洋ランのレシピ
洋ランの肥料
緩効性肥料を春1回置肥にするだけ、液体肥料は要りません

目次
初めに

1 初めに

洋ランの肥料は、昔は油粕が用いられていましたが、今は粒状の化成肥料か、液肥が主流です。園芸書には、秋にはやってはならないとか、生長期・充実期・開花期にはそれぞれ窒素系、カリ系、リン酸系と別のものをやらなくてはならないとか、液肥は規定より薄くとか、詳しく書いてあって、その通りにやるのは大変です。立派な花を咲かせたいとか、花芽が葉芽に変わるのを完全に避けたいとかのために言われているようです。とにかく咲けば満足という段階では、難しく考える必要はありません。また、小さい苗を咲かせるには気を使う必要があるかもしれませんが、大株に育てれば抵抗力が出ます。また、液肥は繰り返し掛ける必要があるので、化成肥料の置き肥の方が手軽です。

2 肥料とそのやり方

種類
草花や球根では植えつけの時に化成肥料を元肥として入れます。最近の化成肥料は、徐放性(緩効性)と言って、長期間に亘って、粒から少しずつ滲みだすために、一度やれば1年近くもつものがあります。
洋ランでも最近は、蘭専用と言って持続型の化成肥料の顆粒が売られています。
「高級種」にはラン専用肥料、大量に使い丈夫なシンビジウムやキンギアナムなどの強健種は一般の園芸用の顆粒状の緩効性化成肥料と使い分けることができます。
時期
安全策・植え替えた場合はしばらく待ってから
春に植え替えをする時期は、芽や根が伸び始めてからが良いとされています。肥料は一般に植え替えて根づいてからの必要があると言われています。そうすると
、それから適量の肥料を鉢の表面にばらまけば、施肥は終わりということになります。
省力・植え替え時に元肥として
しかし、それでは、生長を開始してからしばらくは肥料の無い状態が続きます。また、植え替えた後で改めて肥料をやるという手間もかかります。
草花や球根は根がむき出しなので、根に肥料が付かないように初めは肥料をやらないと考えられます。洋ランの根は厚いスポンジ層に保護されているので、肥料に直接触れることがありませんから、緩効性肥料なら最初からやっても被害は少ないと考えられます。
秋には肥料分が無くなるように?
花芽が付くころには肥料分は無くなっていなければならないと言われますが、それほど神経質になる必要はないでしょう。

一般園芸用の緩効性の顆粒状の化成肥料は、説明書に鉢の大きさに応じた量が書かれています。洋ラン専用肥料では、説明書通りで良いでしょう。
洋ランでは、水やりの頻度が一般園芸より少ないのが普通です。また、植物の吸水量や生長量も少ないので、肥料の必要量も少なくて良いと考えられます。それと、洋ランの植え込み材料に使われるミズゴケやバーク植えでは、一般園芸に使われる土に比べて肥料の効き方が異なります。従って、一般園芸の半分が一つの目安です。
普通の洋ラン栽培では、高温期には水やりを毎日するとされています。このHPでは、2-3日に1回と少ないので、肥料の溶け出しが少ない代わりに鉢からの流出も少ないです。また、芯入りのため、植え込み材料の量が普通の場合より少なくなっています。以上を総合してやや少なめが無難と思われます。

参考までに例として向山蘭園さんの洋ラン専用肥料(窒素・リン酸・カリ=13:13:13、微量要素入り)の量の目安の表を転載します。
植え替え時の元肥または、植え替えない場合は4月(生長期の追肥)、効き目が6-9カ月持続するので年1回だけで良い
料理用の小さじはすりきりで5g、大さじは15gだそうです。
カッコ内はミズゴケの場合(バーク植えの半分)

シンビジウム デンドロビウム
コチョウラン・カトレヤ
オンシジウムなど
3
1(0.5)
472(1)
5
3(1.5)
615
718




シンビジウムの鉢の表面に、緩効性の化成肥料の粒を適量
撒いた処

頻度
一般園芸用の緩効性の顆粒状の化成肥料は、効果が数か月持続するとされています。従って周年効かせようとすると年1回では足りないはずです。しかし、洋ランは一般に雨季に栄養生長し、乾季には休眠しながら花を咲かせるので、1年中肥料が必要なわけではありません。むしろ、花芽の付く晩秋には肥料が残っていると花芽が付かなかったり葉芽に変わってしまったりと言う害があるとされています。従って、春に1回肥料をやって夏まで効いていれば十分と考えられます。一般園芸に比べて水やり頻度が少なく、肥料の必要量も少ないので、長持ちすると考えられますから、秋にもう一度やることはありません。
なお、この頃は農業用を中心に、最長で365日も効くと謳われるような徐放性肥料があります。例えば90日とか180日と言われている肥料なら、文字通り春から秋まで肥料が効くのでなおさら年1回で十分になります。

置肥より元肥

球根や苗を植え付けるときには、元肥を入れます。そうすると後で追肥をする必要はありません。一方洋ランでは、春に植え替えて1月位してから置き肥するのが当たり前になっています。確かに昔油粕などをやっていた時には奏しないと根が傷んだかも知れません。しかし、一度に濃い肥料が溶け出すことのない緩効性肥料を、しかも、肥料を余り必要としない洋ランには、ごく少量しか与えないと考えると、元肥として与えても問題がないのではないかと思います。
そこで、植え替えや鉢増しと同時に元肥として与える方法を試してみます。ちょうど鉢をいじっている時なので行き届いたやり方ができ、後から改めて一鉢ずつねもとにやる手間が省けます。
植え替えなどをしないと判断した鉢も点検のついでに肥料をやれば後でやる必要がありません。

液体肥料は不要
洋ラン栽培では、生長期には10日から2週間ごとに液体肥料を水の代わりにやる方法が提案されています。また、植え替え後などで、根からの吸水が少ないときには葉面散布してやるという方法も薦められています。
野菜やバラの養液栽培ではリンを含む過剰な成分が環境に出ていくことが問題になっています。洋ラン栽培程度では微々たるものかもしれませんが、液肥を日常的に撒くのはそれと似ています。また、肥料は、植え込み材料を賛成寄りにする恐れがあります。


4.9 置肥より元肥
2011.4.5 肥料の量と頻度、液体肥料の問題点
2010.7.4掲載開始