洋ランの花茎の出方


目次
初めに

1 初めに

洋ランの花の咲き方は、複茎種では新しい脇芽が大きくなるとその横から花芽(シンビジウム)や花茎()が、また、単茎種では、株が元気になると、前に出た花茎の上の葉と葉の間から花茎が出てきます。特に複茎種では、種類によってその出方に差があるので、それを知っておくと便利です。また、花芽を探す楽しみが増えます。

2 複茎種の花芽や花茎の出方

まず、複茎種では、花芽の場合と花茎の場合があり、また、そのできる場所も、根元と、生長点近くとがあります。

2.1 シンビジウム

シンビジウムは、新しい脇芽が大きくなって、根元が太くバルブになって、晩秋にその横から、花芽が出てきます。花芽が出ないのは、バルブの大きさが十分大きくないためであることが多いようです。

2.2 デンドロビウム

デンドロビウムは秋が深まると、年を越して、未開花の脇芽の先の方から花芽が出てきます。新しい脇芽には花が付かないのが普通です。

2.3 デンファレ

デンドロビウムの中でも、デンファレはやや違って、昨年咲いた脇芽から、もう一度花芽が出てくるのが普通です。

2.4 ミニカトレヤ

デンドロビウムの次に咲きやすいミニカトレヤは、一般に不定期咲きです。脇芽がある程度大きくなると、生長点からシースか、花茎が出てきます。
 

2.5 エピデンドラム

園芸店で普通に見かけるエピデンドラムは、デンドロビウムのように、茎から葉を互生させて伸びます。ある程度伸びると先端から花茎を伸ばして咲きます。春から初夏に開花株が出回ることが多いです。一方、花が終わっても花茎を元気に残しておくと、花茎の先の方から高芽が出て、晩秋に花茎が出てきます。翌年の春になってからも、高芽が伸びて花が咲いたり、新しい花茎から枝が出て咲いたりします。
 

2.6 オンシジウム

オンシジウムでは、脇芽が大きくなって、晩秋にその横から花茎がでてきます。オンシジウムは枝咲きが多く、花茎が元気に残っていると、新しい枝が出て、気軽にもう一度花を楽しめるのが特長です。また、不定期咲きや二季咲きもあり、夏咲の方が多い位で、咲きにくい場合の原因の一つでもあります。
 

2.7 ジゴペタラム

母の日の贈り物として売られることが多いですが、脇芽が太らないうちに、夏に脇から花芽が出てくることが多いです。

2.8 カトレヤ

カトレヤは、色々な季節に咲く種類があります。いずれも、脇芽が伸びて、根元が太ってバルブになると、バルブの先端の葉の間からシースが現れてきます。シースが大きくなりながら、中に蕾ができてきます。シースの中で蕾がだめになったりするので、気が抜けません。

2.9 パフィオペディルム

脇芽が大きくなると、バルブにはならずに、晩秋に花芽が出て、茎が長く伸び始めます。

2.10 セロジネ


2.11 グラマトフィラム

グラマトフィラムも、バルブが十分大きくなると、脇から太い花茎が伸びてきます。

2.12 キンギアナム


2.13 その他

東洋蘭の駿河蘭は夏と冬の2季咲きで、夏に開花株を入手すると、晩秋に脇芽から花茎が出てくることがあります。


3 単茎種の花茎の出方

単茎種では、いずれも、葉と葉の間から花茎がでます。コチョウランの場合は、新しい花茎が出るほかに、花茎から枝が出るのが普通で、その方が初心者でも楽しめます。

3.1 ミニコチョウランなどの花茎の枝

まず、コチョウランの開花中の株では、元気が良いと、先端から新しい蕾が発達して咲き続けます。また、花が終わっても、花茎が元気だと、新しく枝が出て咲きます。

3.2 コチョウラン

コチョウランは、家庭で普通に育てていると、秋に新しい花茎を出すことが多いようです。20℃以下の低温に合わせると花芽ができ、約5ヶ月後に花が咲くと言われ、生産者は、例えば年末などの出荷の5か月ほど前の夏に冷房室に入れるようです。ミニコチョウランは不定期咲きが多いです。

3.3. バンダ

バンダは、家庭で普通に育てていると、冬に咲くことがあります。元気が良いと季節を問わず花茎が出るようです。


7.24各種の説明
2010.7.6作成開始、7.7公開