レシピ
最初の世話
透明ポット・芯抜き・スチロール芯入り・鹿沼土重ね着鉢増し


1 初めに

初めての人でも、経験者でも、新しく鉢を入手した時から、世話が始まります。誰でも、一番枯らしやすいのは、苗を入手した直後です。
開花中の株は大抵休眠期で弱っている。
冬に咲く種類が多いので、根腐れしやすい冬から始めることになる。
新しく手がける種類のことが多く、性質が分からず、育て方も分からないことがある
開花株は、大抵植え替えが必要な時期になっており、植え込み材料が傷んだり、根腐れしていることが多い
従って、そのまま植えかえずに置いておくと、大抵根腐れがひどくなるか、してしまいます。
そうかと言って、本格的にこれまでの植え込み材料を除いて植え替えすると、苗が弱っているため、やはり、さらに衰弱して根腐れしたり枯れたりすることが多いです。
ここでは、その対策として、表題にある方法をお奨めします。
どの種類でも安全で、簡単で、共通な、「基本栽培法」をベースにしている
根の周りの植え込み材料を取らないため植え傷みがなく、どんな季節にでもできるので、すぐに処置できる
根腐れしやすく自然を傷めるミズゴケ、水切れしやすく入手しにくいバークから、欠点が少なく手に入りやすい鹿沼土に移行する

2 代表例

ランは入手したてが、最も枯れやすいです。その理由は
(1)寒くて、根が休眠している季節が多い
(2)売られている苗はすでに根腐れしていることがある
(3)ここで勧めている透明鉢でないため、湿っている時に水やりしやすい
(4)ミズゴケ植えのことが多く、寒い季節には鉢が湿った状態が続きやすい
です。
初めての人も、経験者も、新しい苗を入手すると、自分に合ったやり方に変えていく期間があります。これまでのやり方では、その方法が示されていません。

そこで、まずは花が咲いているのでそのままにしておきますが、花が終わってもそのままにしておく場合と、花が終わったら植え替えする場合があると思います。どちらにもそれぞれ問題があります。そのままにしておくと、根腐れしているかどうかが分からず、万一根腐れしていると枯れてしまいます。また、根が鉢いっぱいになっていることが多く生長できなかったり、鉢が小さめなので水切れしやすかったりします。一方、すぐに植え替えると、植え傷みしてその後2年位は生長が悪く花が咲かなくなることが多いです。
(1)低温期に開花株を入手したら、まず、透明で一回り広い容器に移す
こうすると、鉢の中が乾くのを確かめてから水やりでき、乾きが良くなって、根腐れが防げます
(2)暖かくなって根が伸び始めたら、鉢底に発泡スチロールの芯を入れ、隙間に新しいバークか鹿沼土を入れる(重ね着
こうすると、「これまでより一回り大きい鉢にバークか鹿沼土で芯入り植え」にできます。ミズゴケ上だった場合は、そのままだとミズゴケが芯に残ってしまいます。そのままでも構いませんが、根鉢の底の根を広げると共に、根のない中心のミズゴケを取り除いて代わりに発泡スチロール芯を入れると万全です。

鉢からはみ出していたマキシラリアを一回り大きいポットに入れて(左)、隙間に鹿沼土を重ね着(右の左)





3 各種類の例

ミニカトレア(素焼き鉢、径6cm、ミズゴケ腐れ→透明ポリポット底板芯入り、鹿沼土重ね着鉢増し)

素焼き鉢のままほぼ1年育てましたが、過乾・過湿になりやすく、根腐れの心配もあるので植え替えることにしました。
 
抜いて見ると、ミズゴケが古く、根は大部分が枯れたり腐ったりしています。やや健康な根の周りのミズゴケを残して後は取り除きます。

エピデンドラム(素焼き鉢、径6cm、ミズゴケ腐れ→透明ポリポット底板芯入り、鹿沼土重ね着鉢増し)

出荷まで、素焼き鉢小鉢ミズゴケ植えのまま促成栽培された苗は、一方はミズゴケが古くなり中が根腐れしていました

 

素焼き鉢植えの苗 右はミズゴケが茶色く古くなっており中は根腐れしているので大きく取り除きました。

 

一回り広い透明ポットに発泡スチロールの底板と芯を入れて苗を載せますほぼ植え替えに近いです、  周りから鹿沼土を流し込んで完成


セロジネ(厚手プラスチック鉢、径6cm、バーク→透明ポリポット、径cm、鹿沼土重ね着)

 
一重の隙間のある根鉢になっています   底を抜いて発泡スチロール棒の芯を入れます

一回り広い透明ポリポットに、底にスチロール板を敷き、苗を入れて周りから鹿沼土を入れます。根元まで覆います。

長生蘭/セッコク(素焼き鉢、径6cm、ミズゴケ)

  


2011.3.25-