チェンジ
洋ランの土寄せ・土入れ・土増し(上からと横から)




目次
1 初めに
2 色々な土寄せ
 オンシジウムの土寄せ・深植え
 カトレヤの土増し
 パフィオ・コチョウランの土増し・カトレヤ
 コチョウラン・フォーミディブルの土入れ
3 根入れ:根を植え込み材料に入れる
 コチョウラン・バンダの根入れ

1 初めに

野菜作りでは、伸びるに従って、根元の土を高くしていく「土寄せ」は、ネギ、ジャガイモ、大根など多くの種類で行われますが、洋ランの本などには「土寄せ」が見当たりません。
オンシジウム・カトレヤ・セロジネなどでは脇芽が段々高い処から出たり、コチョウランやカトレヤ・バンダなどでは根が表面や空気中に飛び出したりします。
普通は、「元気のよい証拠」とか、「」ほったらかしにするように言われています。しかし、それは、温室で毎日水やりするなど、根に湿りが与えられている場合のことだと思います。
貴重な少ない根を活用したり、根の水分を保つためには、それらをうまく植え込み材料で包んでやると、生長が良くなったり、高温期にそれらの根が枯れるのを防いだりできるので、良いと思います。特に梅雨明けころには根が充実してどんどん出てきて、どんどん生長させたい時期です。
コチョウランやバンダなどでは飛び出した根を植え込み材料に入れてやるもの有効と思います。
同じように秋にかけては根が伸びて、鉢の内側に沿ってどんどん出てきます。薄い軟質のポリポットでは、やや変形させながら縁から植え込み材料を挿入して根を外側から覆ってやることができます。そうすると、根が乾かずに十分給水できるようになるので生長が良くなります。
オンシジウムなど芽が高くなっていってしまう種類には、適当な方法で「深植え」にしていくのも有効と思われます。
勿論、鉢増しをしてやってもよいのです。鉢増しにならって、土増しと呼ぶことができると思います。

2 色々な土寄せ

土寄せ:新しい脇芽から根の出る位置が高い場合

オンシジウムやカトレヤなどで、脇芽が出ると、根元から新根が出始めます。この時、根元が空中で、出始めの根も空中です。高温で乾燥が続くと、これらの気根は枯れてしまいます。根元に植え込み材料を加えて、早く届くようにしたり、ある程度伸びている根の先だけでも植え込み材料を被せてやります。

土増し:根が植え込み材料の表面に伸びている場合(上から)

パフィオペディルムなどで、新根が植え込み材料の中に入っていかずに表面を這っていることがあります。これにも植え込み材料を被せて、数少ない根を大事にしてやるとよいでしょう。
コチョウランは、新しい根が葉と葉の間から出るので、最初は気根になります。植え込み材料の調子が良い場合は、下に伸びて表面に達し、中に入っていきます。表面を這うようなら、植え込み材料を加えて覆ってやります。

土入れ:根が鉢の内側に伸びている場合(縁から)

透明ポットに植えると、根が鉢の内側に沿って伸びていくのが見えます。内側は植え込み材料に接していますが、外側は裸で、水を吸うことができません。透明ポリポットが柔らかいのを利用して、根鉢と、ポットの間に隙間を作り、植え込み材料を入れて、根の外側を包むと、根の吸水が良くなり、生長も良くなります。

3 根を植え込み材料に入れる

コチョウランは元気が良いと、新しく気根が出たり、前からある気根やその枝が伸びて鉢の外に出てしまいます。同じく単茎種のミニバンダも同様です。バンダを巻き寿司植えにすると、一般家庭でも楽に元気に育てられ、夏には植え込み材料の中の根から枝根が出たり、株元から新しい気根が出たりして、植え込み材料の外に根が伸びてきます。これらは放っておくと、むき出しなので弱ってしまいます。そこで、注意しながら少し曲げて、植え込み材料に入れてやります。カトレヤの脇芽が鉢の外に伸びて、根元の新根も外に伸びてしまったものは、難しいです。



11.1 鉢のヘリからの土入れを土入れ・土増し命名
10.9 根を植え込み材料に入れる追加
2010.8.22掲載開始