する。標高1000-1500mの山地。




葉数基厚12345678

開花株16/10/30304



18 28
2.4
30
2.2
21
2.1

開花済
#216/10/302760.65 2.7
0.8H
6.5
1H
18
2.1
22.2
2.4
24.5
2.3
13.5
1.8





16/12/14





23
2.4
25
2.3
15.5
1.8



















#-316/10/3015
0.6 1.5
0.6H
2.7
1
4
1H
13.5
2V
13.3
1.3V






16/12/1416
0.5
2.55 15
2
15
1.9
2.5
0.6H



















#-216/10/3027
0.7


15
2V
24
2.1
21
2.1
25
1.8
17
1.7



16/12/148

2.5 4.2
1.3
7
1.5
8
1.3






新鉢













#1











開花済
















#219/02/0826




24cut
3
13
1.8v






02/22






14.5
1.8



































#319/02/0821



12
2
17
2.5V
19
2.5V
11.5
1.9V





02/2221
0.8



19.5
2.8
13
1.9





04/11







14
1.9



















#-119/02/0820



- 17.5
2.5
7.5
1.7




















#-219/02/0811.5



11.5
1.5
1.5





















2019/02/09表作成

19年2月前半
まだ最大の葉も開花株の一歩手前です。


2017年
12月前半
色々な大きさの脇芽があります。
新葉は少し伸び続けています。


10月末

2016年
12月前半

   

2016年5月後半
植え替え


3月前半
入手

斑入り薄葉
モーディエ系

目次
2012年
2011年

2008年
2012年10月中旬
蕾が見える



2011年版
モーディエタイプの開花まで

鉢#1


斑入り葉
冬咲き
草丈
葉#345678



モーディエタイプ









入手
2008.11開花株#1(未熟親)









入手時大きさ
単幹、新芽付き
開花親株#1草丈12.5cm、葉長13cm葉幅4.7cm、葉7枚
新芽#2草丈8.3cm、葉長6cm










2008.11

8.3
6






2008.12
上旬新芽草丈9cm、葉長6cm
下旬新芽草丈10.2cm、葉長7.2cm
10
7






2009.1
上旬新芽草丈10.8cm、葉長7.6cm新葉
下旬新芽草丈12cm
12
7*





2











3











?
草丈18cm









6
中旬夏新芽#3 1cm









7
上旬新芽草丈21cm、葉長9cm
上旬親株草丈21cm、葉長9cm
下旬新芽草丈21cm、葉長11cm幅4.2cm、親13x4.8
鹿沼土植え替え
21
11






8











9











10
中旬新芽草丈25cm、葉長22cm幅4.3cm,新葉3.2cm
秋新芽なし
25
22
3




11

25
10
10




12
下旬新芽#2草丈25cm、新葉葉長10cm
東出窓で乾きが悪く根腐れ
25


10




2010.1






*?



2











3











4







*?


5





2112



6
下旬新芽#3草丈4.5cm









7
#2草丈(葉長)20cm葉幅4.4cm、6枚新葉2cm
中旬夏新芽始まる#4
バークに植え替え、やや鉢増し

61420211882

8
上旬夏新芽#4 1cm、
下旬#4 3.5cm、夏新芽#5 土増し










9
上旬#2新株草丈13cm









10




24


5.5

11
下旬葉長24cm葉幅4.5cm、
#2新株草丈16cm葉7枚葉長13.5cm幅4.4cm,新葉5.5cm、#3草丈6.5cm葉長7,6cm#4草丈4cm
16




13.55.5
12


6
24


6花茎4cm
2011.1
上旬#2葉長24cm葉幅4.3cm葉6枚、#3草丈7cm、#4草丈4cm
下旬#2新葉6cm花茎4cm、蕾長2cm
#3草丈9cm、#4草丈4.5cm

6
24





2











3
上旬花茎9cm、蕾長2.3cm
下旬#2 22.5cm葉長10.5cm幅4.4cm,新葉5.5cm、#3草丈11cm葉長8.5,6cm#4草丈6cm, #5 2cm
22.5




10.55.59
4











5
下旬#2 葉長15,6cm、#3草丈12cm葉長10,2cm#4草丈6cm葉長3.5cm, #5 3cm葉1cm, 春新芽#6 1cm葉4枚1.5,2,6.5x1.8v,7cm





156

6











7
中旬、重ね着鹿沼土径9cmに鉢増し









8
上旬#1葉3枚14x3.7,14x5,12cm、#2(開花済株)草丈16cm葉5枚24x4,18x4.4,10x2.8v,13x4.5,6x2.6cm、#3(09夏新芽)草丈14cm葉4枚6.5x2.2,11x2.8.10x2.8,3cm#4(10夏新芽)草丈8cm葉4枚1.5,5.5x1.5,6x1.9,6cm, #5 6cm葉3枚3.5,5x1.4,4cm, #611春新芽 10cm葉4枚1.5,2,6.5x1.8v,7cm165
241810136

開花時株大きさ
5株立ち、親株葉4枚、開花株葉5枚、鉢径7.5cm、バーク植え
子株草丈10cm大葉2枚、孫株草丈4.5cm、#4曾孫株2cm












12345
2007




11/19親株#1草丈12.5cm、葉長13cm葉幅4.7cm、葉7枚新芽#2草丈8.3cm、葉長6cm


12/3




12/10




12/21




2008.1




1-1




1-2




2-1




2-2




3-1




3-2




4-1




5-2




6-1




6-2




7-1




7-2植替




8-1




8-2




9-1




9-2




10-2




11-1




11-2




12-1
上旬新芽草丈9cm、葉長6cm




下旬新芽草丈10.2cm、葉長7.2cm


2009




1-1
上旬新芽草丈10.8cm、葉長7.6cm新葉


1-2
下旬新芽草丈12cm


2-1




3-2




6-1

中旬夏新芽#3 1cm

7-1 上旬親株草丈21cm、葉長9cm
上旬新芽草丈21cm、葉長9cm




下旬新芽草丈21cm、葉長11cm幅4.2cm


8-1




10-1
中旬新芽草丈25cm、葉長22cm幅4.3cm,新葉3.2cm


11-2




12-2




2010




1-1




3-1




6-2




7-2




8-1




8-2




9-1




11-1




2011




1-1




1-2




2-1




2-2




3-1




3-2




4-1




5-2




6-2




7-1植替




7-2




8-1




9-1




9-2




10-2




3-1




2012




7-1




9-1




2013




1-2




5-1




6-1




1-1




1-2




2-1




2-2




3-1




3-2





鉢#1
葉が毎年2枚ずつ6枚出て咲きました。親株がやや小さかったのも一因と思われます。

2008年11月
交配種の開花株を入手しました。成熟した株からみるとかなり小ぶりです。小さな鉢に軽石主体で植えられていました。
脇芽が出ています。
株#2、草丈8.3cm、葉長3cm、少なくとも3枚目以降

12月 透明ポットに植え替えました。
株#2、草丈10.2cm、葉長6cm

2009年
1月 
株#2、草丈12cm、葉長7.6cm

鹿沼土に植えて、室内の東の出窓で夏を越しました。
元気に育ちました。
新しい脇芽は、親よりも上に伸びています。
秋に日当たりが悪くなって鉢の温度が下がり急に乾きが悪くなったのに、夏までと同じ間隔で湿っていても機械的に水やりをしていたところ、根腐れしてしまいました。気を付けることにしました。秋が深まり日が当たるようになり、暖房が入って回復しました。

2010年
4月、元気にぐんぐん伸びています。新葉はまっすぐ上に伸びています。


7月半ば、バークに植え替えしました。葉の長さは入手した時よりずっと大きくなっています。葉の長さ、6枚、新葉下写真の前下4枚は開花株#1
上に新しい株の5枚、右下に伸びた長い葉は新芽株#2で各葉の長さは以下の通り。
葉#枚数
12345678910
入手時
0811




6



長さ6枚1007


14
20
21
18
8
2

7枚1011


14
20
21
20
10
13.5
5.5

6枚1108


14
20
21
20
10
13.5
13

根も元気です。未熟株だったことが分かります。スチロール芯入りで鉢の大きさは余り変わらず径7cm余りの深鉢です。
夏新芽が出始めまています。
 
脇芽が大きくなってきました。

11月2日手前の広葉枚と右下は開花株#1
株#2葉は7枚、上3枚とその下で両側に長く伸びる2枚


2011年1月8日
鉢#1 葉の間から、蕾らしいものが見えてきました。産毛が生えていて葉とは違います。
カトレヤなど他の洋ラン一般とは異なり、新芽が出てから1年目に蕾が出なくても大丈夫なようです。

15日 
鉢#5 他の鉢も蕾が出てきました。鉢の中では白い根が元気に伸びています。12月の半ばから室内に入れて、最低温度を20℃近くに保ち、5-7日毎に水やりをしています。

18日
鉢#5
  

 

3月
開花



鉢#5
2010年4月

7月後半
 
左:株#2の全体、上に2枚。右:株#2の根元、下から目向き#1、左向き#2、手前向き#3、


鉢#2
2008年11月入手、開花株は7枚14x4cmまで、脇芽丈6.7cm葉5cm
2009年1月丈8.5cm、葉5.7cm
2010年6月丈17cm新葉0.3cm
7月 丈18葉4.5cm


2019/10/12分離