前書き
日射
雨ざらし
低温
冬の室内日陰
洋ランの病気は、低温、雨ざらし、日焼けにより発症するものが大半です。従って、寒い季節は室内に取り込む、雨ざらしにしない、日除けをするなどの予防策が必要になりますが、それらは手間がかかり、雨や日射の恵みを減らすことにもなります。
このHPでは、放任栽培や、無農薬栽培をめざしています。多くの種類をこのような予防策を取らないで育てていても、致命的な障害が起きるのはごく一部の種類や、多くの株の中の一部であることが分かりました。
多少の病気程度なら、手間が省けるか、全体として雨や日光の恩恵の方が大きいと、考えることもできます。
そこで、これらの予防策をしないとどのくらい病気になるかを調べてみることにしました。
2010年
ミニコチョウランを水やりして、短時間外に置いていた処、運悪く日が照って、日焼けしてしまいました。時間が短く軽症だったティン・シン・アリスは致命傷にならず、葉に白い跡が残っただけでした。
2011年
春
4月にコチョウランを除くほぼ全ての種類を屋外に出して、基本は木漏れ日や物陰や棚下で遮光していますが、短時間直射日光に当たることがあります。
ジゴペタラムは短時間直射日光に当たっただけで、葉が茶色っぽくなりました。
カトレヤやミニカトレアは、大型種でいくらか直射日光に当たった葉が部分的に日焼けしました。
エピデンドラムも直射に当たる時間が長く、葉が変色しています。
オンシジウムは日焼けしにくくなっています。
日焼けしやすく、弱光種とされることがある、パフィオやセロジネは、遮光しているためか余り日焼けしません。しかし、朝夕の直射でいくらか傷んでいるようです。
雨ざらしにすると、一部の種類の一部の鉢の一部の新芽が枯れたり腐ったりすることがあります。カトレヤ、パフィオペディルム、ジゴペタラムが代表的です。ただし鉢ごと枯れてしまうのは、パフィオの小苗くらいで、他の苗は、新芽が一つ駄目になる位なので、無視することもできます。
また、コチョウランを雨ざらしにしたら秋が深まるにつれ炭疽病が発症し見る見る家に重症化・伝染して、多くの鉢が枯れました。
春
4月初めにコチョウランを除く全ての種類を屋外に出しました。一部は南や北の軒下、一部は多段の棚の棚下でいくらか雨は減りますが、全般的に雨ざらしで育てています。
4月30日 ジゴペタラムの冬に開花した新芽の一つが、芯から茶色に枯れました。全部で10株近くある内の一つです。
2010-11
高温種
グラマトフィラムを11月一杯まで屋外に置いていた処、それまでに葉が変色し、新芽が茶色く変色し、室内に取り込んでからも、大株に至るまで茶色くなって枯れてしまいました。
カトレヤの大型種は高温性に近いとされていますが、テラスから12月半ばになってから室内に入れたので、最低気温は気象庁の報告でも1.5℃になっていたはずでしたが、目に見える害はありませんでした。
バンダも同じ扱いでした。春先から落葉が続いていますが、低温のせいか、室内で日に当たらなかったせいか分かりません。
中温種
他のすべての中温種には12月半ばまで屋外に置いて最低気温が1.5℃まで下がったことの害は見られません。
低温種
キンギアナムと大明石斛を屋外で年を越させた処、雪が降ったりして、葉が白くなりました。それからは、まずは、テラスの奥の方に移しました。大明石斛は大半が白くなってから、室内に取り込みましたが、落葉し、バルブも相当数が茶色っぽくなってしまいました。キンギアナムは葉が沢山白くなって落葉しましたが、テラスのままで、零下の予報の日は霜除けに薄いネットを被せましたが、バルブまで傷んだものは少ないです。
デンドロビウムも、テラスで越冬させ、後ではなるべく奥の方に置き、ネットを被せましたが、多くの葉が落葉し、花芽が傷んで咲きませんでした。
シンビジウムは、テラスで越冬させたら、最初は葉が霜害で白っぽくなり、一番外寄りに置いたせいか、途中から霜除けネットを被せましたが、大型種は、多くのバルブが枯れてしまいました。小型・下垂種は内側に置いたので、葉が枯れる程度で済み、春になってから花茎が伸びています。