2010年

11月

11月は秋も深まり、だんだん寒くなってきます。一般には高温種は室内に取り込む時期です。
生長は鈍ってきます。その一方で、多くのランの蕾の出方は本格化して楽しみな時です。シンビジウム、デンドロビウム、カトレヤ、コチョウラン、パフィオペディルムの五大属は揃って、早いもの、元気な充実した株から順に花茎が出始めます。新五属(普及種)のオンシ、エピデン、セロジネ、ジゴペタ、バンダは、まちまちですが、この時期は目立った動きはありません。続五属(花物)の中では、デンファレ、キンギアナムの花芽が続き、デンドロキラムは眠りから覚めますが、主に夏咲のミニバンダ、グラマトフィラムは不活発になります。

11月の花と各種蘭の様子

暑さが一段落して、花茎の出方が一段と活発で多様になります。

五大属


1シンビジウム  
2デンドロビウム
 
3カトレヤ プリズム・パレット'チョコレート・キャンデー'の開花株を入手 
3+ミニカトレヤ チェリー・ソング・アルバ 

4コチョウラン 花茎が出たり伸びたり、屋外でも根冠は元気
4+ミニコチョウラン 花茎が出たり伸びたり、ビオラセア

5パフィオペディルム大型緑葉 花茎が伸び続け
斑入り葉ミニ


新五属

 
6オンシジウム アロハイワナガなど開花中          
6+ミニオンシジウム 花茎がゆっくり伸び・蕾が少しずつ大きく、ピンク・パンサーの花茎
 
6' ブラッシア(オンシジウム近縁・参照)の脇芽が伸びます。 
6' マクレラナラ(オンシジウム属間交配種・参照)の花茎が伸びてきました。


7エピデンドラム 古い株は休眠、新しい子株は伸び続け、高芽が出たり古い高芽は緑色で残る
8セロジネ新芽の葉が開き始める 29日
  
9ジゴニシアの新芽から出た花茎  
10バンダの開花続く

続五属


11 ミニバンダの根冠 
12 デンファレの花茎が伸びたり、新しく出たり 
 
12+フォーミディブルの新しい脇芽が伸び 
13キンギアナムの花芽、先端近くの葉の根元に芽
大明石斛は変化少ない、新しい脇芽の葉が一番大きい
 
14グラマトフィラムの脇芽伸び続け、屋外のまま植え込みの中 
15デンドロキラム休眠中

東洋蘭・和蘭

セッコク 
フウラン 
春蘭 
エビネ



駿河蘭
報歳蘭


高山種

ミルトニアは新芽が出始めるころです。

園芸店で:

11月と余り変わりません。端境期で、コチョウランとミニカトレウアが中心です。オンシジウムや、大きい店では大型の秋咲カトレヤが見られます。


11月の置き場所

一般には高温性種は最低気温15℃を目安に10月から、中温性種は10℃をめどに11月から、屋内に入れるように勧められています。
しかし、秋に生長したり、花茎やシースや蕾を出して伸ばす種類は沢山あります。生長を決めるのは最高気温であり、丈夫で充実した苗を作るのは日光です。休眠を想定した夜の最低気温より、生長を決める昼の最高気温や日射に着目した方が良いのではないでしょうか。また、放任栽培と言う点でも、なるべく長く外に置きたいです。
最低温度に重点をおくのは、蕾の付いた株や、低温が病気の原因などになるコチョウランでしょう。
また、雨ざらしは、夏の間は有効でしたが、寒くなると根腐れや病気の原因になりやすいので、原則として雨除けが必要です。

日射と昼の高温

熱帯の植物は10℃以下ではたんぱく質が壊れると言う話があります。しかし蘭の自生地でもも10℃以下になることは稀ではないので、10℃でも危険ということはありません。
そこで、ここでは、中温種は勿論のこと、高温種も引き続き日向のテラスなどで過ごさせます。バンダ、コチョウラン、大型のカトレヤ、グラマトフィラム等です。最低気温が5℃近くまで下がることもありますが、今月一杯はまだ、全ての種類が屋外です。
最高気温が低くなっても、快晴の日には、日向のテラスに置いた苗の周りは40℃近くになっています。このため、日焼けすることがあります。手間がかかりますが、快晴の日だけ遮光ネットを被せるようにしています。被せっぱなしにしておいても良いかも知れません。
テラスには屋根があるので、雨ざらしにはなっていません。カトレヤとコチョウランとバンダです。
他の種類は、シンビ、デンドロ、キンギアナム、デンファレ、フォーミディブル、オンシ、アスコフィネティア、セロジネ、グラマトフィラムは植え込みの中などで西日以外は直射、ミルトニア、ジゴペタラムは木漏れ日、パフィオは木陰に置いています。

夜の最低温度

生長中の種類は昼の日射と高温を優先しますが、一方生長はしていないが蕾が大きくなるという、秋・冬・春咲きの種類は、寒さで蕾が傷まないよう、夜の低温に気をつけることにします。ただし、場所替えや、急に温度が変わると、蕾が落ちることがあるので、徐々に慣らす必要があります。

雨除け

雨ざらしの利点は、暑いときに栄養生長を促進し水切れを防ぐ、害虫を弱らせる、ことにあります。秋はそれらの必要がないので、雨ざらしにする積極的な意味はありません。一方コチョウランは雨ざらしでは炭疽病に、ジゴペタラムは黒点病に、罹りやすくなります。また、デンファレは高温性のこともあり根腐れしやすくなります。従って、夏日が終わったら、どの種類も雨ざらしにしない方が良くなります。

11月の水やり

気温は下がってきて、地上などは乾きが悪くなるので、水やり間隔を伸ばします。水やり量も高温期には、植え込み材料(バーク、鹿沼土)の粒が芯まで濡れるまでやっていましたが、粒の表面が湿る程度にしています。テラスの日向に置いた種類は、高温になるので間隔は余り変わりません。特にシースや花茎や蕾の出た種類は水切れすると蕾が育たなかったり黄変して落ちたりするので、水やりを忘れないように注意します。

11月の他の世話

放任・省力栽培なので、植え替え、肥料、消毒などは原則としてやりません。


10月

10月の花と各種蘭の様子

暑さが一段落して、花茎の出方が一段と活発で多様になります。

五大属


1シンビジウム 早咲き種は花茎から蕾 28日 2デンドロビウム・ビゼンアケボノ(早咲き種)の花芽
 
3カトレヤ 10月23日 3+ミニカトレヤ チェリー・ソング・アルバ ミニ・パープル

4コチョウラン 4+ミニコチョウラン

5パフィオペディルム


新五属

 
10月25日 6オンシジウム ゴワーラムゼー開花中          6+ミニオンシジウム トゥインクルの花茎

7エピデンドラム 8セロジネ新芽の葉が開き始める 29日
 
9ジゴペタラムの新芽約10cm、ジゴニシアは約3cm29日  10バンダの花茎と蕾

続五属


11 ミニバンダの根冠 12 デンファレの花茎 
 
12+フォーミディブルの脇芽 13キンギアナムの花芽28日
 
14グラマトフィラムの脇芽27日 15デンドロキラム休眠中

東洋蘭・和蘭

セッコク フウラン 春蘭 エビネ


17日20駿河蘭の花


高山種

ミルトニアは新芽が出始めるころです。

園芸店で:

他の種類は少なく、コチョウランとミニカトレウアが中心です。オンシジウムや、大きい店では大型の秋咲カトレヤが見られます。



10月の置き場所

夏の、日焼けと、高温を避ける状態から、それ以外の、日射と高温を利用する段階への切り替えの時期です。
日射については強光種(シンビ・デンドロ)は、ほぼ日向のテラスや棚上、準強光種(エピデン・オンシ・グラマトフィラム・デンファレなど)は午前は直射で昼からは少し木漏れ日、中光種(カトレヤ、バンダ)は、直射を避けて木漏れ日か晴れの日のみ遮光ネット、弱光種(コチョウラン、セロジネ、パフィオ)は常に半分ぐらい遮光が良いでしょう。
雨については、雨が数日続かない限り、大抵の種類は、このHPの標準上のように根腐れしにくい植え方がしてあれば、雨ざらしで大丈夫です。コチョウランだけは、冷たい雨が続くような日は雨除けをした方が安全でしょう。
高温種(コチョウラン、バンダ、大輪カトレヤ、グラマトフィラム、オンシ・ゴワーラムゼイなど)も10月一杯は屋外に置いています。

10月の水やり

夏の、水をたっぷり切らさずにやってどんどん生長させるやり方から、根腐れに気をつけ、やや少なめにする段階への切り替えの時期です。透明ポットに植えて、鉢の中が見えているなら、上から1/3まで位乾いたら、晴れて暖かい日の午前中に、全体が再び湿るまで水やりします。頻度は週に1回かそれ以上です。雨続きなどで、バークが底の方で黒く湿っているようなら、なるべく早く過湿でなくなるようにしなければなりません。

10月の他の世話

放任・省力栽培なので、植え替え、肥料、消毒などは原則としてやりません。


2010年9月

下旬 ミニカトレア Slc.ラブ・キャッスル'ハピネス'? 開花