パフィオペディルム(緑葉系・冬咲き)
Paphiopedilum 


P. Ruff

今月のラン



1.初めに
パフィオペディルムは我が国のクマガイソウやアツモリソウを含む仲間で、袋状の唇弁をしています。
園芸店に出回ることは少ないですが、趣味家の間では人気があり、葉の斑入り種があるのが特徴で、交配種が続々と作りだされています。
日陰で育つため直射光にとても弱く、熱帯産の中温種は冬の寒さにやや弱いです。また、根も葉もやや腐りやすいです。
このため、このホームページでは、難しい種類の方に入れています。
シンビジウムと共に地生蘭で、多くの洋ランが着生であるのと異なります。
パフィオペディルム属は後に示すように、分類上は一般に6つの亜属に分けられています。一方、園芸的には6つのタイプに分けられるとされています。
特徴で大まかに分けると、葉に斑が入っていなくて日焼けしにくく、春から秋まで生長して冬に咲くタイプと、葉に斑が入って観賞上は面白いがやや日焼けしやすく、初夏に花が咲いて秋から春まで生長するタイプが代表的です。もちろん、前者の方が温室が無くてもよく生長し、丈夫なので初心者向きです。
別冊NHK趣味の園芸ラン、初めて育てる、では緑葉系・斑入り薄葉系(冬−春咲き、易しい、越冬温度10℃)、多花性系(冬−春咲き、普通、越冬温度10℃)、斑入り厚葉系(春−夏咲き、難しい、越冬温度10℃)の3種に分けている。ここではこれに従います。
2009.2.4

2.パフィオペディルム(緑葉・斑入り薄葉・冬咲き)図鑑
緑葉系・冬咲き
(へぼえん)緑葉系は分類上はパフィオペディラム亜属に属する。主な園芸種は、「ウィンストン・チャーチル」「シャーマイン」「スイート・レモン」「ロビン・フッド」などがある。
(図解 洋ランの栽培)インド・ヒマラヤ方面に産し、葉は比較的細く緑葉で、低温に強く強健種が多いです。主な原種はインシグネ、スピセリアナム、ピロサム。
別冊NHK:
緑葉系主な種類:インシグネ、スピケリアヌム、グラトリクシアヌム、スイートレモン、シアライン、ウインストン・チャーチル
斑入り薄葉系主な種類:カロッスム、ローレンセアヌムスクハクリイ、ベヌスツム、モーディアエ

2.1.緑葉系主な原種
Paphiopedilum insigne パフィオペディラム・インシグネ

spicerianum スピセリアナム 
D白地に中央に紫線入 P褐色帯びた緑色に中央紫線入 L紫褐色 Dの白色が美しく小型株で可愛らしい原種 インド原産 春咲き
oba

Paphiopedilum spicerianum パフィオペディラム・スパイセリアナム

Paphiopedilum villosum パフィオペディラム・ビローサム

2.2.緑葉系主な交配種
「ウィンストン・チャーチル」「シャーマイン」「スイート・レモン」「ロビン・フッド」
ロビン・フッド
原色:Bingleyense X Gaston Bultel, 1917
青葉、花色紫紅褐色で光沢ある、丈夫で作り易く鉢物として流通、初心者にも育てやすい

Paph. Robin Hood パフィオペディラム ロビン フッド
fuj:草丈リーフスパン約25cm、紅紫色の代表的古典種。花の幅約11.5cm、ドーサル幅約6cm。不定期に年2回程度咲く
 

ラフ

スイート・レモン」黄緑・整形
Paphiopedilum Sweet Lemon パフィオペディラム スィート レモン
黄花の整型大輪、。花の幅は約12cm、ドーサル幅6.7cm、ペタル幅4cm、冬〜春咲き。
原色:(Paph. Winter Sunshine x Winter Dream) 1988
青葉、黄緑色整形、栽培しやすい、丈夫で作り易い
fuj


WINSTON CHURCHILL ‘Indomitable’FCC/AOS ウィンストン チャーチル ‘インドミタブル’
Eridge *Hampden 1951toz

大場:点花の名花 D白地に褐色点入 P、L赤褐色 極整形大輪
Paph. Winston Churchill = Paph. Eridge x Paph. Hampden (1951) abiko
Paph. Eridge insigne系

「シャーマイン」
Paph. Sharmain, Eurybiades X Stamperland, 1935 by McBean's Orchids
点花系の品種として早くから有名、白地に大きな赤褐色の斑点、早咲で栽培しやすい、冬咲き
沖縄でパフィオペディラムを育てるより   oki
http://www7a.biglobe.ne.jp/~PAPHIO-IN-OKINAWA/kaiyouhaku2008paph14.htm


モンタグナード'グローブフィッシュ'
一般の園芸店で良く見かける、丈夫な原種同士の交配のため栽培は容易。(江尻:洋ラン育て方咲かせ方)
点花

斑入り薄葉系
カロッスム

ローレンセアヌム

スクハクリイ
Abi

ベヌスツム
Paph.venustum 'Fox Catcher' FCC/AOS  tana

モーディアエ

世界のラン科植物、http://cosmos.cool.ne.jp/Orchid/index.htm

2009.1.30-

2.パフィオペディルムの種類と花
モ-ディエタイプ、整形タイプ、多花性タイプ、ミニタイプ、バービセパラムタイプ、その他です。
(NHK趣味の園芸よくわかる栽培12か月、パフィオペディラム)
モ-ディエタイプ、花弁が横に細長く伸びる代表種で、葉に白い斑が入る。最低温度10℃以上が望ましく、葉焼けに注意が必要
整形タイプ、丸く整った花形で、最低温度は8℃以上、日焼けに注意
多花性タイプ、水を好み日光にも強い、最低温度15℃以上が望ましい
ミニタイプ、色々な花色があり、寒さに強く栽培しやすい、最低温度10℃以上が望ましい
バービセパラムタイプ、新しい原種の見つかっている新しいタイプで、低温性もあり、交配種は栽培が容易
その他、


の育て方
日陰に生える地生ランで、熱帯から温帯まで分布します。
直射日光に当てないこと、根の乾燥に弱いので乾かしすぎないことが重要です。

4.パフィオペディルムの根
着生ランと異なり茶色で根毛に覆われています。元気に伸びている時は先が白くなっています。

2008.11.28 開設

参考資料
以下に解説と開花までの記録を下記HP、「素人園芸解説」の「パフィオペディラム」と、「蘭」の「パフィオペディラム」より転載させていただきます。
http://heboen.hp.infoseek.co.jp/youran/paph.html
http://kojimatsk.hp.infoseek.co.jp/MyPaphiopedilum.htm
写真は下記HPにあります。
http://tanaen.hp.infoseek.co.jp/2flamealbum/albumpapftop.html