チェンジ
ミズゴケはやわらかく



目次
初めに

1 初めに

ミズゴケ植えについては、その硬さが問題になります。例えば苗を引っ張っても鉢から抜けない位、というように、一般に固く詰めるのが良いとされています。これも、水やりの手間や、育ちの良さの違いなどを想定してのものと思われます。
固さの程度が人により変わるということは、固くすることが必須ではないということでしょう。
しかし固さについては、別の視点も必要と思われます。固く植える時の欠点はいくつかあります。
(1)植え替えの時に根から外すのが大変、植え込む時も根の間に詰めるのが大変
(2)乾いたときに水を吸わなくなる程度がひどくなる
(3)ミズゴケの量がたくさん要る、費用がかかり、省資源・環境保全の点から有害です。
このような欠点を補うほど、固くする必然性があるとは思われません。

2 柔らか植えの利点

それでは、柔らかく植えるとどのように良いでしょうか。
(1)いうまでもなく、ミズゴケの量が少なくて済みます、固い場合の半分程度です。
(2)植え替えの時に根から外すのがとても簡単になります
(3)植え込む時も、根の間に挟んだり、全体を包むようにするだけで、とても簡単になります
(4)乾いたときに、水をやると、水が全体に通りやすく、水の弾きが少なくなります

3 柔らか植えのレシピ

ミズゴケの準備

ミズゴケは乾いたものが固めて売られています。植えつけ前には湿らせるか濡らせておくこととされています。固植えにしようとすると、前の日から水に浸けておいた方が良い、ことになりますが、柔らか植えならその必要は無く、直前に水につけるだけで十分です

根から古いミズゴケを取り除く

固植えにされていたものは、取り除くのが厄介ですが、全て取り除くようにします。
柔らか植えなら、大部分は鉢から抜き、外からつまんでいくだけで殆ど取り除くことができます。

根をミズゴケで包む

小さい苗では根の中心に発泡スチロールの芯を入れ、大きな苗では根と根の間に芯棒を挟み、芯と根の間や根と根の間に、縦に伸ばしたミズゴケの繊維を挟んでいきます。細かいところはピンセットを使うとよいでしょう。力は全く入れません。根の1本1本を薄いミズゴケ層で包むような積りで、着生ランのむき出しの根に近い薄着になっています。

鉢に入れる

ほぼ鉢の大きさになったら、そっと鉢の中に入れます。ミズゴケと鉢の間の隙間や、根がむき出しになっている処に、上からミズゴケの繊維を挿入し、根を包むようにすればできあがりです。固く詰めるよりもずっと簡単で、ミズゴケの量は半分程度に少なくなります。芯入りにすることにより、根の周りの必要なミズゴケは減らさずに、さらに少なくなっています。

2010.9.15掲載開始