洋ラン学園
デンドロビウム下垂種

初めに
とても細い茎に径5cm位までの桃色で唇弁の縁が毛羽立ったきれいな花を咲かせます。
乾燥に弱いとか、育てるのが難しいとか言われています。
洋ラン学園の「細茎薄葉種は、夏涼しく保湿する」にすれば大丈夫です。乾燥に弱いので植込みの中などに置くと良いでしょう。

ピエラルディー
目次
基本の育て方-洋ラン学園の苗と衣食住の4原則
最初(冬)に枯らさない方法(幼稚園年少組)
開花株を入手して1年後に咲かせる(小学校)
2年目以降も咲かせる・作落ち対策と大株作り(中学校)
旧版


基本の育て方-洋ラン学園の苗と衣食住の4原則
洋ランは枯れやすく咲きにくいと思われています。寒さに弱く、根が乾燥や過湿で枯れるためです。
洋ラン学園ではこれらを予防し、易しい方法の普及を目指しています。
詳しくはHP冒頭にありますが、要点は下記の通りでどの種類も同じです。入手してからこの方法に慣らしていきます。温室・ミズゴケ・バーク・農薬を使いません。
(1)苗は1年後に開花が期待できる丈夫な種類の大株を入手する。
(2) 植え方(衣)は枯れやすいミズゴケやバークを使わず、東洋蘭で使われている鹿沼土に植える。
(3)置き場所(住)は、冬以外は屋外、冬は屋内で防寒・防霜
(4)水やり(食)は高温期には雨ざらしで生長促進(害虫も駆除)

デンドロビウムの下垂種は、大抵7.5cmの素焼き鉢に小さな苗がミズゴケで植えて売られています。
セッコクや風蘭と同じで、趣味家の植え方です。
高温の季節には毎日水やりを欠かせずそれでも水切れして落葉し衰弱して枯れることが多いです。
一方ラン展で見ると朝顔市のように、大きな鉢に行灯づくりで植えられ、花が沢山咲いています。
大きな有望株を入手し、鹿沼土植えにすると枯れにくくなります。

枯れない始め方 「洋ラン幼稚園(年少組)」-ペットボトル植え
ランはもともと木に着生して根は空中に伸びています。
鉢植えにすると根は酸欠や過湿と低温で腐りますが、それが最もひどいのがバンダとコチョウランです。
洋ラン学園では、鉢から抜いて広口の透明容器に移して根の外側をむき出しにするため根腐れが起きません。
根腐れの心配が全然いらなくなります。2019/09/28


蕾付き株を咲かせる「洋ラン幼稚園 年長組」
大抵の洋ランは2週間ほど咲くと終わってしまいます。
1年の大半は枯れないように世話をするだけです。
コチョウランは花の持ちが良く1か月以上持ちます。その上、花茎の先が伸びて蕾が出てきて、新しい花が咲きます。
従って数か月花を楽しむことができます。さらに花が終わっても花茎を残しておくと半年前後で枝が出てきて咲くことがあります。
エピデンドラムの花茎は枝が出てきます。
デンファレは半年後に同じところから花茎が出てきます。
ミニカアトレアの多くは半年型で、開花株に次の脇芽がついていて時にはすでにシースや蕾が出ています。しばらく元気に育てていると次の花が咲きます。


開花株を入手して1年後に咲かせる(小学校)
洋ラン学園では、どの種類も「開花株を入手して1年後に咲かせる」を目標にして実例を示しています。
1年目は親株が大きいので最も咲かせやすいです。
以下は種類を問わない世話の内容です
(1) 冬に入手することが多いので、室内で最低温度10℃を保つ
(2) ミズゴケ植えの苗は幅広容器に移す
(3) 春になったら最低気温10℃以上で屋外の半日陰(直射日光では日焼けして枯れる)、軒下(雨ざらしでは一部の種類がかび病で枯れる)に置く
(4) ミズゴケ植えとバーク植え共に根腐れと枯れの原因なので、一回り広い浅鉢に移し、隙間に鹿沼土を入れる(重ね着鉢増し)
(5) 同時に緩効性の化成肥料粒を表面にばらまく
(6) 梅雨入り前後から雨ざらし・半日陰において、水を切らさないようにする。
(7) 夏から初秋までは、日焼けと水切れに注意し新しい脇芽を開花親と同じ高さを目指して伸ばす。
(8) 最低気温が20℃を下回ったら(10月から)病気になりやすい種類は軒下などで雨除けする
(9) 最低気温が10℃を下回ったら(11月後半から)、新株は暖かい陽だまりなどで保温する
(10) 最低気温が5℃を下回ったら(12月から)屋内に移動する。
一般に秋に花茎が出て冬に咲きます。




2016年↓

6月半ば
ロディゲシーの一鉢が開花、2輪。

2016年↑

2015年↓
5月後半
ロディゲシーの小鉢を入手。株は長く太く育って開花中です。径6.5cmの小さな素焼き鉢にミズゴケ植え。
  

5月前半
ロディゲシーの以前に入手した小鉢を植え替え。株は長く太く育って開花中です。径6.5cmの小さな素焼き鉢にミズゴケ植え。
  



鉢#1
ペットボトルに入れて二重鉢で乾燥を防ぐ
   
  
中:根基近くから脇芽の新芽の出始め

鉢#2

  

 
ミズゴケを取り除いて鉢に直置き、鹿沼土植え


鉢#3

    


 




1月後半
ロディゲシーの大株を入手。太い株の先よりに小さな花芽
径10cmの黒の硬質ポリポット植え
 
 

2015年↑


2年目以降も咲かせる・作落ち対策と大株作り(中学校)
温室育ちに比べて家庭では温度が低めなので新しい脇芽は親株より小さくなることが多いです。
新芽が早く出て親株が大きいほど新芽は大きくなります。
従って2年目以降は作落ちすることが多く咲きにくくなる傾向があります。
また種類によっては親株が小さいと新芽が出ないことすらあります。
一方年々新芽が出ていれば次第に大株になり、丈夫になります。
また株が屋外作りに慣れてきて耐寒性も増してきます。
野生の株が木の枝などに沿って大きく広がって咲くのに似てきて品評会で見るような群開も夢ではありません。


2017-18年版

初めに
洋ラン学園では細茎薄葉種は水切れさせないことが大切と考えています。下垂種は細茎・薄葉で乾燥に弱いため、洋ラン学園の乱暴な世話ではこれまで余りうまく育ちませんでした。
2017-18年は乾燥させないように心掛けるだけでほったらかしにしてあったところ、肥料をやろうとして、6月半ば近くに1鉢に蕾がついて大きくなっていることに気づきました。開花期は2016年の場合と同様です。
開花株は基から先まで緑色で元気で中ほどで細くなっていますが、先の方はまた太くなり、葉は基近くと先の方についています。
小株が売られていることが多いですが、大きな有望株を入手することも大事です。
2018.6.14

2018年↓

6月半ば
ロディゲシーの一鉢が開花、2輪。


2015-16年版

初めに
下垂種は細茎・薄葉で乾燥に弱いため、洋ラン学園の乱暴な世話ではこれまで余りうまく育ちませんでした。
2015年にも1月に蕾付き株を入手し、小さな素焼き鉢にミズゴケ植えという乾きやすい鉢でしたがこれまでより水を切らさないように心掛けてきました。
6月半ばになって、咲いていることに気づきました。
開花株は基から先まで緑色で元気で中ほどで細くなっていますが、先の方はまた太くなり、葉は基近くと先の方についています。

2016年↓

6月半ば
ロディゲシーの一鉢が開花、2輪。

2016年↑

2015年↓
5月後半
ロディゲシーの小鉢を入手。株は長く太く育って開花中です。径6.5cmの小さな素焼き鉢にミズゴケ植え。
  

5月前半
ロディゲシーの以前に入手した小鉢を植え替え入手。株は長く太く育って開花中です。径6.5cmの小さな素焼き鉢にミズゴケ植え。
  



鉢#1
ペットボトルに入れて二重鉢で乾燥を防ぐ
   
  
中:根基近くから脇芽の新芽の出始め

鉢#2

  

 
ミズゴケを取り除いて鉢に直置き、鹿沼土植え


鉢#3

    


 




1月後半
ロディゲシーの大株を入手。太い株の先よりに小さな花芽
径10cmの黒の硬質ポリポット植え
 
 

2015年↑


2014年版

初めに

2014年

2月前半
新入手のロディゲシーに花芽の兆し。葉の無い節に小さな明るい緑色の突起
昨年は水切れと乾燥で蕾が枯れたので、今年は注意することに。植え替えるまで素焼鉢を広口ペットボトルに入れます。水切れが無くなります。腰水にしても大丈夫です。
冬新芽が根元からどんどん出ています。
  



1月後半
ロディゲシーを入手しました。根元から新芽が出始めています。蕾はまだありません。
  
左:全体。中:鉢#1。右:鉢#2。
 
冬新芽:左:鉢#1、中央の明るい緑。右:鉢#2。



2013年版

初めに
昨年までは、日当たりが強すぎ、夏の湿度が不足で、作落ちしていました。また、残っていた高芽の葉も霜で落葉してしまいました。
途中からデンドロビウム全般に「細茎・薄葉種は、少し遮光して、夏に涼しく保湿してやると良く育って咲く」と分かり、一緒の扱いにしました。
今年は、ロディゲシーの小鉢を入手したら、春になって蕾が出てきました。ピエラルディーに比べて葉が厚いので抵抗力がありそうです。
2種類に増えたので独立してファイルを作りました。(2013.4.9)


2013年の経過(下から上へ)
6月後半
植込みの中で保湿してきましたが、梅雨に入って一服できます。
ロディゲシー
ピエラルディーよりは乾燥に強く育てやすそうです。
高芽らしいものが見えますが、その他は休んだままです。
ピエラルディー
根元から出た新芽が伸びています。
高芽降ろしした株の新芽はまだ葉が開きません。

4月前半
ピエラルディー
外に出して植込みの中、高芽の一部に新葉新芽
高芽降ろしをしました。ミズゴケ植えで給水を促します。
左:親株から外した高芽 中:ペットボトルに並べる 右:ミズゴケで丁寧に根を覆う、新芽が出ている株もあります。
  
ロディゲシー
高芽が蕾になってきました。
 

3月前半
ロディゲシー
小株の小鉢を入手しました。目立った新芽や花芽はありませんが、最も太くて長い茎の先に、葉の付け根に芽の兆しが見えます。
プラ鉢の中に、スリットのプラ小鉢植えが入っています。
 


2011年版

ピエラルディー

前書き、唇弁の縁が細かい切れ込みになっていてきれいな花です。キンギアナムと同様の扱いで良いと言われる一方、乾燥に弱いため育てにくいとも言われています。
湿り気を保つよう、家の北側の植込みの下に置いています。

開花日記




親株大きさ 黒プラスチック深鉢、径13.5cm
モスバーク植え、上にミズゴケ被せ
最大草丈30cm古茎太さ0.3cm6本葉5-62枚7.5x2cm
22,17,10,6cm各1、新芽多数
開花株と長短の新芽ばかりで
2011
5下旬開花株購入、乾燥気味、落葉続く、家の北の植込みの下に置く
6 中旬、雨ざらしで新芽の葉が生き生きする、葉5枚、5.5x1cm
、高芽伸びる、最長2.5cm葉5枚、6本余り
7下旬 新芽は伸び、夏新芽2.5cm
8中旬 新芽は伸び、引き続き夏新芽2.5cm
9
10下旬 新芽はわずかに伸びる
11 下旬 草丈変わらず(小芽を除く)、茎やや太る、先端に止め葉、一部黄葉
昨年からと見られる草丈の長い株も上の方が太ったが下から葉が残っている
12
1



主な種類


産地
花期




デボニアナムD. devonianum 東南アジア山岳地帯
インド〜ミャンマー北部
ブータン

白弁先赤



ロディゲシーD. loddigesii 中国南部 雲南・海南島
ベトナム・ラオス高地森林
着生・地生・岩生
茎長さ10-20cm
太さ5mm
葉長さ4cm幅1cmやや厚い
桃紫色・
唇弁基部橙黄色
径約5cm
微香中温性漢方に利用
(ピエラルディー)
アフィラム
D. pierardii
D. aphyllum
インド・中国南部・インドネシアなど 茎長さ60cm位まで

径3-5cm



シルシフロラムD. thyrsiflorumインド、タイ

花茎は20〜30cm




デンドロビウムの育て方と咲かせ方
洋ラン学園(21世紀の洋ランの育て方と咲かせ方トップページ

2016.6.16 2016年版開始

2.10 新入種のロディゲシーに花芽の兆し、2014年版開始、検索「デンドロビウム下垂種の育て方」1位
2014.1.27 ロディゲシーの鉢を入手

4.9 下垂種を独立、主な種類の表、2013年版開始
2013.3 ロディゲシーの小鉢入手

2012.1 下垂種をノビル系に移動

2011.6.21 下垂種ピエラルディーをキンギアナムのファイルに追加して開始