洋ラン初級−2年目も親株の力で咲く


大型コチョウランは、元気に年を越すと、夏に向かって新しい花茎を伸ばし花が咲く
目次
初めに

1 初めに

開花株を入手して花が終わったらおしまい、という初めての段階を過ぎて、次は、株についていた脇芽や、花茎から花がもう一度咲くというお土産花でした。さらに翌年にも咲くのがこの段階です。自分で脇芽や花茎を出させてから咲かせるので、前の2段階よりは進歩しているのですが、実情は親株が大きいために、縮小再生産をしていても、何とか花が咲いているという状況です。しかし、この段階で持ちこたえて、拡大再生産への道が開けると名人になります。ここでも、易しい種類から、開花を維持できる例を紹介していきます。

2 2年目の咲き方

複茎種では新しく脇芽を出させて大きく育てる、単茎種でも新しく花茎を出させなければなりません。

複茎種

特に弱っていなければ、脇芽は出てきます。それを花が咲くだけの大きさに育てるのが課題です。脇芽は自力で大きくなるだけでなく、親株の養分を貰うと考えられています。従って親株が大きい内は脇芽も大きくなりやすく、花が咲きやすくなります。

単茎種

コチョウランやバンダなどの単茎種では、複茎種の脇芽と違って、花茎は出たり出なかったりします。花茎が出るためには、株が充実していなければならないことは勿論ですが、大抵の種類では、ある程度の低温になると花芽が付くと言われています。営業的には、夏に20℃以下の低温に強制的にあわせて冬に咲かせています。これが根腐れの原因にもなっている訳です。


3 2年目もある程度咲く種類

以下の種類は、入手した株が、家庭で温室なしで育てても、2年目以降もある程度咲きやすいです。咲きやすい順に並べています。

シンビジウム

大輪の豪華なシンビジウムは、慣れないうちは年々小さくなって花が咲かなくなってしまうことが多いですが、それでも枯らさなければ2-3年は咲いてくれます。

デンドロビウム

デンドロビウムもは割合咲きやすい方ですが、それでも年が経つにつれて咲きにくくなります。また、葉が落ちたり、病気になったりして、親株の数がだんだん減っていきます。

ミニカトレヤ

洋ランにまだ慣れていなかったり、根腐れを恐れて水やりが少ないと、枯れないまでも、株が大きくなりません。開花年齢に達したばかりの株を入手した場合は咲かせることが難しいですが、大株を入手した場合は、しばらくは脇芽が開花に必要な大きさまで育って花を見ることができます。

ミニ・ミディコチョウラン

ミニコチョウランは、新しい脇芽を大きくする必要がないので、健康に冬越しできれば、翌年に花が期待できます。新しい葉が十分大きくなれず、古い葉が徐々に枯れていくと花が咲かなくなるかも知れません。

大型コチョウラン

大型コチョウランもミニコチョウランと同様です。入手した株が根腐れしていたりして、新しい葉がなかなか出なかったり、大きくならなかったりします。このため、花がやや小さくなったり少ししか咲かなかったり葉しますが、古い葉が元気な間は花を楽しむことができます。

アスコフィネティア(西洋フウラン)

亜熱帯産の小型のバンダ類と和蘭のフウランとの交配種は、慣れないうちは風通しの不足で落葉したり、鉢が小さすぎて枯れたりすることもありますが、ある程度大きい株ならそこそこ咲いてくれます。花は小さいですが、色が赤、桃色、黄色、白など多彩です。

  



2010.7.5掲載開始、2年目の咲き方、2年目も咲く種類