洋ラン合格生のノート
コチョウラン高校



ミディコチョウラン

大型コチョウランは、入手した時には既に根腐れしていたり、日焼けしやすく、病気にもかかりやすいので、慣れないうちは厄介です。
ミディコチョウランはやや小ぶりで、それに比べると易しく、初めての人でも広口の透明ペットボトルに入れれば根腐れが防げるそうです。3通りの方法を試しています。

寄せ鉢:ドリテノプシス タイダ・サルー




寄せ鉢から一本植えへ

2010年12月
赤のミディーコチョウランのドリテノプシス タイダ・サルーの3株寄せ鉢が花の盛りを過ぎたので、まずはペットボトルへの鉢替えです。
下の左は全体、右は鉢から抜いた処で、ポットから抜いて、ミズゴケがむき出しで鉢に入れて、植えにミズゴケが被せてありました。
ペットボトルに移し替えて準備完了!
 
透明ポットの代用品はペットボトルです               鉢と同じくらいの深さに切ります
 
根は大半が緑色で元気で先に白い枝根も出ています      新しい透明容器に入れた処
 
初めての水やり、ミズゴケの部分に蛇口から水を掛けるだけです。半分くらい乾いた色になったらまたやります。



透明ポリポット植え
Phal.Sogo Vivien ‘My Vivien’
ファレノプシス ソーゴビビアン ‘マイビビアン’

透明なポリエチレンのポットに植わった状態で育ててみることにしました。寄せ鉢をばらした物か、先の方だけ花がまだ残っています。
ミニオンシジウムも一緒です。
12月15日
 


寄せ鉢をそのままで楽しむ

(まえがき
いただいたコチョウランの寄せ鉢は、花が終わったら枯れてしまうのが普通です。そこで、何とかそのままで助けられないかを、試していただくことにしました。少し花の傷みかけたピンク小輪の寄せ鉢を、入手してから一月たってから、開始してもらいました)


ピンク小輪

2011年4月8日
寄せ鉢の中は透明のポリエチレンポット植えになっています。葉は大きいです。このままでは乾きが悪いので、ポットから抜いて、ミズゴケをむきだしにしました。根は緑色を帯びて元気です。
元通りに並べて鉢に戻します。
お互いにくっついていると乾きにくいと思われるので、間に発泡スチロールの板を挟んでみました。隙間は何も入れず、上にミズゴケを被せることもしません。
何とか乾き具合が見えそうなので、水やりできそうです。

 
鉢から抜いた処、ポットに植わっています     ポットから抜いた処、ミズゴケは白くて新しく、根は緑色で元気です

 
鉢に戻しました    株の間に発泡スチロールの板を挟みました

4月22日

6月 日焼けしてしまいました。

6月29日
寄せ鉢から抜いて見たら、根は最初の通りの緑色で元気で、枝根が出ています。また生長点からは新しい葉が出ています。さらに、花茎は先は枯れていますが、枝の先に蕾が見えていたり、新しい枝の兆しも見えます。大成功と言えるでしょう。日に当てて日焼けしたのは残念ですが、暖かくなってこれから元気になるので、「重ね着鉢増し」しました。再び本格的な生長や開花を目指したいと思います。
 
2カ月後、左の株には新葉が出ています。            鉢から出してみると、根は緑色で元気です、右の人株だけは根が萎れています
 
所々から枝根が出ています        重ね着鉢増しに際して、根鉢の底だけは根をほどいて伸びやすくしてやります。また根腐れ予防のために芯の部分のミズゴケを取り除きます。
  
発泡スチロール、左は中芯、右は底芯     ミズゴケを除いた後に中芯を入れます。
 
底板の上に底芯を置きます            底芯の上に苗を置きます
 
隙間に鹿沼土を入れていきます 上まで詰め、表面の根も覆って出来上がり
 
左:新葉                               右:花茎の途中の節から枝が出始めています




透明ポット・重ね着・鉢増しのレシピ

ミディー・コチョウランのマイ・ビビアンが無事に冬を越しました。
これからは元気に生長させるため、ミズゴケ植えから鹿沼土を重ね着して鉢増ししました。
透明ポット植えで、中には太くて緑の元気な根が一杯です(下写真左)。空中に伸びている根の先(中写真の左上)は緑で透明の翡翠のようになっています。これは「根冠」で、根が元気になって生長を始め、艶が出ています。こうなれば安心して植え替えができます。
右の写真は、根腐れの原因になりやすいミズゴケを、根のない所だけ取り除いたようすです。
  

用意するもの、植わっているより一回り大きい透明ポリポット(この例では径9cm、大きいプラスチックコップでも代用できます)、発泡スチロールの板(納豆パックのふたが使えます)、発泡スチロールを鉢の深さの約半分の長さに切った角棒、鹿沼土(乾いた中粒)かバーク
準備、発泡スチロールを鉢底の大きさに切って、底に敷きます(右が一例)
 

左:苗をポットから抜いて、根鉢の芯のミズゴケを抜き取ります。根の内側に付いているミズゴケは植え替え後の苗の吸水に必要なので残します。
右:空洞になった処に、発泡スチロールの棒を詰めます。根が棒より下に出ていると、発泡スチロールの棒と板の間に植え込み材料が入って乾きが悪くなります。
 

左のように根が棒の先と同じ高さになるようにします。全体をポットにそっと入れます。
 

植え込み材料(この場合は鹿沼土)を下から順に隙間に流し込みます。根の外側にも入れて、根がむき出しにならないようにします
 

表面にある根にも被せます。むき出しだと乾いて萎れてしまいます。完成。
 
すぐに水と緩効性肥料の粒をやって構いません。
鹿沼土は濡れると赤っぽい橙色になります。半分くらい乾いた色になったらまた水をやります。
乾きが遅ければ、ポットの底に横穴を開けます。


ミニオンシジウム

2010.12
黄色の蝶のような花が沢山咲くオンシジウムは、切り花でも見かけますが、もっと小さい株です。花が長持ちします。フラグランス・ファンタジーという香りのある花です。


コチョウランと並んで。花は終ってしまいました。 右の写真は、普通のオンシジウムです。

2011.4.22
花が終わって日がたっていますが、何と、緑の花茎が1本残っていました。でも、よく見ると、折れた元でした。
でもその横から小さな脇芽が出ていて、写真では右端にも新芽が出ています。
コチョウランと同時に、鹿沼土への植え替えをしました。古い植え込み材料を少し取り去って、同じポットに戻し、代わりに鹿沼土を入れました。ポットから抜くとバークに植わっていて、発泡スチロールの芯が入っています。
 

白い根は新しくて元気ですが、古い根は茶色っぽくて弱っています。同じポットをまた使います。底にスチロールの板。
 

植わった後は上のコチョウランと一緒に写っています。

4.22 透明ポット・重ね着・鉢増しのレシピ
2011.4.8 写真・ミニオンシジウムの追加、鉢のままの育て方
2010.12.7掲載開始