基本の育て方-洋ラン学園の苗と衣食住の4原則
洋ランは枯れやすく咲きにくいと思われています。寒さに弱く、根が乾燥や過湿で枯れるためです。
洋ラン学園ではこれらを予防し、易しい方法の普及を目指しています。
詳しくはHP冒頭にありますが、要点は下記の通りでどの種類も同じです。入手してからこの方法に慣らしていきます。温室・ミズゴケ・バーク・農薬を使いません。
(1)苗は1年後に開花が期待できる丈夫な種類の大株を入手する。
(2) 植え方(衣)は枯れやすいミズゴケやバークを使わず、東洋蘭で使われている鹿沼土に植える。
(3)置き場所(住)は、冬以外は屋外、冬は屋内で防寒・防霜
(4)水やり(食)は高温期には雨ざらしで生長促進(害虫も駆除)
生長から開花のパターンと開花の条件
シンビジウムやデンドロビウムを初めとする蘭の大半は複茎種で、主にアジアの温帯から熱帯に分布します。セッコクはデンドロビウムの一種です。
複茎種の生長と開花のパターンの基本は、毎年春に開花親株から新しい脇芽が出て、秋までに親株並みに大きく根元が太くバルブになり花芽を出して、冬に咲きます。
亜熱帯や熱帯の原産地では、乾季の終わりに咲いて脇芽が出て、雨季に伸びて根元にバルブを作ります。
日本の冬は乾季、夏は雨季に相当します。
コチョウランやバンダはアジアの主に熱帯産の単茎種です。風蘭はバンダの、名護蘭はコチョウランの一種です。
単茎蘭の生長と開花の基本パターンは、雨季に株の上から新しい葉を出し大きくなって、終わりに古い葉の間から花茎を出して咲きます。
蘭の中で最も根腐れしやすいです。
なお、パフィオペディルムは複茎種ですが、通常は新葉が出るのに時間がかかり、新芽が出始めてから2年以上たって葉の数が8枚前後になると新葉の間からシースをのぞかせて咲くという単茎種に似たパターンです。
ミニバンダは単茎種である
枯れない始め方 「洋ラン幼稚園(年少組)」-バンダのポリ袋植え
ランはもともと木に着生して根は空中に伸びています。
鉢植えにすると根は酸欠や過湿と低温で腐りますが、それが最もひどいのがバンダとコチョウランです。
バーク植えは保水量が小さいので夏に乾燥して枯れやすく、2年以上たつと腐って根腐れし植え替えが必要です。
ミズゴケ植えも、夏は撥水して枯れやすく、冬は過湿で根腐れし、2年以上たつと腐って植え替えが必要です。
洋ラン学園では、鉢から抜いて、一回り広くて浅く底穴の多いポットに移して
洋ラン学園では、鉢から抜いて広口の透明容器に移して根の外側をむき出しにするため根腐れが起きません。
根腐れの心配が全然いらなくなります。2019/09/28
生長から開花のパターンと開花の条件
シンビジウムやデンドロビウムを初めとする蘭の大半は複茎種で、主にアジアの温帯から熱帯に分布します。セッコクはデンドロビウムの一種です。
複茎種の生長と開花のパターンの基本は、毎年春に開花親株から新しい脇芽が出て、秋までに親株並みに大きく根元が太くバルブになり花芽を出して、冬に咲きます。
亜熱帯や熱帯の原産地では、乾季の終わりに咲いて脇芽が出て、雨季に伸びて根元にバルブを作ります。
日本の冬は乾季、夏は雨季に相当します。
コチョウランやバンダはアジアの主に熱帯産の単茎種です。風蘭はバンダの、名護蘭はコチョウランの一種です。
単茎蘭の生長と開花の基本パターンは、雨季に株の上から新しい葉を出し大きくなって、終わりに古い葉の間から花茎を出して咲きます。
蘭の中で最も根腐れしやすいです。
なお、パフィオペディルムは複茎種ですが、通常は新葉が出るのに時間がかかり、新芽が出始めてから2年以上たって葉の数が8枚前後になると新葉の間からシースをのぞかせて咲くという単茎種に似たパターンです。
ミニバンダは単茎種である
蕾付き株を咲かせる「洋ラン幼稚園 年長組」
大抵の洋ランは2週間ほど咲くと終わってしまいます。
1年の大半は枯れないように世話をするだけです。
コチョウランは花の持ちが良く1か月以上持ちます。その上、花茎の先が伸びて蕾が出てきて、新しい花が咲きます。
従って数か月花を楽しむことができます。さらに花が終わっても花茎を残しておくと半年前後で枝が出てきて咲くことがあります。
エピデンドラムの花茎は枝が出てきます。
デンファレは半年後に同じところから花茎が出てきます。
ミニカアトレアの多くは半年型で、開花株に次の脇芽がついていて時にはすでにシースや蕾が出ています。しばらく元気に育てていると次の花が咲きます。
開花株を入手して半年後に咲く
洋ランの交配種は親が例えば冬咲と夏咲だと、半年ごとに新芽が出て咲くようになります。
但し、新芽の生育期間が短いため、新芽が小さくて咲かなかったり、作落ちしやすいという問題があります。
開花株を入手して1年後に咲かせる(小学校)
洋ラン学園では、どの種類も「開花株を入手して1年後に咲かせる」を目標にして実例を示しています。
1年目は親株が大きいので最も咲かせやすいです。
以下は種類を問わない世話の内容です
(1) 冬に入手することが多いので、室内で最低温度10℃を保つ
(2) ミズゴケ植えの苗は幅広容器に移す
(3) 春になったら最低気温10℃以上で屋外の半日陰(直射日光では日焼けして枯れる)、軒下(雨ざらしでは一部の種類がかび病で枯れる)に置く
(4) ミズゴケ植えとバーク植え共に根腐れと枯れの原因なので、一回り広い浅鉢に移し、隙間に鹿沼土を入れる(重ね着鉢増し)
(5) 同時に緩効性の化成肥料粒を表面にばらまく
(6) 梅雨入り前後から雨ざらし・半日陰において、水を切らさないようにする。
(7) 夏から初秋までは、日焼けと水切れに注意し新しい脇芽を開花親と同じ高さを目指して伸ばす。
(8) 最低気温が20℃を下回ったら(10月から)病気になりやすい種類は軒下などで雨除けする
(9) 最低気温が10℃を下回ったら(11月後半から)、新株は暖かい陽だまりなどで保温する
(10) 最低気温が5℃を下回ったら(12月から)屋内に移動する。
一般に秋に花茎が出て冬に咲きます。
2年目以降も咲かせる・作落ち対策と大株作り(中学校)
温室育ちに比べて家庭では温度が低めなので新しい脇芽は親株より小さくなることが多いです。
新芽が早く出て親株が大きいほど新芽は大きくなります。
従って2年目以降は作落ちすることが多く咲きにくくなる傾向があります。
また種類によっては親株が小さいと新芽が出ないことすらあります。
一方年々新芽が出ていれば次第に大株になり、丈夫になります。
また株が屋外作りに慣れてきて耐寒性も増してきます。
野生の株が木の枝などに沿って大きく広がって咲くのに似てきて品評会で見るような群開も夢ではありません。
2012-14年経過一覧表
2012年新株
始めた時の葉と根の状態、その後の変化(新葉、新根、新芽を含む)
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| アスコセントラム |
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| アスコフィネティア |
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| アスコセンダ |
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| ヨネザワアラ |
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| ダーウィナラ |
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| ミニアタム(ガライー) |
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| プチ・ブーケ |
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| チェリー |
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| ス・ファン・ビューティー |
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| ブルー・スター |
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| プリティー・ガール |
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| 鉢#1 |
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| 鉢#2 |
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2012
全般 | 2012 | 2013 | 2014 | 2012 | 2013 | 2014 | 2012 | 2013 | 2014 | 2012 | 2013 | 2014 | 2012 | 2013 | 2014 | 2013 | 2014 | 2012 | 2013 | 2014 | 2012 |
1 | 1 |
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| 前植替え |
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| 前植替え |
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| 前植替え |
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| 前植替え |
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| 前植替え |
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| 前植替え |
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2 | 2 |
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3 | 3 |
| 花茎見込み |
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4 | 4 |
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5 | 5 |
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初め2012.6
葉の枚数・長さ |
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10枚
16、11cm |
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前新葉#14,1cm
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8枚
10.5,13cm |
| 前5枚#12,2cm |
7枚
17cm |
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前6枚#11,8cm
新葉#12,2.5cm |
7枚
19cm、#7,2.5cm |
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12枚
16.5cm |
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| 前新芽葉4枚 |
8枚
15cm |
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前5枚#13,7cm
新葉#13,2cm |
花終り苗
開始 |
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7月初め
ポリポット・鹿沼土に植替え |
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| 植替え |
8月 | 8月 | 11枚新葉#11,9cm |
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| 葉伸び |
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| 8枚・新葉1cm |
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| #7,5.5cm |
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| 13枚新葉6.5cm |
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| 9枚、新葉6cm |
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| 新葉始まり |
9月 |
9月、根の検査
ペットボトル・ミズゴケに植替え |
新葉#12,1.5cm
根腐れ、新根2本 |
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新葉#9,3.5cm
上3本緑 |
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根腐れ、カビ
気根4.5cm |
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新葉#8,3cm
基枝長多い |
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新葉#14,5.5cm
新芽#2,4.5cm、葉3枚3cm
緑5本枝多い |
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葉9枚11,10cm+新葉4cm
新芽#2,1.5cm
短枝数本縁根は緑 |
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植替え
新芽始まり |
10月 | 10月 |
葉#12,2cm少し伸び
根冠あり |
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| 新葉#9,4.5cm |
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| 7枚(下葉1枚枯れ)新葉#8,7cm |
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| 7枚,13,3.3cm |
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葉14枚,9,7.5cm
子4.5cm |
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葉10枚,9,5.5cm
新芽伸び止まり |
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| 新葉続き |
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11月初め、根の検査
低温期の衣替え
根を窓際に、上の覆い除く |
葉:11枚(下葉1枚枯れ)、10.5,2.5cm
根:長2-4cm,太2-4mm、3本
根冠2-4mm、2本
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葉:7枚(下葉1枚枯れ)13.5,6cm
根:長6-4cm,太4-3mm、5本
根冠2mm、1本 |
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葉:7枚13,7cm
根:長12-3cm,太5-4mm、6本
根冠1.2cm、1本 |
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葉:8枚13,5cm
根:長6-3cm,太4-2mm、5本、乾燥気味
根冠なし |
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葉:親15枚9,5.5cm、
子5cm葉#3,4cm
根:長8-4cm,太3mm、6本、根冠2mm、1本
気根1.5-0.5cm、2本、根冠0.8-0.3mm2本
| 後花茎5.5cm |
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葉:親10枚10.5,7cm
子4枚下2枚枯れ2,1cm
根:長11-4cm,太3mm、5本
根冠1cm、2本 |
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根を窓際に
根冠一部あり |
12月 | 12月 |
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| 気根根冠 |
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| 気根3本 |
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| 上根冠茶色 |
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一端根冠消滅、
室温15℃以上 |
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| 2013 |
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| 2013 |
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| 2013 |
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| 2013 |
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| 2013 |
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| 2013 |
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| 2013 |
1月上旬 | 1月上旬 | 葉10枚、#12,3.3cm、下葉枯れ |
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| 葉7枚、#9,8.5cm、茎基厚み |
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| 葉6枚、#8,8cm、中ほど根冠気根1cm根冠 |
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| 葉8枚、#8,6.5cm、茎基厚み |
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| 株#1、葉15枚、#15,4cm、株#2、4枚#4,1.5cm、株#3,3枚、気根艶根冠 |
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| 葉10枚#11,3.2cm、気根乾燥、茎基厚み |
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| ミズゴケ追加 |
中旬 | 中旬 |
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| 休眠 |
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| 新葉始まり |
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| 葉少し伸び |
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葉少し伸び
新芽 |
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少し皺
気根出始め |
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| 2013.2月長いペットボトルを短く |
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3月上旬 | 3月上旬 | 休眠 |
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新葉始まり
気根出始め |
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新葉2cmに伸び
下根根冠 |
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葉少し伸び
根全て緑色 |
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葉伸び
根冠始まり |
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葉伸び
根冠 |
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4 | 4 |
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5 | 5 |
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6 | 6 |
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7 | 7 |
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8 | 8 |
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9 | 9 |
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10 | 10 |
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11 | 11 |
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| 後花茎 |
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12 | 12 |
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1 | 1 |
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2 | 2 |
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3 | 3 |
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