洋ランの支柱立て


目次
初めに
支柱立てのレシピ

1 初めに

洋ランの支柱と言うと、思い浮かべるのは、大輪コチョウランのアーチや、シンビジウムなど、花を支えるものです。しかし、育てるのに大事なのは、植え替えの時や、根腐れや根の枯れかかった株の回復のために、株を固定する物です。花を支えるのは多分に商品や、品評会用で、コチョウランは外国ではアーチ仕立てにはしないようです。
植え替えた後は、大抵株がぐらぐらしています。そうすると、根が植え込み材料に馴染みにくく、吸水が遅れます。また、根張りも悪くなります。ミズゴケ植えの場合は、一層ぐらぐらします。固定のためにミズゴケを固く詰めるのは本末転倒です。根腐れ屋根が枯れかかっている株も、ぐらぐらします。すると、一層吸水しにくくなって、衰弱し、回復を遅らせます。従って、これらの時に支柱を立てて、株を固定することは大事です。

2 支柱立てのレシピ

支柱による株の固定の目的は、根を植え込み材料にしっかりと定着させることです。支柱に留めたのに、株が動くようでは意味がありません。株の固定には、ビニタイを使い、アソビを少なくして縛ります。バルブや花茎がある場合は簡単です。太い株には太くてしっかりした支柱を用いた方がぐらつきません。株立ちの場合はなるべく多く留めると良いでしょう。

バルブがある場合

健康な苗で、複茎種では、植え替えに際して、新しい脇芽の根を出しやすくするのが目的です。従って、脇芽の元になっている親バルブを固定するのが最も効果的です。親バルブの先の葉が出ている下のところにビニタイを縛って、支柱に固定します。支柱はバルブや葉を傷めないような位置に立てます。固定位置より上に長くする必要はありません。

新しい脇芽が大きくなっています。脇芽の根元がぐらつかずに早くしっかりと根を張れるよう、そのもとになっているバルブの根元と葉の付け根を固定しました。

花茎がある場合

最も簡単です。できるだけ低い位置でまず固定すると、根元近くから安定します。花茎は低い位置でやや外に向かっているのが普通なので、なるべく外にビニタイを付けます。
支柱は鉢の縁に立てる方が簡単です。長さは花茎よりやや低くなるようにします。葉に当たったりしないような場所に立てます。
なるべく遊びを作らないように、ビニタイを支柱に縛ります。
もう一方はなるべく高いところを固定します。すると、全体が固定され、ぐらつきが減ります。
複数ある場合は、それらを固定すると、ぐらつきがそれだけ減ります。

バルブも花茎もない場合

パフィオペディルムや、バルブを作らないミニコチョウランなどの小株では、バルブも花茎もないので、葉の集まりの細いところを固定するしかありません。強く縛ると葉が傷んだり、病気の元になるので、両側から軽く挟み、葉脈の側は葉の幅より広くして当たらないようにすると良いでしょう。ビニタイを斜め上向きにして、株をやや吊り上げ気味にすると、グラグラしにくいです。

セロジネの匍匐茎の固定

セロジネは匍匐茎の先端などが浮き上がる癖があるので、匍匐茎とバルブの先の方とを固定します。


7.24レシピ追加、7.26写真、セロジネ匍匐茎掲載
2010.7.22掲載開始