洋ラン大学院
洋ランの鉢の大きさ

初めに

洋ランの本を読むと。「鉢は小さめに」とか「大きい鉢に植えると根が鉢いっぱいになるまで咲かない」などと、書かれていて、鉢を大きくするのは間違いのように思われます。
しかし、そのもとになったのは、生産者が小さい苗を早く咲かせて売るためには、できるだけ植え替えによる生長の遅れを避けたい、ということのようです。
自生地のランは、大抵樹木に着生して、人の背丈以上もあるかと思われる長い根を沢山垂らしています。根自体が、水分と養分を蓄えているので、根が長い方が自然で良く育って咲くと思われます。
植え替えせずに小さい鉢のままでおいた方が最初は早く咲くかもしれません。しかし、何時まで経っても苗が大きくならないので、暑さ・寒さや水切れ・病気・害虫に対する抵抗力がなく、枯れやすくなり、花も咲かないか、小さくて少なく色も鮮やかになりません。
反対に鉢を大きくすると、株は年々大きくなり、群生し、抵抗力があって育てやすく、花も毎年大きく沢山咲き豪華になります。
鉢を大きくした場合の心配は乾きが遅くなって根腐れしやすくなるのではないかということです。しかし、」これは、「根を薄着にする」、「鉢を広くしても、植え込み材料を厚く深くはしない」、「透明容器に植えて中が乾くのを見届けてから水やりする」、「鉢底に水切り用の発泡スチロール板(カーペット)を敷き、鉢底近くに横穴(換気窓)を開ける」ことによって防げます。
また、鉢を大きくするのは植え替えをすることだ、植え替えすると花が咲かなくなる、という心配もありますが、根鉢に余り手を加えず基本的に「鉢増し」にすればそのようなことはありません。

鉢の大きさの目安

店頭にある鉢は、ミニ洋ランでは径6cmの小さいものがあり、大型種でも9cm程度のことが多いです。
とにかく、植え替えせずに小さく、水切れしやすく生長しないので、一回り大きくしてやります。
ミニ洋ランでは、径7.5cm以上でミス切れが減りますが、9cmになると、そろそろ匍匐系が枝分かれして大株にできます。群生株は径10.5cmでちょうど良い位です。
一方、大型種では、9cmないといつまでたっても未熟苗の雰囲気です。カトレヤの群生株は径13.5cm以上が必要でしょう。15cmで一応の完成です。

2011.3.3 開講