洋ラン学園の苗と衣食住の4原則

洋ラン学園では花の咲く苗の選び方と、易しくて枯れずに咲く世話の仕方を衣食住になぞらえて原則としています。
それは下記の考えに基づいています。
1 枯れる、咲かないは、あなたのせいではありません。
(1) 洋ランが枯れるのはあなたのせいではありません!
洋ランは未だに枯れる、咲かない、が普通です。
これは洋ランが難しいとか、うまく世話ができないからと思われています。しかし
洋ランが枯れる最大の原因は、「ミズゴケやバークで鉢に植えること」そのものにあるのです。
(2) 洋ランが咲かないのはあなたのせいではありません
咲かないのは苗が小さいから

以下は表紙に書いた要点です。
ここでは具体例で詳しく説明します。


1 洋ラン学園の苗と衣食住の4原則


洋ラン学園では「これまでの方法でうまく行かない人」向けの「温室を使わず易しい育て方・咲かせ方」のポイントを「苗と衣食住の4原則」で説明しています。



原則
1
大きくて脇芽付きの有望株入手
2植え方野生に近い根を薄着の植え方
3水やり雨季(夏)に雨ざらしで大きく育てる
4置き場所日よけ、雨除け、防寒、冬知らず、霜よけ

(1) 洋ラン学園の「枯れない植え方」(衣)

浅広底穴鉢に鹿沼土で植えた洋ラン
四原則の「衣」
洋ランが枯れるのは大抵根腐れによります。
温度の高い季節には根腐れの心配はありません。
ミズゴケやバーク植えは冬に乾かず根腐れしやすく、夏は水をはじいて水切れします。また2-3年で腐るので植え替えが必要になります。
鹿沼土は適湿を保ち腐らず植え替えが不要です。
慣れないうちは植え替えずに一回り広い鉢に移して隙間に鹿沼土を入れる「重ね着鉢増し」が安全で易しいです。
コチョウランとバンダ以外は鹿沼土植えで元気です。どの種類も同じやり方なので簡単です。2018/12/20
(洋ラン学園の校訓、2019/01/26-)
 
シンビジウム鉢増し、オンシジウム(左)とエピデンドラム(右)植え替え
  
デンドロビウム植え替え、セロジネ、パフィオ冬に開花株を入手し春に浅広底穴鉢に鹿沼土一粒分重ね着鉢増し。

(2) 洋ラン学園の「咲かせる水やり」(四原則の食)


洋ランが咲かない最大の理由は「水切れによる新芽の生育不良」です。
殆どの洋ランは花が咲いた後に脇から新芽が出て1年かけて親と同じ大きさに育って花芽を出します。
慣れないうちは腐るのが心配で水やりが不足します。すると新芽が育たず花が付きません。
原生地では、雨季に生長します。日本では夏が雨季で生長期です。
普通の種類は梅雨の時期から秋の初めまで雨ざらしにして水やりも多くします(下右写真↓)。
夏を挟む高温期には殆ど根腐れはありません。
苗と衣食住の四原則の「食」2018/12/22

(3) 洋ラン学園の温室代わりの置き場所(4原則の住)

  
洋ランの原産地は亜熱帯か熱帯です。
日本の気温は夏を除いて洋ランには寒いのです。
北回帰線上で熱帯の端にある沖縄では冬でも屋外でコチョウランやデンファレが咲いています。
熱帯産の植物は10℃(沖縄は年間を通してほぼ10℃以上)を下回ると傷みます。
一番強いシンビジウムは零下5℃でも雪除け霜除けしていれば凍死しません。
夏以外は保温・加温すると安全で良く生長し咲きます。
夏は木陰物陰で丈夫な種類は雨ざらし 2018/12/22

(4) 洋ラン学園の「苗半作」(4原則の苗)

大半の洋ランは開花親株から出た新しい脇芽に花が付きます。
親株が十分大きくないと、温室を使わず経験も不十分な育て方では新芽が大きくなりません。
また種類によって大きさや芽吹きの良さや生長の旺盛さが違います。
果菜作りと同じで大きくて有望な苗を選ぶことは必須です。2018/12/22
  
大明石斛右は開花大株左は作落ちした小株、デンドロビウムの右大株と左小株、ミニカトレアの開花株の隣に蕾のある有望株