洋ラン学園
21世紀の洋ランの育て方と咲かせ方
これまでの方法でうまくいかない人に
開花株を買って1年後に咲かせられる
ほったらかしで花盛り

導入

洋ラン学園表紙
初めに
あらまし 
1 洋ラン学園の苗と衣食住の四原則 「校訓」 (2019年1月制定)
今節の洋ラン 最新


目次
初めに
あらまし 
1 洋ラン学園の苗と衣食住の四原則 「校訓」 (2019年1月制定)
2 カリキュラム
段階
(1) 枯れない始め方 「洋ラン幼稚園(年少・年中組)」 (2018,9年1月)
直ぐに咲く苗の選び方 「洋ラン幼稚園 年長組」(2019年1月)
(2) 開花株を入手して1年後に咲かせる 「洋ラン小学校」 (2019年補足)
(3) 2年目の洋ラン-大株と群生株作りもっと咲かせよう 「洋ラン中学校」 (2019年版)
作落ち株の回復
苗作り
やや難しい種類
3 洋ラン学園の科目一覧表 五大属、新五属、花物五属、東洋蘭・日本三種
4 洋ラン24節気(今月の洋ラン) 温室無しだから置き場所が大事、冬知らずで咲く
半月ごとに変わっていく24節気に応じた世話と様子の移り変わり
5 洋ラン病院、殺虫剤と殺菌剤を使わない、雨は最強の殺虫剤
6 洋ラン気象庁
7 洋ラン図書館

第二部・参考資料








各種類の育て方と咲かせ方の例、一年の世話と経過2018年

表紙続き 別ページ
2013年の進展、グループ別


第二部・参考資料
洋ラン病院
 外因性(日焼け・霜焼け・雨負け)、根腐れ・枯れ、カビ病、細菌、虫害
洋ラン気象庁
 24節気
 初霜と終霜
 最低気温-6℃、シンビジウムとデンドロビウムの屋外越冬(臨時ビニールトンネルで)
洋ラン図書館
 開花カレンダー
 開花辞典
 洋ラン図鑑
 参考文献
  花芽分化、花つきと、日射、水やり、温度、肥料などの関係、花芽と葉芽
洋ラン美術館
洋ラン図鑑 分類など

洋ラン学園の講習会の経過・あとがき・HP更新略歴・謝辞



導入

目次
1 洋ラン学園の願い
(1) できるだけ多くのらんを助けたい
(2) 地球にやさしく楽しみたい
(3) 多くの人にランを楽しんでもらいたい
2 洋ラン栽培の三大問題
(1) 直ぐに枯れる
(2) 中々咲かない
(3) 貰ったが初めてでどうしてよいか分からない
3 洋ランの特徴 苗と衣食住の4原則
(1)住:洋ランの原産地は熱帯など-寒さに弱い
(2)衣:洋ランは木に着生し根はむき出し、鉢植えでは根腐れしやすい
(3)食:洋ランは雨季に生長し、乾季に花が咲く
(4)苗:洋ランは開花株から脇芽が出て1年後までに親並みに育って咲く
以上のような洋ランの苗と衣食住の特徴にあった育て方をしないと、枯れたり咲かなかったりするのです。
4 洋ラン学園の「苗選びと衣食住の世話」
洋ラン学園では、上に述べた洋ランの「苗と衣食住の特徴」に合わせた分かりやすい方法により、誰でも洋ランを易しく育てられて咲かせることを目指しています。
その要点を以下にまとめます。
(1) 苗選び:丈夫で生長旺盛で咲きやすい種類、大型種の脇芽の付いた大型株を選ぶ
(2) 住の世話:夏以外は保温・防寒・加温などによりできるだけ暖かさを保つ
(3) 衣の世話:根を薄着にするために浅くて広くて底穴の多い鉢に根を直置きにして薄植えにする
(4) 食の世話:梅雨から9月まではどんどん水やりし脇芽を大きく育てる
5 まとめ
次からは以上の方針に基づいた具体的な育て方・咲かせ方を紹介していきます、



1 洋ラン学園の願い

(1) できるだけ多くのらんを助けたい
コチョウランを中心に贈答用に蘭が大量に売られています。
しかしそのほとんどが消耗品として枯れて捨てられていきます。
少なくとも家庭に入った苗は枯れることなくまた咲いてほしいと思います。
(2) 地球にやさしく楽しみたい
洋ラン栽培では温室で暖房したり、湿地のミズゴケを大量消費したり、農薬や殺虫剤で環境を汚染したりが付きまといます。
これらを使わないで栽培できれば地球にやさしくできます。
(3) 多くの人にランを楽しんでもらいたい
きれいな洋ランの花を見て育てようと思っても大抵直ぐに枯れるか全然咲かないかのことが多いです。
普通の消費者が普通の植物に近い程度の世話で育てたり咲かせたりする方法が望ましいです。

2 洋ラン栽培の三大問題

(1) 直ぐに枯れる
洋ランは主に冬に花付きが売られていて、買ってきて部屋などで世話してもすぐに枯れてしまい難しい
(2) 中々咲かない
洋ランの中では丈夫な種類を育てているが何年たってもちっとも咲かずつまらない
(3) 貰ったが初めてでどうしてよいか分からない
お祝いやお歳暮に立派な鉢を貰ったが初めてのことでどうしてよいか分からない

3 洋ランの特徴

上の三大問題のような悩みを解して決洋ランを上手に育てて咲かせるには以下に述べる、
一般の植物と比べた洋ランの特徴にあった方法を取るのが良いと思います。
分かりやすくするために、苗、と、衣食住、というキーワードで整理します。
(1)住:洋ランの原産地は熱帯など-寒さに弱い
洋ランの原産地は下の地図に示すように主に赤道を中心に両回帰線に挟まれた熱帯です。
熱帯産植物は10℃以下では枯れる傾向があると言われています。
従って我が国の気候では寒すぎるわけです。
そのため寒さ対策をした置き場所が必要です。

(2)衣:洋ランは木に着生し根はむき出し、鉢植えでは根腐れしやすい
洋ランの原種は自生地では樹木に根が張り付いてむき出しです。
オランウータンのような樹上生活者です。
従って普通の植物のように鉢植えにすると根が窒息して枯れてしまいます。

(3)食:洋ランは雨季に生長し、乾季に花が咲く
世界の大半の地域では一年は四季よりも雨季と乾季に分かれています。
洋ランは雨季に生長し乾季に花を咲かせます。
育てていて雨季に当たる夏に水やりが足りないと咲きません。
(4)苗:洋ランは開花株から脇芽が出て1年後までに親並みに育って咲く
洋ランは宿根草です。
乾季に花が咲いた後脇芽が出て、雨季に生長して親並みに大きくなって1年後にまた花を咲かせます。
親株が大きくないと、雨季に当たる夏に脇芽が大きくならないため咲きません。
以上のような洋ランの苗と衣食住の特徴にあった育て方をしないと、枯れたり咲かなかったりするのです。

4 洋ラン学園の「苗選びと衣食住の世話」

洋ラン学園では、上に述べた洋ランの「苗と衣食住の特徴」に合わせた分かりやすい方法により、誰でも洋ランを易しく育てられて咲かせることを目指しています。
その要点を以下にまとめます。
(1) 苗選び:丈夫で生長旺盛で咲きやすい種類、大型種の脇芽の付いた大型株を選ぶ

(2) 住の世話:夏以外は保温・防寒・加温などによりできるだけ暖かさを保つ
(3) 衣の世話:根を薄着にするために浅くて広くて底穴の多い鉢に根を直置きにして薄植えにする
(4) 食の世話:梅雨から9月まではどんどん水やりし脇芽を大きく育てる

5 まとめ

次からは以上の方針に基づいた具体的な育て方・咲かせ方を紹介していきます、



洋ラン学園の目標や方法


1 目標 易しくて達成できる目標があると
開花株を入手して1年後に咲かせる
2 方法と手順
苗:開花見込み株の入手、衣:重ね着鉢増し、食:夏は雨季・水やり、住:夏以外は保温・加温、
温室・ラン鉢・ミズゴケ・バーク・農薬は使いません
3 対象とする種類
園芸店で普通に売られている種類全般、高山植物などは除く

1 目標 易しくて達成できる目標があると
開花株を入手して1年後に咲かせる
洋ランを育てるのは花を咲かせるのが目的ですから、花を咲かせることを目標にして、そのための方法を進めることにします。
洋ランの大半は、開花株のもとから脇芽が出て、それが1年で親株並みの大きさに育ち、花が咲きます。

2 方法と手順
苗:開花見込み株の入手、衣:重ね着鉢増し、食:夏は雨季・水やり、住:夏以外は保温・加温
苗:開花見込み株の入手
花を咲かせるためには、育てる株が脇芽が1年後に親並みに大きくなる可能性のある「有望株・開花見込み株」でなければなりません。
売られている種類や鉢は必ずしもそういう株であるとは限りません。

衣:重ね着鉢増し
洋ランの原種は、ほとんどが樹木に着生し、気根を伸ばしています。
鉢植えは本来の姿でないため、とても根腐れしやすいのです。
また植え込み材料はミズゴケカバークで有機質のため2-3年で必ず腐り、そのため根も腐ります。
また有機質の材料は夏は乾きやすく水をはじき、低温期には乾きにくく根腐れするため世話が難しいですします。
一方植え込み材料を取り除く植え替えは枯れの最大の原因です。
そこで入手した鉢は、そのまま、浅広鉢に移して周りを無機質の鹿沼土で埋める「重ね着鉢増し」にすると、失敗が無く世話がしやすくなります。

食:夏は雨季・水やり、
枯れないのに咲かない最大の理由は水不足です。
慣れないうちは根腐れが怖いため水やりが少なくなりがちです。
すると生育不良のため花が咲かず、しかも年々小さくなっていきます。
高温期には殆ど根腐れしないため水やりしても大丈夫です。
しかも浅広鉢で根は適湿を保てる鹿沼土の部分に伸びるため吸水も順調です。
そこで脇芽が十分育って花が咲きます。

住:夏以外は保温・加温
洋ランの原産地は、熱帯か亜熱帯です。熱帯産植物は10℃を下回ると冷害になります。
沖縄では屋外のコチョウランやデンファレが冬に咲いています。南回帰線に近くほぼ熱帯です。最低気温は冬でも10℃以上です。
最低気温が10℃を下回る季節には保温加温をすると生長が促進され冷害を防げます。

温室・ラン鉢・ミズゴケ・バーク・農薬は使いません。

3 対象とする種類
園芸店で普通に売られている種類全般、高山植物などは除く
洋ランには、シンビジウム、デンドロビウム、カトレア、コチョウランなど色々あります。
洋ラン学園では、ほとんどの種類を同じ方法で育てて咲かせます。
例外は「高山植物」です。国産でも高山植物(山野草)は育てにくいので、高山性の洋ランはなおさらです。
「クールオーキッド」と呼ばれ、順調に育てるには冷房が必要ですから、洋ラン学園ではとりあげません。

表 洋ラン学園で育てて咲かせる種類、赤は易しくて咲きやすい、桃はそれに近い、緑は注意が必要、茶は対象外
ク゛ルーフ゜仮称
属(学問的なものではありません)
五大属基本種1シンビジウム*、2デンドロビウム2+下垂種、3カトレヤ、3+ミニカトレア、3カトレヤ原種、4コチョウラン(4+ミニ)、5パフィオペディルム
新五属普及種6オンシジウム(+近縁属・属間交配種6+ミニ、6+ミルトニア・スペクタビリス、7エピデンドラム、8ジゴペタラム、9セロジネ、10ミニバンダ
続五属花物 11デンファレ(11+フォーミテ゛ィフ゛ル)、12キンギアナム*(12+大明石斛タイミンセッコク*)13バンダ**、14グラマトフィラム、15デンドロキラム
16マキシラリア17キシロビウム
東洋蘭和蘭
石斛(長生蘭)、二風蘭(富貴蘭)(二+名護蘭)、三春蘭*中国春蘭・金稜辺、四エビネ*、五報歳蘭*(五+駿河蘭*)
山野草対象外aミルトニア、bリカステ、cオドントグロッサム、dソフロニティス、eマスデバリア

単茎種は根を育てる(2018/11/13)
洋ランの大半は、開花株から脇芽が出て1年後に咲きます。開花株はもう咲きません。
共に熱帯アジア産のコチョウランと近縁のバンダとだけは、頂点から新葉が出るだけで、古い葉の間から花茎が出ます。
株元が厚くて充実し新葉が2-3枚出るようなら開花が望めます。
しかし、それには、株元から伸びた気根が太く長く充実していることが必要です。
この2種類は最も根腐れしやすく、コチョウランは通常のミズゴケ植えのままでは腐り、バンダは根をむき出しにしていないと腐ります。
温室育ちの苗を屋外で育てると、大抵最初は作落ちします。根を育てるつもりで気長にやると回復します。
なおパフィオペディルムは脇芽が出て咲くまでに2-3年かかるのが普通です。単茎種と同じような世話が合っています。





段階別の内容


1 初めての洋ラン
枯らさずに始める方法
ペットボトル植え
洋ラン幼稚園

洋ランはミズゴケかバークで鉢に植えられています。

植え替え(衣)冬:ペットボトルを用意、適当な長さに切る、ミズゴケ植えを鉢から抜いて一回り広口のペットボトルに移す

水やり(食) 乾いていたらミズゴケの上から少し注いで湿らせる
置き場所(住) 暖かい室内に置いて湿りが長く続かないように
乾きが悪かったらペットボトルから出して乾かす

夏には十分に水をやっても大丈夫
雨ざらしは避けた方が無難、水がたまったら捨てる

ミニカトレアの花が咲く  ミニオンシジウムが水切れせず花茎が沢山出る  パフィオペディルム根腐れ知らず、バーク植でも根鉢があれば大丈夫



2 枯らさずに1年後に咲かせる方法(実践編)/
洋ラン小学校

洋ランを買っても、直ぐに枯れてしまう人が殆どだと思われます。
洋ラン学園では、枯れる理由、咲かない理由を明らかにして、誰でも枯らさずに1年後に花を咲かせられる易しい方法の普及を目指しています。要点は下記の通りです。
洋ランが枯れるのは殆ど根の太いさやが腐るためです。その原因は主に極端な低温過湿と高温乾燥になりやすい、ミズゴケとバークに植えられているためです。
鉢から抜いて一回り広い鉢に入れ廻りに鹿沼土を足すことにより低温過湿と高温乾燥が避けられます。
洋ランが咲かないのは、大抵根腐れを恐れて夏に水切れになり、新芽が大きく育たないためです。
根腐れの心配の少ない初夏から初秋まで雨ざらしにして新芽を大きく育てると咲きやすくなります。2018/12/12
丈夫な種類、シンビジウム、デンドロビウム、オンシジウム、ミルトニア/スぺクタビリス、ジゴペタラム、セロジネ、キンギアナム、グラマトフィラム、マキシラリア
根腐れしやすい一部の種類は対策が必要です。カトレア、コチョウラン、パフィオペディルム、ミニバンダ、デンドロキラム
ミズゴケペットボトル植えで長いか花期を室内で楽しむ:エピデンドラム、デンファレなど
2デンドロビウム
シンビジウムに次いで最も丈夫で、暑さ・寒さ・日射・などに強く、生長が旺盛で世話が簡単で咲かせやすいです。国産の石斛との交配種が多いです。葉が薄いため水切れすると落葉し衰弱するので注意します。また乾燥意味に育てると脇芽が生育不良で咲かず年々小さくなってしまいます。
基本的な種類は、脇芽が出て1年後は咲かず、翌年に茎が太くなって咲きます。従って開花株に次の脇芽が出て親株並みになっていないといないと1年後に咲かないので大きな脇芽のある株を入手する必要があります。新しい種類の中には他の洋ランと同様に1年後に咲くものが増えてきました。
次の年にも咲かせるための脇芽は、大きな未開花脇芽の横からシンビジウムと同様に春に出て、夏までに丈が伸び秋に茎が太ります。

シンビジウムに次いで丈夫ですが、日射や寒さにもやや弱くなります。葉が薄くて小さいので乾燥にもやや弱くなります。
大半の種類は同属の石斛との交配種で、2年目の株にしか咲きません。大きくて株立ちで開花株の隣の来年咲く株があ大きい鉢を選びます。
世話の仕方は上のシンビジウムと同じです。直射日光は避けましょう。

3月に入手しそのまま育ててきましたがミズゴケが古く乾燥も心配です。6月後半、深鉢の底のミズゴケを取り除き浅広底穴鉢に置く。
 
鹿沼土を隙間に入れ表面に被せて出来上がり。 2鉢目は寄せ鉢、根鉢を少しほどく

9セロジネ

年明けに白い花が並んだ鉢が売られます。寒さに強く、根が針金状で細くて固いので植え替えに注意が必要です。洋ラン学園式の「鹿沼土浅広底穴鉢鉢増し」にするとそのまま元気に生長し咲きます。交配種のインターメディアと原種のクリスタータが双璧ですが、後者は脇芽の伸びが水切れで悪くなり咲かずに年々小さくなることが多いです。洋ラン学園式の雨季は生長期を夏までしっかりやると生育不良が防げます。


色々な種類ありますが、園芸店で見られるのは殆どが白花の交配種のインタ−メディア化かその交配親で原種のクリスタータです。
インターメディアの大型の群生株がお勧めです。
クリスタータは新芽が太いバルブになりにくく花芽が付きにくいです。
バルブを大きくするには夏の水切れは禁物です。
寒さにもかなり強いくコツをつかめば咲きやすい種類です。
     

開花株                              鉢から抜く                     透明浅広鉢に入れる                   周りの隙間に鹿沼土を入れる



目次(2019年改定補足版)
1 咲いた例
2 始め方1 有望株を入手する
3 冬の始め方 (1)置き場所-最初は「冬知らず」最低温度10℃以上の室内で、(2)新芽を出すため水やり
4 春は屋外へ 最低気温10℃ 東京都心では4月初めからが目安 
 「重ね着鉢増し、浅広底穴鉢、鹿沼土を周りに
5 夏は雨季で新芽を親並みに生長、雨ざらし
6 秋は充実期、晩秋に待望の花芽
7 付録 病虫害 (洋ラン病院)

1 咲いた例
温室、ミズゴケとバーク、農薬、素焼き鉢やラン鉢などを使いません。

まずは百聞は一見に如かずで、2018年の冬に開花株を入手し、年末から2019年初めにかけて咲いた例などを載せます。

2 冬の始め方 
置き場所
洋ランが枯れる最初の関門は冬の根腐れです。
熱帯は年間最低気温が約10℃で沖縄も同じです。
沖縄では寒さに弱いコチョウランやデンファレが庭で正月に咲いています。
根腐れは10℃以上なら激減します。
洋ランが咲かない最大の理由は温度不足による新芽の生長不良です。
新芽を早く出させて早く生長を始めることが大事です。
そのためには冬も暖かくすることが有効です。


3 冬の枯れない始め方:衣、ミズゴケ植えの場合

初めに
洋ランを買うのは冬が一番多いです。
しかし寒さが苦手の洋ランにとって冬が一番危険です。
その理由はミズゴケやバークに植えられていると根は冷たく過湿になりすぐに根腐れするからです。
しかもミズゴケ植だと乾く場合にはすぐに水切れします。
以下に示すのはコチョウランやミニカトレアのミズゴケ植えの鉢の根腐れを予防する易しい方法です

3.1 ミズゴケ植えのコチョウランの引っ越し
コチョウランは最も根腐れしやすい種類で、冬に買うとそのまま枯れてしまうことが殆どです。
その理由はミズゴケ植えでポット植えの株が化粧鉢に押し込められ、表面がミズゴケで覆われているのが普通だからです。
ただでさえ寒いと根腐れしやすいミズゴケ植えの上に、二重の鉢に入れられて、冷たく湿ったミズゴケの中で腐ります。
コチョウランのミズゴケ植えは、直ぐに鉢から出して広い容器に移し、隙間を広くして乾かすと根腐れが防げます。

ミズゴケ植えコチョウランのペットボトルへの引越/
洋ラン幼稚園年少組


(2018/01/講習で年少組により実演、2019/01/12講習で年少組指定)

4 コチョウラン
高価で豪華な鉢が出回っていますが、大抵直ぐに枯れてしまいます。根腐れしやすい上に根腐れしやすいミズゴケに植えて二重鉢に閉じ込められているからです。また高温期以外に雨ざらしにすると温室では潜んでいた炭疽病を発症して枯れてしまいます。しかし、洋ラン学園式ならとても易しく咲きやすくその上世話いらずで何か月も咲いています。鉢から抜いてペットボトルなどの広口容器に移すと低温期のミズゴケの乾きが良くなり根腐れを防げます。周年室内栽培で花を手近で楽しめます。


4+ミニコチョウラン
大型のコチョウランより丈夫で、特に白花のアマビリスや、赤花の満天紅(近縁のドリティスとの交配種)は育てやすく咲きやすいです。高価で豪華な鉢が出回っていますが、大抵直ぐに枯れてしまいます。根腐れしやすい上に根腐れしやすいミズゴケに植えて二重鉢に閉じ込められているからです。また高温期以外に雨ざらしにすると温室では潜んでいた炭疽病を発症して枯れてしまいます。しかし、洋ラン学園式ならとても易しく咲きやすくその上世話いらずで何か月も咲いています。洋ラン学園式で鉢から抜いてペットボトルなどの広口容器に移すと低温期のミズゴケの乾きが良くなり根腐れを防げます。周年室内栽培で花を手近で楽しめます。

大輪の豪華な鉢ああ贈り物や飾りに使われますが、小さな種類の方が易しいです。
原種の白い中輪のアマビリスは最も多く出回っていて丈夫で咲きやすいです。
手のひらに載るような小さな鉢は乾燥や病気に弱いです。
根が過湿に弱いため、ミズゴケでポットに根が押し込まれているとすぐに根腐れします。
鉢から抜いて一回り大きい容器に移して根が空気に触れているようにすると安全です。
花茎を残しておくと夏の間に元気で新しい葉が2-3枚出れば、花茎が少し枯れても途中から枝が出てきて冬に二番花が咲きます。
枯れなければ最も咲きやすいランと言えるでしょう。さらに元気が良ければ根元の方から新しい花茎も出ます。
雨ざらし、特に低温期では、隠れていた炭疽病が発症して、落葉が続いて枯れてしまいます。
周年室内で直射日光を避けて10℃以上なら安全です。
 
冬に買ってそのままだったアマビリス  夏にペットボトルに引っ越し

3-2 冬のミズゴケ植え

重ね着鉢増し、浅広底穴鉢、鹿沼土を周りに

(洋ラン幼稚園年中組、2019/01/12講習)

洋ランの苗は大抵ミズゴケかバークに植えられています。
これらは、温室の外で育てるには、根腐れと枯れの最大の原因です。
そこで、他の材料に植え替えます。
但しミズゴケやバークを根から取り除くと苗は弱りしかも水を根から吸えなくなって衰弱します。
そこで根鉢はそのままに、一回り広い浅鉢に移し、隙間に鹿沼土を詰めます。
こうすることで新芽の新根は鹿沼土の中に伸びていきます。
バーク植えの苗には春にやれば良いのですが、ミズゴケ植えはそれまでに根腐れする恐れがあるので室内にある冬にやることも出きます。
以下に実例を示します。(2019/02/05小学校から一部を分離)


冬:始める:直ぐ咲く苗の選び方
洋ラン幼稚園 年長組

洋ランを育て始める人誰しもの夢はもう一度咲かせることでしょう。
しかし普通の洋ランは花後に脇芽が出て1年後でないと咲きません。
それまでに枯れないように育てることは初めての人には易しいことではありません。
洋ランの中には花が次々に咲いたり、しばらく経つとまた咲くものがあります。
そのような苗を選べば「枯らしてしまう前に咲かせることができるのです。
そこでここではそのような例を示します。2019/02/05」

(1) 咲き続ける種類:4 コチョウラン
コチョウランは伸びた茎に花が下から並んで咲いています。先端にはまだ咲かない蕾が着いていることがあり、水切れさせなければ咲きます。
また花茎が伸びて新しい蕾が出てきます。
さらにもし花が終わっても、花茎の途中か新しく枝が出てきて咲きます。
(1) 咲き続ける種類:7 エピデンドラム
茎のてっぺんに小花が鞠のように咲く種類でカトレアの親類です。花が咲き終わっても元気なら花茎の途中からコチョウランのように枝が出てまた咲きます。
(2) 直ぐにもう一度咲く種類:3 ミニカトレアの半年型
ミニカトレアの中には、冬の開花株の脇に新芽が伸びている鉢があります。咲いているのは夏芽で脇に出ているのはその子供の冬芽です。普通のランは1年ごとに脇芽が出ますが、カトレアやオンシジウムなどでは半年ごとに芽の出る種類があります。
このような鉢では、なあ絵があ元気でいるて、水切れなどで蕾を萎れさせたりしなければ、花が終わると1-2か月で次の花が咲きます。
夏に咲いているミニカトレアではすでに脇から夏芽が出ている場合があり、冬の場合と同じように花後に次に花が咲きます。

(3) 花後に同じ処から約半年後にもう一度咲く種類:11 デンファレ
切り花として多く使われるデンファレは、茎の先端の葉の間から花茎を出して咲きます。花後も元気ならほぼ半年後に同じ所からもう一度花茎が出て咲きます。

(3) 花後に同じ処から約半年後にもう一度咲く種類:11+ フォーミディブル
デンファレと同属の交配種フォーミディブルは、種類は一つしかありませんが多く出回ります。この種類は新しい脇芽が十分大きくならないと咲きませんが、その一方で咲かなかった花芽の処から半年後位にもう一度花芽が出て咲くことがあります。




4 春は屋外へ、最低気温10℃が目安東京都心では4月初め
生長には日光と昼の高温が必要です。
室内は屋外に比べると暖かそうですが、それらが足りません。
一方、安全なのは最低温度10℃以上です。
そこでそれを目安に外に出します。
直射日光は厳禁、雨ざらしも鉢が乾かず根腐れの原因になるので雨除けが無難です。
丈夫な種類や経験者は、もっと早く移動して春の日差しを利用できます。

枯れない始め方

4-2 春の 

重ね着鉢増し、浅広底穴鉢、鹿沼土を周りに
根腐れしやすい一部の種類を除くと、鹿沼土植えにより、バークとミズゴケの問題が除け、根腐れを減らせます。

(洋ラン幼稚園年中組、2019/01/12講習)

洋ランの苗は大抵ミズゴケかバークに売られています。
これらは、温室の外で育てるには、根腐れと枯れの最大の原因です。
そこで、他の材料に植え替えます。
但しミズゴケやバークを根から取り除くと苗は弱りしかも水を根から吸えなくなって衰弱します。
そこで根鉢はそのままに、一回り広い浅鉢に移し、隙間に鹿沼土を詰めます。
こうすることで新芽の新根は鹿沼土の中に伸びていきます。
以下に実例を示します。




五大属
1シンビジウム
最も丈夫で、暑さ・寒さ・日射・などに強く、生長が旺盛で世話が簡単で咲かせやすいです。近年は東洋蘭との交配種が多く育てやすくなっています。深いラン鉢に植えられていることが多いですが、特殊な鉢を使う必要はありません。
脇芽とその根は花後の主に春に出て、夏まで丈が伸び秋に根元が太り秋の終わりに花茎が出て冬から春に咲きます。

冬に出回ります。大きくて株立ちの有望株の鉢を選びます。
寒さに強いので、零下にならず霜や雪に当たらなければ屋外で越冬できます。
根は丈夫ですが鉢一杯で新芽の出る余地が無いので、春に重ね着鉢増しします。
日射にも強いですが直射日光では日焼けすることがあります。雨ざらしでも病気になりにくいです。

鉢から抜いてそのまま周りに鹿沼土を詰めるだけの方法
    
アリシア・スノーエンジェル鉢植え、2016年5月後半                       鉢から抜く、                    広い鉢に移す、      隙間に鹿沼土を詰める(表面の根にも被せる) 右根元に新芽  11月前半新芽の脇から花芽

少し根鉢をほどいて新根を鹿沼土に包む方法
   
2018年3月後半 ファイアービレッジ・ワインシャワー大株入手、6月後半梅雨が明けて過乾になるので急いで処置、新芽は伸びて30cm前後 バーク植え根は全体に新しく根鉢は固い、底はまだ

  
親株の根際に新芽の新根、伸びやすいよう少しほどく。 鉢底を主に根鉢を少しほどく、切れたり折れたりを少なく

浅広底穴鉢に置いて鹿沼土を隙間に入れ表面に被せる

ミニデンドロビウム
デンドロビウムノビル系に似て丈夫で、暑さ・寒さ・日射・などに強いです。国産の石斛と似た小型で細茎・小葉のため水切れすると落葉し衰弱するので注意します。また乾燥意味に育てると脇芽が生育不良で咲かず年々小さくなってしまいます。
芽が出てから咲くまでの様子はデンドロビウムと同様ですが1年で咲きます。

普通の種類に比べて鉢が乾きやすく乾きや過湿に対する抵抗力はやや弱いです。
花芽が点くのは主に1年前の芽です。
新芽を育てないと来年咲きません。
春になったら鹿沼土で大きい鉢に重ね着鉢増しすると夏の水切れを防ぎ咲きやすくなります。
   
咲き終わった鉢、6月に重ね着鉢増し      抜いてみると固い根鉢になっています  根が丈夫なので外の根を根鉢からそっと外して伸ばしやすくします。
 
浅広鉢に移して隙間に鹿沼土を入れます。根が伸び乾きも抑えられます。

  
11月 1年前の太い茎の薄皮の根元に小さな青い花芽が出ました。     株の根元に次の新芽が出ました。

デンドロビウム下垂種
デンドロビウムノビル系に似て丈夫で、暑さ・寒さ・日射・などに強いです。国産の石斛と似た小型で細茎・小葉のため水切れすると落葉し衰弱するので注意します。また乾燥意味に育てると脇芽が生育不良で咲かず年々小さくなってしまいます。
親株の途中から出た高芽の枝が秋までに伸びて太り蕾を付けます。

細い茎は直立できず垂れ下がり、大きな花を咲かせます。
葉も小さいため乾燥には弱く落葉します。
生長期に水がたっぷりあると茎が太くなり咲きます。
ロディゲシー
 
6月開花 高芽が太く育ちました。

半年型のミニカトレアは、夏にに出た芽が咲いていますが、秋以降に出た芽が大きくなっています。このような次に咲く芽が出ている鉢がお勧めで、一月ほどで次の蕾が出てきます。新しく咲かせるよりも確実です。
 
花が枯れた後に新しく出た芽が伸びています。しばらく暖かい所で育てているとさらに伸びて葉の間から蕾を包んだシースが出てきます。

5パフィオペディルム
山野草のアツモリソウと同じ仲間です。根が特殊です。脇芽は葉の枚数が約8枚で咲きますが、普通の世話ではそれまでに2年以上かかります。一方病気や根腐れになりやすく、それまでの期間を無事に育てるのは楽ではありません。

一部の趣味家に人気がありますが、次の花が咲くまでに2年以上かかり、雨や乾燥にやや弱いです。
大型で緑の葉が厚く、群生して大きな新芽の付いている鉢が必須です。
出だしからの葉が8枚前後にならないと咲きませんあ、新葉は家に慣れて元気な芽でも1年には2-3枚しか出ません。
 
ベラチュラムのバーク植えの開花中の株をそっと抜いて、広くて透明の浅鉢に移し、脇芽には新葉が出始め

狭い隙間に鹿沼土を入れる、ずっと部屋の中で育てる  夏に脇芽からシースが出て秋に咲く

新五属
6オンシジウム6+ミニオンシジウムニ
黄色い蝶のような小花が枝状に咲き切り花として売られています。丈夫ですが、脇芽が高くついて根が届かなかったり、ミズゴケもミズゴケも根も腐っていたり、薄葉種のため水切れで落葉したり、半年型で脇芽が生育不良になったり等の理由で咲かずにじり貧になることが多いです。

小さくて黄色の蝶のような花の切り花を良く見かけます。
新芽を親株のように大きくすることはそれほど簡単ではありません。
半年ごとに新芽が出て生長が不十分だったり、新芽が高芽となって根が中空で水切れしたり、葉が薄いため落葉したりします。
またミズゴケ植えの場合は既に腐っていて根も危険な状態の鉢があります。
もっともふつうのアロハイワナガやスイートシュガーは半年型で、1年型なのはゴワーラムゼイだけです。
根が丈夫なので鹿沼土へ植え替えた方が近道です。
  
夏の開花株                       鉢の中はミズゴケも根も腐っています 下の方だけ取り除いて 広浅鉢に移し鹿沼土を入れます。


ミニオンシジウム
オンシジウムの原種は小さいのですが、交配種で小さいものです。ミニばやりで良く売られていますが、水切れで弱りやすいのは大型種以上です。株立ちの大型株を入手して水切りさせなければ咲きます。

原種に近い種類は高山植物で暑さに弱いです。
トゥインクルの大型群生株は、水切れさせなければ花が期待できます。
  
2月に入手した株、6月までそのまま ミズゴケは腐っていますが根は元気で新根が伸びています。ミズゴケ植えは乾燥するので鹿沼土で鉢増しします。
  
新根の周りのみミズゴケを取り除き 浅広底穴鉢に入れます。開花株から新根が伸び新芽が大きくなり始め          周りに鹿沼土を入れて完成。

 
12月花茎が伸びて蕾が大きくなりました。


7エピデンドラム
園芸的に改良され球状に色々な色の群開した鉢が売られています。洋ラン学園では「細茎薄葉種」として一括しており、乾燥意味に育てて水切れすると落葉して衰弱して咲きません。
また、ミズゴケ植えを寄せ株して化粧鉢に入れられていることが多くミズゴケも根も腐っていることが多いです。
ミズゴケ植えは寒い時期は乾かず根腐れしやすく、暑い時期には乾きが早くて撥水性になり、2-3年で腐って植え替えが必須となる家庭では厄介な材料です。
直ぐに鉢増しした方が良い代表です。

赤や黄、桃、白など色とりどりの小花が鞠のように咲く種類で、花物として売られています。カトレヤと近縁です。
冬から春に入手すると咲き続け、咲き終わると元気なら花茎から新しい枝を出して二番花が咲きます。
葉が小さいため日射や乾燥や寒さにやや弱く、落葉すると衰弱します。
群生株には脇芽がありますが新芽を大きく育てて新しい花茎を出すのは簡単ではありません。
ミズゴケ植えの寄せ鉢でミズゴケも根も腐っていることがあります。根は丈夫な方なので、腐ったミズゴケを除いて植え替えてしまいました。2016年5月
   
ミズゴケも根も腐れ        ミズゴケを取り除く                    浅広底穴鉢に置く         鹿沼土で植える

8ジゴペタラム
脇芽が出てから、十分大きくならないうちに花茎だ出て咲くという特徴があります。根は太いです。新芽は巻いているため雨ざらしで腐ることがあります。また新葉は日焼けしやすいです。

一部の店に冬や初夏に葉が大きくて紫の花の鉢が出ます。
脇芽が小さい内に花茎が出るという変わった性質です。しかし親株が元気で花芽時までに新芽が十分に育っていないと花が付きません。
生長期の水切れは禁物のようです。
また新葉は巻いていて雨に当てると水が溜まって腐ったり、直射日光では葉焼けします。
  
冬越しで傷んだ株。 ミズゴケ植えを雨ざらしで育てるとミズゴケの腐れが早まります。 根鉢を少しほどく。
 
浅広底穴鉢に移して、鹿沼土を隙間と表面に。

冬が多いですが初夏にも売られています。初夏の方が根腐れしにくいので始めるには好都合です。この例ではバーク植えなのでミズゴケのような腐れもありませんでした。少し新しい根鉢をほどいて鹿沼土で鉢増ししました。
 
深鉢に入った苗                     根鉢を少しほどく
  
浅広底穴鉢に置く        隙間に鹿沼土を入れる      表面まで覆って出来上がり

10ミニバンダ
バンダ類とと風蘭の交配種を洋ラン学園ではミニバンダと呼んでいます。バンダに比べると根腐れしにくいです。風蘭は冬は乾燥するように言われています。
ミニバンダはミズゴケ植えが多いですが低温で湿り気があると葉の根元が茶色になり落葉し枯れることがあります。
早く鹿沼土浅広底穴鉢に鉢増しするのが無難です。

大型のバンダは最も根腐れしやすく、ふつうは根をむき出しで育てます。また熱帯産で寒さにも弱いです。
風蘭との交配種は根も割に丈夫で、寒さにも割に強いです。
コチョウランと同じ単茎種で元気が良くて夏に葉が2-3枚出るようなら冬にかけて古葉の間から花茎が出てきます。
目安は株元が厚く、新根である気根が太く長く沢山出て根冠が元気なことです。
冬に寒い所で水が乾かないと葉の根元が茶色く変色し落葉して株が枯れてしまいます。
 
1年前に入手しその後重ね着鉢増し、根張りが良く新葉も良く出て花芽が付きました。

続五属
11デンファレ
デンドロビウム・ノビル系の近縁です。鉢についている説明を見ると20℃以上を保つようにというとんでもないことが書いてあります。熱帯産のため家庭では温度が低いため枯れてしまいます。最低10℃を保てれば枯れません。花の咲いた後から半年後にまた花茎が出て2番花を楽しめます。落葉させず「雨季に生長させれば、脇芽が大きくなって咲きます。

切り花やケーキの上などの花でよく見かけます。
熱帯産で寒さに弱いです。ミズゴケ植えでミズゴケも根も腐っていることが多いです。あります。
室内で暖かくしておき根が丈夫なので腐ったままにしておくより冬に植え替えて鹿沼土に変えた方が世話が楽です。
  

12キンギアナム*
オーストラリア産のデンドロビウムの1種です。小型で群生し寒さに強く根が丈夫です。芽吹きが良いので藪状になり小株になって咲かないことが多いです。

小型の品種シルコッキーです。冬に開花株を買って5月までそのままにしていたら乾き気味になりました。
  
6月初め、細長い鉢に二重鉢で植わっています  一方はバークが湿ってカビが生え どちらも根はやや干からびています。

崩れ落ちたバークはそのままに浅広鉢に入れて周りに鹿沼土を詰めました。

(12+大明石斛タイミンセッコク*)13バンダ**、



16マキシラリア
オンシジウムの近縁種です。冬咲のポリフィロステレは丈夫で寒さにも耐え、芽吹きが旺盛です。花芽は乾燥気味だと枯れて咲かないことがあります。
3月に花の終わりかけた株を入手、バーク植え
6月に過乾にならぬよう鹿沼土で重ね着鉢増し
  
3か月たって新芽が伸びています。    根鉢を少しほどく 浅広底穴鉢に根を押し付けて置き、隙間に鹿沼土を入れる
石斛(長生蘭)
風蘭(富貴蘭)

二+名護蘭
2017年
5月前半
開花株を入手 小さな鉢にバーク植え
  
2017年5月開花株を入手 小さな鉢にバーク植え、抜いてみると中心はミズゴケ植え、広い鉢を用意  新しい根は長くて元気

 
鉢に入れて鹿沼土を隙間に詰めます。              

2018年
   
2鉢花芽が出て                          18年5月、ちょうど一年後に開花、新葉が1枚だけ出ています。

5 夏、雨ざらしによる生長と、保湿

6 秋 待望の花芽

7 開花



2年目も咲かせる
大株・群生株作り
作落ちとその対策
洋ラン中学校


初めに(2019/01/28)
洋ランを育てようとする人の共通の願いである「洋ランを枯らさないで咲かせたい」
に応える方法の最初として「枯らさずに直ぐ咲かせる」を洋ラン幼稚園
「枯らさずに1年後に咲かせる」を「洋ラン小学校」として、ほぼ道筋ができました。
このように洋ラン学園では、「初めての洋ラン」から順と段階を追って色々な種類や難しさの克服を進めていこうと思います。
その時間的延長として、2年目以降も咲かせることがあります。
2年目の課題
売られている洋ランの開花株は「温室でミズゴケかバークで鉢植えで育てられた」ものです。
置き場所(住)と鉢(衣)が家庭とは大きく異なります。
このため家庭ではやや育ちが鈍くなります。
また、洋ランの多くは一度咲いた株にはもう咲きません。
開花株の脇から出た新芽が親と同じ大きさに育てば咲きますが、大抵は小さくなります。
大株や群生株を買うと、育ちが不十分でも何とか咲くのにぎりぎりの大きさになって咲きます。
しかし2年目は小さくなった親から出た芽が親からの栄養を十分受けられずに、温室よりも鈍い生長となります。
従って条件としては1年目より不利になります。
そういう条件でも咲かせるためには、工夫と努力が必要になります。
育ちやすく咲き易い鉢、有望株を選んでおくことは必須です。
その他にこれから述べることは、2年目に限らず、育ちにくかったり咲きにくい種類を咲かせるにも役立ちます。
重点、基本は1年目の「小学校」と同じ
苗:育ちやすく咲き易い丈夫な種類の、大きくてできれば群生している苗を選ぶ
衣(植え方):「ミズゴケとバークは温室でないと乾きすぎ、湿りすぎ、腐る」材料です。植え替えせずに「浅広底穴鉢に鹿沼土で鉢増し」

食:夏やその前後の暖かい季節には水をたっぷり、雨ざらしで原産地の「雨季は生長期」を再現

住:
 

まとめ



苗:種類と苗の選び方
洋ランには丈夫でよく育って世話が楽で咲きやすい種類と、寒さや病気に弱くてく咲きにくい種類があります。
慣れないうちは丈夫で咲きやすい種類でないと苦労が多くて咲きません。
また同じグループでも、大きくて丈夫で脇芽が出やすく生長の盛んな種類とそうでない種類があります。
一方、同じ種類でも大株で脇芽の成長が見込める株と、若くて小さくて脇芽の生長の望めない株とがあります。
従って開花の見込める有望株を入手しなくてはなりません。

衣:重ね着鉢増し
入手した株は、乾きやすい鉢に新しい材料で植えられて根が元気な鉢と、乾きにくい鉢に古くて腐りかけた材料で植えられて根も腐れかかっている鉢があります。
またシンビジウムを始めとして、鉢一杯に根が張り、開花株が鉢のへりにあって、脇芽の伸びる余地のない窮屈な鉢もあります。
丈夫な種類や株では植え替えしても大丈夫なこともありますが、植え替えはしない方が無難です。
そうかといってそのままでは、生育不良や根腐れになって開花が望めません。
そこでここでは全ての種類に最大公約数的にできる方法を示します。
それは、植わっている鉢からそっと抜いて、浅くて広い鉢に移し、隙間を鹿沼土で植える方法です。

食:夏は雨季・生長期
暖かくなるまでは、そんなに水はいらないため、水やりを頻繁に多くする必要はありません。
梅雨入りのころは温度が高くなって根腐れしにくくなるので、多くの種類を雨ざらしにして、さらに水やりも多くします。
そうすると脇芽の生長が旺盛になり、夏の終わりまでには脇芽の背丈が親株並みになります。
そうすると秋には脇芽が太って充実し、花芽が出てくるようになります。

住:低温期の保温と加温で開花へ
夏の高温期以外は気温が原産地よりも低くなり生長が鈍くなります。
温室を使わない場合は成長が鈍くて咲きにくくなります。
そこで夏以外の季節には少しでも日当たりと高温にすることでずっと咲きやすくなります。

洋ラン病院
病虫害は日除け・雨除け・霜除け・雪除けなどで防げます。
リンク先
2018/12/22

洋ランが枯れる最大の原因は根腐れで、その原因は植え込み材料のバークとミズゴケです。
洋ラン学園ではそれらを使わないため根腐れは激減します。
そうすると枯れる理由は殆ど天候によるものです。
直射日光による日焼け
低温と霜と雪による冷害と凍害
雨に弱い種類を低温期に雨ざらしにして各種のかび病です。
また生産者はカイガラムシを殺虫剤で抑えているので入手してから繁殖します。
見つけて取り除き、雨ざらしで幼虫を駆除し、病気にしないで予防します。
これらの対策、置き場所(住)に注意すればランが枯れることはさらに減ります。


洋ラン学園式の例

色々な方が実際にやっておられます。

洋ランの鹿沼土植え


多摩蘭友会の会員の利用


鹿沼土だけで楽しむ洋ラン・ミニ観葉
宮原俊一、農山漁村文化協会、2017年


コチョウランのペットボトル植え
宮原俊一、農山漁村文化協会、2017年
コチョウランのペットボトル栽培試験開始
http://www.ibara-minami.okayama-c.ed.jp/oshirase/hananet/hananet/H15/news34/518.html
ミズゴケを取り除いていますが、根を薄着にし、広い容器で保湿し、透明容器で中が見えるのは同じです。
岡山県立精研高等学校岡山県立井原高等学校(南校地)として新しくスタートしました。
南校地は旧精研高校校地です。新しい井原高校園芸科と家政科

洋ラン学園の講習会
日本パフィオペディルム研究会at根岸園芸にて講演 (講習会第一回)鹿沼土植え2008年6月
多摩蘭友会にて講演(講習会第二回) 2009年5月
全日本蘭協会、AJOS晴海トリトン秋の洋ラン展2013にて第一回講習会(学園通算第8回)「これまでの方法でうまくいかない人に」(1) 2013年11月2日
京葉洋ラン同好会で講演(学園通算第10回) 2014年4月6日
全日本蘭協会、AJOS晴海トリトン秋の洋ラン展2014にて第二回講習会(学園通算第8回)「これまでの方法でうまくいかない人に」(2) 2014年10月12日
サンシャインシティ世界のラン展(全日本蘭協会)にて講習会(学園通算第13回)「これまでの方法でうまくいかない人に」(3) 2015年1月10日
AJOS晴海トリトン秋の洋ラン展2015(全日本蘭協会)にて講習会(学園通算第14,15回)「これまでの方法でうまくいかない人に」(4,5)マンション編、(1)初めての洋ラン、(2)洋ランの咲かせ方 2015年11月9,10日
サンシャインシティ世界のラン展(全日本蘭協会)にて講習会(学園通算第16回)「これまでの方法でうまくいかない人に」(6)洋ランの続け方(2年目以降の咲かせ方) 2016年1月9日
AJOS晴海トリトン秋の洋ラン展2016(全日本蘭協会)にて講習会(学園通算第17回)「これまでの方法でうまくいかない人に」(7)有望株の咲かせ方と夏に始める 2016年10月8日


ご協力いただいているラン園・クラブ・趣味家・学校(リンク)

このHPの基になる研究の一部には、下記のラン園、クラブ、学校の方々のご協力をいただいています。厚く感謝いたします。
向山蘭園(シンビジウムなど全般・資材)、根岸園芸(カトレヤ、パフィオなど)、コチョウランの店/鈴鹿フラワー山田蘭園バンダのフローラ・ヤノオーキッド山本デンドロビューム園花工場(大阪)カトレヤ原種西東京発所沢植木鉢センター、(ご協力を開始いただいた順)
大阪テクノ・ホルテイ園芸専門学校日本パフィオペディルム研究会多摩蘭友会全日本蘭協会(ご協力を開始いただいた順)

また図鑑の写真や交配系統図は色々な方の物を使わせていただいています。転載をお許しいただき、そのつど引用していますが、ここには特に多い下記の方のみ紹介させていただきます。再転載はご遠慮ください。
蘭/開花株の取り扱いGallery蘭爛/蘭花Galleryカトレアの図鑑カトログ/索引交配種系統図 Abiko Orchid Room - Room Genealogyフジ園芸/花つき株リスト石の華/蘭−原種・交配種(ご協力を開始いただいた順)

検索ページ
Orchids Wiki, RHS Database


洋ラン学園
表紙、2017年版

2020/05/20 ほったらかしで花盛り
01/12 洋ランが枯れるのはあなたのせいではありません